私たちは、北海道のラリーチーム「ARKラリー」と、「北海道大学自動車部」で開催する『2018ARK Sprint300』大会事務局です。

まず初めに、こちらの写真をご覧ください。

ARKラリーの開催するラリー大会では、毎年日本を代表する自動車メーカーが最新の技術を搭載したラリーカーを投入し、華やかながらも激しい戦いを繰り広げております。特に北海道大会は、その豊かな林道を活用したコース配置から全国的にも人気のある大会になっています。

もちろん使用させていただいた林道は、大会後には必ず保全整備を行っており、こちらは開催地への恩返しと北海道の自然保護活動として、微力ながら役立てていただいております。

そんなARKラリーが、今年は七大戦(日本を代表する七つの国立大学、北大・東北大・東大・名大・京大・阪大・九州大が毎年繰り広げるスポーツ対抗戦)の自動車競技大会と連携して、主幹事である北大自動車部と共に大会を運営させていただく事となりました。学生とはいえ七大学といえばそれぞれが日本を代表するトップ頭脳が集う場所、そこの正式な自動車部がエントリーする車であればどれほど技術の粋をこらした車が参加するのかと、ARKラリーのスタッフ一同、ワクワクしながら打合せの場に出向きました。そこで私達の目に飛び込んできたエントリーカーがこちらです。

我々は顔を見合わせました。なぜなら私達ARKラリーで普段使用している車はこちら

これほどの車でも、アップダウンの激しいラリーコースでは様々な車体トラブルが発生し、けっこうな数がリタイアしてしまいます。そんなコースを

これが走るのです。

改めて並べて比べてみましょう。

不安です!

不安しかありません。この車、走っててハンドルとか取れちゃったりしないだろうか?コース走った後にネジとか転がってたりしないだろうか?そもそもこの車って、公道走ってると警察のお世話になっちゃう類のものじゃなかろうか?
そんな事を考えるARKラリースタッフの顔は皆一様にひきつっています。

とはいえ、しっかりと話を聞いてみると、そこはさすがに日本を代表する最高頭脳集団、各パーツのメンテナンスはしっかりと出来ているようで、安全上は全く問題ないどころか、プロも舌を巻くほどの仕上がりでした。ただ、外装まで手が回らないため、ぱっと見がどうしてもアレな感じになってしまうとの事。
まあ「手が回らない」というと聞こえがいいのですが、要は

金が無い!

という事です。もともと自動車競技には色々とお金がかかります。そして学生である彼らの多くは貧乏です。それなのに幸か不幸か車の魅力にどっぷり取りつかれてしまった彼らは、生活費の多くを車につぎ込み、さらにはアルバイトでためたお金も全て車のパーツにつぎ込んで学生生活のすべてをこの大会にかけているのです。

いや、学業しろよ・・・・

わかりやすく言うと彼らは道を踏み外し・・じゃなかった、「愛すべき車バカ」なのです。

そして全国に散らばっているそんな彼らが集結するのが、この七大戦自動車部の大会です。1校から約20人、全国から約140人の愛すべき車バカが集う大会なのです。

しかし、貧乏学生である彼らにとって大会期間中の食費や宿泊費はかなり痛いのも事実。飛行機代など、まさに国家予算なみの贅沢といえるでしょう。それでも彼らは水とカロリー○イトで空腹をごまかし、時には宿泊費を浮かせるために野宿も辞さぬ覚悟で何とか旅費だけは掻き集めて北海道にやってくるのです。

とはいえ、北海道の9月は野宿をするにはかなり危険な寒さです。特に空腹の時は寒さが身に沁みます。(あと年に何回かクマが出ます。)そう、彼らは他大学のチームと戦いながら、同時にもっと大きなもの(寒さとか野生動物とか、あと留年の恐怖とか)と戦っているのです。簡単に言うと、末期症状で

そんな話を聞いて、事務局は考えました。大会中に何か問題起こしたら自分たちの責任問題にな 同じ車を愛する者同士、何とか大会期間中は衣食住に悩むことなく、大会に集中できるだけの準備を整えてあげたいと思ったのです。

そのため事務局はまず、開催地である蘭越町に協力を仰ぎました。蘭越町と言えば、日本一美味しいコメを決める「米-1グランプリ」で見事大賞に輝いた、かの有名ブランド「らんこし米」の産地。その蘭越町長に協力を仰いだところ、夢に向かって頑張っている若者への支援はぜひお手伝いさせてほしいという大変ありがたい善意により、本大会オリジナルパッケージとなる大量のらんこし米をご提供いただける事となりました。これで最低限の主食確保に成功です。

その事を参加者たちに伝えると、彼らは大喜びしてくれました。それはそうです。『1日1個のカロリーメ○ト』が、『日本一美味しいブランド米の特盛』にランクアップしたのですから、その喜びようたるや尋常ではありません。

