水中や海中、水辺に暮らすさまざまな生き物を題材として、現在では層に重ねた日本画の画材を彫って描く作品づくりをしています。以前はボールペンを使ってペン画を描いていた時期もあったのですが、沖縄の海で海洋ゴミの問題に直面してから、日常生活を含めて自分の活動で極力ゴミを出さないよう、また資源をムダにしないようにと思うようになりました。



日本画では、岩や土、貝殻などを原料とする水干絵具という自然顔料が使われます。色をつくる際に加えるのは、ニカワ(動物の皮や骨に含まれるたんぱく質)や胡粉(ごふん:貝殻から作られた日本画の白色絵具)といって、やはり自然な原料です。これらとペン画を融合させたらどうだろう?と試行錯誤の結果たどり着いたのが、水干絵具を彫って削り、白い線画を描き出すミクストメディアという現在の表現方法になります。



海洋ゴミには、漁で使われるプラスチック製の「浮き玉(ブイ)」も大量に打ち上げられています。これはそのままでは産業廃棄物となり、回収後の処分に困っていると伺いました。そこで、微力ながら私も浮き玉を回収し、球体を惑星になぞらえて海や生き物を描くことで、廃棄物をよみがえらせるアップサイクルアートとしても創作しています。ミクストメディアの作品含め、これらの作品がお客様の手にわたることで世界の海の現実が伝わり、海洋ゴミの処分に困っている方々のお手伝いにもつながっていく。その結果として少しでも環境改善の一助になれたらと思うのです



今回のプロジェクトには、以前個展を開催したSpace Utility TOKYO(通称SUT)さんに協力していただきます。SUTさんは運営がデザイン・編集会社ということもあり、個展の際にもDMやウェブページをつくっていただいたりしました。そのデザインがステキだったこと、個展が成功したこと、何より私の活動を理解してくださっていること。SUTさんとならきっと素晴らしいクリエイティブができると感じたことです。そして思い切ってお願いしたら、「一緒に夢を叶えましょう!」と(泣)。

2021 Honami Shigeta Solo Exhibition のDMデザイン 

青森で生まれ育った私は、高校卒業と同時に東京に出てきました。

高校時代は祖父がテーラーだったこともあり服飾の勉強をしていたのですが、デザイン画を描くほうが楽しくなって方向転換。「25歳までに一人前になれなかったら、絶対帰ってくるから」と親を説き伏せて、絵本作家になろうと東京の専門学校に入学しました。学生時代は、正直絵もそこまで上手じゃないし、テーマも定まらずふわふわしていましたが、とりあえずやる気だけは人並み以上で、なんとしても25歳までにはどんな形でもプロとしての道を確立しようと必死でした。


そんななか、師匠と呼べる専門学校の漫画家の先生に惚れ込み
「この先生からあらゆることを吸収して自分のものにするんだ」と、
半分ストーカーのように追いかけまくって過ごす日々に。
その先生から「5年ごとに目標を立てなさい」と指南いただき、

という目標を立てたのが、このプロジェクトを立ち上げた大元です。


その後、その先生の個展会場で「この子やる気があるから芽が出るよ」と紹介していただいたのがKADOKAWAの編集長。「キミ漫画描ける?」と聞かれ「はい、4コマなら描けます!」と、描いたこともないのに即答して、その日のうちにネーム3本を描き上げて見てもらいました(笑)。そして学校を卒業してすぐにまさかの週刊誌の連載での漫画家デビュー‼︎ しかし、順調にいくかと思いきやわずか半年で打ち切りに…。その後はテレビ制作会社のAD、レコード会社のアシスタントデザイナー、絵画教室の講師、高校の非常勤講師、果てはラブホテルのフロントマン…と職を転々とする日々が続きました。バイトの掛け持ちをしながら創作活動もして、一番忙しいときには7徹も…



そんな生活を続けるなか、『25歳で個展を開催・30歳で画集を出版』という目標を立てた当時の想いが自分を奮い立たせ、ネットで見つけた動物の絵の展示会に出品し、入賞することができました。「やっぱり私は絵で生きていきたい!」という気持ちが大きくなり、2017年には水棲生物画家として本格的に活動をスタートすることになります。


