活動報告

首藤凜×岩切一空 インタビュー【前半】

——首藤さんと岩切さんのご関係は?先輩後輩とかだよね?
首藤 いそらさんは早稲田映画界隈の中で伝説みたいになってて…(遠い目)私が早稲田の映研に入った時も『ISOLATION』のいそらさんみたいな感じで。
——あー、今回ムージックラボで上映させていただく伝説の...
岩切 まあ、悪い方の伝説...(笑)
首藤 はい、正直それもいっぱい聞きました!
—— いろんな意味で伝説なんだね(笑)僕に最初に岩切くんを推して来たのが首藤さんでした。
岩切 首藤さんはそもそも完成しなかった僕の映画に一個関わってて。まったく現場に来れない美術、みたいな。
首藤 いや、美術を頼まれてて、私も映画撮ってて現場にいけないから、小道具を前もって渡すみたいな感じで。それで結構揉めて、私も未熟で悪いところいっぱいあったんですけど、結構いそらさんも強烈で、瓶を購入して写真とか送って、いざ持って行ったら「小さいな。返品して?」とか。しかも突然新宿に車で現れて、なんで車で来たか聞いたらハムスター死んだから買い足すって言ってて。
岩切 一時期僕、1月1日に家族が旅行に行ってる時に、まだ未熟だったので心が、そんなもん行くかっていって、家に居たんですけど、寂しくって、ハムスターを7匹同時に購入しちゃって、一匹千円しかしないんですよ。一匹ずつ死んでいくんですよね。寿命が短くて、一緒に飼ったから死ぬタイミングもだいたい一緒で。
首藤 しかもハムスター用のゲージが7個くらいあって。その空間もすごく怖くて…カラカラカラって音が、ずっと鳴ってるんですよ。
岩切 あの、完全にハムスターの話だけど、これ。
首藤 あ、初めて会ったのが『遊星』の現場で、いそらさんの現場にメイクとして行ってて。
岩切 そうそう。現場に来てて、すごい馴れ馴れしいんですよ、最初、距離感が近くて。
首藤 違いますよ!いそらさん、なんか普通に髪とか触ってきて。マンションの出入口みたいなシーンで、たまたま二人だけになった時に、「髪長いね」とかいって触ってきたんですよ。
岩切 やってないやってない。こうやって、嘘って広まっていくんですね。
首藤 違うよ、馴れ馴れしいって言ったから!

—— 何がなんだか(笑)今回の「なっちゃんはまだ新宿」で最初、カメラマンをね。頼もうとしてましたよね。
岩切 そう。解雇されちゃったけど。
首藤 まあ、円満に....。
——解雇っていうか、岩切くんも来年参加することになったしね。まあいろいろね
首藤 私の紹介でMOOSIC LABの企画書を渡して、何かポンポン行っちゃってね。まったく。
岩切 うまくいってないんですよ。あ、でもアーティストだけ、ようやく決まって
——それで既にクランクインしている首藤組恐るべき、てか、小川紗良組はクランクアップしてますよね。
首藤 え?!え、なんか脚本が決まらないみたいな事言ってたのに?
——1週間くらいで撮ってましたね。16日くらいに乗り込んで。岩切監督は「なっちゃんはまだ新宿」のシナリオとかは読んでる?岩切くんは首藤作品をどう見てるんですか?全部見てる?
岩切 一応、最新のも読んでるし全部見てます。結構、演劇の人っぽい感じというか、なんか、沢田先生の時からずっと思ってて、好きなの?
首藤 演劇の方が好きです。最近、感情が薄くなって全然観てないんですけど。
——根本宗子さんとか一時期追っかけて、結構手紙渡したりしてたって?
首藤 誕生日にウサギとかのってるケーキ渡したりして、ねもしゅーさんがそれを「私のファンがくれました」ってお皿に乗っけてるツイート見て、わー、食べるんだって
直井 そうか演劇的ね。僕、シナリオは初めて「なっちゃんはまだ新宿」で読んだから、独特じゃないですか?文体というか
首藤 でもあれは独特じゃなくて、私がダメなんだと思います。普通に。
岩切 自己流?
首藤 ト書きがないんですよ。やっぱり戯曲を読んでるからだと思います。
ーーセリフって感じですよね。シーンとセリフっていう、でも『なっちゃんはまだ新宿』は前半の高校生パートが長いなと思ってて、映画になったらどういう感じになるのかな。後半はすごいエモい。
岩切 もしかしたらシンゴジラ並みに会話が早くなるとか(笑)
—— それでバランス取れたらすごいね。
首藤 確かに、でも!カメラ回してみたら、めちゃくちゃ早くて、やっぱ短くなるんだと思います。
—— そうだろうね、テンポはね
岩切 どこまで終わってるんだっけ?
首藤 学校のシーンは全部終わったところです。
岩切 え!じゃあ殆ど終わってる?半分近く終わってない?
首藤 全然終わってない
岩切 学校を集中して撮ったんだ。あと、ライブシーンとか…
首藤 あとバスとかありますね...
岩切 バスとかあったね。いろいろ大変だよね。もともと聞いてた話は知ってたから、バランスがびっくりしたというか。
首藤 青春みたいなのを書いてるのが楽しくなってきて。
岩切 思い出してたの?
首藤 私に無かったものを想像して書いてました。あと、後半は書くのがしんどかった。
—— 後半はすごく良かった読んだ時、飛躍感があるというか、何故か腑に落ちたんですよね。説明できないんだけど。台詞もすごく良くて。
首藤 あれ、なんかファミマのイートインみたいなところで泣きながら書きました。
岩切 なんで?(笑)
首藤 夜歩いてて、よし今だ!と思って(笑)
—— ちなみにコラボアーティストにPOLTAを選んだ理由は?
首藤 POLTAは、美術で今回入ってくれてる阿部はりかの舞台に尾苗さんが出てて、禁断の多数決は知ってたんですけど、そこでPOLTAを知って聴いてて。POLTAには理由があって、今までのムーラボって音楽を飛躍として使っているというか、例えば展開が飛ぶところで物語を持ち上げるために音楽を使う傾向があるじゃないですか。何となくそれと違うことができたらいいなと思ってて、POLTAの音楽って生活とかに馴染むというか、急展開っていうよりもずっとそこにあるものって感じが強いなと思って、今回なっちゃんっていう役がゆうこすさんで、明らかにそれが飛び道具みたいになってるんで、秋乃が戻ってくる場所にある音楽みたいに、今までとは逆の構造に出来れば良いなと思って、それによく合うなと。
—— 池田さんが演じるマネージャーっていう設定も意外に今までないんだよね。
首藤 それは池田夏海の人間性というか。
岩切 池田さんに当て書きで?
首藤 そうですね。主役じゃない子みたいな。え?いそらさん何で半笑いなんですか?人が真剣に話してるのに。
岩切 ごめん、生まれつきの顔が半笑いだから気にしないで…!でも、今まで『加賀谷だけが好き』と『また一緒に寝ようね』両方とも何かが燃えるじゃないですか。燃えるシーン無いなと思って、今回。
首藤 今回は花火が打ち上がるってところがあるんですけど、あれを現場入って、花火っていうかちょっと爆発しちゃったみたいな感じがいいなと思ってたりはします(笑)。ちょっと爆発しちゃったみたいな照明とセリフ変えて、その場で
岩切 CGみたいなのは?やらないの?よく手が燃えたりするやつ。
首藤 馬鹿にしてるんですか?
岩切 馬鹿にしてない馬鹿にしてない。あのCG良いじゃん。俺すごいいいと思う。あれやんないの?
首藤 あ、あれはやらないです...。こないだの撮影で花火は撮れなかったから。火気厳禁で、校庭が。
岩切 あ、校庭で花火あげるのね。それこそCGでしょ!
首藤 いや、バーンだけどっか別の場所で撮ろうってことになって。それで照らされてる顔だけ撮った。