 いい笑顔

 こちらもいい笑顔

いや、本当に喜んでくれてよかった。頑張って交渉したかいがあった。。。。事務局の人間も、目に涙を浮かべてそんな学生の様子を見守っています。

しかし、そんな感慨深い気持ちを味わったのも束の間、一人の学生が頬を染めてつぶやきました。

・・・オカズ・・・も・・・たべたい・・・・できれば・・・にく・・・

ざわざわざわっ

そうです、いくら貧乏学生とはいえ、そこはやはり育ちざかりの若者、最高級のコメがあればおかずがほしくなるのは人の世の常なのです。特に困ったことに、らんこし米はその極上の美味しさゆえに、熱々の肉とよく合うのです。

気が付けば、先ほどまで狂喜乱舞していた学生が、なぜか一斉に土下座しています。

なんだかみんなもう必死です(部屋の様子から、彼らの日々の食生活もご想像ください)。

 

そんな彼らのプレッシャーに負けた事務局は、釈然としない思いを抱えながら再び蘭越町まで走ります。今度はオカズとなる食材を求めて地元観光協会の皆様と交渉開始です。人参、ジャガイモ、肉、などの食材を、なるべく安く大量に手配するために町中を走り回ります。これはもはやラリー大会の準備ではなく、カリー大会の準備です。明らかに何かが間違っています。

しかしそこは心優しい蘭越町の皆様、ほぼ原価に近い値段で、らんこし米に合う食材をご提供いただける事となりました。さらに有難いことに、学生が格安で宿泊できる施設まで確保していただけました。これもみな頑張っている若者への温かい善意です。

 このような紆余曲折もありながら、ついに先日、とどこおりなく大会を開催できる準備が整ったのです。旅費の準備すら危ういような貧乏な学生たちでも、出来ると信じて頑張れば、こんな大きな大会を主催できるのです。満足のいく大会準備を整えた事務局一同は、そんな感動を噛みしめておりました。今回は予算もかなりギリギリでしたが、何とかプラスマイナスゼロで終われそうだと経理担当も胸をなでおろしています。

といった状況の中、先ほど林道整備の見積書が届きました。

あ、忘れてた(予算的な意味で)

 いえ、決して本当に忘れていたわけではありません。ちゃんと頭の片隅にはあったのです。これは自然保護のために毎年必ず行っている大切な社会貢献活動です。ただ、今回は学生たちに最低限の衣・食・住をそろえる事にエネルギーのほとんどを使ってしまい、他のいろいろな事に手が回らなかったのも事実です。また今回は参加者の多くが学生という事もあり、学生の参加費を低めに設定せざるをえませんでした。
 このままではラリー大会が始まる前に、メーターがレッドゾーンに突入する事必至です(予算的な意味で)。

 もし林道整備ができなければ、開催地への恩返しができないだけでなく、北海道の豊かな自然にダメージを残してしまいます。下手をすれば来年以降の大会開催すら危ぶまれてしまいます。それだけは何とかして避けなければなりません。とはいえ学生達に協力を仰ごうにも、大会準備に全てをつぎ込んでしまった彼らを今さらどんなにひっくり返してみても、小銭どころかホコリすら出てこないのは明らかです。

改めて皆様にお願いがございます

今回開催される七大戦自動車競技『2018ARK Sprint300』、その大会後に行う、豊かな林道を守り、より美しく整備するための保全費用、50万円をご支援いただけませんでしょうか。

将来の車産業をしょって立つ(かもしれない)日本を代表する七大学の学生140人が、皆様に心からお願いを申し上げます。

今の彼らは単なる車好きの貧乏学生かもしれません。しかし彼らのような人間が、将来の車産業、ひいては日本経済をけん引してゆくかもしれないのです。今、自動車産業を一手に背負って活躍している立派な方々も、その多くは学生時代「愛すべき車バカ」だったはず。そんな若かりし頃を思い出していただき、将来性あふれる若い彼らが作り上げようとしているこの大会を、少しだけ手助けしてあげて頂きたいのです。

お礼について

今回のお礼は、開催地でもある蘭越町が誇る、「米-1グランプリ」で大賞に輝いた、らんこし米600グラム(300グラム×2個)、非売品のARKラリーオリジナルパッケージです。毎年売り切れ続出で、市場にもなかなか出回らない、日本一のブランド米を確実に手に入れるチャンス。この機会にぜひ最上級の美味しさをご堪能ください。

さらに、学生たちによる感謝の寄せ書きを、ご支援いただいた皆様にお送りさせていただきます。
140人の学生たちの、大会(及びコメと肉)への執念が満ち溢れた、鬼気迫る一品に仕上がる予定ですので、ぜひ魔除けとしてご活用ください。

その他、大会前にはご支援いただいた皆様に届くような大声で、皆様のお名前をお呼びして感謝の祈りを捧げさせていただきます。140人の熱い学生達が一斉に貴方への感謝を叫ぶ瞬間、たとえ声は届かなくとも、きっと貴方は謎の悪寒、もしくは当日の寝つきの悪さを感じていただける事でしょう。(出来ればそれはやめて、という方は、事前にお伝えください。)

こんな愛すべき車バカ達を生温かい目で見守っていただき、育ててやろうと思っていただましたら、どうかほんの少しだけお力添えいただけないでしょうか。「自分も学生の頃は貧乏だったな。そんな中でも、先輩におごってもらったな、後輩におごってあげたな・・・」そんな温かい思い出を持つ優しい諸先輩方からの愛あるご支援、心よりお待ちしております!!

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