初めまして。

プロダクトデザイナーの三島 大世と申します。

 

 

地場産業や伝統工芸を活かすデザイン活動を行っており、

今回、肥前吉田焼の「副千製陶所」と組み、このプロジェクトを立ち上げました。

 



 

今回のプロジェクトで実現したいこと

①「手彫り水玉柄」を活用した、「磁器のコマ」を量産化すること

②そして、これを展示会に出展し、販路を広げること

 

このプロジェクトについて、詳しく説明して参りたいと思います。

 

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<目次>

1.これまでの経緯

2.肥前吉田焼について

3.副千製陶所について

4.「手彫り水玉柄」を生み出す「搔き落とし」とは?

5.第一弾プロダクト「Porcelain Spin」とは?

6.資金の具体的な使い道

7.最後に

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▼これまでの経緯


デザインスクールの様子

元々このアイデアは肥前吉田焼デザインスクールという取り組みから始まりました。窯元さんとクリエイターがチームを組み、2泊3日で磁器製造の現場見学から工程を学び、最後にアイデアソンを行うというものでした。そこで私とパートナーを組んだのが、「副千製陶所」でした。ここでは、「掻き落とし」という技法を用いて、旅館などでよく見かける藍色の「手彫り水玉柄」食器を生産していました。そして、「手彫り水玉柄」を、もう一度多くの方に楽しんでもらいたいと考えており、それを生かしたプロダクトをデザインしたいと考えました。そこで生まれたのが、この磁器の独楽、Porcelain Spinでした。

 

▼肥前吉田焼について

 
肥前吉田焼がある、嬉野の風景

「肥前吉田焼」という名前、初めて聞く方も多いかもしれません。肥前吉田焼のある佐賀県嬉野市は長崎県との県境に位置しており、美しい自然と豊かな資源に恵まれた小さな磁器産地です。有田焼・伊万里焼や波佐見焼などの歴史ある陶磁器産地にありながら、知名度は他と比べるとややマイナーです。しかし、肥前吉田焼もまた有田焼と同様に、400年の歴史を誇るやきもの産地で、昭和の食卓の象徴のような水玉模様の急須や湯のみは、肥前吉田焼の代表的な商品のひとつとなっています。戦後は、嬉野茶を特産とする地域の特性を生かした茶器を製造する窯元も多く、新しい造形・デザインにも挑戦しています。

 

▼副千製陶所について


副千製陶所の工房内

この磁器製の独楽を共同で開発した、肥前吉田焼の窯元「副千製陶所」。ここでは「掻き落とし」という技法を用いて、旅館などでよく見かける藍色の「手彫り水玉柄」食器を生産していました。この藍色の水玉模様は高い人気を博していましたが、別の産地でも量産され始め産地不明のものになってしまいました。

 
「手彫り水玉柄」の湯呑や急須

1955年から作られている副千製陶所の水玉湯呑み・急須は、2010年にグッドデザイン賞、ロングライフデザイン賞受賞しました。この水玉柄の食器は、1965年頃の日本の高度経済成長期に合わせて数多く生産されましたが、一つ一つ手彫りで水玉柄を仕上げる手間の多さから、生産量が次第に少なくなり、現在は副千製陶所だけが生産していると言われています。

 

そこで、この懐かしく温かみのある「手彫り水玉柄」を、もう一度多くの方に楽しんでもらいたいと考え、今の暮らしに寄り添う商品を開発したいと考えました。

 

▼「手彫り水玉柄」を生み出す「搔き落とし」とは?




この「搔き落とし」という技術を最大限生かした、プロダクトを作りたい!

