はじめに

ープロジェクトの概要

初めまして(またはお久しぶりです)。nichi nichi代表の毛利和子です。

私は大学病院小児科での病棟保育、また在宅移行した子どもや家族、子どもを亡くした家族との関わりにより、重い病気や障がいを持つ子どもや家族は、孤立感など様々な困難を抱える一方、前向きに生きようとする強い気持ちを持っていることを現場で実感してきました。

そこで、子どもたちや家族の孤立の予防、社会参加を促し、当事者を主体としたコミュニティをともに創り出すべく2022年より活動を始めました。

初年度はレンタルスペースでのイベント、オンライン、Webショップを中心に、また2年目以降からは熊本市内の空き家を改装したコミュニティカフェを拠点に、重い病気や障がいのある子どもや家族、子どもを亡くした家族が出会い交流できる場、また離れていても同じ境遇の子どもや家族とつながれるよう、他団体と連携をとりながら情報共有・発信、オンラインイベントなども行っていく予定です。また、熊本を中心に県内外のアーティストをはじめ様々な人が様々な形でつながれる場となることを目指しています。

解決したい社会課題

重い病気や障がい、医療的ケアのある子どもと家族には医療者や家族以外の社会とつながりを持ちたいという気持ちがありながらも下記のような様々な課題を抱えています。

【感染症を避けなければいけない】
これはコロナ感染拡大前からの課題であり、感染しやすく重症化する可能性が高いため、医師より人混みを避けるよう指示があったり、外部との接触を極度に控えなければならない。年齢や障がい等によりマスクをつけることも困難な例も多いことから安心して外出することが難しい現状にある。

【通院時の負担】
大学病院に2時間以上かけて外来に来る子どもも少なくない。処置や点滴、輸血などで一日がかりのことがあっても、感染リスクが高いため、自宅から病院への行き来のみで家族でひと休みする余裕や場所さえもないことがある。

【同世代との日常が送りづらい】
医療的ケア児は、医療行為が壁となり、同年代の子ども達との交流、年齢や発達に応じた社会生活、学校生活を送ったり遊びに触れる機会がることが少ない状況にある。思春期以上は、病気や障がいを持ち成長していく中で、病気が原因となる悩みや不安があったとしても、学校の友達や先生にも話せない状況にある。
特にコロナ禍においては子ども同士の中で育ちあう、社会で当たり前のように得られる体験が難しくなっている。

【亡くなった子どもの思い出を語る機会がない】
病気で子どもを亡くした家族は、周りから「配慮」として触れられないようにされ、逆に辛くなることも多く、なかなか大切な子どもの思い出を語る機会がない。

【不安や悩みをゆっくりと話す場がない】
病気や障がいについての不安、悩み等を気軽に相談したりゆっくりと話す場が少なく、病院の外来でも時間が限られている中で思うように話せていない状況にある。


退院を控え嬉しさのなかにある長期入院(主に小児がん)の子どもの家族の「プレイルームが退院してもあったらいいのに。」という言葉を幾度となく聞いてきました。それは、退院後の感染リスクや再発への不安、また実際に関わる子ども同士、家族同士のつながりがなくなることへの不安を物語っています。そのような子どもと家族、中高青年へと成長した当事者、また子どもを亡くした家族に「日々」寄り添う場が必要だと感じてきました。

専門職の協力のもと、感染のリスクを軽減しながら社会参加の機会を提供するコミュニティづくりと、それに伴う拠点を中心としたカフェ、雑貨、アートをテーマとした居心地の良いコミュニティスペースは大変意義があると思われます。さまざまな形で重い病気や障がいのある家族を支援する団体と情報共有、Webを活用したイベントを共催、また県内外で活躍するアーティストや作品との交流や出会い、日常の遊びをきっかけとして、重い病気や障がいのある子どもとつながるコミュニティが広がり、さらに、彼らが主体的に関わり、情報発信することで豊かな体験や人間関係の構築の場として当事者ならではの視点や良さが活かせるよう、ゆるやかに変化し持続可能な共生社会をつくりだす場にしていきたいと考えています。

重い病気や障がいを持つ子どもや家族、子どもを亡くした家族を支援する団体はあるものの、日々の関わりという面では難しい状況にあり、直接の関わりとしては地域に根差した形のものはなかなかなく、当事者につながる仕組み作りが充分とは言えません。10月、11月にレンタルスペースを活用してのイベントを行い、子ども達とご家族が安心して集える場、そこから広がるコミュニティの必要性を改めて実感させられました。


