はじめに・ご挨拶

私はNPO法人津山城西ほりおこし隊の廣本慎太郎と申します。

NPO法人津山城西ほりおこし隊は、津山市城西地区まちづくりを中心とした地域活性化のために組織された団体です。

揃いの作州絣の法被を着た城西人力車隊と作成協力いただいた作州絣工芸館の皆様

我々の住う津山市城西地区は、江戸初期に織田信長の小姓であった森蘭丸の一番下の弟である森忠政が、関ヶ原合戦の後に美作国津山藩を開きました。森忠政の築城と城下町のまちづくりの過程において、歌舞伎踊りで有名な「出雲の阿国」と忠政の義理の弟であり家老のイケメン武将「名護屋山三郎」が築城時の混乱の中で亡くなってしまったという阿国の悲しい恋の物語として城西の出雲街道沿いを舞台に語り継がれおります。出雲の阿国かぶき踊りの図

その後城西の街も変遷していき江戸時代には吉井川を使った高瀬舟での運輸が産業の中心となり、鋳物や鍛造の金物も多く手作業の町として多くの職人も住む地域となりました。津山の街も江戸時代には、徳川将軍の血筋である松平家が入封し幕末を迎えました。明治から大正、昭和と移る中昭和初期には、中国鉄道が開設され津山口駅に駅が開設され多くの人力車が並ぶ津山の窓口となりました。大正時代の津山口駅で人力車が集まって客待ちしている様子

現在は文化庁からの重要伝統的建造物群保存地区に認定され、少しづづ観光客の方も増えてまいりました。そんな中で、重伝建の指定までに過去30年間に渡って、毎年10月に「津山城西まるごと博物館フェア」というイベントで、全国から手作り工芸品作家の方を募集して地域の関係を繋いできました。昨年はレンタルした人力車で観光を楽しんでもらうために、青壮年有志で人力車隊を結成して活動を始めましたが、やはり城西の人力車を保有したく思いクラウドファンディングにチャレンジしたく思い立ちました。

城西の街並みのランドマークである作州民芸館前の出雲街道を人力車隊が走る

城西連合青壮年有志による人力車隊発足時の新聞記事

このプロジェクトで実現したいこと

津山城西まちづくり協議会HP

『津山市城西地区に人力車を購入して、元気いっぱい出雲街道を走らせたい』

現在まで津山城西まちづくり協議会を中心として、多くのまちづくりに関する事業を進めてまいりました。その中で協議会の行うイベントの時々にレンタルしていた人力車を、是非とも地域で購入保有して地域めぐりの足として使いたいと考えております。

特に城西まちづくり協議会として独自に人力車を購入することにより、これまでは津山城西まるごと博物館フェアだけであった城西人力車隊としての活躍する場面が増え、本来春夏秋冬に楽しんでいただける街並みの風景や城西の長い歴史の物語を肌で感じていただけるようになると考えております。また寺社仏閣の集中する地域であるために、「城西おかげめぐり」においても活用したいと考えております。特に江戸時代から現代の令和まで戦争や火事、天災による大きな被害がなく、人々の暮らしの中で積み重ねられた歴史的風致を大切に守り続けていきたい事から、風景に合わせてゆっくりと人力車のペースで、車夫が観光案内役として文化を語り継ぐ事も活動の一環としており、協議会内で歴史の勉強会を開催しています。歴史を楽しく引き継ぎ、観光客の方々に楽しく城西で過ごしていただくためにも、スローライフな人力車に大きく期待しています

私たちの地域のご紹介

西暦713年に「美作国」が作られた頃から、京都から出雲まで続く出雲街道が城西地区の中心を通っていて、「出雲阿国」と「名護屋山三郎」が何度となく通った街道でもあります。津山藩のまちづくりの過程において、無念にも命を落とした山三郎を思って阿国も、男装して踊る歌舞伎おどりを始めました。

その後森藩から将軍家の御家門筆頭である松平家が津山の藩主となり幕末を迎えました。幕末には洋学が盛んな街としてたくさんの学者が輩出され、「解体新書」に深く関わる箕作阮甫や「珈琲」という漢字を考えた「宇田川榕菴」などが国内でも大活躍いたしました。

