はじめに

はじめまして、有限会社MARINEBULEの沖縄代表取締役の仲地宗輝といいます。

中学生の頃に入院して以来、長らく岡山県で暮らしていましが、10年前に生まれ故郷沖縄に帰ってきました。しかし、盲目であり四肢が不自由な私が働こうにも、当時近隣に福祉事業所は少なく、また周りの障害を持った方も私同様に行き場がなく困っているということを知りました。

それならばと以前岡山県で障害福祉事業所の立ち上げの一員として協力した経験があったので、「できない」ではなく「どうやったら出来るか」と考え、周りの人にも協力してもらいつつ率先して行動し、就労継続支援B型事業所を開所しました。

今回のプロジェクトは、アレルギーに対応したクッキーをつくり、さらに沖縄のお土産品としてお土産屋さんで販売してもらうことを目標としています。それには量産化が必要ですが健常者が製造するより様々な難題がでてくると考えています。

これらの難題を解決するためにお力添えをしていただきたく、今回クラウドファンディングに挑戦することにしました。


商品を作ろうとした背景

就労継続支援B型事業として、喫茶ルームとゲストハウスを運営しています。事業所付近には会社や事務所が数多くあり、コロナ禍以前は、そこで働いている方や観光客がお弁当やランチを食べに来ていました。しかしコロナ禍の影響もあり、飲食店やゲストハウスの運営が徐々に厳しくなり、事業所を継続していくには何か新しいことを始める必要がありました。

障害福祉サービス事業所だからこそ

福祉事業をしている関係もあり、いろいろな方との交流機会があり、そのなかで「お土産選びに困っている。」と聞いたことをふと思い出しました。理由はほぼ同じで「お土産を渡す相手にアレルギーを持っている方がいるが、アレルギーでも大丈夫なお土産品ってなかなか探せない。」という感じです。確かに私の身近な方にもアレルギーがあり、食べ物に気を使っている人が何人かいます。事業所利用者にも、体調面から食材を気にする方もいます。そのようなこともあり「このお土産品は、障害福祉に携わっているからこそ、当事者が本当に欲しいお土産が作れるのではないか。」と新事業としてお土産品を作ることに決めました。

そこでお土産品としてクッキーを作ることにしました。焼き菓子であれば個別包装もしやすく配りやすい、加えて形も自由に作れることから沖縄らしさを形で表現できます。味など突き詰めると大変ですが作業自体複雑なものではないために障害を持った方でもすぐに取り掛かることができると考えたからです。

クッキーによく使う食材の中で卵・乳・小麦は主なアレルギー物質です。そのため小麦粉の代わりにタピオカ粉やもち粉を使い、牛乳や卵は使わないことにしました。地域の保育園児や保護者に試食していただき、アンケートを取りながら、多くの方に協力していただき、構想から2年、何度も試作を繰り返し、材料の配合など工夫しやっと形になりました。現在ではより多くの方の反応を見るために協力者であるカフェにほんのわずかですが置いていただいています。


クラウドファンディング挑戦に至った経緯

「うちの店舗でも置きませんか。」とお話がありました。ただ利用者が生地などを家庭用ハンドミキサーや泡だて器、ヘラで混ぜていること。小さく、古いオーブンのために焼成に時間がかかっていること。そもそも利用者の作業時間に制限があること。これらの3つ理由から受注量に応えることができず、お断りせざるを得ませんでした。今後依頼を受けるには、製造負担を軽減しつつ量産化、そのためには設備の購入が必要だと感じました。


設備購入には資金が必要です。初めに公庫からの借り入れを考えましたがすでにコロナ関連の融資を受けており、これ以上の追加融資は厳しいと考えました。次に厳しいことは承知で、少しでも借りれればと地元銀行に相談したところ、事業計画や借り入れ状況など必要書類を提出してほしいということなり、書類を準備し提出しました。その後連絡があり、「まずは融資の申し込みをしてもらい具体的な判断をします。」と連絡いただき、とりあえず申し込みできることに淡い期待を抱きました。

しかし、いざ申し込みをしようとしたときに、「申し訳ありませんが、申し込みのサインは自筆でお願いします。」と言われました。私は、目が見えなく、手にあまり力が入りません。公庫では、公庫担当者同席のもと、士業の方に代筆を頼み申込書にサインをしてもらいましたので、今回も代筆で大丈夫と思い込んでいました。しかし融資担当者が同席しても代筆はダメ、手を添えてもらうこともダメと言われました。しかたなくペンを握った手を署名欄に誘導してもらいサインしましたが、署名欄内にサインすることができず、また「名前が判読できない。」と言われました。

後日銀行担当者から「親族であれば代筆でも構いません。その際は戸籍など準備してください。」と言ってもらいましたが、唯一の親族は東京におり、すぐに来ることができません。また少し複雑な家庭事情があり、戸籍を取ろうにも役所にその記録はありませんでした。しかたなく、定規を使いサインをする練習をして、再度申し込みたいと連絡すると「住所欄も自書お願いします。」と言われました。名前だけならともかく、何枚もある申込用紙に住所まで書ききれません。もともと融資は厳しいとも考えていましたので、融資をあきらめるしかありませんでした。しかし、このプロジェクトはあきらめきれず、残る手立てとしてクラウドファンディングを選びました。

