【ご挨拶】


私たちは農産物の生産者のお役にたつ計量機「テーブルコンビ」を作っている会社です。

「テーブルコンビ」は生産者の方のいろんな不満の声に耳を傾け、そしてアドバイスをいただきながら改善し続けています。

そして「テーブルコンビ」は、少しずつ成長して参りました。

そして今回その経験を活かし、イチゴの「はかる」を改善できる選別ハカリ「一目瞭然」シリーズをリリースいたします。

 

【イチゴ出荷の問題点】

(1)複雑な出荷規格

イチゴ出荷の問題点はズバリ「出荷規格が複雑」であることです。

重量ランクは5段階

熟度基準は5段階

形状基準は3段階

さらにトレー詰めする時には重量ランクを揃えた上に個数制限があり、なおかつ規定の重量を下回ってはいけない!

ベテランの作業者はこの選別作業をいとも簡単に行うことができます。

長年の経験により、見た目と手に持った感覚だけで正確な重量判別ができると言います。

しかし、初心者や新規就農者には正確な選別ができません。何故ならば本来人間は手に持っただけで重さをはかり知ることはできないからです。

いにしえではハカリは神格化され、「手に持っただけで重さが分かる!」ということは商取引として禁止されていました。人間が正確に重さがわからないことは当然のことなのです。

とはいえ複雑な選別規格があるがゆえにイチゴの出荷作業は時間がかかり困難です。

さらにイチゴは手で触ると傷んでしまうので2回以上触ってはいけないというルールもあります。

その条件下で、それぞれのイチゴを重量別に分ける作業とトレーに所定の重量で盛り付けるという二種類の作業を経て出荷されていきます。

(2)人手不足の問題

このようにイチゴの出荷作業は労力を要しますが、昨今の人手不足はそのための人材確保を難しくしています。

作付面積を拡大し収量を増やし場合、出荷にかかる労力も比例して大きくなります。

したがって収量を上げるためには相応の労力を確保する必要があります。

収穫を上げる方法は技術革新に伴い技術が向上してきていますが、選別作業合理化する方法はほとんど革新されてきていません。

収益改善のための収量増ができなければ事業の持続が困難となります。

廃業を選択する生産者が増加している一因にもなっています。

もしも初心者ベテラン並の選別能力を発揮できるハカリがあれば人手不足問題を大きく解消することができます。

しかし残念ながら、この問題を解決できるベストな「はかり」はまだ存在していません。

既存のハカリに対する不満について2018GPEC(施設園芸展)でリサーチしてみました。

【イチゴ生産者の不満】

(1)イチゴ生産者のニーズ

イチゴの生産者の不満を東京ビッグサイトでのGPEC(施設園芸展)で募集いたしました。

そこで得られた「不満」や「ご意見」は次のようなものでした。

・人手不足を解消したい。

・初心者がベテラン並の選別作業ができる「ハカリ」が欲しい。

・ベテランの作業が倍速になるような「ハカリ」が欲しい。(※イチゴが傷むので無理です)

・15g前後の計量誤差を±1gに抑えたい。

・イチゴはデリケートにさわらなくてはならないのでスピードよりも精度を重要視する。

・既存の音声のみのランク告知だと聞こえづらく判断しにくい。

・音声方式だと近くで複数台使用すると音が混合してしまい判らなくなる。

・イチゴを触る頻度を減らし、痛まないようにしたい。

・データ集計機能が欲しい

・トレー詰め計量作業を効率化したい。

・価格は15万円程度に抑えて欲しい。

このような貴重な生の声をたくさん聞かせていただくことができました。

計量速度の限界は計量物を落下させて傷がついてもよい物は早くすることが可能です。しかし落下時の衝撃で計量物が傷む場合は計量速度を上げることは不可能です。イチゴは衝撃不可の食品なのでベテランの処理速度がある意味限界となります。我々の考える「ハカリ」はあくまでも初心者がベテラン並みに早くなる計量機つくりを目指しています。

