■「わたしたち」がやります

みなさんこんにちは。横須賀・三浦半島にある「たのし屋本舗」の下澤敏也(しもざわとしや)です。

横須賀市出身で、三浦半島の地魚と地野菜が楽しめる「うれしたのし屋」という地ものを使う飲食店を1997(平成9)年からやっています。

三浦半島で唯一のクラフトビール醸造所&ビアレストランの「横須賀ビール」の中の人でもありますので、そっちをご存じの方もいるかもしれません。

三浦半島での飲食店経営も25年になりました。実感するのは『三浦半島は食材の宝庫!』ということ

だからこそ、三浦半島のことを日本中に発信して、多くの方がこの街を知り、目指してやってきてくれるようになることを願っています。

今回、三浦半島の漁師と農家とそして様々な食品産業事業者や商工会議所、行政機関の皆さんとともに「神奈川ローカル・フード・プロジェクト(LFP)」に参加することで、三浦半島の漁師、農家たちとスクラムを組み、あらためて商品づくりに取組むことになりました。

主に連携している、漁師の仲間達を紹介します!


まずは若手の漁師、稲葉太子(たいし)!

1984年7月4日生/就業年数9年/漁師になった動機:再婚相手の父親が漁師だった!


当初は「船に乗るのも嫌いで、魚臭い親父も嫌いで、全くなるつもりはなかった」という、元野球選手。
大学の時にケガが原因で野球は諦め働いていたところ、義父が大きな事故に巻き込まれて操業不能に。悩んだあげく、漁師になったという経歴を持ちます。


さらに猿島わかめ養殖でタッグを組み始めた、譲原亮さん!

就業年数約20年/漁師になった動機:家業を初めに継いだ兄が転職した!


刺網からカキ養殖など、漁場の変化に対応する変幻自在の漁師。
父世代の先人漁師たちが始めた猿島わかめを我々飲食店が「さるひめ」と名付けブランド化したことに対応し「海の畑を育てる」役目を担ってくれています。

そのほかLFPパートナーの皆様に本当に多くのアイデアをいただき、商品名や商品形態が固まってきました。


■「ここ」でやります

「三浦半島は食材の宝庫」ということを書きました。どれだけ三浦半島が素晴らしい食材の産地なのか、ちょっと話をさせてください。

三浦半島は西を「相模湾」、東を「東京湾」、南を「相模灘」と三方を海に囲まれ、さらに黒潮の好影響を受けるため、さまざまな魚介類に恵まれています。

三崎漁港を拠点として「はえ縄」でカツオやマグロを漁獲する「遠洋漁業」が有名ですが、タモや釣りでサバやキンメダイなどを漁獲する「沖合漁業」、定置網や刺網でヒラメなどを狙う「沿岸漁業」も多く行われています。そのほか、わかめや海苔などの海藻類を生産する「海面養殖業」の歴史も古く、とにかく多種多様な海洋資源が豊富に得られるエリアです。

特に横須賀にある東京湾に浮かぶ唯一の自然島・猿島付近の漁場で養殖される「猿島わかめ」と、その1メートル未満の若葉をブランド化した「さるひめ」は、私も役員を務める「猿島海畑活性化研究会」が放ったスマッシュヒットとして全国区になり、今や多くの人が訪れ、おいしく楽しんでいただいています。

一方で三浦半島は野菜がたくさん採れる土地としても知られています。温暖な気候を生かし、冬の畑は見渡す限り“みどり”。しっかり栽培され、空いている畑はほとんどありません。品質の良い野菜を育てるためには、計画的に有機質堆肥を入れて土づくりをし、種をまいた後は、半島ならではの海からの強い風や台風の襲来があっても耐えられるようにネットをかぶせるなどの工夫をしています。しかも、秋に栽培した大根やキャベツの収穫前に、畝(うね)と畝の間に春キャベツの苗を植えて、畑をフル稼働。年2~3作もの栽培が行われています! キャベツや大根畑から望む富士山は、ため息が出るほどの美しさ。


■「こんなこと」解決のためにやります

そんな食材の宝庫「三浦半島」ですが、良いことばかりではなく、困った問題もあります。

今回のプロジェクトはその三浦半島の困った問題の解決のために立ち上げたものになります。

○困った問題・その1
『刺網にかかったモンスターフィッシュ、どうする?』

モンスターフィッシュの正体は、エイやサメです。ヒラメを狙う「刺網」に、たくさんのアカエイやホシエイ、ネコザメやドチザメが掛かってしまい、目当てのヒラメを獲ることができなくなってしまいます。

