はじめに・ご挨拶

こんにちは。稲田本店のクラウドファンディングをのぞいてくださってありがとうございます。
蔵元の成瀬以久と申します。13年前に先代の父から代表を引き継ぎました。
稲田本店は鳥取県西部の米子市にあります。日本海まで直線距離で約2Km、会社の裏庭に出れば、国立公園大山を望むことのできる自然豊かな場所にあります。仕込み水はこの大山の伏流水を使用しています。
代表銘柄は「稲田姫」。出雲神話に登場するお姫様の名前で、縁結びの神様として祀られています。この稲田姫にあやかって、お酒を通してぜひみなさまと「酔いご縁」が結べたら有難いと願っております。


商品・お店が作られた背景

おかげさまで稲田本店は来年創業350年を迎えます。自分でも「ひぇ~」と思うような年数です。この間には本当に様々な事があったと思います。思います…というのは、実はこの稲田本店は、その名の通り元々稲田家が経営しておられたのですが、跡継ぎの方がおられなくなったところで、先代の私の父が引き継いだ酒蔵なのです。その父の実家も戦前までは酒蔵を営んでおりました。戦後の酒蔵の統廃合により、酒蔵を閉めざるを得なかった父は「いつかもう一度酒蔵を」という思いがずっとあったようで、この酒蔵引継ぎのお話をいただき、今がその時だと思ったそうです。この時、父は自分の実家の酒蔵の社名や銘柄は使いませんでした。もう亡くなってしまったので直接聞くことは出来ませんが、300年以上続いてきた歴史と技術を大切に思い、まるごと稲田本店を引き継いでいこうと考えたのだと思います。そして私の番です。跡を継ごうなんて全く思っていませんでしたが「お前が引き継いで会社がだめになるなら、諦めがつく…」と言われ「そこまで言うならやったるわ」と大口をたたいてしまい、ここまで何とかやってきました笑。しかし、ご多分に漏れずコロナの打撃を受け売上が落ち込み、製造数量も縮小せざるを得ない状況になりました。従業員を誰一人辞めさせることなく、希望を持って会社を続けていくにはどうしたらいいかと考えるようになりました。
コロナ禍に終止符を打ち、そして350年目のリスタート。テーマを「原点・挑戦・継承」と定め、これまでの清酒の造りを振り返ると共に、今後稲田本店が向かう酒造りを考え、商品化を行います。そしてこのクラウドファンディングの場をお借りして、もっと多くの人に私たちのお酒を知っていただけたら嬉しいです。


私たちの商品・お店のこだわり

弊社の杜氏、信木に「こだわりって何?」と聞くと、「お酒造りとは心が全てである」と言います。「どういう事?」と聞くと「蔵人それぞれがお客様の笑顔を想い、自分の仕事に責任を持ち、美味しいお酒を造るという心構えで酒造りに取り組んでいます」と。なんかかっこいいな。私もそういうのほしいな…と。入社してからの二十数年を振り返り、浮かんできたのが「醸し、新し、おもしろし、男も女も、上戸も下戸も、みんな稲田本店へいらっしゃ~い!」でした。お酒を丁寧に醸し、常に新しい事に挑戦し、まず自分たちがそれを楽しんで、お客様に伝える事が出来たら。元々お酒が苦手だった私は、お酒を飲まない方にも意識が向きます。ハンドルキーパーはつまらないなんて言わせない。蔵にお越しいただく皆さんに楽しんで帰っていただきたい。そのために、栄養を豊富に含んだ酒粕を使ったスイーツを作ったり、梅酒ならぬ梅シロップづくり体験をしていただいたり、または日本の伝統文化に登場する清めや契りの意味を持つ日本酒の神秘性について一緒にお話しできたらいいなと思います。

そして昨年から始めた農業。まだまだ栽培面積は少ないですが、酒米を自社栽培し、トレーサビリティーが保証された酒米で日本酒を醸造し、また地元の方々から米をはじめとする農作物の栽培技術や経験を教えてもらい、先人たちの知恵を受け継ぐという素晴らしい役割を担っていきたいという想いがあります。

今年は初めて鳥取県の酒米「強力」を栽培しました。稲穂が1メートル50cmにもなるので穂が倒れやすく栽培が難しいとされていますが、一歩を踏み出さないと何も生まれない!と思いチャレンジ。この酒米を使って今回のお酒を一つ醸します。