—— やっぱゆうこすだよね。今回のキーパーソンは。キャスティング、意味があるなと思ったんですよね。この役柄、ここでゆうこす来たらこれは武器になるぞって。
岩切 ベストでしたね。本人どうですか?
首藤 あ、そうそう。クランクインの日、ノーブラで来て...!(笑)
岩切 え、ブラ跡を付けないため?
首藤 いや、たぶんそうじゃなくて。厚手のニットみたいなダボっとしたのをきて、暑いのにと思ってたら、「ノーブラなんですよ〜」とか言ってて。着替え部屋のホワイトボードを恥ずかしいって盾にして、服をパサって下に落とす瞬間があって、いや!すごい子だな!って、サービスかな?演出かな?でもサービスの可能性あるよな?!とかいろいろ考えちゃいました。
岩切 すごい。
—— だからやっぱ演技上手いもんね。特報見た時に、あ、いける!って思ったよ。なんかしっくり来た、すごく。
首藤 稽古して、今は特報より更に良くなってます!
—— 本人も意識的に、考えてやってるんですかね?
首藤 そうなのかも、でも全く意識してない可能性もあります
—— だから強いのかもしれないね。あのへんの子達、だいたいそういうところあるよね。『いいにおいのする映画』の金子理江とかもそういう感じだったし。
首藤 勘が良いというか、言ったらもうすぐ出来る感じ。
岩切 すごい楽しみですよね。
ーー そもそも、ゆうこすさんがやりやすい、当て書きになってるしね。
首藤 セリフとかの言い回しを完全に当てて、言いやすいとは言ってました。
ーー なんかゆうこすの友だちが特報見て、ほんとにまんまだねってツイートしてましたよね。
首藤 あれちょっと感動しちゃいました!
岩切 いちばん感動するやつだね。
ーー それは間違ってないってことだよね。何分くらいになるのかな?まだ分かんないか?
首藤 私は50分から60分だと思ってるんですけど、そんなわけないじゃん!って言われるんで
ーー ボリュームはあるよね、スピード感はあったとしても
首藤 60分から70分なのかな
ーー 編集は今までは、自分でやってたんだよね?
首藤 処女作は助監督と共同で、中二本は私がやってます。編集を見てるとああ長いなって、これも長い!って
岩切 テンポを速くしちゃうタイプだから、たぶんしゅとりんがやったら50分くらいになるけど、他の人がやったらもっと長くなるような
首藤 『また一緒に寝ようね』をスクリーンでみたら異常なテンポ感で引いちゃって
ーー あれはすごいジェットコースター感あるよね。
岩切 一緒に見てた人が速いね...!って言ってたから
ーー 後半の家燃えてね、オオーって何って!
岩切 黒沢清の「カリスマ」以来のオオーってなる。ぼうっと見てただけなのに、最後、背筋がちょっと変ですよね、間違ってるんでしょうね。
—— それが自分のリズムというか、首藤さんっぽさはあるよね。後から首藤さんを知っていくと、リズムとか、そういうのって出るじゃないですか、絶対に、自分に丁度良いリズムって
岩切 編集はもう、一切タッチしない予定?
首藤 いや、基本ラッシュとか作ってもらって私がやって、って感じで半分くらいはやると思うんですけど
岩切 なんやかんや言いそうだよね。バンバン切ると思う。

聞き手 直井卓俊

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