■大学生主催科学イベント「サイエンスリンク」の概要

日時:2012年8月16日(木)  場所:日本科学未来館7階
主催:東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST / 東工大 Science Techno
埼玉工業大学 集まれ!科学実験教室プロジェクト

この夏、大学生が主催する科学イベント「サイエンスリンク―キミとカガクをつなぐ夏―」が開催されます。実験あり、サイエンスショーあり、科学工作ありの、小学生向けの体験型科学イベントです。科学を伝えるのは、理科イベント実施経験のある、関東の大学生主体の8団体。「みて、きいて、かんじる」-そんな科学の楽しさを、子供たちに伝えます。

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また、このイベントを通じて、今まで個々の団体での活動がメインだった、「大学生によるサイエンスコミュニケーション活動(☆)」を行う団体同士・学生同士のつながりをつくり、これからのサイエンスコミュニケーションの活動の幅を広げていきます。

☆サイエンスコミュニケーション(SC)とは?

科学の面白さや社会の中での役割などを、多くの人とのつながりの中で伝えあうこと。
科学技術者・研究者や理科教員が主体となって行われてきたこの活動を今、大学生の私たちは行っております。「大学生」じゃないとできないSCがある―私たちは、日々その可能性を模索しています。

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『大学生のサイエンスコミュニケーション』

■プロジェクトの背景 ―私たちがこのイベントで目指すこと―

① 子供たちに科学とのつながりを感じてもらう

「子供の理科離れ」が叫ばれ始めてから長い年月が経ちました。その一方で、科学技術の発展はとどまることを知らず、いまや科学技術の恩恵なしには生活できない社会となっています。同時に科学技術をめぐってさまざまな問題も表面化してきました。しかしそれらは、「科学的」であることをうたった誇大広告・詐欺などの社会全体の問題から、油の火事に水をかけることによる水蒸気爆発などの家庭内で起こりうる事故まで、科学に関する知識があれば身を守ることができるものがほとんどです。そのため、よりよい生活を送るためには、人々が一定レベル以上の科学リテラシーを身につけ、日常生活の中で科学とのつながりや関わりを意識する必要があります。そのような科学リテラシーは、一朝一夕に身につくものではありません。子供のころに科学や理科に興味を持ち、日常の中で科学とのつながりを感じながら育っていくこと、そのきっかけとなるような場が用意されることが重要です。
私たちは、小学校から高校まで理科を学んできました。そして現在、大学でも科学を学び、その楽しさや奥深さを実感する毎日を送っています。「科学とつながる楽しさや奥深さを、できるだけ多くの子供たちに伝えたい」―そんなひとりひとりの強い思いから、私たちは普段からSC活動に取り組み、そして今回、このイベントが生まれました。

目の前で実験を見たり、自分の手で工作をしたりという、科学を直に体験する機会を用意し、生活と科学のつながりについて実感してもらうこと。そして、原理についてもごまかさず、本質的でありながらもわかりやすく親しみやすい説明をし、子供たちに科学を理解する楽しさを知ってもらうこと。この二つを通して、子供たち自身と科学のつながりも実感してもらって、科学への関心を高められるような場にします。

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『科学体験を通して、科学とのつながりを伝える』

このイベントは、大学生主催。子供たちにとって、大人より歳が近く親しみやすい私たち大学生が、学びや生活の側面からみた科学を伝えます。そうして生まれる親しみこそが、従来のように大人が開催する科学イベントや、学校の理科の授業では感じにくい、科学と子供たち自身のつながりをより強く、深く、実感してもらうきっかけになると私たちは考えております。

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『大学生が伝える科学』          『子供からの声(アンケート)』

