今や誰もが一本は
クローゼットに持っているだろうデニム。

皆さんは自分のデニムが、
どこでどうやって作られたか知っていますか。

私たち岡本テキスタイルは今年で創業66年。

岡山県の老舗生地屋に始まり、日本のデニム作りの進化の歴史と共に歩んできました。

2017年夏、岡本テキスタイルは桜新町の路地裏にデニム工場、世田谷DENIM LAB(セタガヤ デニムラボ)をオープンしました。

看板には前の家主だった精肉店の文字がそのまま。東京の片隅のあばら屋へ、岡山からミシンとセルヴィッチデニム生地を運び込み、デニムの聖地と世界のメゾンからも称される岡山のクラフトマンシップそのままの工場を作りました。


1本のデニムパンツを縫い上げるのに、岡山の職人は一体どれくらいのミシンを使用するのと思いますか?

ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速針送り本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速針送り本縫い自動糸切ミシン、1本針3本糸 上下差動送りオーバーロックミシン、2本針4本糸 上下差動送りオーバーロックミシン、ジーンズ裾三巻二重環縫いミシン、腕型3本針二重環縫いミシン、高速電子間止めミシン、電子鳩目穴がかりミシン、高速電子眠り穴かがりミシン、ベルトループミシン。それにエアーコンプレッサー、アイロン台 、裁断台。

ロール状態の生地から洋服を形にするために、職人は10を超えるミシンと設備を使い分け、手早く、美しい仕上がりを追求します。

しかし、これまで東京にはデニムを一から十まで縫える設備を揃えた工場がありませんでした。

理由はシンプルで、お金の問題です。洋服作りをめぐる現場は厳しい価格競争にさらされてきました。一度下り始めた価格が下げ止まることはありません。服作りの現場は日本から中国に移り、今ではベトナムやカンボジアといった新たな国へも移りつつあります。洋服の作り手は、日に日に洋服を着る人から遠ざかるばかりです。

「洋服作りの現場を、一人でも多くの人に知ってほしい」。「日本の洋服作りを、次世代に残していきたい」。私たちはいつも感じていました。

そこで私たちは「東京」に工場を作ることを決めました。



東京で工場を開業してから様々なお問い合わせをいただきます。

「ミシン未経験だけれど、デニムを自分の手で縫ってみたい」と数日間の有給を取り一から十までデニムを縫い上げた会社員の方もいらっしゃいました。服飾専門学校からはデニムを縫う体験を学生にさせられないかとお話をいただきました。 

東京にある本格デニム工場として、世田谷DENIM LABは作り手と着る人の密接な、東京だからこそできる人と服の関係を作っていけたらと考えております。

工場のこれからを皆さんと一緒に作っていきたく、この度、クラウドファンディングの実施を決めました。

本ページをご覧の皆様にご支援いただけましたら幸いですが、「○○をしてほしい」「△△をやってみたい」といったご意見やご要望だけでも大歓迎です。このクラウドファンディングを通し、都内にこんな工場があることを一人でも多くの方にご記憶いただけましたら幸いです。

ご支援いただける方々と、洋服作りのおもしろさ、作品作りの喜びを共有するためにはどうしたらいいだろう?その答えを職人一同で考えた結果、世田谷DENIM LABは皆様に職人の仕事に挑戦いただける【体験型リターン】をご用意することにしました。

また工場にお越しになるのが難しい方のために、ファクトリーオリジナルの品をリターン品としてお贈りする【製品リターン】もご用意しております。

いずれのリターンも使用するデニム生地は、片耳は、ビンテージデニム初期の白耳、もう片耳は、その次に変化した端までインディゴに染められたボウズにこの企画のために織った生地が今回の世田谷DENIM LABのセルヴィッチデニム生地となっております。

日本のデニムの作りのクオリティ、そして楽しさをぜひ感じてみてください。

デニム職人体験1DAYプログラムが公開から6日で完売となり、その後もお問い合わせをいただき追加開催を決めました。開催日は5月11日となります。皆さまにお会いできるのを楽しみにお待ち申し上げます!

