2014/09/27 16:18
こんにちは! アドバイザーを務める、作曲家の田口和行です。本日は、アニソンをクラシックギター用にアレンジすることについて、ご紹介したいと思います。

【俺クラ】では、ギタリストの伊藤亘希さんが殆どの曲をアレンジしています。ギター独奏との相性を考えながら選曲しましたが、出来るだけ最近の曲を取り上げようとしているため、転調の連続など、ギターが苦手とする要素をどう克服するかが課題となっています。

私がアレンジを担当した《ユメのなかノわたしのユメ》もその一つ。シンガーソングライターの伊藤真澄さんによる『人類は衰退しました』のエンディングテーマです。「七瀬光」名義で手掛けるサントラでは、ダイナミックなオーケストレーションを披露する伊藤さんらしい緻密な音楽。この不思議な世界観を、どうすればギター独奏で実現出来るか。





最初にイメージしたのは、通常のギターより完全四度(もしくは完全五度)高く調弦されるレキントギター。ただ、通常のギターで演奏出来た方が良いでしょうから、カポタストを使うことにしました。5フレットだと、手を動かす範囲が狭くなってしまうため、3フレットを選択。また、ギター独奏では、最低音がどのコードの根音になるかも肝心。今回は、サビのトニックで6弦の開放弦を使っています。

基本的には原曲をなぞっていますが、複雑なコード進行をそのまま採用するのは困難なため、私なりに変更を加えています。イントロや間奏はイメージを損なわない範囲で、新規のフレーズを作りました。イントロでは、ミュリエル・アンダーソン(中川イサトさんと一緒に熊本で撮った写真は、今でも私の宝物!)の演奏をヒントにした、人工ハーモニクスと実音を組み合わせたフレーズが登場します。

本作のアレンジについて、伊藤亘希さんは次のように語っています。


「正直けっこうな無茶振りだったかと思いますが・・・初稿を受け取って感心しました! 自分で編曲すると、指の動きが先行してしまって画一的な編曲になってしまうことがよくあるのですが、アコギ弾きで作曲家の田口さんならではと言いますか、ギタリスティックな音型と、田口さんご自身の個性をうまく処理した良編曲だと思います。ハーモニクス等を容赦なく駆使することで独特な響きになっています、乞うご期待!」


伊藤さんが演奏する《ユメのなかノわたしのユメ》を、聴いてみたくありませんか? CAMPFIREでは目標金額に達した場合のみ、プロジェクト成功となり、皆様のご支援を活かすことが出来ます。【俺クラ】CDが完成したら、ステージでのレパートリーが増えるだけでなく、アニソンを弾きたいという生徒さんのご希望に、クラシックギター作品として応えることも可能になるでしょう。その実現のためにも、皆様のご支援ならびに情報拡散へのご協力を、何卒宜しくお願い申し上げます!


■プロフィール
アニメと声優を愛する現代音楽作曲家。独学で作曲を学ぶ。受賞歴は、SQUARE(現:SQUARE ENIX)植松ラヂヲ「第1回アレンジ道場」ノビヨ賞(カオス de チョコボ)、第26回日本現代音楽協会作曲新人賞富樫賞など。作品は国内外で演奏・出版されており、昨年はピアノ10台による作品を発表した。好きな声優は中村繪里子さん。現在好きなアニメは、みならいディーバ(※生アニメ)。アイマスでは真くん推し!
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