はじめに・ご挨拶

 このプロジェクトに関心を持ってくださって,ありがとうございます。私は長谷川伸と言いまして,滋賀県甲賀市の山里で,古民家暮らしを夫婦で始めました。ニックネームは「がわし」です。大学教員をしている関係で「長谷川先生」と呼ばれることが多いのですが,「先生」と呼ばれるのが好きではないので「がわし」と呼んでください(学生たちにもそう呼んでもらっています)。

  •  大学では経済学を教えていますが,最近はゼミの学生たちと,タンドールで壺焼き芋を焼いたり,ギョウザをつくったり,コーヒーを焙煎したりしています。ワクワク・ドキドキしながらものをつくることで,自分の五感と感情を大切にできるようになっていくことを願っています。

    •  ナマケモノが好きです。無理をせず,ゆっくり,ゆるくやることが生きる上で大切だと思うようになったためか,ナマケモノの生き方に学びたいのです。やりたいことを,やりたいだけやりつつ,自然のリズムとスピードで暮らしていきたいと思っています。

古民家にあった長持(ながもち)に渋墨(しぶずみ)を塗っています

このプロジェクトで実現したいこと

 このプロジェクトで実現したいことは,「愛農かまど」を10名規模のワークショップ形式で,ここ山女原にある古民家につくることです。9月17-19日(土日月)に開催されるこのワークショップには,講師料や材料費などで30万円以上かかるので,そのための費用の大半をこのクラウドファンディングで調達できればと考えています。

 このワークショップへの参加は,講習(研修)を受ける面と労働力を提供する面を併せ持っています。そのため,食事代や寝具代などの実費負担のみでも参加可能にしています。

私たちの地域(滋賀県甲賀市土山町山女原)のご紹介
  •  今回のプロジェクトが実行される私たちが暮らす古民家があるのは,滋賀県甲賀市土山町山女原(あけびはら)です。山女原は,鈴鹿山脈の滋賀県側にある,標高400m近くの世帯数17戸の小さな集落で,ここから上にはもう人は住んでいません。歩いて30分ほどで三重県側に出られる山奥ではありますが,開けた場所にある集落なので日当たりが良く風も吹くので,高原に暮らしているイメージです。私は山女原を「天空の集落」と呼んでいます。

  •  山女原は中世から存在すると伝えられているほど歴史が長く,最盛期には200人以上が暮らした山女原ですが,他の中山間地の集落と同様に少子高齢化・人口減少が進み,現時点でこの集落に暮らすのは40人未満となってしまっています。

 山女原に暮らす方々は,自分たちの集落は自分たちで守ろうとする意識が強く,高齢の方がほとんどになってしまった今でも集落周辺の草刈りや集落内にある神社とお寺の手入れもやっています。近年,和ぐるみの栽培を始めて,くるみを使った商品開発にもとりくんでいます。

 山女原の西側(山側)には棚田が広がっています。棚田ボランティアを受け入れたり,農林水産省「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」の認定を受けたりしています。山女原は,滋賀県による令和4年度棚田保全ネットワーク推進事業のモデル地区にも選定されています。

農林水産省「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」:山女原の棚田
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/attach/tanadaisan-kohyo/123.pdf (クリックするとPDFファイルが開きます)

農林水産省「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に認定された山女原の棚田

プロジェクトを立ち上げた背景

 この古民家には以前,かまどがあったと聞いていたので,かまどを復活させたいと思っていました。いろいろ調べていたところ,ちょうどこの古民家を購入する昨年11月に「静かなブーム 復刻『愛農かまど』 やっぱりかまどのある暮らし」(『季刊地域』2013年春号(No.13)6-11ページ)を読んで「愛農かまど」を知りました。

 「愛農かまど」は,1945年に設立された公益社団法人全国愛農会によって開発されたものです。細い薪や柴だけで使えて,一般的なかまどよりも燃焼効率も良く,少ない薪でむらなくおいしいご飯が炊けます。オーブンもついているのでパンやピザも焼けます。しかも,その材料はホームセンターなどで誰でもが安価に調達できるという優れものです。