さらに、これらの魚は鮮度が落ちると強いアンモニア臭が発生し、食用になりません。とはいえ鮮度を落とさないために生かしたまま漁船の生け簀に入れると、周りの商品価値の高い魚を傷つけてしまう。まさに、どうすりゃいいのよ?状態…。現在は漁師が泣く泣く海に捨てているという状況です。

○困った問題・その2
『豊作すぎて値崩れする野菜、どうする?』

先ほども書いた通り、おいしい野菜がたくさん採れる三浦半島ですが、豊作すぎちゃうのも困り物。豊作で流通量が増えても消費量はそれほど増えないので、買ってくれる人に対しての野菜余りが起き、どんどん値崩れして最終的には農家の取り分は大根一本10円足らず。1000本売っても10,000円にもならず、輸送費で赤字になるなんていうこともしばしば。

出荷すれば赤字だし、しなければ腐ってしまう。せっかく丹精こめて作った野菜を、誰にも食べてもらえずに捨てるのは涙が出る思い。こちらもまた、どうすりゃいいのよ?状態なのです。


■「こういうこと」をやります

そんな「未利用魚」「採れすぎ野菜」の問題を仕入れ先の漁師や農家から知り、地ものを使う料理人の立場として「おいしく、楽しく、商品化できないか!?」と考えていた矢先、出会ったのが「神奈川ローカル・フード・プロジェクト(LFP)」です。

農林水産省の地域食品産業連携プロジェクト(LFP)事業を受けて、神奈川県で作られたプラットフォームでした。

LFPは、「社会的課題を解決するために、経済的利益を両立させ、持続可能な新たなビジネスを創出する事業」です。

獲れちゃう魚、採れすぎてしまう野菜。これは、まさにフードロスなどの社会的課題! 本プロジェクトはそんな「神奈川LFP」の社会的課題の解消プロジェクトの一つとして、トライを行うことになりました。

まずは、エイとサメの商品化。

下処理をしないエイもサメも独特の「アンモニア臭」が問題!

下処理をしないと鮮度も落ち、臭くて食べられたものじゃない…。

そこで、先ほど紹介した稲葉太子と譲原亮の二人に相談。

厄介者のエイとサメを獲れた端から船の上で、血抜きをし、背骨近くを通っている神経にワイヤーを通し、神経を壊す「神経締め」をしてもらいました。

実際に漁師が船上で丁寧に下処理をすると、エイとサメは独特のアンモニア臭やクセが出ることなく、淡白でやわらかな肉質の食材に生まれ変わりました!

そんな経緯で今回のプロジェクトではこの二人を中心に、この技を持つ漁師がモンスターフィッシュの鮮度とおいしさを保つため、手間と努力とワザを船上で惜しまず発揮してくれています。

すり身にして、野菜の端材を加えて丸めて油で揚げると、「おでん」を想像するようなすり身揚げになりました。少し白っぽいエイと、キツネ色のサメ。食べるとエイの軟骨も入っていてコリコリとした食感。

そして、「おでん」なら、三浦半島には品質が良く、豊富な生産量を誇る大根があります!

厄介者のエイとサメのすり身と野菜による「おでんダネ」を中心とした「横須賀Monster Fishおでん」の開発がスタートした瞬間でした!


■「こんなもの」をつくります

漁師が船上で丁寧に下処理をしたエイとサメ。

そのエイとサメはすり身になり、野菜と合わせて「モンスター揚げ」に。

さらにすり身と豚ひき肉とを合わせて、本格的な「モンスター入りソーセージ」も開発!

「おでん」は出汁にもこだわりました。地元産の鯛を使った出汁は、「モンスター揚げ」や大根に染みわたり食卓の主役になります。

「ソーセージ」のパリパリした食感は、本格的な高級ソーセージそのもの。でも、魚の風味が生きています。しかも、おでんにいれてもおいしい!

このソーセージは、普段交流があり、しかもLFPパートナーの一人である横須賀松坂屋に開発を依頼しました。

創業1910年の老舗肉屋の本格的なソーセージです。

厄介者のモンスターたちの、予想以上の魅力にワクワクする商品開発でした。


開発を始めて約3か月。LFPパートナーに試食してもらい、たくさんの感想もいただきました。

『海岸を歩きながら「モンスター揚げ」をほおばるのも楽しそう。』

『家庭で食べるなら、手軽に加熱して、そのまま夕食になってしまうのがいいね。』

『パッケージには、横須賀・三浦半島のイメージカラーのネイビーを使ったらどうでしょう。』

『モンスターソーセージをパンにはさんだら、おいしいよね。』

モンスターの可能性を、期待させる感想の数々。

愛される商品とするためには、もう一工夫あるといいと気づきました。

この「おでん」を全国に届けるための工夫も必要です。

長期保存できるような調理工程では、高圧高温により、風味が変わってしまうことがあります。すり身に入れる野菜、おでんに入れる野菜。野菜のおいしさが生きるよう、試作を重ねています。


■LFPとして「こんなこと」も解決を目指します!