不満を持たれる生産者の主な出荷先はケーキ屋さんスーパーでした。

(2)ケーキ屋さん向けの選別作業

ケーキ屋さんはきれいなケーキを作るために粒が揃っている状態での仕入れを望まれています。

一方スーパーからはトレー詰めを正確にする事を求められています。

ケーキ屋さんが求めるイチゴは15g前後の粒で±1gの精度を要求されます。

不揃いのイチゴではデコレーションしずらいですよね。

既存の選別ハカリでは±3gの精度しか出せないため設定範囲は3gが最小になっておりイチゴの選別規格に対応しておらず使い物にならず、ある程度熟練した作業者の勘に頼って選別するしか方法がありません。

ベテランのカンに頼らないとケーキ屋さん向けの選別ができないことが問題になっています。

 

(3)スーパー向けの選別作業

また、トレー詰めの計量は重量ランクと粒数の縛りがあるため、詰め終わったときに所定重量になっていないことが多く、もしも所定重量の290gに達していなければ5-6粒を入れ換え所定重量をオーバーさせる必要があります。

この手間を省くためには所定重量をオーバーさせるように詰めていくしかないため平均重量は320g程度と大きなロスを発生させてしまっています。

このようなニーズに応える「はかり」を開発し不満を解消していくことは、イチゴ生産者の人手不足問題を解消し、収量アップを実現可能にしていきます。

【実現したいこと】

(1)試作機モニターの募集

イチゴの出荷でお困りのことを教えてください!

全国各地の産地の方のご意見をいただきたく、ランク選別と定量トレー詰めができるハカリの試作機をモニター価格で限定10台リリースいたします。

モニター期間中はいろんなご意見をお聞きするため取材をお願いします。

試用中の改善希望などの「不満」をお伺いし、可能な限りの改善を随時行ってまいります。

お使いに頂いている試作機は都度、可能な限りの改善(ハードウェアとソフトウェアの変更)、改造も無償で対応させていただきます。

さらに試作期間終了後(2019年10月頃)には試作品を新品と交換させていただきます。

保証期間は新品交換後1年間になります。

より良いイチゴ生産者のための「ハカリ」が完成するよう、是非ともご協力をお願いします。

 

 

(2)開発機の概要

イチゴ生産者の不満を分析すると

・(A)正確な選別ができる選別ハカリが欲しい。

・(B)トレー詰め計量を合理化したい。

この2つに要約されました。

(3)減算方式の重量ランク選別

イチゴの計量は、収穫コンテナに入ったイチゴを一粒づつ取ったタイミングでそのときの変動した重量を引き算しながら計量する方法が望ましい。

・イチゴと収穫コンテナの重量はおよそ2.5kg

・計量精度は±1gで2gの幅のランク選別設定ができる

(A)の選別するだけならばこれで充分である。

今回独自開発した計量機構「QWS:Quad Weighting Sensor」はこの条件をクリアすることができた。

(4)条件付き組合せ計量

しかし(B)トレー詰めはこの選別作業に加えてさらに複雑な条件が要求される。

・同じ重量ランク同士で組合せて計量すること

・指定の個数を詰めること

・指定重量を下回らないこと

・トレーに詰める位置を守ること

である。

この条件をクリアするためにはおおまかに下記のフロチャートで対応できる。

①(A)の選別ハカリに個数計量機能を追加する。

②(A)の選別ハカリに累積重量と目標重量との差異を認識させる。

③ユーザーに対して差異の情報を伝達する。

④ユーザーはその情報に対して修正しながらイチゴをピックアップしていく。

⑤その結果、最適な重量でのトレー詰めが完了する。

※特許出願中

ただ、イチゴの計量スタイルは産地、品種、秤量などの条件が複雑多岐であるため、開発と現場検証を何度も各産地で行い、多様なご意見の収集をしなければならない。

これには日本全国各地の多数のモニターの協力が必要で、そうでなければ良い製品つくりはできない

既に農商工連携事業にて熊本県のイチゴの生産者「なかはた農園」様と共同開発を行っているが、さらにクラウドファンディングを通じて日本全国、広く意見を出していただけるモニターを募集していくことにする。