 「愛農かまど」を設置することで,私たちが暮らすこの古民家にかまどを復活させたいと思いました。この古民家を集落内外の方の交流の場にしたいと考えてもいたので,この「愛農かまど」づくりそのものも,多くの方が関わるクラウドファンディングによる資金調達とワークショップ形式で行いたいと考えました。

愛農学園で新しくつくられた「愛農かまど」に初めて火を入れる

これまでの活動

 私は今年7月に,京都市内から滋賀県甲賀市土山町山女原(あけびはら)へ夫婦で移住しました。ここに移住したのは,コロナ禍で都市型の生活スタイルに限界を感じたのが直接のきっかけですが,持続可能な社会・地域づくりの知恵が古民家・地方暮らしにあることに気づき,それを自分自身で実験・実践したいと思ったからです。


 私は築144年とも言われる古民家で,可能な限り昔ながらの工法で改修しながら暮らし,ここを「自分で使うものは自分でつくる」「必要なものはできるだけ近くで調達する」実践・実験の場にしたいと考えています。具体的には,薪と太陽光を熱源として利用したり,雨水のトイレなどでの利用,日本ミツバチの養蜂,アロマオイルの蒸留などができればと考えています。


資金の使い道

(1)講師派遣料:9万円

(2)全国愛農会からの木型貸出料:3万円

(3)材料費(レンガ,モルタル,煙突など)の一部:約7万円

(4)工具購入費(グラインダー,ハンドミキサーなど):約4万円

(5)リターンのための費用:約5万円

(6)CAMPFIRE手数料:4万8千円(支援金額の16%)

実施スケジュール

9月17-19日(土日月):「愛農かまど」づくりワークショップ
10月22日(土):「愛農かまど」火入れ式&ご飯会

リターンのご紹介

1,000円:サンクスメール

2,000円:古民家でのコーヒー焙煎体験

2,000円:古民家で土山産和ぐるみ割り体験

3,000円:土山町産和ぐるみ(殻付き300g)

5,000円:10月22日(土)開催のかまど火入れ式・ご飯会への招待

10,000円:古民家での薪風呂焚き体験

20,000円:愛農かまどでご飯炊き体験

ていねいに代々暮らしてきた家族の自前の森林から切り出してきた太い無垢材がこの古民家に使われています。

山女原へのアクセスと周辺宿泊施設

 山女原へはマイカー・レンタカーが便利です。新名神高速道路「甲賀土山」ICより20分。公共交通機関であれば,甲賀市コミュニティバス「山女原」(あけびはら)下車すぐですが,本数が限られています。最寄りの鉄道駅は,JR草津線「油日」あるいは「貴生川」駅ですが,甲賀市コミュニティバスが出ている「貴生川」駅が便利です。

 山女原には宿泊施設はありませんが,周辺の宿泊施設を紹介します。

・ダイヤモンド滋賀(甲賀市土山町黒川1711):山女原から車で約10分。温泉施設「やっぽんぽんの湯」を併設。

・かもしか荘(甲賀市土山町大河原1104):山女原から車で約15分。温泉つきです。オートキャンプ場も併設。

ライダーハウスかんべ(甲賀市土山町大河原1075):山女原から車で約15分。レストランも併設。

最後に

 私はここ山女原で暮らしながら,関係人口を増やす体験イベントを開催することをきっかけに,移住者が増えてこの集落が長らく続いていくこと,この集落に息づく持続可能な暮らしの知恵が全国に広がっていくことを願っています。多くの方の協力を得ての「愛農かまど」の製作と活用は,そのために欠かせないものです。どうぞご支援をよろしくお願いします。

<募集方式について>

 本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も,計画を実行し,リターンをお届けします。愛農学園の新しい「愛農かまど」でこんがり焼いたピザをいただきました。

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