※CAMPFIREのルール上、先行支援者のインセンティブとして同一リターン品を同一価格で再掲示できなくなっております。そのため、今回初回よりも3000円高く設定させていただおります。値段上昇分は工場の今後への活動資金とさせていただく所存でございますので、ご理解いただけましたら幸いです。

追加開催【体験型リターン】

デニム職人体験 1DAYプログラム
¥53,000(先着3名)

[日 程]2019年5月11日(土)
[場 所]東京都世田谷区新町2-6-16 世田谷デニムラボ
[制作物]SETAGAYA VINTAGE DENIM 1本

POINT01  職人がマンツーマンでサポート!未経験でも体験可!
デニム作りは話を十回聞くよりも、一度でも現場を見て、体験いただいた方がずっとご理解いただけます。プログラムではコインポケットやベルトループの縫製、リベット打ちなど、要所を皆様に体験いただき、ものづくりの楽しさをお伝えします。

POINT02 本格ヴィンテージデニムをオーダーメイドサイズでご用意
ヴィンテージ黄金期のデザインを踏襲した工場オリジナルモデルを、皆様の体型にフィットしたサイズでご用意。オーダーメイド仕様の1本をお持ち帰りいただけます。

POINT03 バックポケットはお好みのデザインに
デニムの顔となるバックポケットは、皆様のイニシャルやお好きな柄など、ご指定のデザインで仕上げることが可能です。

[当日のながれ]
10:00 工場集合~スタッフによる工場のご紹介
10:30 デニム作り開始
12:00 休憩
13:00 デニム作り再開
16:00 デニム完成
16:10 すそ上げの採寸、作業
16:40 商品お渡し

【製品リターン】

✂ SETAGAYA VINTAGE DENIM
¥25,000(初回生産5本)
color: indigo
size: 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38,40,42,44,46,48,50 (inch.)

職人体験プログラムでも対象モデルとなっているSETAGAYA VINTAGE DENIM。1940年代のヴィンテージデニムのディテールを踏襲したスタンダードデニムです。表へのリベット打ち、フロントタックボタンの3つ付けなど定番のディテールを踏襲しながら、シルエットは足元をすっきりと見せる細身のテーパードに。ヴィンテージの佇まいを今らしく楽しめます。全13サイズでのご用意も工場ならではの展開です。


✂ SETAGAYA SLACKS DENIM
¥25,000(初回生産5本)
color: indigo
size: 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38 (inch.)

今の東京にふさわしいデニムを形を研究し、世田谷デニムラボのオリジナリティを込めたのがこちらのデニムです。東京の都会的な空気をデニムの中に落とし込むべく、スラックスの要素を取り入れました。ゆとりある股上から裾にかけてテーパードをかけたパターンワークにより、穿けばスラックスのような優雅なシルエットを生み出します。


✂ FACTORY APRON
¥7,000
size: free
color: red, green, black, blue, yellow

世田谷デニムラボで働くスタッフの作業用に、社長がデザインしたエプロン。縫製工場にエプロンは不要ではと思いきや、ラボのこだわりの豊富なポケットが設けられた使い勝手抜群の職人仕様エプロンです。



✂ FACTORY NOTE CASE ¥3,000
size: A5(コピー用紙A4半分)
color: black, blue, yellow, pink green, red(zip)



「ノートは持ってきたけれど、ペンがない!」、そんなあるあるを防ごうと作られたのがこちらのA5ノートケース。世田谷DENIM LABが今回のために生産したセルヴィッチデニムを生地に用いたアメリカンなカバーです。表面にはペンケース代わりに使用できるZIPポケットをプラスしました。



東京にはファッションやライフスタイルに関心を持つ方々が全国から、そして世界から集まります。都内にある専門学校には、洋服に携わることを自分の仕事にしたいという意識を持った若い方々が集まります。そんな東京の、誰もが来られる世田谷に工場を作れば、いろいろなことが実現できるはず。

✂ 世界に発信する東京のブランドには最高品質のサンプルを提供。
✂ スタートアップブランドにはサンプル製作から量産までバックアップ。
✂ 専門学校と取り組み、これからを担う世代の練習の場に。
✂ ファッション好きな誰もが、洋服作りを気軽に見にいける場に。

心に語りかけられる物作りを岡山から東京へ。東京から世界へ、そして次世代へ。人と人の交わるこの東京で、世田谷DENIM LABは「もの作り」を通し、温もりのある人とファッションの関係を提案していきます。