「掻き落とし」とは、副千製陶所の特徴的な技法で、ドリル状の器具を使い、職人が色化粧土からひとつひとつの丸を彫り出します。この掻き落としという技術は、元々は土物の陶器に用いられる技法で、黒いものを白く見せるための技でした。この「掻き落とし」という技法は通常磁器の世界ではありえません。なぜなら元々磁器は白いので、白く見せる必要がない。しかし、磁器の色化粧土を彫ることで美しい模様を付けることができ、窪みができることで触感を楽しめるようになりました。さらに手作業であることで、機械では出せない温かみが生まれ、画一でない模様や色の出方に心地よさを感じられます。この掻き落としにより「手彫り水玉柄」食器を今も作り続けるのが副千製陶所です。

 

▼第一弾プロダクト「Porcelain Spin」とは?

一言で言えば、「掻き落とし」を用いて、美しい水玉や様々な模様を彫った磁器の独楽。



「搔き落とし」という伝統技術を活用することで、美しいデザインと磁器ならではの質感をもつ独楽が完成しました。磁器でできた独楽というのは世界でも珍しく、製造技術も大変難しく、焼き物技術の粋を結集したプロダクトと言えます。試行錯誤を何度も繰り返し、今現在のカタチに辿りつきました。

 

 

 



特徴① 回転する時に凹凸に光が反射することで、美しい光の輪が浮いてきます。
特徴② 約45秒間、回り続けます。
特徴③ 磁器の素材感や美しい造形を追求し、置物やインテリアとして映えます。
特徴④ 独楽はお茶を蒸らす時間を楽しみながら待つことができます。

 

▼資金の具体的な2つの使い道

①第一弾プロダクト「Porcelain Spin」を量産化するための初期費用



まず、磁器を量産化するにはそれぞれ段階に応じて、何種類かの型が必要になります。今回はこのコマを量産するための見本型・量産型が必要になるので、その型購入などへの初期費用の一部として使いたいと考えています。

 

 ②そして、展示会に出展し販路を広げるための出展費



もう一つの使い道は、11月にある日本最大級の展示会「インテリアライフスタイル」で展示を行うための出展費として使いたいと考えています。すでに出展審査を通過をしており、2つのブースで展示することが決定しています。販路を広げるためには、展示会に出しバイヤーさんに見て頂きたいと考えております。結果、多くの方にこのプロダクトをお届けできることを期待しています。

また、この販路を広げるというのは伝統工芸の大きな課題になっており、今現在の問屋依存の販売方法からの脱却を目的としています。今回その解決策として、展示会で自分たちで売り先を見つけ販路を広げたいと考えています。

 

▼最後に

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

 

今回のプロジェクトは、衰退している伝統工芸を盛り上げたいという私個人の思いと、肥前吉田焼という産地を盛り上げたいという副千製陶所の思いが合致したことで始まりました。

クラウドファンディングを行うことで、肥前吉田焼という産地を知ってもらい、販路を切り開くきっかけになると考えております。そして、肥前吉田焼の「手彫り水玉柄」を、もう一度多くの方に楽しんでもらうことに繋がればこれ以上嬉しいことはありません。

これまでの大量消費ではなく、「意味のある消費」への大きな転換期を迎えていると考えています。そこで作り手だけでなく、使い手であるユーザーへ何を伝えるかが大切な要素になってきます。

伝統工芸の本当の価値は、ストーリーにあると考えています。産地の中で受け継がれてきた素材、技術、人の思いをプロダクトに落とし込み、伝えることで真の価値が生まれます。このストーリーを体験できる、プロダクトをデザインしました。

・肥前吉田焼という産地

・小さな磁器産地で受け継がれる「搔き落とし」という伝統技法

・その搔き落としという技法によって生まれる「手彫り水玉柄」

・機械での大量生産ではなく、一点一点手作りで作る職人の技から生まれる温かみ

 

これらのストーリーを体現したのが、この磁器のコマ「Porcelain Spin」です。

 

賛同してくださる方からのあたたかいご支援を心からお待ちしております。

 

※今回のプロジェクトは「All in」に設定しましたので、足りない部分は自費で負担をし、必ずプロジェクトを実行しリターンを履行することを約束します。

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