また江戸時代から食肉文化が幕府から許されている土地であり、西暦700年頃から牛市の記録が残るように、長い年月で畜産も盛んであったことから「さいぼし」と言われる干し肉を初め色々な津山独自の食肉文化があります。

津山の総鎮守徳守神社の真ん前にあるお肉屋さんの自家製和牛干し肉
津山が江戸時代から伝わってきた、養生喰いと呼ばれる肉食文化の原点

珈琲と言う漢字を考えた津山藩医である宇田川榕菴にちなんだ榕菴珈琲

まちの駅城西浪漫館では宇多川榕菴が考案した珈琲抽出ができる珈琲缶で至福の一杯を味わえます

2023年現在の城西の地図

城下町らしく寺町と武家町、職人町や商人町が混在しており、津山市内を流れる吉井川に沿って住宅が並び、江戸時代からの文化が戦災に合わなかった事からいまだに引き継がれております。

城西地区のほとんどが氏子町内に当たる総鎮守の徳守神社には日本三大御輿と言われるお神輿があり、秋の例祭には氏子町内をご神幸が巡り総勢200人が担ぐお神輿と共に、神賑(かんにぎわい)として岡山県の文化財に指定されている彫り物が自慢の各町内所有の「だんじり」が曳き出されます。昭和の初め頃の出雲街道を進む徳守神社大神輿

津山市政40周年に旧津山市役所本庁舎に乗りつけた安岡町鳳龍臺に乗る筆者

プロジェクトを立ち上げた背景

江戸時代から、明治、大正、昭和、平成、令和と続く歴史の中で、川舟である高瀬舟の港として文化が広がっておりましたが、現代に時代が移ると共に鉄道が開設されると大きな商人が街を作っていきました。その後、高速道路が開通し車社会になりゆく過程で、いわゆる商店街が少しづつ減っていき、地元で商いを続けるお店もどんどん少なくなっていきました。

城西地区の中心で「初雪」という後醍醐天皇の御代からの長い伝統をもつ焼餅のお店もあり伝統をつなぐお店として武田待喜堂さんは伝統を守るお店として頑張っておられます。

文化といえば手仕事の街として絣織があります。その中でも作州絣工芸館さんは伝統的な「作州絣」の継承を考え、10年に渡って織人(おりひと)を養成する講座を持ちながら、城西の街並みに合わせて絣織の製造も続いています。

もち米と砂糖のスローライフな「初雪」

庶民の普段着である絣織が古くから城西に伝わっており、津山城西まるごと博物館フェアでも体験会が開かれる

しかし現在は残念がら人口はどんどん減っており街並みも寂しくなってまいりました。そのような現状の中で城西の文化を伝え、守り続けるために青壮年を中心として、地域の歴史を学び観光案内ができる人力車隊を結成しております。

さらに国の指定である重要伝統的建造物群保存地区いわゆる重伝建に指定されたことから、城西を訪れる観光客の方も、増加して来たことから観光の手助けになればと地域の保有として人力車購入を考えました。

重伝建の取り組み

これまでの活動

平成8年からスタートして、今年の10月で28回目となる「津山城西まるごと博物館フェア」は、作州民芸館をランドマークとして城西の街全体を、博物館として捉え歴史や文化を継続することを継続してきました。また買物難民であるお年寄りが増えてきたために、「まちの駅城西」を立ち上げ地域2店舗でお弁当や地場野菜などの販売も行っています。また寺社仏閣の集中する地域ということもあり、地域の若手僧侶9人が集まって「若僧会」を結成し、抹茶や写経、座禅などを楽しみむ「先達といくおかげめぐり」として、僧侶の案内で城西を楽しんでいただけます。

