※このプロジェクトは、2023年2月25日(土)-28日(火) 新宿住友ビル三角広場にて開催のクリエイティブの祭典 「NEW ENERGY」と株式会社パルコが運営する当クラウドファンディングサイト「BOOSTER」がサポートしています!参加プロジェクト一覧は↑こちらhttps://camp-fire.jp/curations/new-energy)よりご覧ください。 


はじめに・ご挨拶

ものづくりの街、新潟県の燕三条地区で金属加工一筋70年。私たち有本製作所は、プレス機械を用いて金属の板に数10トンもの圧力をかけて器状に成形する「深絞り加工」を強みとしています。


ステンレス製品を中心に住宅建材の換気口や、昨今話題沸騰の難加工材「チタン」を使ったマグカップなどあらゆる製品を作っています。多種多様な材質・形状に挑戦し、形にしてきた「プロの技」、そして70年間で培ってきた「確かな経験」が有本にはあります。


プロジェクトをやろうと思った理由

今までになかった新しい形の製品をへら絞り・スピニングで作りたい ――――――。

深絞り加工の中に「へら絞り」という加工方法があります。へら絞りとは遥か昔、中世ヨーロッパから続く伝統的な金属加工技術です。金属の板を高速で回転させ、そこへ同じく金属でできたへらを当てがい、まるでろくろのような要領で形を作っていく加工法です。


プレス機械とは違い、へらに伝わる感触で素材の変形状態を確認し、へらに加える力を加減しながら加工する必要があるため、熟練の技が必要です。また、廃棄する端材や、製品ができるまでの工程がプレス機械を使うよりも少ないので、環境面・経済面においてコストを抑えることができます。



ほこりをかぶっていた機械が、新たな一筋の光に___。

弊社では、へら絞りをよりシステマティックに再現できる「スピニングマシン」(へらではなく回転ローラーを当てて成形する機械)を数年前に導入しました。


導入したはいいものの、マシンをフル活用できる製品がほぼありませんでした。設備はあるのに全く活かせていないとはなんと勿体ないことでしょう。この状態を打開し、この先何年も会社として生き残きたい。そのための新たな一手として、スピニングマシンを活用したへら絞りの新製品を作る方へと舵を切りました。


新しい花器の製作

花瓶をはじめとした花器は、一般的に陶器やガラス製の物が多い傾向にありますが、私たちは金属製の花器を作ることでより多くの方の「いい器が欲しい」というリクエストにお応えできるのではないかと考えております 。


一般的な陶器やガラス製の花器に比べ、金属の花器は強度に優れています。花器をぞんざいに扱うことはありませんが、何かにぶつけたり手を滑らせてしまったりして割ってしまう、という不意の出来事に強いのが金属花器の大きなメリットです。


【注意!】割れないだけで、落とした場合には変形します。



また、へら絞りにはほかの金属加工と違い、製造時にへらを押し付けた時の独特な波状の跡が出ます。この跡は加工痕と呼ばれ、一般的には工業製品としての価値を下げる要素の一つです。そのため普段は出来る限り痕をなくすよう職人が作り上げます。しかしこの花器において、それはとてももったいないこと。この加工痕こそがデザインの良さであり、新たな製品としての付加価値であると私たちは考えます。


今回は工業製品としての常識からはずれ、波状にできた痕をあえて大きく残すという選択をしました。それによって無骨な“金属らしさ”とは一味違う、「思わず触れてみたくなるような質感」「まるでアンティークのような存在感」を表現することに成功しました。


さらに私たちは、新しい金属製品の価値観を世の中へ発信していくためのプラットフォームとして新ブランドを立ち上げます。

 

その名も―――、「AR‐PLOMB(アプロム)」。


 

AR‐PLOMB(アプロム)とは、困難に立ち向かう時の落ち着き・冷静でいる様子、泰然自若(たいぜんじじゃく)とした佇まいを意味するフランス語「APLOMB」をもじった言葉です。「厳格なイメージの中にもやさしさを感じられる」という意味と「確かな技術、誠実に仕事を」という有本製作所の会社理念になぞらえました。ブランドロゴにもなっている「AR」は、社名にも入っている「有本(アリモト)」からとっています。



AR-PLOMBの商品展開の第一弾として、前述の花器を世に送り出します。


題して、「幽玄(yu-gen)」――――――。

「幽玄」とは「物事の様子が奥深く、味わいや気品があって優美である」という意味の言葉です。
趣深くも、どこか身近に感じられる雰囲気は私たちの日々の生活の中に溶け込み、程良いアクセントになってくれるでしょう。



