はじめに・ご挨拶

プロジェクトページをご覧いただきありがとうございます。
三谷温泉アートプロジェクト実行委員会、平野屋の平野寛幸と申します。

みなさん、三谷温泉をご存知ですか?

三谷温泉は、愛知県蒲郡市の三河湾を望む風光明媚な場所にあります。
温泉の由来は奈良時代に、行基が発見したと伝えられ、明治時代からは名古屋の奥座敷の保養地として栄えてきました。
地元の産業は古くから繊維業が盛んであり、1888年に旧国鉄蒲郡駅が開業した歴史からも当時の日本にとってこの場所が重要視されていたことを垣間見ることができます。その繊維業が最も隆盛した1940年代後半には三谷温泉地区には小さな旅館や料亭が点在し、地元の機織屋の旦那衆が集まり、夜な夜な宴会やお座敷遊びを愉しむ、粋で雅びな時間を過ごしていたそうです。

その後の高度経済成長期には東名高速道路、東海道新幹線といった交通網の整備により、大都市圏からの団体バスを利用したお客様が増え、バブル景気の慰安旅行ブームも相まって、三谷温泉には多くの客室数と宴会場、大浴場などの設備を有した、大型旅館が建設されました。大量生産・大量消費の時代、こういった派手な設備投資は時代のトレンドでした。

しかし、1980年代になると、海外旅行ブーム、核家族化による旅行形態の変化、1990年代からはバブル崩壊による景気低迷により、企業の団体慰安旅行もなくなり、三谷温泉地区の宿泊者数も激減。団体バスが列をなし、夜な夜な賑やかな宴会の声が聞こえていた頃の活気あふれる温泉地の姿を見ることはできなくなりました。
2010年代からは、訪日外国人の増加により一旦は持ち直しましたが、その後の新型コロナウイルスの打撃により再び厳しい状況に立たされ、今日を迎えています。


活動をはじめたきっかけ

厳しい状況が続く中、私はもう一度三谷温泉を盛り上げたい一心で、何ができるかを考え続けていました。その中で気づいたことは、移動制限、外出自粛が呼びかけられ、日常や人の価値観が大きく変化している今も、昔も、旅館という場所はお客様が「非日常」を楽しむために訪れる空間であること、そして今まで三谷温泉を訪れてくださったお客様が体験してきた非日常が積み重なって、今の姿がある、ということでした。
その瞬間、「歴史ある温泉街」「大型旅館」「郷愁を誘う客室」が、他にはない、魅力的な場所に思えました。
この場所に、またたくさんのお客様に「非日常」を体験しにきてもらいたい。そんな思いを抱えて過ごしているなか、足を運んだ芸術祭で、これを旅館を使ってできないか、と現代アートとのコラボレーションを思いつきました。
すぐに三谷温泉旅館振興協同組合に相談し、ホテル明山荘、ひがきホテル、松風園、ホテル三河海陽閣、平野屋の5旅館からも賛同を受け「三谷温泉アートプロジェクト」が立ち上がりました。しかし、私たちは宿泊に関しては専門であっても、芸術祭についてはまったく知識がありません。そこで外部から現代アートや芸術祭に知見のあるメンバーも迎え入れ、お互いに意見を出し合いながら開催に向けて日々奮闘中です!


このプロジェクトで実現したいこと

郷愁を誘う三谷温泉で過ごす時間が、ご来場いただくお客様や地域の皆さまにとって、良い思い出となるよう、開催準備費用の一部として活用させてください。
私たちにとって初めての取り組みであり、現在は主に私たちの自己負担と、ご寄付や協賛を募りながら開催に向けて準備中です。三谷温泉の将来を考えて、長く続く継続した取り組みとなるよう、多くの方とともに作り上げていきたいと考えます。

目標金額:350万円
本クラウドファンディングでご支援いただいた資金は、芸術祭開催のための各種制作費、運営費に使わせていただきたいと思っています。

(内訳)
・制作費:約100万円
・運営費:約200万円
・手数料(17%):51万円

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


「ととのう温泉美術館」とは?

“時代から取り残されたような「非日常」の空間で、現代アートを鑑賞する。まるでサウナと水風呂の温冷交代浴のように、過去と現在・未来を行き来する体験を通して「ととのう」温泉美術館を開催したい!”