城西まちづくり協議会の活動


資金の使い道・実施スケジュール

人力車購入資金として1,500,000円で、残りをリターン品荷充当します。

スケジュール

2023年10月1日 津山城西まるごと博物館フェア開催

2023年10月1日 クラウドファンディング終了

2,023年11月中旬 リターン品発送開始

2023年12月中旬 人力車購入

2024年3月    お披露目会告知

2024年4月初旬  津山が一番華やかな桜の時期に人力車購入お披露目会開催

         作州絣体験会開催


スケジュールとしては2024年4月初旬に作州民芸館にて人力車購入後、大々的にお披露目会を開催して記念式典を行いたいと考えております。その後も津山に最も観光客が集まる春の桜の時期や秋の徳守神社秋例祭などの観光シーズンには、人力車で観光案内して地域を巡る観光案内のできる人力車隊が街を走り抜ける計画です。

春の桜の時期に最も多くの観光客が集まります

秋の徳守神社秋の例祭には、日本三代神輿を観に多くの市民が集まります

大神輿の神賑わいとして多くのだんじりが参集します
リターンのご紹介

津山のスローライフ銘菓「初雪」火鉢の炭火で焼くとこれまた格別

城西の名所が描かれたエコバッグです。おすすめは津山藩藩祖森家の家紋鶴丸がシブい

津山出身のアーティストBz稲葉浩志氏の従兄弟である稲葉なおとさんは作家であり、写真家であり、建築家。特に貴重な文化財の建物を有効活用している城西に注目してしていただき、写真展を行ったことをきっかけに選りすぐりの写真を選んで、クリアファイルとして完成させました。なんだか懐かしい風景が魅力です。

最後に

津山城西ほりおこし隊と津山城西まちづくり協議会は並行して、出雲街道沿いの作州民芸館をランドマークとして、津山城西まるごと博物館フェアに始まり、お彼岸やお盆、春先のお雛巡りなどの季節で「野菜と魚の市」として地域住民の集える場所作りを行なってきました。そのような中で現在ではまちづくりの中心に地元青壮年有志や若手僧侶が立ち上がり、若い意見で人通りの多いまちの復活を目指しております。

元々関ヶ原の後、津山城ができる前から出雲街道が活発に利用されていて、津山森藩ができる過程の中で起こった出雲阿国の悲恋から歌舞伎踊りが阿国によって始められ、徳川家康の次男の家系である越前松平家がまちづくりを行い、吉井川を使った水運業が後押しして、山の中の港(山の中の津)として多くの豪商が出現して総鎮守である徳守神社の例祭が華美を極めました。現代になり文化が少しづつ消滅して行く中で、城西まちづくり協議会が発足し継続した活性化を積極的に活動してまいりました。活動の中で青壮年が中心となって新たな取り組みとして人力車隊を結成しましたが、レンタルでは活動にも制限があり是非とも自前の人力車を購入したいとの考えに至りました。

城西地区のスローな街並みと文化を求めて、ゆっくりと名所を回れる人力車の購入のご支援をぜひお願いします。

賑わいを見せる作州民芸館での野菜と魚の市

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/10/04 09:56

    クラウドファンディングの終了後の翌日10月1日に津山市城西地区にて、津山城西まるごと博物館フェア2023が開催されました。秋晴れの中、多くの来場者が、歩行者天国となった津山市西今町と宮脇町にまたがる出雲街道に参集いただきました。会場内で目につくのがやはり人力車。乗車希望の方予約が埋まり、人気の...

  • 2023/09/22 19:35

    地元新聞社津山朝日新聞社さんに取材を受け掲載していただきました。津山城西まるごと博物館フェアにおいても毎回大きく掲載していただいている津山朝日新聞社さんなので、取材を受けていてもよく記者さんも地域を調査されていてよく理解していただきました。本当にいい記事ありがとうございました。

  • 2023/09/20 07:47

    2023年9月19日午後6時45分津山鶴山ホテルにて開催された一般社団法人津山青年会議所様の9月例会の前に時間をいただき、発起人である廣本と人力車隊高須隊員が今までのまちづくりの経緯と人力車の購入クラウドファンディングに至った経緯をお話しさせていただきました。高須隊員は次世代に残して行く文化と...

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