初めまして、EdFuture代表の中村柾と申します。

千葉県の松戸市で4年間中学校の英語教員として働き、この秋からスタンフォード教育大学院で教育とテクノロジーについて学びます。今まで海外35ヵ国に行き、スワジランド、インド、ホンジェラスの学校で2ヶ月ずつボランティアをしてきました。その後、「生徒の世界を広げたい」という思いで、公立中学校教員として生徒に英語や世界のことについて教えてたり、コロナ禍では無料オンライン授業をする「オンライン寺子屋」という団体を運営してきました。現在はオンライン寺子屋を発展させ、多様な教育機会の提供を目的としたEdFutureというNPO団体を設立しました。今回は「高校生向けの格安留学プログラム」の資金の準備としてクラウドファウンディングをします。

自分が実現したい社会は「誰もが海外に挑戦できる機会があり、将来の選択肢を広げることができる社会」です。様々な経験をすることが将来の選択肢を広げることにつながると思います。「体験格差・経験格差」と叫ばれる中で、誰もが多様な機会に挑戦できればと考えています。
 トビタテ留学JAPANや多くの奨学金制度など海外支援が増えてきたのは一方で、高い倍率からその選考から漏れてしまう人が多くいるのも事実です。また、そのような奨学金に申し込むには、「ハードルが高くそもそも申し込まない」人も多くいるのも生徒と4年間関わってきて感じました。このようなハードルを下げるために、できるだけ「簡単な選考プロセス」で誰にでもチャンスがある留学プログラムを準備しています。

自分自身が世界の国を見て、様々な人と交流して、「自分の世界が広がる」経験をしました。そして、自分がいた環境以外にも様々な「世界」や「選択肢」があり、価値観や考え方も多様だと気づきました。大学生の時に初めてアメリカに行き、「人種」「ジェンダー」「性」「宗教」「差別」など今までに考えたことがなかったことを知り、自由を尊重する文化に影響を受けました。また、アフリカで娘と結婚してくれと言われたり、兵役を終えて世界一周をしているイスラエル人と話したり、ブラジルであった旅人とペルーで再会したり、多くの人との出会いがありました。海外に行くことで、人と交流し、温かさを感じ、人間的に成長できました。より多くの人が「海外」に行くことで、多様な価値観を受容できるのではないかと思いました。
 しかし、一方で近年の留学する人の図が以下です。2018年度まで増えていましたが、2019年度は減り、コロナウイルスの影響で2020年、2021年と留学ができない状況の中、今後「海外に行きたい!」と挑戦する人が少なくなることが危惧されます。

出典:2021年3月30日 文部科学省「外国人留学生在籍状況調査」および「日本人の海外留学者数」等

「英語」 を勉強する意義をできるだけ早く体感する
 学習指導要領の改正で英語教育の導入早まり、 現在は小学生3年生から英語を学んでいます。 しかし、日本にいると英語を使用 しなくても生活できます。 英語学習が早まったのと同時に、 「なぜ英語を学ぶのか」 「英語を学ぶとどんな良いことがあるか をできるだけ早く体感することが大事であると考えています。
高校生の短期留学が、 海外大学進学 大学生の長期留学につながる
 「トビタテ!留学JAPAN」 の担当者と話したところ、 「トビタテ!留学JAPAN」に申し込む学生は、申し込む前に 「短期の海外留 学を経験していることが多い」とのことでした。 できるだけ早い段階で海外の文化を体感し、 海外大学院への進学や大学生の長 期留学につながれば良いと考えています。

 より多くの生徒に海外の面白さを伝えたいと思い、実際に公立英語科教員として2018年から4年間働きました。自分の海外の旅の話をしたり、千葉大学の留学生をクラスに招待したり、クラウドファンディング(掲載は終了しました)でミャンマーに100人インタビューしてその様子を生徒に見せたり、様々な部分で教室の生徒と世界を繋いでみました。すると、多くの生徒が「海外に行ってみたい!」と言ってくれるようになりました。(もちろん全員ではないですが) 「世界に挑戦してみたい」と思うようなマインドセットが少し育まれたのではないかと思います。
 教えた生徒からは、以下のコメントをもらいました。

 しかしその一方で、「実際に海外に行く」となるとやはりそう簡単には行かないものです。手続きの問題、留学プログラム探し、パスポート、ビザ、保険、資金の問題などしなければいけないことが多いです。海外へのハードルを分類すると以下になります。