そして

この頃はまだペン画が中心でしたが、目標としていた一つめの『25歳で個展を開催』をクリアすることができました。


子どもの頃から生き物の絵は描いていましたが、海との出会いも海の生き物との出会いも当時通っていた地元青森の小さな水族館。初めて出会った水棲哺乳類がイルカでした。海の生き物に対しては、子どもの頃から畏怖や憧れを抱いていて、生きることに純粋で、真摯に、一生懸命に生きている姿に惹かれます。言葉は通じないけど、目が合うとまるで通じ合えているかのように感じてしまうんですよね。私が水棲生物へ尊敬の念を抱いて「命の循環」を創作活動のテーマにするようになったのは、子どもの頃から身に染みついたものかもしれません。



先述の初個展の会期中に祖父が他界したことも、創作のテーマに大きく影響しました。現在のミクストメディアの技法では、動物由来の原料であるニカワは血肉、下地材の胡粉は骨と考えて創作しています。血肉と骨によって描かれた生き物から出る削りカスを遺灰と捉え、天に昇って新しい命として還ってくるという意味も込めています。こうした技法の確立により、「輪廻転生」「命の循環」というテーマに一層の説得力が生まれたように思います。


水干絵具で描いたベースとなる海の上を、デザインナイフで削った白い線で生物を描く。削りカスをハケでそっと払い取る。
“遺灰”としての削りカスも大切に保管。1作品で出る量はほんの少しなので、15作品くらいでようやく1本溜まる。

今年の12月でいよいよ、人生の次の目標を立てた30歳になります。

これまで支えてくれたすべての方へ、とにかく感謝の気持ちを伝えたいと思っています。

私の実家はいわば職人一家。祖父は洋服を仕立てるテーラーで、祖母と母は美容師。「手に職をつけて生きなさい」そんなプロフェッショナルな祖父母の教えに強い影響を受けて育った私。逆に両親は夢を叶えられなかったところもあり、「あなたはやりたいことをしなさい」とずっと応援してくれました。学生時代、雑誌の片隅に作品が紹介されたとき、発売日に買いに行ってくれた母から「お店の前で泣いちゃった」と言われた日のことは忘れられません。だからなおさら、自分の成長した姿を画集に込めて見せることで「繁田穂波を応援してきて良かった」とすべての方に思ってもらいたいんです。

また画集では私の描いてきた海の生き物たちが、どのような環境で暮らしているのか、その現実についても伝える内容になります。孤独だったわたし、将来について悩んだわたし、そんなわたしを励まして先へ進む勇気をくれた生き物たちのこと。わたしたちの暮らしが、海に与える影響を知るきっかけになることも伝えたいと強く思います。

これまでグループ展や個展を開催しながら創作活動を重ね、作品撮影もしてだいぶ材料は揃ってきました。個人でも取り急ぎの資金については調達しましたが、よりよい画集にしてより多くの人に届けるために、もう一度みなさんに協力をお願いしてみようと、画集制作のプロジェクトを立ち上げました。


画集制作への思いは、私をずっと応援してくれる家族のため、私の作品を愛してくださるファンの皆さんに届けたい。そして、私の大好きな海とそこで暮らす生き物たちのことを、少しでも多くの人たちが考えるきっかけとなってもらいたい。

私の原画作品から、海や地球をイメージしてくださる方が多くいらっしゃいます。それは同時に美しさを感じてくださることだと思います。それはとても嬉しいことなのですが、私の描く海をよく見ていただくと気づかれると思いますが、ただ美しいだけの色ではないことも伝えています。美しさの中にあるさまざな出来事。作品を直近でみていただくことで感じてもらえた事実を、画集で伝えるためには、デザインや、言葉、素材や印刷の技術が重要となります。生き物を描くために積み上げてきた努力は、私の描いた作品でわかってもらえるところまでこれました。それを画集で再現するには、高度なクリエイティブが必要になります。

画集を発行して、安価に作る簡易な画集にはしたくありませんでした。そこが、今回クラファンで資金を募る大きな理由です。削っている凹凸まで感じてもらうことまでは難しいかもしれませんが、原画を目の前にしているのと変わらない感動を伝えられるものにしたいと思っています。



