この瞬間を探し求めていた。
ウガンダらしい、からっと晴れた朝。赤土の道路をバイクの後ろにまたがり、土ぼこり舞う中いつもの店主を訪ねた。私たちのアプリ”Shopto (ショプト)”がインストールされたスマホを手に彼女は言った。
「おかげで、面倒な作業から解放されたの。最新のテクノロジーでわくわくしている。これからもこのアプリを使って、しっかりとお店を管理していこうとおもうわ!」
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失業率60%に立ち向かい、未来をひらけるように
はじめまして、㈱croppre (クロッパー) 代表取締役の相木悠一です!先月京都大学を卒業し、”アフリカ起業”に挑みます。テーマは、
仕事がないウガンダに、無力感を感じた4年前
アフリカにはじめて渡航したのは4年前のことです。小学校を運営するNGOのボランティアとして1ヶ月半の派遣でした。親切で陽気に暮らす人たち。けれど、仲良くなるほどに見え隠れする未来への閉塞感や諦めに、もはや目を背けていられない自分がいました。
「どうせ仕事はないんだよ。」
「この仕事は、体力的に長くは続けられないし。将来どうしたらいいんだろう。。。」
「この仕事を続けていても、稼げない。満足にご飯すら食べれないのに、結婚して家庭を持つなんてもってのほかなんだ。」
そういった言葉を友人から聞きながら、未来への閉塞感に息苦しさを感じていました。
普段は陽気で、自分で歌をつくり作詞をしたりと、素敵な友達。
けれど、「このまま仕事を続けていられない」と苦悩を抱えていた
そうだ。仕事がないなら作ればいい。
小さく始めたビジネスがより成長していく環境を作ろう。
そうすれば、未来はもっとわくわくする。拓かれるはずだ。
主体性を損なわないビジネスにこだわって検証を続けた
私たちは、一方的な支援ではなく、ビジネスの形で関わることにこだわってきました。
長引く支援は受け身を習慣化してしまうからです。
昨年8月に渡航してから、600以上の事業アイデアを考え、
現地の起業家のための仕組み作りというコンセプトで絞り込み、検証を続けました。
そしてたどりついたのが、キオスクというお店です。
キオスクの様子
キオスクとは、食料品や日用品をあつかう小規模個人商店のことで、カンパラに1万8,000店舗、
人口比で計算すると日本のコンビニの20倍もの数がある、現地の人に欠かすことのできないお店です。
キオスク店主の中には、大卒の人も多くいます。
教養があり地頭はよくても、ビジネスは素人。資金も少ないなか突然キオスクを始めてもそうそううまくいきません。
たとえば、彼らは売上を手書きでノートに記録しているため、記録自体が面倒なだけでなく、分析もうまく出来ていません。
売上を記録しているノート
また、少ない自己資金でお店を始めるため、ちょっとした経営不振や家計の大型出費があると、
品揃えを保てなくなる。品揃えが保てないと、お客さんが減るという悪循環に陥ることもあります。
かといって、資金繰りのためサービスはなく、最終的に店をたたまざるを得ない人も多くいます。
レジアプリは、キオスク店主が未来をひらく起点になる
そこで、わたしたちが11月に開発したのが、”Shopto”というレジ(帳簿)アプリです。
売上の記録が簡単にできるスマートフォンアプリであり、これは、情報、ノウハウ、資金の問題を一挙に解決するための起点にもなるものです。
売上記録アプリShopto;すばやく売上の記録ができるだけでなく、
商品ごとや日単位の売上を分析することができる
このアプリを導入することで、感覚ベースの経営から脱却できます。
過去のデータから仕入量を決めたり、現在の利益をふまえて家計に使うお金を制御したりできます。
また、蓄積されたデータをもとに与信がつき、ツケ払いで商品をしいれれたり、
店舗拡大のための資金を借りられるようになります。
資金不足の悪循環で倒産してしまう店舗を減らすことができます。
それだけではありません。
嬉しいことに、Shoptoを手にとったことがきっかけで、
マンネリ化してたお店の運営をもっとがんばろうと意気込む人が現れました。
冒頭の店主もその一人です。人の意識が変わるきっかけにもなるのです。
そんな体験を提供するべく、私たちはShoptoを通じて単なるアプリにとどまらず
さまざまなサービスを、キオスク店主へ提供していきます。
4店舗でプロトタイプ導入中
72店舗を訪問したところ、14店舗のオーナーが導入を希望し、
4店舗はお金を払いプロトタイプ※1を導入しています。
冒頭にでてきた店主。Shoptoを利用してくれている。
資金の使い道と収益化のイメージ
このプロジェクトを今後本格的に普及させていくために、イニシャルコスト分のご支援をいただきたく思います。
具体的には、ウガンダでの法人設立および労働許可取得にかかる費用で合計60万円ほどです。
人件費や開発費などランニングコスト分は、
日本からのソフトウェア開発業務委託などの事業売上でまかないつつ、
徐々にShoptoによる売上比率を上げていきます。
Shoptoでは、キオスク店主からの月額課金、
メーカーへのPOSデータ提供やプロモーション支援、
マイクロファイナンス機関への情報提供料金などをうけとり収益化を目指していきます。
収益モデルのイメージ図
今後の方針
ウガンダの首都カンパラには、1万8000店舗ものキオスクがあるといわれています。
今後2年で、20%にあたる3600店舗への導入を目指します!
直近4ヶ月は、以下のように事業をすすめていきます。
4月:β版アプリの開発に注力。4月中のリリースを目指す。
5月:ウガンダ法人設立、まず50店舗へのアプリ導入をすすめる。
6月:アプリ導入店舗へのコンサルティングを行い、Shoptoの効果的な利用法などノウハウを蓄積する。
7月:マイクロファイナンス機関との連携を行い、ローンや後払いのスキームの仮説検証を行う。
※1:検証用アプリのこと
※2:検証用に改善を重ねた正式導入前のアプリ
おわりに
私たちのアプリの名前、Shoptoは"キオスク店主(Shop)と(to)ともに、アフリカの未来をひらく"
というミッションから名付けました。
私たちにとって、キオスクの経営支援は、一歩目にすぎません。
キオスクがうまくいった後も、より多様な起業家を支援していくことで、
ウガンダ全体の、ひいてはアフリカ全体の職をつくっていきたいと思っています!
どうか、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
<追記>
4/13:5000円と10000円のリターン、「ウガンダのお土産をお届けします」をより見やすくするため、画像と文章の差し替えを行いました。なお、内容に変化はありませんのでご安心ください。
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