洋服つくりの縫製の現場において、21世紀の主流となるのはパーツ縫い。

新たなパーツの工程を覚えるのには時間を要するため、ポケット担当はポケットのみ、ベルトループ担当はベルトループのみ。工場で働く縫い手は自分の担当分野だけを何年も何年も縫い続けます。

10年の経験があっても数パーツの技術を持たない作り手も珍しくなく、縫い手は交換可能なオペレーターに過ぎません。

そんなアパレル業界にあって、唯一、作り手が一から十まで一人で洋服を縫い上げる「まる縫い」をできる技術を持つのがサンプル制作工場の縫い手。

世田谷デニムラボでは熟練の技術を持つ戸田美代子を指導に迎え、日本のファッションシーンを支えてきた物つくりの技術を次世代に受け継ぎます。

戸田はメゾンブランドからアーティストのステージ衣装まで、デザイナーと密な関係での洋服つくりを手掛けて40年。守秘義務からどのブランドを手掛けたかお伝えはできませんが、彼女の思い出話もぜひ工場にお越しの際はご期待いただければと思います。

産業が高度な発展を遂げるほど、作り手と使い手は離れていくのが文明の常です。

私たちの暮らしと切っては切れない洋服。

20世紀中ごろまで、洋服とは女性たちが家族のために家のミシンで縫い上げるものでした。

その後、日本が戦後の復興を遂げ、この国独自の産業を打ち立てようとする中、洋服作りは自らの仕事を愛し、明日を願う「職人」たちによって世界屈指の技術と品質に高められ、日本の物作りを牽引する産業となりました。

私、岡本は岡山県の生地屋の二代目として生まれ、気がつけば30年も岡山でデニムに携わる仕事をしてきました。

今や岡山と言えばデニムの産地として洋服好きの方々に名前を知っていただくようになりましたが、私が生まれ育った岡山は学生服や帆布など、実用性に基づいた製品を作る場所でした。

しかし、やがてアメリカのファッションが日本にやってきました。彼らのまとうクールなデニムを、どうにかこの国でも作ることができないか。私たちの世代でデニム作りへの挑戦がはじまりました。

アイビー、DCブランド、裏原、ハイストリートなど、時代時代のデザイナーたちと共に試行錯誤を重ねる中、私たちのデニム作りは日本独自のファッションと共に進化していきました。

国内の洋服作りが熟練し、高品質な量産が可能になると、次の課題は「どうすればもっと安く、もっと多く、もっと早く作れるか」でした。私たちは効率を重視した分業を考え、機材の改良を重ね、中国に生産拠点を拡大し、新しい洋服作りを探し続けました。

グローバル化が進んだこの21世紀、様々なデザインの洋服をリーズナブルに楽しめる今は、昔の私たちを振り返っても羨ましい、選択肢に溢れた時代です。 

ですがその反面、古着屋に積み上がる大量のデニムを見ると、これが私たちの目指したデニムとユーザーの在り方なのか、ふと疑問に感じる時があるのも正直な気持ちです。

ただ、これは良い、悪いの問題ではありません。 

そこで2017年、東京に一軒の工場を作ることにしました。これまで都内にはデニムを縫えるミシンを持った工場がありませんでした。現場で目の前にする職人の手さばき、一つ一つの手仕事で洋服が形を作っていく様子の気持ちの良さ、どんな風にして私たちが洋服を作ってきたかを知ってもらうことが、きっと洋服にもっと興味をもってもらうきっかけになるはず。

都内の服飾学校にもデニムに関心ある学生が少なくないと聞きます。

そんな方々に現場を見てもらい、もし希望するなら実際にミシンを触ってみてほしい。

次の時代を担う世代に、日本が培ってきた服作りの技術を学んでもらえたら、そんな思いで私たちは岡山から東京に工場を持ってきました。

学生たちに工場の設備を貸し出し、彼ら彼女たちがデザイナーとしてブランドを立ち上げるときには小ロットでも生産を請け負って、服作りが軌道に乗るまでを支える。

その現場をユーザーも訪れて眺めることができる。

そんな夢のような、洋服好きのための基地を作りたい。

それがこの工場の理念です。


SETAGAYA DENIM LAB 代表 岡本雅行

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