 これらのハードルを自力で超えるのは相当大変です。このハードルをクリアできるのは、一部の限定された人であり、このハードルが高いからこそ、「体験の機会」に「差」が出てきてしまうのです。
 前述したように、①の心・マインドセットのハードルは4年間教員として働き、解決することができたと思います。
なので、現在考えているプログラムでは、
②制度のハードル 
③お金のハードル 
の解決を目指します。

 このプログラムはアメリカのカリフォルニアのパロ・アロトで1週間学ぶプログラム。その名も「ワールド寺子屋」、「世界中が学びの場」であるという思いで名付けました。
「ダイバーシティ」と「世界の最先端」の街 カリフォルニア州サンフランシスコでの1週間のプログラム

 今回高校生が学ぶのはカリフォルニア州です。アメリカの中でも民族・人種が特に多様なカリフォルニアはまさに「人種のるつぼ」の象徴の州。また、今回は世界最先端の企業が集まる街でシリコンバレーのど真ん中であるサンフランシスコの現地高校と提携する予定です。
 この「ワールド寺子屋」のコンセプトは「世界を知って、自分を知る」というコンセプトです。カリフォルニアで世界を体験し、いつもと違う環境、文化、言語、食事、マナー、価値観を通して、自分について再発見します。 

 海外の「いつもと違うInput」を吸収し「いつもと違うOutput」「自分」を通して出します。また自分自身を知るためには、「比較」をするということが一つの手だと思います。「相手を知り、自分を知る」「海外を知り、日本を知る」ことで、自分について再発見できると考えています。学習デザインには「経験学習モデル」を採用し、「リフレクション」をしながら学んで学んでほしいと考えています。「経験学習モデル」は、「自らの経験から、独自の知見を紡ぎ出す」学習モデルです。

中原淳. (2013). 経験学習の理論的系譜と研究動向. 日本労働研究雑誌, 55(10), 4-14.より

留学プログラムの特徴は以下の3つです。
1、語学学校ではなく、現地の高校で学ぶ

多くの留学プログラムでは語学学校に行くことが多いですが、このプログラムでは現地高校と提携して行います。日本語学科のある日本文化に興味のある学生と交流します。近くにはスタンフォード大学があるパロ・アルト周辺の高校で1週間学びます。
2、日本人学生1人1人につく、Buddy制度

「留学で友達ができないのではないのか?」と不安になる方もいるかもしれないですが、当プログラムではBuddyシステムがあります。このBuddyシステムは「日本人一人につき一人 Buddy」がついて、1週間サポートしてくれる仕組みです。ホームステイもBuddyの家に泊まり、プログラムの終わりには別れるのが寂しいほど仲が深まります。
3、20万円以下の格安の留学

「できるだけ多くの人に参加してもらいたい」という思いからプログラム費を20万円以下に抑えたいと考えています。
通常の留学プログラムでは授業料だけで20万円前後、更に航空費や滞在費を含めるとかなり高額になります。
今回のプログラムでは、は現地の高校で学んだり、JALの格安航空ZIPAIR、ホームステイを活用する、クラウドファンディングの支援で格安留学を実現したいと思っています。

1週間のスケジュール(予定)
1週間のスケジュールは以下を想定しています。

土曜日に到着し、ホスト&Buddyと合流します。
日曜日はスタンフォード大学のキャンパスツアーに参加したり、スタンフォードにいる日本人の学生と交流します。

月曜日〜金曜日は現地の学校で授業を受けます。
授業は主に3種類です。
①現地の生徒と一緒に受ける授業
②現地の日本語学科の生徒の授業
③日本人高校生のみの英語の授業
午後はクラブ活動に参加したり、フィールドトリップ、観光などの時間になります。
日本語学科の生徒の授業では、共同プロジェクトを実施して、週の最後に発表する授業を予定しています。