撮影担当:吉田直人さん

吉田さんは、日経ナショナルジオグラフィック 写真賞2017で優秀賞など、多くの賞を受賞しているカメラマンです。中学生から一人旅を始め、高校卒業後、外資系大手企業に勤めるものの3年で退社。その後、無期限の海外放浪に出ます。吉田さんには、その旅の中で様々な色を見てきたからこそ表現できる色があるように思います。私の描くものの表面だけでなく、その奥にある海の色を、同じ視点で感じて撮影してくれる。私の表現したい色をそのまま伝えてくれる、そんな貴重なかたです。

吉田直人 写真展/2022.9.10 sat.-9.25 sun.
https://naotoyoshida.com


デザイン:SUTデザインチーム

色々なタイミングが重なって2021年にSpace Utility TOKYO(SUT)で個展をすることになったのですが、そのときにツールなどのデザインをしていただいたのがSUTのデザインチームでした。できあがったDMを手に取ったとき、そのデザインがすごくしっくりきて、ぜひ画集を作るときにはデザインをお願いしたいということで声を掛けさせていただきました。SUTデザインチームは、ギャラリーで開催されるイベントのほとんどのクリエイティブを担当していて、企画ごとにまったく違う表現をしています。私のようにSUTギャラリーとは別のクリエイティブを依頼する作家さんもいらっしゃって、作家の伝えたいことを本当に上手に表現しています。今回の私の画集は、SUTデザインチームの協力が必須になります。

SUTデザインチーム/ディレクターの山本さんとデザイナーの清水さん、そして看板犬のタイムとごん助さん
https://www.space-utility.com


印刷:歩プロセス
http://www.ayumi-pro.co.jp/index.html

1978年設立。製版会社として培った技術で、長年にわたり高品質の印刷物を生み出しています。近年でも美術館で開催される展覧会の図録を制作するなど美術系についても強いほか、様々な加工についても相談しながらイメージを形にできます。SUTデザインチームから絶大の信頼を受けている歩プロセスさん。今回の画集についても、用紙や仕様面でもとても多くの相談にのっていただいています。誰かに伝えるために描くことはできますが、画集づくりはそれぞれプロの方たちの協力がなければ敵いません。今回、素晴らしいチームが組めたことに興奮しています。



〈Work〉
▶︎2022
I・C・E・R・C Japan 30th記念キービジュアル制作
福井県くにみクラゲ公民館 アートウォール制作
豊島区情報誌 とっぴい 雑誌掲載

▶︎2021
Creema Spring主催 ENLIGHT2021in糸島ウォールアート制作
JR東日本 東京感動線 山手線 Ver.2021「旅気分食堂列車 -東北編-」主演出演
朝日新聞 糸島ウォールアート 掲載

▶︎2020
一般社団法人 マナティー研究所 イベント用特典ステッカー制作
沖縄県今帰仁村 民謡居酒屋ちゃんぷるー 壁画制作

▶︎2019
高澤学園 創形美術学校 50周年記念 特別講師
品川区立日野学園「ひのまつり」特別講師 
東京都豊島区「長崎村の海びらき」ライブペイント制作

▶︎2014
一般社団法人MMIX Lab主催 KIBOU project2014「仮設住宅ラッピング計画」壁画制作


〈Exhibition〉

▶︎2022
gallery201個展「Shigeta Honami Solo Exhibition [Re:]」

WORLD TIMES個展「Shigeta Honami Solo Exhibition in HYOGO-2-」ほか

▶︎2021
trèmolo cube「Shigeta Honami-Fourth solo Exhibition-」
Space Utility Tokyo「Shigeta Honami-Fifth solo Exhibition-」ほか

▶︎2020
プロデュース企画展示「おもにサメ展2-大阪巡回展-」
スターバックス池袋明治通り店 ミニ個展Nishiike Mart個展「Shigeta Honami Second Solo Exhibition
Independent Tokyo 2020 出展 ほか

▶︎2019
DESIGN FESTA GALLERY グループ展「海の…展7」
Gallery&Cafe AQUA グループ展「海ヲ想フⅱ」ほか

▶︎2018
GALLARY ART POINT 主催「New Year Selection 2018 」
スターバックス池袋明治通り店 ミニ個展
gallery201 初個展 「SHIGETA HONAMI first solo exhibition

▶︎2016
GALLARY ART POINT 主催 「LIFE 2017」/The Artcomplex Center of Tokyo グループ展「はこ庭展」ほか

