2018/02/16 09:45

2月18日に開催されるワンダーフェスティバル2018冬に参加致します。

卓ナンバーは5-11-08です。

今回は初めて参加した2013年夏から数えてちょうど10回目の参加になります。

思えば最初のワンフェスは散々な結果でした。持ち込んだガレージキット30個の内、売れたのはたったの6個だけ。複製を外部業者に委託していた我々としては最低でも20個は売れないと赤字になってしまいます。でもほとんどのお客さんは遠巻きに眺めているだけで、積み上げたキットには全く手を出してくれません。そう言えば複製業者の社長さんも「悪いことは言わないから複製は10個だけにしときな。オリジナルのロボットなんてそうそう売れるもんじゃないから」と言っていました。あの時はSNSなどもしていなかったので事前のプロモーションも全く無し。そんな中でいきなりドラム缶型のロボットを見せられて「1個20,000円で買ってくれ」と言われても「そりゃ無理でしょ」となりますよね。ハッキリ言って完全に作戦ミスでした。今思えばあの時はクリエイターや職人が陥る初歩的なミスを犯していたのです。

「良いものを作れば必ず売れる!」と。

ハッキリ言ってこれは幻想です。もちろん売れるには良いものを作る必要がありますが、だからと言って「良いものなら絶対に売れる」わけではありません。どんなに良い物でもそれを売るためにはそれなりの仕掛けが必要です。ワンフェスでキットが売れるのは事前の仕掛けとプロモーションの結果であって、売れるか売れないかは会場に入る前に大体決まっているのです。(もちろん例外はあります)

我々が過去9回連続してワンフェスに参加し続けて来たのは、今回のプラキット化プロジェクトに繋げるためであったと言っても過言ではありません。もちろん最初はクラウドファンディングなるものも知りませんでしたから、

「そのうちどこかのメーカーが拾ってくれてプラキット化の話が転がり込んでくるさ」

などと(割と)真剣に思っていました。でも今にして思えばそれもクリエイターのよく陥る幻想でした。巷ではたまにそう言う話を聞くこともありますが、我々にはありませんでした。残念ながら…。

そもそも自分で創ったオリジナルのデザイン(とコンテンツ)を版権ごとメーカーに渡してまでメジャーになることにどれだけの意味があるのか。そう考えいるとこれは必ずしもウマい話では無くなります。ウマい話とはメーカーにとってもウマい話なのです。ビジネスですからそれは当たり前です。

我々はワンダーフェスティバルをビジネスの場として捉えてきました。一時はこれで食べて行こうかとも考えましたが、それはとても無理です。それが出来ているのはほんの数人のディーラーさんだけでしょう。ではなぜワンダーフェスティバルに参加し続けているのか?

それはここが「最高のプレゼンテーションの場」であるからに他なりません。

我々が創っているオリジナルコンテンツをより多くの方に知ってもらうのに、ワンダーフェスティバルはこれ以上ない機会(チャンス)なのです。実は人型重機をプラキットにしたいのも、ガレージキットではなし得なかった「より多くの人にキットをお届けする」ことで、それをきっかけに「Kampf Riesen Mars」のストーリーや世界観に興味を持ってもらいたいがためなのです。今回のプロジェクトに解説本のリターンを設定しているのはそう言った理由からです。実はこれ、2013年のワンフェス初参加の時から何も変わっていません。5年前に出来なかったことを今、形を変えてやろうとしているだけなのです。

 

今回、おかげさまでインジェクションプラキット化プロジェクトが成立したことを受けて、最近では「Ⅳ号」以降のシリーズや一般流通に関するご質問も頂くようになってきました。ただこれに関しては今後の「Kampf Riesen Mars」全体の盛り上がり次第によるもですので、今のところまだはっきりしたことはお答えできません。ただ、その為の仕掛けはこれからもし続けて行くつもりです。(いくつかの仕込みも既に進めております)そしてワンダーフェスティバルにはこれからもずっと参加し続けて行くと思います。それこそが最高の仕掛けであり、最大のプロモーションであるからです。ひょっとすると、もう1回ガレージキットの新作を出すことがあるかもしれません。そんなサプライズや新しい取り組みをプレゼンテーションできる場は恐らくワンダーフェスティバル以外にはあり得ないと思います。

「ワンフェス出身の個人ディーラー」はいつまでも「ワンフェスに出展しているディーラー」であり続けるでしょう。「もう来るな」って言われるまでは。

これからもワンフェスディーラー「Kampf Riesen Mars 1941」をどうぞよろしくお願いします!