大隈塾コミュニティマネジャー 一般社団法人ストーンスープ代表理事 村田信之さん
『いま、ビジネスの世界では「越境学習」というのが注目されています。自分が働いている会社、業界を「ホーム」だとすると、それとは違った業界、環境、コミュニティを「アウェイ」とし、「ホーム」と「アウェイ」を行き来することによって、自分の知識や見解や哲学を広げ、スキルを新しく獲得できる、というのが越境学習です。 「ワールド寺子屋」が基本コンセプトとしている、「いつもと違うInput」を吸収し、「いつもと違うOutput」を「自分」を通してだす、ということです。 ただし、越境学習で重要なのは、ホームとアウェイを「行き来する」、ということです。今回のワールド寺子屋での短期留学が第1回目のアウェイ体験、日本に帰ってきて家族や友だちに学んできたことを語ることがホームの第1回目。さて次のアウェイはどこか、そのまた次のアウェイはどこか。ホームに帰ってきて、どんなことを話すか、どんなに驚いてくれるか。考えてみると、ワクワクしてきませんか? このワクワク感を、意欲ある高校生たちに体験してもらいたいですよね?!』

株式会社Stapia代表取締役 平岡慎也さん
『自分が海外に興味を持ったのは大人になってからです。何かを学び出すのに遅すぎることはないと信じていますが、もっと早く海外に興味を抱いておきたかったという後悔がないかというと嘘になります。テクノロジーだけでなくエンタメに多様性、カリフォルニアはあらゆる面で魅力に溢れています。そんな世界最先端を走る街を舞台に、教育のプロフェッショナル達が学びのデザインをする「ワールド寺子屋」は、参加する高校生達にとっても一生忘れられない経験になるはずです!情熱あふれる高校生達が少しでも挑戦をしやすくなることを願って、プロジェクトを応援しています。』

コロンビア大学 小林さやかさん
「私もいまニューヨークに留学中ですが、日本の素晴らしいところも深刻な課題も、一歩外に出て初めて理解できるなあと感じています。一人でも多くの後輩が、素晴らしい経験をできますように、心から応援しています!!」

お茶の水女子大学グローバル協力センター講師/日本ブータン研究所代表 平山雄大先生
「大学で海外実習科目を担当していますが、短期間であっても参加学生は確かに変容し、成長していきます(それが良いプログラムであれば尚のこと!)。海外での非日常の経験は、自らの「世界」を広げる貴重な機会です。高校生を対象に、その機会創出に全力で取り組もうとしているEdFutureの挑戦を応援しています!」

目標金額は現在150万円に設定しています。具体的な資金の使い道は以下になります。
1、プログラム参加費用の減額:80万円  (参加者 20人× 一人当たり4万円)
2、団体活動費:55万円
3、クラウドファンディングの手数料+税:15万円
現在、留学プログラム参加費は22万円に設定しています。以下が内訳になります。

22万円は一般の留学プログラムと比べてかなり安い値段設定ですが、教育費用に22万円をどの家庭がすぐに出せる価格ではないです。ですので、プログラム全体の費用も22万円から更に18万円に下げることで、より多くの人が参加できるプログラムにできたらと考えています。
 また、支援金が集まることで、プログラムの運用費を更に減額する仕組みを考えています。18万円でも高額なので、必要に応じて更に減額してチャンスを広げたいと考えています。

・英語や海外に興味のある高校生
・何かに挑戦したい、一歩踏み出したい、情熱がある高校生
・本制度で実施する事前・事後研修に参加する高校生
 ※英語資格や検定不要、学力
このワールド寺子屋プログラムでは、「幅広い高校生」に参加してもらいたいと考えています。そのため、英語の資格や検定は不要です。それよりも、「何かに挑戦したい、一歩踏み出したい、情熱がある」高校生全員が対象です。このプログラムが、「高校生の今後の人生に良い影響を与えるきっかけ」になればと思います。
選考方法
<1次審査>・志望動機1000文字以上1500文字以下
<2次審査>・面接
できるだけ多くの高校生に応募できるように、選考方法などはできるだけシンプルになっています。
1次審査では1000文字以上1500文字以下志望動機のみです。情熱を伝えてもらいたいと考えています。
また、2次審査では面接をして決定します。

2022年7月の状況では、実施可能です。現在の状況は以下です。
・日本からアメリカへの入国規制、隔離期間がない。
・アメリカから日本への帰国規制、隔離期間がない。
詳しくは外務省のページをご覧ください。
しかし、今後の日本政府・アメリカ政府の方針の変更によってはプログラムを延期する可能性があります。延期判断は実施1ヶ月前までに行う予定です。その場合今回の支援金は、延期された際に使用します。