このプロジェクトで実現したいこと

今年度の予定

・Webでの遊びやワークショップ、お話会 ・レンタルスペースでのイベント開催 
・小児がんなど重い病気や医療的ケアのある子どものためのハンドメイド雑貨を中心としたグッズ販売 
・拠点づくりの準備
・WebsiteやSNSでの情報共有・発信 
・募金箱の設置、クラウドファンディング実施 
・NPO法人化

来年度は子ども達と家族、協力者が「日々」過ごせる拠点をつくりたいとわくわくしています。

応援メッセージ

北川小夜己/元 小児科看護師

私はカコ先生(nichi nichi代表 毛利和子の愛称)と11年前、小児科病棟の医療チームに初めて保育士が加わった時に出会いました。カコ先生は待望の保育士さんです。期待通り、季節の行事、誕生会等だけでなく日々のプレイルームでのふれあい、レクレーション、ご家族の協力も得て行なった手作りマーケット等を楽しい思い出を沢山作ってくれました。病状によりプレイルームで遊べない子とは病室を訪問しその子を元気にするおもちゃをポケットから選んで遊んでくれてニコニコ!夏休みにはラジオ体操や学習会もやり、時には悩み相談も...。
楽しい遊びの時間は辛い治療を受ける子どもに力を与え、子どもの笑顔にご家族も安心されていました。子どもを亡くされたご家族にとっても記憶の中にある「楽しい思い出」は宝物になったのではないでしょうか。
今回、カコ先生の「病気や障がいのある子ども達の居場所を作りたい」という強い思いを知りました。この居場所が病気療養中の子ども達やご家族にとって「プレイルームのような楽しい安心できる居場所」になればどんなに素晴らしいでしょう。是非実現して下さいね。応援します。 

池田佳菜/当事者家族

かこ先生(nichi nichi代表 毛利和子の愛称)とは息子が大学病院に入院した時に出会いました。
初めは、距離感の近さに戸惑いもありました。笑笑
でも接していく中でかこ先生の人柄や子ども達に対する思いやり、「入院生活の中でも楽しい時間を過ごそう」ということの大切さを教えてくれたと思います!
長く辛い入院生活の中で、みんなで笑い合える時間があって本当に良かったです。
かこ先生がいればお部屋の違う子達やママともお話が出来るし、イベントがあればみんなで作り上げようと治療の合間にせっせと製作をしたりと良い思い出です。
息子は残念ながら亡くなってしまいましたが、あの時間は本当にかけがえのない時間でした。
今は病院に行く事もなくなってしまって、みんなとも疎遠になってきていました。でもみんなが集まれるコミュニティを作りたいと聞き、とても嬉しく思います!
治療中のみんなも外泊の日がどんなに楽しみにしているか、痛い程分かります。ただ行く場所が限定されていて、外泊の度にどこに息子を連れていったらいいのか凄く悩んでいました。みんなが集まれる場所があるなら、きっと候補の一つとしてあがるでしょう。むしろそれを楽しみに外泊するかもしれません!
また残念ながら子どもを亡くしてしまった親達も、日々日常を淡々と過ごしていますが、心はいつも悲しいです。そんな心の拠り所として集まる場所があればいいなと思っています。応援しています! 

資金の使い道

設備費:約125万円(おもちゃ、絵本、レンタル用タブレット、感染予防対策設備費など)

材料費:約18.4万円(試作品用雑貨制作、ワークショップ材料など)

借料:約54.5万円(レンタルスペース使用料、福祉車両レンタカー、携帯電話・Wi-Fi機器リース料、サーバー、ドメイン料など)

謝金・雑役務費:約75.9万円(講師や専門家への指導料など)
広報費:約58.6万円(広報ツール制作、オリジナルグッズ制作、Website制作費、印刷費、郵送料など)