私たちの商品・お店のこだわり

 私たちが作るクッキーの対応しているアレルギー物質は、小麦粉・卵・そば粉・ピーナツ・大豆の5種類です。アレルギー対応だけどおいしいを目指し、沖縄の果物や食材を選んでいます。ほかにクッキーの型も特注のハイビスカス・シーサーなどオリジナル型を使い、味だけでなく見た目も含め沖縄をイメージできるように工夫しています。今後もより改良を加えていきたいと思います。現在、農地を借りているので、将来的には自社農場で作った野菜などを使い、食材調達から加工まで一貫した作業を行い、すべての工程に責任が持てる安心・安全を見える形で提供できればと思っています。


リターンのご紹介

リターンは9種類準備しています。現在の私たちができることをご支援いただいた気持ちに応えるべく考えてみました。まずはプロジェクトの成果物として、クッキーの詰め合わせです。つぎに事業所ではTシャツの販売も予定していますので、そのTシャツも準備します。最後は、ゲストハウスを運営しているので宿泊もリターンに加えました。今後農地も整備しますので、種まきや収穫時期などご一緒できればと考えています。

①お礼状                                3,000円

②がじまるクッキーの詰め合わせ                       5,000円
 (詳細はリターン欄に記載しています。)

③がじまるTシャツ                           5,000円
(詳細はリターン欄に記載しています。)

④がじまるクッキー詰め合わせ+Tシャツ                 8,000円

⑤ゲストハウス宿泊(1泊2日)                           8,000円
 (詳細はリターン欄に記載しています。)

⑥がじまるクッキーの詰め合わせ+ゲストハウス宿泊(1泊2日)        14,000円
 (詳細はリターン欄に記載しています。)

⑦がじまるクッキーの詰め合わせ+Tシャツ+ゲストハウス宿泊(2泊3日)     30,000円 
 (詳細はリターン欄に記載しています。)


プロジェクトで実現したいこと

今回のプロジェクトで実現したいことは2点です。

① アレルギーを気にせず、みんなで同じお菓子を食べてもらいながら思い出話をしてもらいたい。
② しっかりと儲ける仕組みを作ることで、障害を持った方、一般企業で働きにくい方の雇用の場を守れる経営体制にしたい。

①について
職場やご近所に配るお菓子として、選ばれるものにしたいと思います。お菓子の場合は、アレルギーがあるとは知らずに渡してしまうとその方の事情を知ったときに気まずくなることもあります。そのようなことを気にすることなく、例えば職場で休憩時間に皆さんで食べて、思い出話に花を咲かせ、コミュニケーションがとれるようなおいしいクッキーにしたいです。

②について
就労継続支援B型事業所は、様々な事情から利益が出にくい事業です。近隣の福祉事業所には、コロナ禍になり、体調に不安を持つ利用者が人込みを避けるために通えなくなったり、取引のあった企業との仕事がなくなったりなどの理由で閉鎖しているところもあります。「儲け」という響きは悪いイメージかもしれませんが、福祉事業を継続していくには「儲け」は必要です。商品を作り、売れることで利用者の工賃(賃金)を上げ、やりがいと工賃の両面で事業所に通いたくなる場所にしなければなりません。アレルギーでも大丈夫という身近な課題にかかわり深い食品を自分たちの納得いくように作り、広めるというやりがいとそれに見合った工賃を受け取れる体制を作りたいと思います。


資金の使い道・スケジュール

クッキーの試作品づくり、量産化を進めるうえで必要な設備の購入に活用します。
設備の購入総額 8,000,000円のうち5,460,000円をクラウドファンディング資金で賄い、残りの費用2,5400,000円は自己調達します。

購入予定設備一覧
  設 備              金  額          用 途
①ミキサー              約 400,000円    手作業からの負担減
②スチームコンベクション(オーブン) 約2,200,000円    短時間大量焼成による量産化
③ブラストチラー           約2,000,000円    高速冷却で食中毒予防・時間短縮
④真空包装機             約1,500,000円    個別包装・長時間保存対応
⑤精米機               約1,600,000円    タピオカ粉・もち粉の自作・改良
⑥その他設置費用等          約 300,000円    設備設置に必要な工事及び備品代等
 総額 約8,000,000円

クラウドファンディング資金の使い道
  設 備                 金 額
設備代                 5,460,000円
GoodMorning手数料 9%          540,000円 

 スケジュール
2023年2月末 クラウドファンディング終了
同年3月~4月  設備購入
同年4月~5月  試作品製造・量産化体制構築
同年6月~   リターン発送


最後に

コロナ禍になり、利用者が減り、近隣の通りから人通りも少なくなり、「何かしなければならない。でも何をしていいかわからない。この事業所を続けなければいけない。」という焦りだけがあり、考え付くことを行動してもうまくいかず、ただ月日とお金が流れていく状況でした。そのようなとき「アレルギーに対応したお土産がないかな。」という一言を思い出し、飲食店であること、食品製造の許可もあり、周りからアレルギーに対する意見を聞きやすい環境であるという強みをいかす条件が揃っており、「これだ!」と思い取り組むことにしました。試作品ができてからは、病院やスーパーでの販売、お祭りなどイベントへの出店と販路拡大を図っています。経営が厳しい状況が続いていますが、一般企業で働きづらい方、職員、取引相手と三方良しになる、その足掛かりとなる今回のプロジェクトをご支援くださいますようお願いいたします。

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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