2022年 10月  参加者募集開始
2022年 11月  1次審査、2次審査実施 
2022年 11月  参加者決定
2023年 1月  5回の事前研修開始(オンライン) 
2023年 3月  短期留学プログラム実施 
2023年 4月  留学報告会実施

※コロナ感染状況に応じた対応や中止可能性等

こちらは基本的には実施を考えていますが、政府の方針などで海外渡航の制限などがかかった場合は1ヶ月前までに判断しようと思います。

リターンは現在以下のものを用意しています。ぜひご興味のあるリターンをお選びください。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

今回は「ワールド寺子屋」のパイロットプログラムとしてクラウドファンディングを行っています。今回のモデルを試し、改善しつつ、今後第二回、第三回の実施や修学旅行や自治体とのコラボも視野に入れています。より多くの高校生が海外に挑戦できるモデルを検討していきたいと思っています。

今回のクラウドファンディングで少しでも「挑戦する高校生」が増えたらと思っています。自分自身にとっても挑戦ですが、挑戦する背中を見せながら、一緒に参加する高校生と成長できたらと思っています。少しでも共感してくださる方がいらっしゃったら、協力していただけたらと思います。よろしくお願い致します!

<EdFuture(前身オンライン寺子屋)について>

2020年5月13日 EdFutureの前身の団体オンライン寺子屋発足。
2020年5月15日 サイト開設2日間で、受講希望者が 73名集まり、9回の授業を行った。また講師の経験交流会を実施した。
2020年6月24日 実施授業回数が350回を超える
2020年8月24日 オンライン教員研修合宿”ナツ寺”を実施
2021年4月1日  実施授業回数が1000回を超える
2021年8月10日 夏季オンライン教育実習を実施
2021年12月9日 冬季オンライン教育実習を実施
2022年3月11日 一般社団法人日本教育情報化振興会主催ICT夢コンテスト総務大臣賞受賞
2022年4月16日 U29Young Teachers Community第一回オンライン交流会開催
2022年5月28日   NPO設立総会開催
2022年7月16日   U29Young Teachers Community参加者が50名を超える
2022年8月1日     EdFuture Campを予定

<発起人>中村柾 
1994年生まれ。2022年3月まで4年間千葉県松戸市で公立中学校教員として働く。コロナ禍で始め全国の生徒に無料オンライン授業を行うオンライン寺子屋は2022年生ICT夢コンテスト総務大臣賞受賞。中学校教員を経て、ハーバード・スタンフォード・コロンビア教育大学院などに合格。2022年秋からスタンフォード教育大学院修士課程で学ぶ。


<運営メンバー>徳永悠馬
Montage代表 フォトグラファー 幼稚園のホームクラスティーチャー Global Shapers Community Kyoto代表
普段は個人事業主として大学生クリエイターを巻き込んだプログラムなどを企画、運営。フォトグラファーとしては主にポートレート撮影の他、イベントや企業のホームページ掲載用のプロフィールやテナント写真なども撮影。今年の7月からは国際機関、世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のユースチームGlobal Shapers Communityの京都代表に選出。京都で観光事業を企画し、地方創生などに取り組んでいる。

<運営メンバー>水野光
Teach For Japan 9期生 Learning Creator's Lab 小学校教諭 GIGAスクール推進主任 
ドキュメンタリー映画『Most Likely to Succeed』に感銘を受け、すべての子どもがありのままの自分を受け入れ、さらにお互いに尊重し合える学校創りを目指し、認定NPO法人Teach For Japan に入社。学校では、学びの速さや場所を自分で選び学んでいく単元内自由進度学習の実践や、これからの社会でより必要とされる非認知能力を育成するプロジェクト型学習に取り組む。さらに、GIGAスクール構想により、児童1人1台端末になったことから個別最適化された学習やデジタルログの活用を校内で推進、提案している。

<運営メンバー>黒田あすか
成蹊大学文学部国際文化学科4年 Teach for Japan 2021秋CA Habitat for humanity Japan 学生支部 RootSeikei 創設 大学では、文化人類学を専攻し日本語を母語としない子どもの言語習得について研究。在学中、カンボジアで住居建築活動を通して、世界の暮らしなら課題感を、持つと共にボランティアの魅力を知る。大学にもっとボランティアを通して社会課題にアプローチできる場所が有るべきだと考え、RootSeikei を設立。RootSeikei では代表として、コロナ禍で拡大した貧困格差に目を向け、フードパントリーの開催や学習支援活動を行う。

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