また、先ほどの弊社の既存製品「テーブルコンビSプラス」は下記の動画の通りで、

すでにランク別個数縛り付きの組合せ計量は可能になっている。

この技術を今回の試作品にも応用していくことでイチゴ生産者の広い要望に応えることができる製品を開発することは可能である。

後はコストダウン図り、量産体制を構築することも普及のために必要である。

【このプロジェクトをやろうと思った理由】

重労働からの解放。

農林水産省「平成19年産品目別経営統計」によると、イチゴの生産者におけるイチゴの生産出荷に要する労働時間(全国平均、2,092時間/10a)のうち、出荷作業(計量・パッキング)は545時間と全体の26.1%を占め、収穫作業(491時間、23.5%)、管理作業(514時間、24.6%)と比べても最も多く要しており、課題となっている。

これは、イチゴの出荷規格が複雑で、イチゴが柔らかく傷みやすく、機械化や共同選果が進んでいないことが要因となっている。

一方で出荷に際しては出荷締切り時刻が設けられており, 収穫量の多い時には, 作業時間が長く, 朝早くからの作業になる。とくに2月、3月には2Lから2Sの各等級のものが比較的満遍なく出荷され, 調整作業時間のみで5時間を超えている。また, 1パック分を選果・選別するのに要する時間は, 小さいイチゴほど時間がかかっており、イチゴの調整作業は精神神経的に負担の強い作業である。

日本農村医学会雑誌「イチゴの出荷規格による調整作業にともなう労働負担と出荷規格に対する意識について」によると、出荷規格による選別の必要性は84.3%の者が認めているが, 現状ではますます調整作業が厳しくなっており, 出荷規格の簡略化を64.0%の者が望んでいた。農家の労働負担を軽減し, さらには消費者に利益をもたらすためにも出荷規格の簡略化が求められているが進んでいないのが実情である。

この重労働を緩和しイチゴの営農活動の発展に寄与できる「誰がやってもベテラン並みの処理ができるハカリ」を開発したいと考えこのプロジェクトにチャレンジします。

【リターンについて】

今回開発するランク選別「ハカリ」は生産者の多様なニーズに基づき3種類の機能を持たせる予定です。

:減産式ランク選別機能(開発済)

:加算式ランク選別機能(開発済)

:減産式ランク選別&定量詰めナビゲーション機能(開発中)

また秤量はイチゴのみならず梨やかんきつ類まで対応可能な3タイプのバリエーションを用意いたします。

開発済の機能は2019年1月以降から試用可能。

開発中のは2019年4月以降からの試用を予定。

モニタリング期間は2019年10月まで、それまでに製品化を行い、試作機と新品の製品を交換させていただきます。

保証期間は新品交換後1年間といたします。

なお、今回のプロジェクトはモニター様の負担軽減を図るため、低価格化を最優先とし「AllーorーNothing」方式をとらせていただきます。

なお以後の「All-In」方式のプロジェクト化は未定です。

【最後に】

イチゴの選別に限らず農産物の「はかる」作業はまだまだ合理化されていません。

青果物は一般食品と異なり味だけでなく外観の美しさも大切なので、完全自動計量が不向きです。

どうしても人手を介さなければならず、ロボット化、自動化が最も難しい分野となっています。

しかし人間の能力は偉大です。

人を介する作業と簡易な自動装置と組み合わせは、多大な相乗効果を生み出します。

その可能性は無限大です。

それは我々技術者と全国各地様々な生産者と情報共有することで必ず実現できます。

「はかる」という狭い範囲ですが我々に情報提供をしていただければと考えております。

また、これまで弊社の製品開発にいろいろアドバイスをいただきましたユーザー様各位に感謝の意を申し上げます。

今後ともよろしくお願いします。

 

 

 

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