▶︎2016
The Artcomplex Center of Tokyo主催「ANIMAL PLANET 2016」

▶︎2015
Gallery Pause グループ「Traumerei」

▶︎2014
高澤学園 創形美術学校 卒業
株式会社KADOKAWA ComicWalker オンラインマガジン 四コマ漫画連載
mocofes iPhone デザインコンテスト 入賞 商品化

◎リターンのメインは画集になります。手に取っていただいた時に、私からの特別な贈り物になるよう装丁にも力を入れて、存在感のある画集になります。内容は上記でもお伝えしたように、私の分身でもある作品たちのほかに、作品の源「海」を守る活動の記述など、今の私の集大成となる画集を目指します。
他には、応援していただける方へ感謝のお礼メール(クラファン特別画像ダウンロード付きのリターンもあり)、選りすぐりの作品のポストカード、クラファン特別価格の原画作品とオーダー作品、ワークショップや完全オリジナルのウォールアートなど、私の活動の限りをラインナップさせていただきました。

◎一万円以上のリターンは、すべて画集とセットでお送りいたします。

詳細はリターン欄を、どうぞご確認ください。

◎サポターズシートを作成して画集と一緒にお届けいたします。
プロジェクトの支援者様すべてのお名前を、画集に添えるサポーターズシートに記載させていただきます。リターンお申し込み時の備考欄に、ご希望のお名前を入力してください。(本名、ニックネーム、団体名など)※記載するお名前は、代表者の方お一人さまに限らせていただきます。

支援いただいたお金は、主には画集の制作費と印刷費に充てられます。
その他広報活動のツール制作費、リターンの制作費、発送などの人件費、プロジェクト進行役のSUTへの管理費、またCAMPFIREの手数料にも充てられます。
目標以上の資金が集まった場合は、リターンを充実させたり、印刷の仕様をグレードアップさせるなど検討します。

2022年9〜10月 クラウドファンディング
2022年10月〜 画集制作開始・リターン制作
        ※クラファン終了後すぐにお渡しできるリターンについては随時発送いたします
2023年2月「画集」納品〜発送
       画集完成記念と併せてSUT GALLERY(https://www.space-utility.com)で個展開催
       ※個展会場にて直接お渡しも可能です。
       個展開催期間に「原画削り体験」ワークショップのリターンを実施

2023年3〜4月「ゴミ拾い+アップサイクル」ワークショップのリターンを実施
2023年5月 「原画オーダーコース」のリターンをお届け予定
2023年6月 「ウォールアート」のリターンをお届け予定
2023年8月 「ンゴニコース」のリターンをお届け予定


<募集方式について>
本プロジェクトは「All-or-Nothing」で実施いたします。「All-or-Nothing」は、目標金額に達した場合、金額を受け取れる方式になりますので、目標金額に達成した場合のみプロジェクトの実施となります。よって、目標金額を達成できない場合は、支援がキャンセルされて、リターンも履行することができないため、すべて返金いたします。


<Special Thanks>

井上亮 https://www.instagram.com/ryoninoue/
板倉啓介 https://www.instagram.com/keisuke.i_perc/ 

写真や動画など、掲載にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございます!

  • 2022/09/24 15:17

    【SUT(事務局)からのお知らせ】昨日(9/23)行われた「ンゴニ」ライブのアーカイブ動画がSUTのインスタにアップされています。慣れないものでちゃんとしたコンテンツになっていなくて恐縮ですが、「ンゴニ」の音色とともに現在開催中の個展の様子も垣間見えますので、チェックしてみてください。また、昨...

  • 2022/09/23 19:05

    【SUT(事務局)からのお知らせ】予定より少し遅れていますが、19:20〜、現在個展を開催している会場SUTからンゴニのライブをSpace Utility TOKYOのインスタにてお送りします。リターンにある【アップサイクルアート・『ンゴニ』コース】ですが、実際にンゴニの音色を耳にしたことのあ...

  • 2022/09/22 20:00

    こんにちは!水棲生物画家の繁田穂波です。この度はクラウドファンディングにご支援いただきありがとうございます。初めてのクラウドファンディング。わからないことだらけで正直なところ、不安で仕方なかったのですが、スタートから今日で1週間経ちました。現時点で70%を超えていることに本当に驚いています。誠...

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