2011/11/07 22:35
先日、安達と山崎は石巻に行ってきました。

いろんな出会いがあったので、数回に分けて紹介できればと思います。
また、ここで紹介するのはあくまでも、その人個人の体験や意見であって、
時に偏ったものであるということをご了承ください。


石巻、といっても石巻商店街のある石巻駅前あたりを重点的にまわってきました。
まだまだ瓦礫の撤去がおわっていない場所もあれば、
お店を再開した場所もありました。
しかし、みんなどこに隠れているのかと思うくらい道には人がおらず、
全体的にシャッターが閉まっているお店が目立ちました。

しかし、そんな石巻にも人が集まる場所がありました。
そのうちの一つが、
呉服屋の「かめ七」さんです。
ここのご主人はとっても物腰が柔らかく、本当に優しい方でした。
武蔵野美術大学出身ということもあり、私たちにとても優しくしてくださいました。
ここで1時間ばかり、奥さんとご主人と話をしていると、次から次へとお客さんがやってきます。

もちろん、呉服を買いにくる方がほとんどでしたが、中には、ただ話をするために来る人もいました。普段はそんな人たちが集まって、勝手に集会所みたいにしちゃうんだ、なんてご主人は笑っていました。

そんな、かめ七にあつまる皆さんはもちろん、それぞれ様々な形で被害にあった方ばかり。

会うと、3月11日のことをゆっくりと思い出すように話されます。

かめ七さんのお店は1階がお店になっていて、2、3階が自室になっているそうです。地震があったときは驚きましたが、まさか津波がくるとは思っていなかったそうです。
激しい揺れで倒れた棚などを片付けていたときに、ふと海側をみたら、
黒くて大きな波が押し寄せていたそうです。

奥さんはいそいで母親の手をひいて、自室の3階ににげました。
ふと外を見ると、真っ黒な波が外でうなっていたといいます。

電気も通らない、ラジオもない中で、彼らが映像を見たのは、震災から1ヶ月経ったあとだそうです。
最初みたときには、目の前の映像が信じられなかったそうです。


震災後はボランティアの人が沢山きて、お店の泥かきや、片付けを手伝ってくれたそうです。
最初はお店を再開する気は無かったそうです。
でも、ボランティアさんのおかげでお店が片付き、再開することができたと語っています。

「かめ七」さんには、かめの置きものや人形が沢山ありました。
しかし今回の津波で流れてしまったそうです。
できるだけ、見つけ出して綺麗にしたそうですが
やはり多くのかめが流されてしまったそうです。

それを知ったボランティアの人が、後日かめの人形を送ってくれたそうです。それを嬉しそうに語るご主人をみていたら私たちも嬉しくなってしまいました^^


お店を再開した今、様々なひとが毎日かめ七にさんに集まっています。
こんな場所が、もっと石巻に増えて、
家にひきこもっている人も少しずつ、元気になる日がくることを願っています。