植物の種類は問いません。花でも木でも、サボテンなどの観葉植物を植えるもよし。アシンメトリー構造なので、見る角度によって異なる表情を見せてくれます。




幽玄(yu-gen)なら、飾る角度や高さを変えることで同じ植物でも様々なシーンに合わせて印象を変えることができます。




私たち有本製作所は1952年に創業しました。70年という歳月を乗り越えて、モノづくりに情熱を注いでこられたのは、どんな困難に直面しても「AR‐PLOMB(アプロム)」な姿勢を崩さなかったからだと自負しております。70年の節目に、新たな技術に挑み、完成した花器「幽玄(yu-gen)」を皆様にお届けできたら幸いです。


製品の特長

商品として特徴を持たせるために、レーザーカッターを使ってアシンメトリー(左右非対称)に器をカットしてあります。波状の加工痕を最大限に活かすため、表面を加工するメッキの一種である「金古見(きんふるみ)」を採用しました。





これまでの活動

プロジェクト開始に伴い、まずは1から基礎的な技術を習得しなければなりませんでした。そこでスピニングマシンの購入元である企業へ、新潟県から片道約3時間かけて訪問、研修を受けました。

そこで得た経験を元に、社内で特訓の日々が続きました。もちろん最初からうまくはいきません。材料を曲げすぎたり割ったりと悪戦苦闘の毎日でした。何とか形になるまでに約3か月。さらにブラッシュアップして、トータル約半年間で製品として出せるレベルまでもっていきました。



その後、デザインに特徴を持たせるためアシンメトリー(左右非対称)にカットすることを思いつきました。器をカットするといっても簡単ではありません。というのも、放射状に広がっている形状のため、全ての器を同じ精度でカットすることが難しいのです。


ただそこはものづくりの街、燕三条。高精度で特殊な形状にカットできるレーザーカッターを採用している企業さんが近くにいらっしゃったので、そちらにお願いすることができました。カット後の完成品は、元々アシンメトリーだったのではないかと思えるくらいきれいな出来栄えになっていました。



続いて注目したのは、製品の色、表面の処理です。製品へのこだわりとして、できる限り金属感・工業製品感がない、身近な生活の中に違和感なく溶け込むものを作りたいというコンセプトでした。そこで採用したのが、「金古見(きんふるみ)」というメッキ加工です。

金古見(きんふるみ)は、まず初めに表面を黒く発色させ、その後あえて研磨をかけて傷をつけます。最後に研磨の傷跡の部分に金メッキを乗せることで傷跡が金色に輝き独特な質感を演出します。この技術も地元の燕三条の企業さんにお願いしました。

結果としてすべて地元、燕三条の技術を結集した形となりました。改めて燕三条のものづくりの偉大さを目の当たりにしました。


金古見色のほかに、より素朴で親しみやすい色のバリエーションとして黒色のご用意があります。
その日の気分や使用するシーンによって使い分けることでお楽しみいただけることでしょう。




資金の使い道

支援金は、へら絞り・スピニング加工を中心に有本製作所独自の新製品開発費用として使用させて頂きます。今回の花器のみならず、全く別の新しい製品の開発(日用品やアクセサリーなど)にも挑戦していきます。その他、BOOSTER手数料としても使用されます。


リターンのご紹介

「幽玄(yu-gen)」の色は、メッキの色を生かした「金古見(きんふるみ)」色と、どのようなシーンでも使いやすい「黒色」の二色のご用意があります。また、大きさも二種類ございます。【大】の寸法は(最大径210mm×最長高116mm)、【小】の寸法は(最大径180mm×高さ102mm)となっております。

■サイズ:

サイズ比較用の画像

【大】:最大径210mm×最長高116mm

【小】:最大径180mm×高さ102mm


詳細は以下のようになります。色と大きさごとにプランは設定しておりますが、くれぐれも選び間違いのないようにお気を付けください。



①「幽玄(yu-gen)」~金古見(kinfurumi)~ ×1個
【大】65,000円  【小】39,000円


②「幽玄(yu-gen)」~黒(kuro)~ ×1個
【大】60,000円 【小】34,000円


③「幽玄(yu-gen)」~金古見(kinfurumi)~ ×2個セット 
【大】130,000円 【小】78,000円


④「幽玄(yu-gen)」~黒(kuro)~ ×2個セット 
【大】120,000円 【小】68,000円


⑤「幽玄(yu-gen)」~金古見(kinhurumi)~と~黒(kuro)~ 各1色ずつの2個セット
【大】125,000円 【小】73,000円



実施スケジュール

2023年2月下旬 プロジェクト開始

2023年4月下旬 プロジェクト終了

2023年5月中旬~ 製造完了次第、商品発送
※製造スケジュールにより、発送が若干前後する場合がございます。 


最後に

「AR-PLOMB」は生まれたばかりのブランドです。そのため、初めて知っていただいた方が大半だと思います。
順次いろんなイベントに出展し、認知度を高めて参ります。
新潟県は燕三条発の確かな技術、もし気に入って頂けましたら幸いです。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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