リターンのご紹介

記念酒のテーマは「原点・挑戦・継承」

  • ①「原点」のお酒

 稲田本店の創業は江戸時代中期の延宝元年(1673年)です。その創業の「原点」に立ち返り、その当時(江戸時代)に造られていたお酒の再現を行います。創業時代のお酒は現代のお酒と比較して仕込み時に使用する麹の量は多いものの水の量が少なく、濃くて甘いお酒だと考えられています。お酒の仕込み配合(レシピ)は文献を参考にしますが、造りの工程では当時の状況を考慮し、温度計や成分分析に頼ることなく五感をフル動員して仕込みともろみの管理を行い、利き酒を行いながら搾り時期を決める予定です。またこのお酒は無農薬・無化学肥料(有機肥料使用)の鳥取県産「強力」で造ります。今回造るお酒を通して改めて清酒造りの原点を見直したいと考えています。

  • ②「挑戦」のお酒

 稲田本店では明治時代にビールの製造、昭和初期には冷やして飲む清酒(冷用酒)の商品化、昭和40年代には50%精米の純米酒の商品化と様々な事に挑戦してきました。平成26年にはこれまでの清酒の枠を超えて醸した極甘口低アルコールの純米大吟醸酒「IKU’S」を商品化しました。「挑戦」のお酒はこの「IKU’S」の製法をベースに、鳥取県産の酒米「強力」を用いて仕込みを行います。このお酒は多酸極甘口でありながら、華やかな香りのある低アルコール酒を目指します。

③「継承」のお酒
 稲田本店のお酒のコンセプトはお酒自体が強く主張するのではなく料理に寄り添うような食中酒であること。さらにこれからも造り続けたいお酒を考えたとき、飲み飽きせずいつも家に置いてあるようなお酒であることを継承のキーポイントとしました。また昨年から酒米をはじめとして農作物の生産等を行う「天宮ファーム株式会社」を立ち上げました。酒米は年によって品質が異なりますが、蔵人が米作りに携わることで、前もって酒米品質の傾向を知り、酒造りに活かしていけると考えています。「継承」のお酒はこの天宮ファームの「強力」を用い、香り控え目で米の旨みを感じられつつキレの良い辛口純米吟醸酒を目指すことにしました。弊社の純米吟醸酒は豊かな吟醸香とやや甘目の優しい酒質が持ち味ですが、今回のお酒はより普段飲みを念頭において醸します。


〇「酔いご縁」袋
  すべてのリターンに付いています。
  稲田姫は、出雲神話のヤマタノオロチ伝説でスサノオノミコトに助けられたラッキーガール。
  二人は縁結びの神様として祀られています。
  そんな稲田姫にあやかって、あなたにも酔いご縁がありますように。



〇仕込タンクネームプレート
  お申込みいただいた方のお名前を刻印し、この仕込タンクに取り付け、皆さんの想いと一緒に仕込みたいと思います。

  

   


プロジェクトで実現したいこと

今回のプロジェクトで行いたいことの一番は、今までの活動ではお会いすることのできなかった、もっと多くの方々と酔いご縁を結び、皆さんの応援を糧に酒造りがしたいという事です。皆さんの想いを感じながら叱咤激励とともに、さらに50年100年と続いていく酒蔵になりたいです。


資金の使い道・スケジュール

チラッと蔵人に聞いてみました。「蔵で今一番欲しものは何?」即答で「洗濯機!」洗濯機…?蔵では酒米や麹を使った作業の時に、沢山の布や網を使用します。それを洗う大型の洗濯機が欲しいのだそうです。どうやら今使っているものが、杜氏の年齢より上をいく洗濯機だそうで…。もしプロジェクトが成功した暁は、この大型洗濯機を購入したいと思います。


最後に

お客様とお話をするのが大好きな蔵です。
沢山の方々と「酔いご縁」がつながると嬉しいです!
応援よろしくお願いいたします。

醸し 新し おもしろし
男も女も 上戸も下戸も
みんな稲田本店へいらっしゃ~い!


〒683-0851 鳥取県米子市夜見町325-16
電話番号   0859-29-1108

WEBサイト:http://www.inata.co.jp
Facebook:http://www.facebook.com/inatahonten/
Instagram:http://www.instagram.com/inatahonten/


<掲示事項>
販売場の名称及び所在地:株式会社稲田本店 鳥取県米子市夜見町325番地16
酒類販売管理者の氏名:築谷真司
酒類販売管理研修受講年月日:令和3年7月15日
次回研修の受講期限:令和6年7月14日
研修実施団体名:米子小売酒販組合


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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