外注費:約3万円

その他経費(ガソリン代、ボランティア保険料など)約19.5万
手数料:約35.1万円

※令和4年度(2022年度) 熊本県地域課題解決型起業支援補助金に採択されています。補助対象の決算(令和5年2月まで)に対して1/2が補助される予定です。

実施スケジュール

2022年
9月中旬 「ちょきんばこ」プロジェクト(熊本県内外の協力店への募金箱設置)開始
10月中旬 SNS開設 レンタルスペースでのイベント開催(2日間)
10月下旬 ロゴマーク完成
11月上旬 リーフレット完成 レンタルスペースでのイベント開催(2日間)
11月中旬 Website開設
11月下旬 レンタルスペースでのイベント(子ども達が主役のコンサート)開催
12月中旬 Webshop開店 レンタルスペースでのイベント開催(7日間)
12月下旬 NPO法人設立(予定)

2023年
1月下旬 レンタルスペースでのイベント開催(7日間)
2月上旬 リターン発送

その他 天草方面や阿蘇方面など市外への移動イベント、オンラインを活用した遊び、お話会やワークショップなどを通してのコミュニティづくり

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


リターン

nichi nichiのロゴマークは、小さい頃から入退院を繰り返している子(現在中学生)が、nichi nichiのイメージを描いてくれたものです。4歳の時に病棟で出逢って11年。絵を描くこと、ものづくりが大好きな彼女は入院中でもたくさんの作品を作り続けてこられました。nichi nichiのイベントに参加することを楽しみに治療をがんばっておられます。

彼女の想い、nichi nichiにつながる子ども達と家族をはじめ私たちの想いがつまったロゴマーク入りのオリジナルグッズ、そしてnichi nichiからのメッセージなどをリターンとして考えています。


また、11/19(土)13:30~15:00 熊本市内 子ども文化会館にて子ども達が主役のコンサートを行う予定です。当事者・当事者家族、協力者で楽器演奏、ダンス、マジック、ファッションショーなどのパフォーマンスを行います。
入院する子ども達、在宅療養をする子ども達、会場に来られない方も観覧できるようコンサートの様子を配信いたします。
ご支援いただいた方にも、アーカイブ配信、またはオンデマンド配信のURLをお送りいたします。

●オリジナルTシャツの種類
白(顔つきロゴ) 白(文字のロゴ) ピンク(文字のロゴ) チャコール(文字のロゴ)よりお選びください。
文字のロゴの印刷3色は、視覚障がいがある子も触って形をたのしめる発泡プリント(ロゴデザイン部分)になります。
●オリジナルTシャツのサイズ●
100 110 120 130 140 150 160 レディースM レディースL メンズS メンズM メンズL メンズXL
メンズXXL メンズXXXL の15サイズよりお選びください。

最後に

nichi nichi(ニチニチ)

ニチニチ草の花言葉は「楽しい思い出」

楽しい思い出を重ねられる場所でありたいという想い

ときどき、ではなく「日々」子どもと家族と大切な日常を過ごせる場所でありたいという想い

熊本といえば…「日日」

子ども達からつながる皆さまに憶えていてほしいという想いを込めてnichi nichiが始まりました。

日常の大切さを心から知っている子ども達からつながりひろがるコミュニティは

きっと皆を笑顔にできる場所になると願っています。

皆さま、nichi nichiを今後ともよろしくお願いいたします。

nichi  nichi代表 毛利和子


チーム/団体/自己紹介・活動実績など

現在、nichi nichiは、NPO法人化に向けて準備を進めています。当事者・当事者家族を中心に現在26名の方が想いに賛同してくださり初期メンバーとなってくださいました。さまざまな視点を大切に、ひとつひとつ作り上げていけるようなnichi nichiであれたらと思っています。( )内は法人化後の役職

毛利和子(代表理事)保育士
佐方彦斗(副理事)当事者
内田淑子(事務局長)当事者家族
谷川弘治(監事)神戸松蔭女子学院大学教育学部教授
東島明子(監事)元福岡大学病院臨床保育士
阿南正(理事)医師、小児血液腫瘍専門医
池田佳菜(理事)当事者家族
内田侑志(理事)当事者
榎本愛奈(理事)当時者家族
大谷芳子(理事)病棟保育士
大場蕗子(理事)理学療法士、熊本小児在宅ケア・人工呼吸療法研究会
小篠史郎(理事)医師、熊本小児在宅ケア・人工呼吸療法研究会会長
北川小夜己(理事)元小児科看護師
須惠美代子(理事)当事者家族
須惠響生(理事)当事者
髙野祥子(理事)臨床保育士
田北雅裕(理事)社会福祉士、九州大学大学院講師
田端綾(理事)当事者家族
遠竹眞由子(理事)当事者家族
遠竹なつ(理事)当事者
徳丸敦士(理事)当事者
開田美沙貴(理事)当事者
宮里邦子(理事)看護師、令和健康科学大学看護学部教授
毛利基充(理事)介護福祉士
森山清美(理事)当事者家族
森山天斗(理事)当事者

