2014/10/28 14:01
木を収穫して運搬する為の「作業道」について、高知県四万十町で行われている取り組みをご紹介したいと思います。


林業は、苗木を植栽し世話をしながらゆっくり育てます。
畑作作業とは異なり、収穫までに50~60年程度の年月を必要とする息が長い地道な活動です。

伐採時期を迎えた木を収穫・運搬する際の作業道は、「四万十方式」と呼ばれる自然に優しい工法で作られています。
急峻で雨の多い日本の山の作業道は崩れないことが前提ですが、コンクリートや砂利などで固めるのではなく、
設置現場に生えている植物や土のみで作ります。

作業道の道幅は2~3メートル程度。
切り崩した山側の土を谷川に盛って、木の根株などで崩れないよう補強します。
石積みのブロックのような役割です。
根株は萌芽することで根を張り、盛土の表面を保護・強化します。

これらは全て現地で調達できる素材で作られている為、無駄がありません。
根株や盛り土からの緑化も早い為、作業道が森に馴染み既存の生態系への影響も最小限にとどめることが可能です。

四万十方式の作業道はエコで低コスト。
全国の作業道のお手本となり、徐々に日本全国へ広まっています。