2018/01/19 20:58

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また、今回アスタミューゼ様から取材いただき、その一部を転載しておきますので、ぜひみなさまご覧くださいませ。

Interview

2018.01.18 THU

東大受験やプロ野球選手のように、中学生が本気で起業を目指す未来 ――「Pedia Venture Program」正田圭

text by : 編集部

photo   : 編集部,TIGALA株式会社

 

近年、学生起業家・若い起業家が増えてきた。

日本では15歳になれば法人設立に必要な手続きが可能となるが、若い起業家の大半は大学在学中など18~25歳が中心となっている。そんな中2017年12月に「小学校高学年~中学生」を対象とした起業支援プログラム「Pedia Venture Program」が発表された。

プログラムの中心人物は、自身も15歳で起業し現在はTIGALAの代表を務める正田さん。

なぜ、15歳以下の子供たちに起業支援プログラムが必要なのか?自身の経験や周囲の10代起業家の話も含めてお聞きした。

正田 圭 (まさだ・けい)

15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設立し代表取締役に就任。テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀行サービスを提供することを目的とする。

 


■最初に仕事をする時、会社経営からスタートしたほうが仕事の本質がわかる

 


――中学生の起業を支援する「pedia venture program」は、正田さん自身が15歳で起業した経験も背景にあると思うのですが。

そうですね、僕が起業した頃の15年以上前と比べて「早くやることのアドバンテージが出てきたな」と感じます。

いまはベンチャーキャピタルの中にも、優秀でリスクを取れる若い人を探している方が多いですし、「大学中退して起業します」という若者をむしろ評価する風潮がある。むしろ若い方が資金調達しやすいとすら思います。

僕が起業した約15年前はむしろ逆で、若い起業家といってもせいぜい20代後半。

資金調達環境も現在と異なり、金融機関から借り入れるケースも多かったです。僕も起業時に「せめて年齢が25歳くらいで、妻や子供がいたら融資を受けやすいのにな」と言われたことがあります。

――若いことがネックだった当時と、若いことが強みのある現在という差ですね。

はい、今は急成長している企業でインターンを経験する、新卒でベンチャーキャピタルに入社するなどして、その後起業するケースもありますよね。

一昔前だと、20代で独立するにしても3~5年くらい修行してから独立するということが多かったと思いますが、今時の若手起業家は1年もたたないうちに独立します。

1年もしないうちに投げ出したやつ、続かなかったやつと評価する人もいるかもしれませんが、実際こういう起業家がしっかりと結果を出しているのが今の時代です。

――そういう状況で、今回のプログラムを立ち上げる意味というのは?

人生で、一番最初に働く経験は、「起業」であったほうがよいのではないかと思ったことです。

普通は、みんな人生で一番最初に働く経験って雇用だと思うんですよね。しかしそれが良くない。「雇われ癖」がついてしまうのです。

就職に限らず学生アルバイトもですが、原則的に自分の時間を「1時間1,000円」とかで売る、これは時間を渡すからお金が手に入るという経験です。

対して会社経営はいわば真逆です。「いかに時間もお金も手に入れるか」の闘い。

仕事の原体験が「時間を売らないとお金は手に入らない」だと弊害もあります。

もちろん、全ての人が一生起業家として生きるわけではありませんし、就職を否定するわけでもありません。ただ、最初に仕事をする時に会社経営からスタートしたほうが、就職するにしても仕事というものの本質をよくわかるのではと考えています。

だから学生のうちに一度起業したほうがいい。

ここ数年間で、一層この考えを確信するようになりました。

 

pedia venture programは4月からスタート予定で現在参加者を募っている段階。

中学生は無料だが、高校生大学生が参加できるプランもある。

 


■いまの親世代は子供に「自分で稼げるようになってほしい」と願っている

 


――正田さんは2016年3月「15歳で起業した僕が社長になって学んだこと」を出版されましたが、その本への反響も、今回のプログラムに関係していますか?

はい。あの本への反響は当時若い方からも多かったですが、実は、親世代の方からも多く反響や感想を頂きました。

そこで見えてきたのは「いまの10代の子の親世代が子供の人生に望むもの」の変化です。

僕の本に寄せられた親世代からの声で感じたのは

「子供にはお金を稼げるようになってほしい」という願望です。

近年の、子供にプログラミングを習わせようとか、STEM教育、モンテッソーリ教育といったものが話題になる背景にも、親世代の同じような願望を感じます。

――なぜ「稼げるようになってほしい」と願うようになったのでしょう。

僕は「相続0円時代だから」だと思います。

親世代に貯金がなく、以前のように祖父母が貯金や土地も持っているわけでもない、長生きの時代になり自分の老後資金も必要。

子供に相続させられるものがほぼないのです。だからこそ「自分で稼げるような人になって欲しい」という願望になる。

ただ、大半の人は「どうすれば稼げるか」を実体験を元に教えることができない。漠然と「エリート・高学歴」とは何か違うものだということもわかっている。

――その考えがある親世代に、お子さんに「起業」という選択肢も提示しようと。

そうです。子供が起業するというチャンス・選択肢を親御さんに容認してもらう。

それと同時に親世代に対しても「あなたたち自身まだ若い。あなたもチャンスです」という意味も込めています。

親子共同で起業しよう、とまでは言わないですが、一緒に起業のことを考えたり、親が「俺は退職金で起業する、お前も最初の面倒は見るから何かサービスでも立ち上げてみろ」と、そういう親子関係があってもいいなと。

――確かに子供が東大目指すなら両親一丸となるのは自然なので、起業において同様のことがあっても良さそうです。

はい、子供を東大に活かせるためにスパルタ教育をした、小さい頃から父親が野球を教え込み二人三脚で一流のプロ選手になったという話はごく自然ですよね。

ただ、会社経営や起業において同様のものがない。

父親が子供の事業プランやプレゼンを見て「お前のプレゼンは全然だめだ!」と言った話を聞いたことがない。

今回のプログラムが、子供に勉強させるかスポーツチームに入れるか?と同様に当たり前の選択肢として、親世代に認識されてほしいなと考えています。

 

※自身の体験を元に出版された「15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと」は

現在よりもベンチャー支援環境が恵まれていなかった時代のハードな体験、そこからの学びが得られる。

 


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