今回のイベントに出展する団体は全て、理科イベントの実施経験があります。今までの活動の中でも、「ほかにもやりたい」「知らなかったことが分かった」といった子供たちからの感想や、「家に帰ってから子供が家族に説明していた」「子供と共通の話題が持てて良かった」といった保護者の方々からのご意見などをたくさんいただいています。そういったたくさんの声や、実験に夢中になる姿、歓声や笑い声は、私たちの活動の原点です。今回のイベントで、もっとたくさんの子供たちに笑顔になってもらえたら―そのために私たちは、今も話し合いを重ねています。

② 大学生によるサイエンスコミュニケーション(SC)活動の普及

科学の楽しさをできるだけ多くの子供たちに知ってもらいたい―その思いから生まれる、もう一つの願い。それが、「大学生によるSC活動」の普及です。
「大学生であること」の強み。それは、大学研究機関・企業・教育機関では補い切れない、新しいSC活動を行えることです。私たちは、SC活動を誰に強制されたわけでもありません。SC活動を行うことが、直接私たちの利益につながるわけでもありません。したがって、SC活動の内容が発信する側の職業や所属に縛られることも、受け手を限定することもありません。普段の活動で私たちは、依頼主との話し合いを通して内容を決めていきます。そのため、子供の人数・年齢・開催場所などニーズにあった実験を開発し、行うことができます。「子供たちに科学を伝えたい」…ただその一心で、よりよいSCを行おうと、日々、工夫と実践を重ねています。
さらに、大学生によるSC活動は、SC活動の人材育成のために欠かせません。大学生の時に、社会への発信の仕方について実践を通して学ぶことは、将来のSC活動における実践力の向上につながります。
これらの意味で、大学生によるSC活動は未来につながるSC活動だといえます。

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『東京大学CAST』             『東工大ScienceTechno』

 しかしながら、大学生によるSC活動は、大学生が主体であるがゆえに、大人の方々や企業の方々など、社会全体の理解と温かいご支援がなければ活動が難しいものです。そして今はまだ認知度が低く、サポート体制も不完全なのが現状です。できるだけ多くの人々に大学生によるSC活動を知ってもらい、社会からのサポート体制が構築されることを、私たちは望んでいます。また、出展する各々の団体自体の知名度が向上することは、各々の団体の活動範囲を広げ、各大学近隣地域に根付く、より深く広いSC活動の進展につながります。
また、このイベントは、今まで個々で活動してきた関東の大学のSC団体が連携し、協力して作り上げています。このイベントを通じて、同じ思いを持つ大学生主体のSC活動団体の新たなネットワークを作ること―それもまた、私たちがこのイベントに込める思いの一つです。

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『参加団体を集めた発表・意見交換会』

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このロゴは、団体ごとにいろいろな色をもった大学生のSC活動・その伝え方をつなぎ合わせ、子供たち自身と科学と私たちをつなげる、というコンセプトのもとつくられました。

■イベントの詳細

☆サイエンスショー
派手な実験を組み合わせて見せる、ホールでのサイエンスショー。ストーリーまでも組みこむことで、自然に科学への興味をひきたてます。

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☆科学工作
工作を通して、楽しみながら科学を体験できます。自分の手で作った、世界に一つだけの科学おもちゃで、子供たちはイベントが終わった後も科学を楽しむことができます。

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☆実験体験
実験を直に体験してもらい、科学を身近に感じてもらいます。「きれい」や「面白い」などの素朴な感動を引き立てるような実験をたくさん用意しています。

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☆実験セットのおみやげ
当日行った実験に関するおみやげの配布も行います。持ち帰ってからも家族で楽しめる実験は、科学を伝える輪をさらに広げていきます。

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                      『おみやげは子供たちにも大人気』
さらに詳しくは、公式webページhttp://sc-link.net/ で公開しております。

☆出展団体一覧
「サイエンスリンク―キミとカガクをつなぐ夏―」では、子供たち自身とつながる科学を、大学生主体の8団体がそれぞれの団体の色をいかしてお伝えします。
・東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST(主催)
・東工大ScienceTechno(主催)
・埼玉工業大学 集まれ!科学実験教室プロジェクト(主催)
・お茶の水女子大学 環境科学倶楽部
・東海大学 チャレンジセンター サイエンスコミュニケーター
・東海大学 Supporting Science Experiment
・立教大学 立教理科工房
・Live in SPACE Project