心身のリラックスを指す「ととのう」をキーワードに、「歴史ある古びた温泉街」「大型旅館」「郷愁を誘う客室」などの、時代から取り残された感のある「非日常の空間」を舞台に、現代アートを鑑賞する“ととのう温泉美術館”

昭和の趣を持つ歴史を重ねた旅館や温泉街は「非日常」であり、感性を刺激するアート鑑賞もまた「非日常」です。過去の存在である昭和の空間と、今の時代を表す現代アートの空間を繰り返し行き来する、まったく異なった環境を行き来することで、鑑賞者が「ととのう」芸術祭です。


実施スケジュール

2022年11月 記者発表会
2022年12月 作品搬入開始
2023年1月   プレスプレビュー / 会期スタート
2023年2月    会期終了


「ととのう温泉美術館」開催概要

【名称】ととのう温泉美術館 
【会期】2023年1月21日(土)〜2月19日(日) ※休館日:火・水・木
    11時〜17時(最終受付16時30分)
【場所】ホテル明山荘、三谷温泉ひがきホテル、松風園、ホテル三河海陽閣、平野屋
【主催】三谷温泉アートプロジェクト実行委員会
【後援】愛知県、蒲郡市
【協力】愛知県飲食生活衛生同業組合、KABLibraryandResidency、蒲郡市観光協会、蒲郡市シティセールス推進協議会、蒲郡市文化協会、蒲郡商工会議所、KENJI TAKI GALLERY、社会福祉法人楽笑、原田真千子、ぺちゃくちゃないと名古屋、森田了、山勝染工株式会社
【公式ホームページ】https://www.miyaonsen.com
【公式 Instagram】@miyaonsen_art
【公式Twitter】@miyaonsen_art
【公式 Facebookページ】https://www.facebook.com/profile.php?id=100085228317191
【チケット】当日 2,000 円(日帰り温泉入浴券付)※小学生以下無料(日帰り入浴料別途) 
      前売1,800円(日帰り温泉入浴券付)
芸術祭の鑑賞チケットはPassMarketからご購入いただけます。購入ページは こちら
会期中は各会場でも販売します。


「ととのう温泉美術館」参加予定作家一覧

市川岳人、大久保拓弥、大橋裕之、カリヲ、Clemens Metzler、君平、劇団うりんこ、このよのはる+Mikawa Art Center[MAC]、 小畑亮吾、近藤萌、重森三明、設楽陸、鈴木優作、ZECS、台湾アートロビー(康雅筑、夏愛華、曾上杰、陳奕彰、 潘重光、呂文)、竹田尚史、Chiye Ryang、D.D. (今村哲+染谷亜里可)、長野櫻子、Neil Leonard、西原尚、西松秀祐、 東本伊代、平山亮太、福田良亮、札本彩子、本郷芳哉、Marieryo、三上俊希、水谷篤司、宮本宗、三輪洸旗、 三輪途道、八嶋有司、安田佐智種、吉村大地

※五十音順、敬称略

芸術監督 武藤勇
プロデューサー 藤田聖人
マネージメントディレクター 田原由紀子
コーディネーター 児玉真伍
ゲストキュレーター 嘉藤笑子
デザイン 江尻健太、Nagao Design
会場設計 森下建築工房(森下大成、沖野希美、武井菜帆、立松菜那穂)
運営協力 Mikawa Art Center
企画協力 LIVERARY
企画・運営ディレクション N-mark


応援メッセージ

「ととのう温泉美術館」に応援メッセージをいただきました。
コメントを寄せてくださった皆さま、ありがとうございます!

蒲郡市長 鈴木 寿明さん( 蒲郡市役所

蒲郡市は、海と山に囲まれた風光明媚な観光地であり、景観だけでなく趣の異なる4つの温泉郷を持った魅力ある湯のまちでございます。湯のまちの代表の1つである三谷温泉で、現代アーティストの作品が展示される「ととのう温泉美術館」が開催されることは、皆様に蒲郡の魅力を感じていただく良い機会になると大変期待するものでございます。
芸術・文化は、地域や世代を問わず、私たちの心に豊かさや安らぎ、生きる活力をもたらしてくれます。湯も同様です。少しお疲れの方や癒されたいと感じている方に、ぜひ、オーシャンビューの美しい温泉と現代アートで、身も心も「ととのう」体験をしていただきたいと思います。
皆様のお越しを心よりお待ち申しあげております。


阿部 充朗さん(錦二丁目エリアマネジメント株式会社 取締役 / 喫茶/スペース 七番  事業責任者

「過去」と「現在」をつなぐ、アートと温泉旅館が混ざり合うプロジェクトにワクワクしか感じ得ません。最近は若者向けの華やかなイベントで注目を浴びる機会も多い蒲郡ですが、今回のような「人の想い」が感じられる企画が現れたことがとても嬉しいです。私は10年以上喫茶業に携わってきていますが、喫茶店業界の変遷と、温泉旅館をはじめとした地方観光業階の現状にとても似た境遇を感じます。三谷温泉の先人の方達が大事にしてきた、訪問者をもてなす心、非日常を演出する努力。それらの残された空間や想いが、作家たちの表現と重なりあい、わたしたちが日常で忘れかけた何かをととのえてくれることを期待しています。


