Bonjour.

東京都墨田区曳舟駅のほど近くで、「オープンな書斎」を運営しております、

LE PETIT PARISIENのISHIKAWAと申します。

 

書斎の活動の詳細に関しましては下記ファンクラブページを一読願えますと幸いです。

但し、こちらはあくまでの活動の一旦ですので、直接お越し頂くことがより深い理解に繋がります。

書斎の運営を続けていくために、商売をやめさせてください。

 

また書斎の様子に関してましては、添付の動画でご確認下さい。

 

プロジェクトの契機

 

某銀座のギャラリーが、私に或る書籍に関心がないか働きかけてきたことが、

このプロジェクトを始めざるを得なくなった契機となっております。

 

Princesses de Tripori表紙 

 

こちらは、アルフォンス・ミュシャの代表作「イルゼのトリポリ姫」挿絵本表紙です。

初版は1897年にフランス語版で252部、後1901年にチェコ語版で200部、ドイツ語版で800部出版されたとされています。

こちらは、フランス語版初版の表紙です。

このフランス語版を某ギャラリー(厳密に言うとギャラリーが個人コレクターより預かっている)より紹介されており、

どうやらオーナーとしては、私個人に譲りたいとのことでした。

要は、仮にこの書籍が書斎に設置された場合、

書斎に足をお運び下さった皆様が、直接この貴重な資料に触れることが出来るということが

今回オーナー様が私に託そうとしている所以です。 

平面ではない書籍は、五感をフル活用して初めて、本来持っている魅力を発揮します。

 

挿絵本、「Princesses de Toripori」 に関して

 

 

 

元は、ミュシャのポスターモデルとして著名なサラ・ベルナールが主演した「La Princesses Lontaines」

の原作者である、エドモン・ロスタン(シラノ・ド・ベルジュラックで著名)の作品を小説化したものが、

「Princesses de Toripori」とされており、

ページ毎にリトグラフによる挿絵が施されております。絵本の一種と考えて頂けると、理解が早いと思われます。

リトグラフとは、水と油の反発を利用した版画の一種で、

19世紀後半には版画の主流として台頭しました。

かの有名なミュシャのポスターも、このリトグラフにより刷られたものです。

挿絵の数は、134枚にものぼります。(ref.Mucha Foundation)

 

 

無論、252部全て現存している訳ではなく、

現実としては書籍の形で残っているものは限られております。

余りにも美しすぎる挿絵のため、それぞれのページが故意に切り離され、バラで販売されているからです。

実際、日本の某ギャラリーにおいても、本来書籍であったものからバラされた一葉が額装されて販売されております。

以前には、某美術館企画によるミュシャ展のミュージアムショップにて販売されていたという記録もあるように、

その殆どがバラ売りされていると考えて頂ければ、書籍として残っているものが如何に貴重であるかがお分かりになられ

るかと存じます。

参考までに、こちらの書籍を所有している公的機関は、私の調査した限り実践女子大学のみです。

 

 

出版された252部の内訳。72部が豪華本、その他180部が普及本

 

仏語限定本の流儀といたしまして、252部全てが同じ造りではなく、

その中で普及版・豪華版といったものが存在しております。

今回購入を検討しているものは252部中の第37番目のもので、

上記写真ですと、「35 Exemplaire sur japon」に当たる豪華版です。

数字の35は、発行された部数を指しています。

japonは、日本局紙(ミツマタを原料とした高級紙)が使用されているという意味です。

余談としまして、一番上の「1 Exemplaire sur parchemin」は、

羊皮紙(動物の皮を本のページとしたもの)が使用されているとのこと。

しかも、たった1部しか作られておりませんので、恐らく販売向けではない

著者保存用の超豪華本と考えられます。

 
プロジェクトの目的

 

 

挿絵画家としてのアルフォンス・ミュシャの側面を

書斎の活動を通して公開させて頂きたく存じます。

本来こういった希少な書籍は、然るべきケースに収めて展示するのが一般的ですが、

書斎においては、原則お越し頂いた全ての方へ直接触れて頂ける機会を設けます。

素手で手にとって頂き、紙の香り・重み・版画の精緻さ等、

立体物としての書籍を存分に味わって頂きたく存じます。

 

 

 

美術資料的価値の非常に高い書籍に触れて頂くという試みは、

単に貴重な書籍を残していくという観点からすれば、

それに 相反するリスキーな行為と指摘される機会を免れません。 

 

しかしながら、真に残していくためには、理解が肝要です。

ガラス越しの展示は認知ではあっても、理解ではないと考えております。

書斎に設置しているその他書籍と同様、直に触れて頂く体験により、

デジタルでは代替不可能なモノとしての書籍を再考する契機になることを、期待しております

 

支援金の使い道

 

 

書籍の一部購入費用。

70万ですと、campfireの手数料その他、

用意するリターンの分を差し引いて約3分の1程度です。

 

リターン 

 

 

 正直なのが取り柄なので臆せず申し上げますが、

基本的に文化事業としての運営を志向する空間ですので、

支援に対するリターンとして相応しい商品は一つもございません

従いまして、普段商品として販売している訳ではございませんが、

こちらの活動に関係するものを今回は提供させて頂く予定です。

 

ファンクラブのページでも申し上げており、賛否両論あるかとは存じますが、

本心としては純粋な寄付という感覚でのご支援を期待しております。

リターンは、あくまでもおまけ程度に考えて頂けますと幸いです。 

 

 

 書籍の購入という、恐らく前例の無いプロジェクトを成立させることへの困難は、重々承知しております。

ただ、うだうだ言って何もやらないよりは、出来ることはやってみるが信条の一つです。

結果に拘泥するのみでなく、このプロジェクトを立ち上げた意義を大切にしたいと思います。

書籍の全容に関しましては、こちらのデジタルライブラリーでご確認ください。

 

cordialment.

 

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください