2020/12/26 14:09

みなさんからたくさんの応援・ご支援をいただきました映画「となりの肯定ペンギン」。

いよいよ、YouTubeで無料公開の運びとなりました!

ご支援いただいたみなさまのおかげで、無事に完成し、こうして公開できますことを劇団員一同とてもうれしく思っております。(映画はこのページの最後にリンクしております)


改めまして、このたび肯定ペンギン・ペンペン役をつとめました淀川フーヨーハイより、

今年の映画制作を振り返り、御礼を申し上げます。


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僕たちの劇団(満劇)で映画を作るのは初めてです。

これまでも舞台公演が終わるたびに、今後の劇団活動をどうするか考えなくてはいけないとか、このままではやがてマンネリになっていくし、困ったな、新しい何かが必要だなどと言っておりましたが、思えばあの頃はのんきでした。

2020年、新型コロナ発生。

まさかこんな形で満劇に新しい何かがやってくるとは思いませんでした。

押さえていた東京の劇場をキャンセルし、さあどうしようか。何もしないのか。いま流行りの演劇ライブ配信をやるのか。そういうのって、うち、いちばん苦手じゃないのか。という中で出てきたのが舞台作品「肯定ペンギン」の映画化です。


演劇と映画は同じ部分もありますが、ほとんどは別ものです。

背の高い人が有利だという共通点はあっても、バレーボール日本代表が突然バスケットボールチームを作ったら、市代表の高校バスケット部にも勝てないのではないでしょうか。

あるいはコーヒーを淹れるのが上手な喫茶店のマスターが突然茶道をやってみろと言われたら、茶碗をどっち向きに何回まわすか考えただけでパニックになってしまうのではないでしょうか。

今までも舞台作品の映像化をやってみたいという気持ちはあったのですが、いつも尻込みして実現しませんでした。


しかしうちには、バレーボール部員なのにバスケット経験者のような、

喫茶店のマスターなのに茶道の免状も持っているような人がいたのです。

それが今回の監督・にこたまBBQ(日座裕介)です。

ふだんから映像を撮っていて、映画への志もあった彼が「今年はぜひ作ってみたい」と言い出しました。その勢いに押され、みんなやることに同意。そして舞台版「肯定ペンギン」の作者であるあべの金欠が映画の脚本を書き、編集は同じく映像のプロである高槻アジ郎がやってくれることになりました。

撮影機材はなるべく持ち合わせですませ、スタッフは知り合いに安く(あるいは無料で!・・・あつかましい)手伝ってもらうよう頼むとして、

でも、どう計算してもやっぱり予算が足りません。

どうしたかというと、広く世間の皆さまにカンパ(ファンド?)をお願いしたのです。

それがこのクラウドファンディングでした。

いくら足りないと言っても、200万もお願いするのはムリだと正直、僕は思いました。

心の中ではその半分の半分ぐらいを予想していました。

なのに何ということでしょう。

ふたを開けてみれば目標を大きく、大きく超える皆さんのご支援がやってきたのです。


なぜこんなに応援してもらえたのか。

だって着ぐるみのペンギンが市井の人々を励ますというか、植木等のようにいい加減なC調の(古い?)相槌を打つ映画なんですよ。

でもそれを「がんばれ」と、「思いきってやってみろ」と言ってくださったたくさんの人がいたことを僕らはずっと忘れません。

神様、世界は何と不思議で素晴らしいのでしょう。

今回のクラウドファンディングに賛同いただいたすべての方にインターネットの片隅からではございますが、心よりの感謝を捧げます。


さて、映画がやっと公開されました。

たくさんの人に見てもらいたいので無料公開にしました。

撮影を振り返ると着ぐるみの中が暑かったことしか覚えていません。見るとペンペン、なんか止まりそうにゆっくりしゃべってますよね。うー、もっと立て板に水のごとくペラペラしゃべりたかった。こども電車に乗った時は他のお客さんに混じって列に並ぶのが恥ずかしかった。大出菜々子ちゃんはいつもかわいかった。僕が10回セリフを間違える間に彼女は1回も間違えなかった。初めての経験とはいえ、冷や汗の連続でした。

というわけで、ペンギンが植木等のように誰かを励ますという世界でも珍しい映画をお届けします。

映画の続編はあるのか。わかりません。満劇の将来はどうなるのか。わかりません。

ローリング・ストーンズは「観客が来てくれる限りやる」と言ってました。

我々もお客さんに支えられて存在していることだけは間違いありません。

本当にありがとうございます。

それでは映画をお楽しみください。


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淀川フーヨーハイ、たっぷり語りました。このたっぷりさに感謝の思いがあふれております。


ぜひ年末年始のお時間のよろしいときに、また、ふとペンペンに会いたくなった時に、おひとりで、ご家族で、大切な方たちと一緒に、何度でもお楽しみいただければと思います。

また、「この映画はわたしの力添えで完成したんじゃあ!」とたくさんのお知り合いに広めていただければ、とてもうれしく思います。


それでは映画をどうぞ!おたのしみください。


映画「となりの肯定ペンギン」 満員劇場御礼座 オリジナル短編作品