実はこの商品には、もう一つの解決しなければならない大きな問題解決への願いも込められています。それは、三浦半島が抱える「人口減少」と担い手不足の問題です。

これだけ素晴らしい三浦半島なのに、人口減少の勢いはなかなか止まりません。人口減少すれば働き手がいなくなり、働き手がいなければ地域産業は衰退し、地域産業が衰退すれば移住者も観光客も減っていきます。いまが本当に瀬戸際。この三浦半島の魅力を残せるかどうかは、今にかかっている。その危機感を原動力に、より楽しんでもらえる食のコンテンツを通して、この根本的な問題解決を成し遂げるために、LFP事業に取り組んだのです。

この商品を面白がって、おいしく食べてもらって、横須賀や三浦半島のことを知ってもらって、興味を持って、訪れてもらって、その魅力に気づいて、ハマって、移住して…!そんなとんとん拍子の展開を夢見ています。

一つの商品が起爆剤になり、地域を活性化させるなんて、まさに「夢物語」かもしれませんが、まずはそのための第一歩を、いや半歩を踏み出します。それだけの思いがこの商品には詰まっています。


■「これぐらいまで」にやります

前置きがながくなってしまいまして、すみません! リターン品のご説明をいたします。

今回のプロジェクトでは、この「横須賀Monster Fishおでん」を先行販売でお届けします。

エイやサメの水揚げ状況にも左右されるのですが、早ければ4月下旬頃までに。遅くとも6月上旬頃までに、合計1000食の「横須賀Monster Fishおでん」を生産し、順次お届けいたします。

1パウチ1.5人前(200グラム)の「横須賀Monster Fishおでん」をファミリー向けの3パウチセット3,000円で販売いたします。

また、「横須賀Monster Fishソーセージ」を単品で焼いて食べたいという関係者が続出したため、急遽ソーセージのみの先行販売も行うことにしました!


■「こんなこと」をお願いしたいです

ぜひ「横須賀Monster Fishおでん」と「横須賀Monster Fishソーセージ」を話題にしてください。面白い話題として会話のタネにして、横須賀のことや三浦半島のことを知って、興味が出てきたらぜひ調べて、足を運んでみてください。

そしてできれば「横須賀Monster Fishおでん」と「横須賀Monster Fishソーセージ」を買って、みんなで楽しく食べてみてください!

最高においしくて、見た目も楽しい三浦半島の新名物です。

いずれは、三浦半島の食べ歩きグルメの定番として定着させ、三浦半島中のあらゆるところで食べられるような商品開発の先駆けにしていきたいです! 今後にまだボスキャラとして控えている、サメやエイ以上にモンスターな「深海の未利用魚たち」をおいしくいただくための前哨戦として…。


■最後に「ごあいさつ」下澤敏也からのメッセージ

横須賀・三浦半島の土地で生まれ、横須賀・三浦半島の土地で育ちました。

そんな自分が、横須賀・三浦半島の土地を生かした農業と漁業の協業にチャレンジさせてもらっているということ。それは自分にとっては最高にやる気の出るミッションで、地域ならではの縁を活かしながら、誰にも負けないモチベーションで取り組んでいます。

そしてこの挑戦を成功させて、小さいけれどもうまくいったLFPの事例として、全国のローカルフードチャレンジャーの先駆けになれればと思っています。

そんな自信作の「横須賀Monster Fishおでん」と「横須賀Monster Fishソーセージ」です。

ぜひ味わってみてください! 三浦半島発のおいしいチャレンジを、ぜひとも応援してください! どうぞ、よろしくお願いします!


〈 募集方式について 〉

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/03/03 15:39

    たくさんのご支援を本当にありがとうございます。商品の開発は未だ続いております。もっと美味しくを思いに、皆様方にお届けできるその日まで開発を続けていきます。横須賀モンスターフィッシュのキャラクターがこの度生まれました。第1弾!!エイの「エイ吉」です!!パッケージや販促のキャラとしてこれから横須賀...

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