野田 典嗣さん(株式会社ノダキ 代表取締役 / GOD GARLIC ドク・ガーリック

人と場所をアートが繋ぎ、なんとなく足を運んだら、それはいつの間にか土地柄、観光旅行となり、蒲郡の地を存分に楽しむこととなる。この土地は海の幸にも恵まれており、自然も食も一度来たら満足できる場所。 そんな古くから観光地として優秀な蒲郡の歴史、伝統文化、産業をアートに入れ込み、さまざまな角度から素敵要素をミックスし、温泉と芸術が調和して、身だけでなく人の心をととのわせてもらえそう。「勝手に蒲郡市鑑賞協会」として、ととのう温泉美術館を楽しませていただきます。


戸谷 俊介さん(株式会社プロドローン 代表取締役社長 /フレンチブルーミーティング主宰

ボクにとって温泉♨️は「いつか見た原風景」のような安心感と、日常からの逃避欲求が共存する特別な場所です。名古屋の奥座敷三谷温泉も多くの粋人が、三河湾の旬をいただき、温泉に浸かる特別な場所です。 そこでアート。安心感と原風景の場所である温泉にアートは、一種のざわつき、胸を掻き乱すような感覚を覚えます。と、タイトルの「ととのう温泉美術館」の説明を読んで、流石と膝を打ちました。バランスを崩して再構築する。これが「ととのう」とのこと。来年の開館が楽しみです。関係者の皆さんの敬意を表します。


中間 理一郎さん(株式会社アフロ&コー クリエイティブディレクター / アフロマンス

近年の温泉は家族や気心が知れた友人と「癒し」を求めていく場所となっていますが、どこの温泉宿にも宴会場があるように、元々は大人数のエネルギーが集まるハレの場としても機能していました。時代の変遷とともに、温泉宿の価値観が、宴から癒し、その先の「ととのい」へと移ろいでいく中で、このイベントがどのような場になるのか。答え合わせはイベント後になると思いますが、人の心を動かすものであり、誰かの原体験となるようなものになることを期待しています。新しい試みは大変だと思いますが、頑張ってください。応援しています。


最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症により、三谷温泉は大きなダメージを負っています。
三谷温泉だけではなく日本の観光地すべてがダメージを負っています。

しかし暗いニュースばかりではありません。
今後「観光」は、以前を上回る成長が見込まれる、21世紀最大の成長産業の一つです。
私たちはそのことに誇りを持って、日々お客様をお迎えしています。

しかしまだ、多くの人は自分たちの価値や魅力に気づいていないように感じます。

一般的に、ホテルのイメージは「便利」「きれい」
旅館のイメージは「時代遅れ」「古い」とされています。

このイメージを打破するために、我々旅館は設備投資をして、安易に最先端の設備を導入して、ホテルの真似ごとをしている。これでは、高度経済成長期にやったことを繰り返しているだけです。ただ新しいものが良いということではなく、自分たちの本当の価値についてもっと考えて、将来へと紡いでいけるような空間を提供したい。

サスティナブルな日本の観光のためにも、設備だけではなく、我々の本当の価値に気づき、「旅館らしさ」「旅館ならでは」の強みを掘り下げ、理解していきたいと思っています。

このイベントを成功させることで、私たちと同じように苦しい状況に立たされている他の旅館の皆さまにも自分たちの魅力に気づくきっかけであったり、勇気づけられるような、ひとつのモデルケースになれたらと願っています。

最後になりましたが、三谷温泉アートプロジェクト実行委員のメンバーは今、「非日常を体験する」という共通項を持つ現代アートのイベントを通して、多くの人に三谷温泉を知っていただき、実際に訪れていただく、そして、会期が終わったあとも、また訪れてみたい、と思っていただけるようなイベントになるよう励んでおります。

本プロジェクトをご覧いただいている皆さまには、私たちを応援・ご支援いただけますと幸いです。
宜しくお願い申し上げます。


  • 2022/11/28 08:21

    おはようございます!三谷温泉アートプロジェクト実行委員の太田です。早いもので、プロジェクト開始からもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。開催は来年1月か。。と随分先のように思っていましたが、あと2ヶ月を切って、いよいよ準備も大詰めです!クラウドファンディング開始のタイミングではお知らせできなかっ...

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