■主催団体紹介
●東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST
科学の楽しさや身近さ、そして奥深さを子供から大人まで多くの方に伝えることを目標に活動しています。東京大学の学生約60名で構成されており、年間50以上の科学イベント企画に携わっており、幅広いサイエンスコミュニケーション活動を行っています。
(代表;東京大学 薬学部3年 岡本 和樹、アドバイザー;NPO法人ガリレオ工房 理事長 滝川 洋二 先生)

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●東工大ScienceTechno
東工大ScienceTechnoは、子供に科学を伝えるイベントを企画・運営する東京工業大学公認サークルです。主に大学近隣の小学校や公民館で、月1,2回のペースで科学工作・実験教室を開催しています。
(代表;東京工業大学 工学部高分子工学科 3年 水野 陽介、顧問; 東京工業大学 大学院理工学研究科 大竹 尚登 教授)

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●埼玉工業大学 学生プロジェクト 集まれ科学実験教室
科学実験を通して子どもたちに科学の不思議さや面白さを体験する機会、そして大学と地域との交流の場をつくり、地域・社会貢献を目標に活動しています。
(代表;埼玉工業大学 工学部生命環境化学科 4年 浅見 秀和)

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■目標募集金額
予算案
会場・設営費 \242,750
広報費 \42,500
企画コンテンツ費 \332,100
運営交通・郵送費 \30,000
総計 \647,350
このうち、\380,000は、後援団体や協賛団体に出資していただく予定です。
残りの\267,350を皆さまからご支援いただきたく思います。
広く社会に発信していく企画として、責任を持って進めてまいります。

■リターンについて
・\500ご支援頂いた方には、
サイエンスリンク事務局からお礼のはがきをお送りします。
・\2,000ご支援頂いた方には、
イベントの報告書と当日配布するパンフレットを郵送させて頂きます。
・\10,000ご支援頂いた方には、
イベントの報告書と当日配布するパンフレット、さらに子供たちの絵付きアンケートを郵送させて頂きます。
・\20,000ご支援頂いた方には、
イベントの報告書と当日配布するパンフレット、さらに子供たちの絵付きアンケートを郵送させて頂きます。加えて、イベント当日に配布した全ての実験セットも郵送させて頂きます。

繰り返しになりますが、私達は子供たちへ科学の楽しさを伝え、科学とのつながりを感じてもらうため、また人々の科学リテラシーを向上させるために活動しています。本企画では、社会にそのようなサイエンスコミュニケーション活動を広く普及させたいと考えております。
私たちの取り組みに温かいご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

サイエンスリンク事務局 代表
東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST
 理学部物理学科 3年 小幡 哲士

  • 2012/08/15 10:27

    ついに会場入りしてイベント前日の準備が開始しました。 朝8時から主に東工大、東大、東海大のメンバー数十人で協力して ひたすら装飾や、パンフレットの袋詰めをしています。 お昼から埼玉工業大学のメンバーも参加予定です。 多くの子供たちに楽しんでもらうために、 参加する大学生全員が必死...

  • 2012/08/14 23:33

    こんにちは。 サイエンスリンク本番まであと1日。あとは会場の準備のみを残し、私たちの間に緊張が見え始めています。 今日、東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCASTでは当日の実験対決ショーに向けた通し稽古をしました。当日来ていただく皆さんに楽しんでいただけるよう、精一杯の練習を...

  • 2012/08/12 23:44

     ニュースなどでも取り上げられていたので皆様もご存じかもしれません。  文部科学省は8月8日に4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表しました。5回目となった今回は理科を新たに追加しました。  児童生徒対象のアンケートでは、理科の勉強が「好き」と答えた小6は82%...

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