2016/08/04 23:18

今回の企画の立ち上げメンバーの一人、木川と申します。今回の企画にも協力している福井駅前短編映画祭の代表をしています。

今回の企画、「福井発ムービーハッカソン」は、福井市出身の津田寛治さんのふとした一言から始まりました。昨年の映画祭の打ち上げで津田さんはこういうことを言われました。

「駅前を舞台に、何人かの監督が競争して映画を撮る企画なんておもしろいですよね」

実はこの映画祭が生まれるきっかけの一つに、数年前に津田さんに監督を依頼し、福井市を舞台に製作した映画「カタラズのまちで」の存在があります。私もそれにプロデューサーとして関わった経験から、映画って、数ヶ月も準備して、心配なところがなくなるまで計画してそして撮影に入る。そういうものだと思っていました。だから、この津田さんの言葉にびっくりしました。

「あれ、でも確かにそういう映画の撮り方も面白いかも?」

しばらくして、そう思うようになったのです。

福井は東京から離れています。だから、プロで映画を撮る人はほとんどいません。

この数年、いろんな映画が福井で撮られました。東京からの製作スタッフがやってきて、いつのまにか映画はできていました。僕たちは福井の映画なのにそれらを見ながら、いい映画だ!でも、この映画はちょっと。受け身になって映画を見ていたのです。

でも、津田さんが監督として製作した「カタラズのまちで」はそういう映画とはちょっと違う映画でした。主要なスタッフは確かに東京からきたプロです。しかし、多くはスタッフの多くは、福井で映画を自主制作で撮ってる映画が大好きな人たち、津田さんの心意気にひかれて参加した人、地元のアーティストなどでした。僕も映画プロデューサーなんてやったことありませんでした。分からないことばかり。でも、東京のプロたちと一緒に撮影して、勉強になりました。そして、映画が撮りたくなりました。それは僕だけではありません。大きな影響を福井に与えた映画でした。

今回の企画は、「カタラズのまちで」を通じて津田さんからいただいた「地元を愛する映像を撮りたい」という気持ちでスタートしたのです。ただ、福井では映画を撮る人間はまだまだ少ない。そこで、昨年の福井駅前短編映画祭に映画を出展してくださり、わたしたちに感動を与えてくれた監督たちに今回も一緒に映画をつくる仲間としてきていただき、一緒にわぁわぁいいながら映像を撮りたいのです。そして、これはきっと福井の魅力を全国に伝えるための一歩となります。

ムービーハッカソンでは、県外から二人の監督と二人の俳優。そして地元の自主制作映画の監督。映画を志す学生たち。市民たちが一緒に3日間、話し合いながら短編映画を撮ります。特殊なスタイルです。うまくいくかどうかもわかりません。でも、私たちは、地方から発信する力をここで学びたいのです。

また、少しずつ、今回参加していただく監督を選んだ理由など、書いていきたいと思います。