はじめに

「幸せ」、と聞いたとき、何を思い浮かべますか?

寒い季節にホッカホカの焼き芋を食べたり、好きな異性と楽しい時間を過ごしたり、

などと、「これかな?」と思うことが様々にあると思います。

しかし、それは定まっている概念ではなく、個人によって基準が異なっているため

仮にそれの条件を満たしていないときには不安になってしまう方も多くいると思います。

例えば、私自身もそうですが、恋人がいないがために、

恋人がいる人と比べてしまった時には「果たして私は本当に今幸せなのだろうか」、

と考えてしまうことがあると思います。

実は幸せなのかもしれないのに、他人と比べてしまうことによって、

視野が曇って幸せになれない現状が今の日本の私たちにはあります。

その原因を考えた時、私たちの中にある価値観はあまりにも

狭いのかもしれないと考え始めました。

このプロジェクトを通して、私たちは日本人にもっと新しい価値観に触れてもらい、

視野を広げてもらうことによって、日々に感じるその息苦しさ、

その曇を晴らしていきたいと考えています。

▼このプロジェクトで実現したいこと

日本で出来上がった資本主義に基づいた幸福における価値観とは

全く異なった価値観を知り、幸せについての理解を深め、それを発信していくことです。

例えば、日本では、豊かさや貧しさという言葉を口にした時に

自然と経済的な豊かさを連想してしまいます。

これを物質的な豊かさと名付けるならば、ブータンは対局にある

と言っても良い精神的な豊かさを目指した社会にいます。

私たちはそんなブータンの人々がどんな幸福の価値観を持っているか

を調査しようと考えました。

▼どうやって実現するか

ブータンで5日間現地調査を行い、開発学におけるPRA(参加型農村調査法)

のエッセンスを含んだ参加型ワークショップを実施しようとしています。

この調査法の肝は、ブータンの人々の価値観に対して

できるだけ私たちが影響を与えないようにすることです。

この調査は王立ティンプー大学(Royal Thimpu College RTC)の協力のもと

行われる予定です。


▷具体的な調査の内容


PRA(参加型農村調査法)のエッセンスを含んだ参加型ワークショップ


1.ブータンの人に幸福に関する問いかけについて

  グループディスカッションを行ってもらう。

(私たちはファシリテーターと観察者の役割を果たす)

  ex. 「あなたにとって大切なものは何ですか?」→「どうして?」

  

2. [1]で幸福についての考えを深めてもらった後、

  「あなたの幸福における価値観は何ですか?」と問い、その答えを

    ポストイットで全員に見える様に貼り出す。(e.g. お金、時間など)


3. [2]で出た価値観を元に再びブータンの人々に

   ディスカッションしてもらい、ポストイットに書き出した価値観のカテゴライズと

  順位付けをする。


この手法は国際協力機構(JICA)による「持続可能な農村開発のためのタイバック大学(TBU)機能強化プロジェクト」などにも用いられている調査方法であり

開発学の教授の指導のもと、実施する予定です。

 

▷研究成果の発表方法


日本に帰国後、写真を交えた現地調査の報告会と共にブータンで行ったものと同様のワークショップを日本でも開催する予定です。

また、ブータンにいる間は現地の様子をブログやYoutubeで更新していきたいと考えています。

▼プロジェクトをやろうと思った理由

幸福は人間が永続的に追い求めるものであるとされています。

しかし、現在日本ではGDPを国の経済的指標として掲げ、国内で富の蓄積が幸福と比例

するという考え方が強まってきています。

結果として、物質的な豊かさを求めるあまり日本人は精神的豊かさ、真の幸福を

追求しづらくなっているのではないでしょうか。

このことから、私たちは国民の心理的幸福健康・文化・環境などを評価項目とする

GNH(Gross National Happiness)を憲法に掲げるブータンに興味を持ちました。

ブータンの人々が持つ幸福観を調べ、それを現代日本に住む私たちの価値観と比べるこ

とによって、本当の幸せとは何なのか探求していきたいと考えました。

 

 ▼これまでの活動

このプロジェクトが始動したのは、今年の6月でした。


6月 ミーティングを重ねました。

   チームの共通点は世界の多様な幸福の価値観に興味があること。

   そこからどこの国に行くか、その国でどんな活動をするか

   何度も施策を講じました。

   その結果、現在のプロジェクトの草案が生まれ、

   学内で行われているドリームコンペティション(ドリコン)という大会に参加し

   その賞金を資金にあてたいと考えました。

 

7月 大学が夏休みに入って直接会って話すことは困難になったため、

   グループ通話を利用し、何度もミーティングを行いました。

   7月11日に京都大学主催のブータン王立研究所によるシンポジウムに今井と中島

   が参加しました。

   シンボジウム後の懇親会でブータン国立研究所の方々と連絡先を交換し、人脈を

   広げました。また、ブータンでの研修経験のある京大生と知り合い、

   有意義な話を聞くことができました。

左、ブータン王立研究所のJamba Tobdenさん 右、今井友哉


8月 ドリコンの資料作りやプレゼンの準備に努めました。 

   

9月 大学内で幸福を決める価値観に関するアンケート調査を行いました。

   上旬にドリコンの予選に通過し、審査員の方から頂いたアドバイスのもと、

   より良いプロジェクト案を作成するため、開発学・心理学・宗教学など

   様々な分野の教授に調査方法についてご指導いただきました。

   その結果、PRA(参加型農村調査)と呼ばれるワークショップ形式の

   調査方法が最適だと判断し、プロジェクト内容がより具体的かつ

   有効性のあるものとなりました。

   下旬には本戦があり、改善の甲斐があって目標通り優勝し、

   賞金の30万を獲得することができました。

ドリコン優勝時の写真

真ん中ボーダーの同窓会の方から左が私たち(内田、中島、今井)


10-11月 Japan ICU Foundationと呼ばれる大学内の研究費を補助する財団に私たち

     のプロジェクトを申請し、2次審査を通過しました。

               しかし、残念ながら本審査で落選してしましました。


12月 Campfireでクラウドファンディングを始めました。

   また、私たちの活動を発信するためウェブサイトとFacebookを立ち上げました。

 

▼リターンについて

私たちは異なった価値観を身近に感じてもらえる様に、様々な形のリターンで私たちの活動の成果を発信していきたいと考えています。

ブータンの産物であったり、現地の方の言葉、様子を収めた動画・写真。

こういったものを通してブータンの人々の幸福の価値観を少しでもパトロンの皆様に理

解していただけるよう、ものとものにまつわるエピソードに重点を置いてリターンを考

えました。

 

▷フォトブックについて:ブータンの子どもたちにカメラを手渡し、彼らにとっての幸せというテーマで写真を撮ってきてもらいます。きっと私たちとは違った世界観を見せてくれるでしょう。彼らの視点から見た幸せとは何なのか、それを伝えるためのフォトブックです。

▷産物について:ブータンでしか手に入らないような物を私たちが厳選してきます。 

▷ワークショップについて:現地で行ったワークショップを国内でも行います。また、そこでブータンの料理や伝統芸能も紹介していきたいと考えています。

▷報告会について:今回の調査の報告を写真も交えて行います。出張報告会も行います。

▷おまけについて:このプロジェクトにちなんだ何かをさしあげます 

▼最後に

幸福とは何であるのか、どのような幸福のあり方が世界には存在するのか。

私たちはそれを皆様に発信していきたいと考えています。

このプロジェクトに関わってくださった方々には、新しい価値観に触れることで、

個々の幸福観を広げ、より幸せと感じられる日々を送って頂きたい。

それが私たちの願いです。

 

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