2017/08/10 13:59

こんにちは、離島経済新聞社の鯨本あつこです。「離島×CAMPFIRE」がスタートして今日で10日。今日は離島経済新聞社が島々のクラウドファンディングを盛り上げたい理由を説明したいと思います!

離島経済新聞社は2010年の設立以来、400余りの有人離島の存在を「実は、日本の宝なんじゃないか?」と考えながら、今日まで活動を続けており、私自身はこれまでに1500人以上の島の方にお会いしてきました。

1島1島、どの島にも異なる魅力があり、どの島にも一生懸命に島を支えている人がいるのですが、400余りのうち9割近くが人口減少に歯止めをかけられない状態があり、1年間に1000人、100人規模の人口が減っている島もあります

島の暮らしが残るには「課題解決」が必要!

島々の無人化を回避するには、島の課題解決が必要で(ちなみにこの「課題」は島によってさまざまなため、ここでは「課題」というキーワードとしてまとめさせていただきます)、国も、自治体も、1島1島の島も、島の営みが持続するよう、さまざまな政策や取り組みを行っていますが、それだけでは追いつかないような状況がたくさん見られます。

特に、人口の少ない島では、課題解決を図るにも人材そのものが不足しているケースがありますが、そうした場合は、島外の人材や企業など、外の力と連携することで課題をクリアにできることがあります。

島の存在はたくさんの人の心を浄化するはず 

私はもともと400余りの有人離島にゆかりはありません。離島経済新聞社はもともと大きな後ろ盾をもっているわけでもなく、資金面では苦労が絶えませんでしたが、活動を続けたかった理由は、自分自身が、島々に存在する日本の原点的な価値に心が浄化され、そんな力が、日本に暮らすたくさんの人に良い影響を与えるはずだと信じているからです。

都会ほど「便利」でなくても
島の暮らしには人と人のつながりがある

私がお会いしてきた島人たちの多くは、大自然のなかで、都会ほど「便利」なものがなくても、人と人とのつながりを大事にし、自らの暮らしに誇りと愛着を持ちながら、しっかりと生きていました。

そんな姿は、かつてなんとなく便利な場所で生きていた自分にとっては衝撃的であり、尊敬であり、生きていくために知っておいたほうがいい大事なことを、島々に暮らす方々が教えてくださったように感じています。

私はそんな島々に、何年経っても、何十年経っても、島を訪れた時に健やかな笑顔があってほしいと願っています。

 島にふれてもらうために。正しく知ってもらうために。

そういった背景などから離島経済新聞社は活動を続けているのですが(※前述は私の想いであり、他にもいろんな想いを持ったメンバーがいます)、私たちの専門分野が編集やデザインであることから、情報コミュニケーション分野から離島地域のより良い未来を共創することをミッションに掲げています。

そんな私たちが島々に対してできることは「島の良さを伝えること」ですが、私たちはただ島を知ってもらいたいわけではなく、「島にふれるきっかけをつくる」と同時に「島を正しく知ってしてもらうこと」をしたいと考えています。 

「島にふれるきっかけをつくる」にはメディアの力が有力です。ただ、メディア露出が「島にふれる」興味を喚起する一方、「ブーム」や「流行り」になってしまったら、急激な盛り上がりの先に待っているのは急激な衰退……となってしまうかもしれません。

400余りの有人離島はヒト・モノ・コトなどの資源が大都市に比べると「ゆっくり・少ない・小さい」経済がまわる地域です。そこでブームが起き、大都市のような「早い・多い・大きい」経済活動が行われると、それまでに何十年、何百年、何千年と保たれてきた島の自然や、文化的景観が形を変えてしまうことがあります。

島々の「価値」と「キャパ」を共に知ってもらいたい

島は人口減少が続き、営みが継続できなくなった時点で無人化します。その理由には「仕事がない」こともあるため、資源の限られる島では、観光を盛り上げようという動きも見られます。 

島の持続にはある程度の収入が必要ですので、そのために必要な産業振興は歓迎すべき動きです。しかし仮に、島のサイズや人口規模など、島のキャパをはるかに超える来島者や、自然や住民生活をおびやかすマナーに欠けた来島者が増えてしまったとしたら……。もしかすると、それまで島を守ってきた人々が疲弊して衰退するか、住民が消えてテーマパークと化すか......など、持続に反する未来が待っているかもしれません。

 

離島経済新聞社には「経済」という言葉がついています。これには、小さな島の営みを持続するためにはどのような経済が必要か?という難題を、読者のみなさんと考えていきたいという理由があります。

400島400通りのキャパや資源がある離島の、それぞれ適度な経済を考えることは簡単ではありませんが、400余りの有人離島がたくさんの人や自分自身にとっての宝島であることに気づいてしまった私たちは、1島1島が静かに幕を下ろしてしまうかもしれないことを、静かに見ていることはできません。

そこで、今回スタートした「離島×CAMPFIRE」では、「島の課題を解決したい」「より良い島にしたい」など、島々の持続を叶えるプロジェクトを、想いに共感していただける皆さんと一緒に、どんどん応援していきたいと思います!

初回は、兵庫県は姫路港の沖合に浮かぶ人口約40人の島・男鹿島(たんがじま)で、人口が数百人いた頃に行われていた盆踊りを復活させるプロジェクトや、大分県の姫島(人口約2,000人)で、島の魅力を集めた冊子をつくるプロジェクトを公開しており、離島経済新聞社による「島を知ってもらうきっかけ」になる島の話題が生まれるTシャツプロジェクトでも、絶賛ご支援募集中です!

これまで島にふれるきっかけがなかった方も、このご支援をきっかけに大切な島に出会えるかもしれません。温かなご支援を心よりお待ちしています!