※佐方彦斗氏は、大きな治療を経て2019年に天国に旅立たれましたが、代表に「先生がいつか会社作ったら、俺を副社長にしてね。」と話してくれていました。


● nichi nichi代表 毛利和子の医療福祉関係 活動実績

大学院在学中より難病の子どもと家族に関わる活動に携わる。熊本県内の大学病院に8年間病棟保育士として勤務。小児がんなど長期入院の子どもと家族に関わり、熊本地震を機に、入院する子ども達だけでなく在宅療養をする子どもとのコミュニティづくりの大切さを実感する。2022年よりコミュニティづくりのための活動開始。

・病棟、小児科外来にて遊びのボランティア
・難病の子どもと家族のキャンプ、小児がん経験者の子どものキャンプにてスタッフとして参加
・病気の子どものトータルケアセミナーin福岡の企画・実施。
小児医療フィールドで働く保育士、医師、看護師、教師、ソーシャルワーカー、臨床心理士、当該分野に関心を持つ学生を対象としたセミナーの企画・実施。
・医療保育学会/九州沖縄ブロックの企画・実施
・重い病気や障がいをもつ子どもとその家族のおかれた環境を考える取り組みを行う任意団体福岡子どもホスピスプロジェクト(後のNPO法人福岡子どもホスピスプロジェクト)の発足に携わる。子どもと家族を対象にしたイベントや交流会、勉強会や講演、グリーフの会等を行う。
・任意団体「子どもと病院を考えるプロジェクトkopital」を結成。
「長期入院の子どもへのアート活動と地域参画事業」「絵本カーニバル」等の活動を福岡、熊本の病院で実施。
・医学生・看護学生、保健学科学生、養護教諭学科学生のボランティアコーディネート
病棟保育で実感した課題に医療者と協力しながら、小児科でさまざまな活動を始め、継続化できるよう務めた。医学生、看護学生、保健学科学生、養護教諭学科学生と入院する子ども達、家族をつなげるボランティアコーディネート、ボランティアの育成等。入院する子どもの家族のお茶会とお話会の実施。入院中の子どもと退院した子どもやきょうだい児が参加できるイベントの病棟内外同時開催等。
・クリニクラウンの受け入れ
熊本地震を機に定期的に訪問してくれるようになった認定NPO法人日本クリニクラウン協会のクリニクラウンが、入院する子ども達と限られた時間のなかで楽しく子どもらしい時間が過ごせるよう、医師、看護師とともに事前や振り返りのカンファレンス、情報共有などを続けてきた。
・イラストレーション・デザイン作成
NPO法人福岡子どもホスピスプロジェクトのロゴマーク作成、大学病院の新生児用救急車、外来プレイルームの壁面マグネット作成、医療保育学会のパンフレット・Website用イラストレーション、天国に旅立たれた子の似顔絵入り墓石のイラストデザインなど
・「空にかかるはしご~天使になった子どもと生きるグリーフサポートブック」寄稿
・病棟保育士をしながらその活動についての発表の機会に積極的に取り組む。
熊本県内のセミナー、研究会での発表、熊本県内の大学での「病棟保育」の講義
日本小児保健協会学術集会シンポジスト、長期療養中の子どもと暮らす家族の集いでの講演、熊本県内の小学校で教職員の研修として「病棟保育」のお話など
小児科で看護実習する学生への講義(80回以上)
・在宅療養をする子どもと、オンラインでの遊び
コロナの緊急事態宣言時に、重い障がいのある子どもや医療的ケアの必要な子どもを対象に、オンラインでリモートでの保育を行い、音楽や手遊び、絵本を通した子ども達との交流を行う。
・訪問保育活動
重い障がいのある子どもや医療的ケアの必要な子どもの訪問保育活動、通学支援などを看護師と一緒に行う。
・東京都世田谷区でNPO法人設立に携わる
重い障がいのある子どもや医療的ケア児のための居場所づくりを行う。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください