みなさん、こんにちは。
松田沙希と申します。

京都にて、より多くの若い世代の人々に伝統工芸をはじめとする”モノづくり”の魅力を届けたいと思い、

2018年6月に起業いたしました。

 

そして9月に、京都西陣(千本今出川)にて、
若者とモノづくりの職人・作家を”好き”を通じて繋ぐカフェ&スペース”Senbon Lab.”をオープンいたします。


伝統文化に関する事業をする、と伝えると、
なぜ伝統文化を守る、継承する必要があるのか?
現代の人から必要とされないのなら、無くなっても困らないんじゃないか?
と聞かれることがあります。

 

私にとって、伝統文化とは、何百年も前から人々が愛情を注ぎ、
情熱を注いで来た日本の文化であり絶対になくなってほしくない大切なものです。

 

私は現在、1995年生まれの23歳。

父の仕事の関係で生まれてから1年間だけイギリスに住んでいましたが、記憶なく、
幼い頃から外国人の方と関わることが多かったため自然と海外の影響を受けながら育ちました。

 

“日本なんて大っ嫌い”
日本のコミュニティで、日本人らしくうまく振舞うことができないと
ズレを感じ始めていた私は、日本人の性格も、自分が日本人であることも大っ嫌いでした。

 

高校では1年間アメリカ留学に渡りましたが、

日本人や中国人、韓国人などのアジア地域から来ている留学生が
“アジア人”と一括りで呼ばれることが度々。

アジア人とは友達になりたくない、という棘のある言葉。
街中に出れば、“中国人(アジア人=中国人という認識)”や“猿”と投げられる言葉。

思い描いていた理想とは違いました。 

わたしも、白人に生まれたかった。
白人の留学生の友達が、当たり前のようにコミュニティに馴染んでいる姿がとても羨ましくて仕方がありませんでした。

 

でも、そんな中で、
日本の文化が好き、漫画が好き、寿司が好き、着物が着たい。
と嬉しそうに話をしてくれる人々に出会いました。

きっと、日本人である私以上に目を輝かせて“日本が好き!!”と話してくれる人がいて、

自信を持って自分の国について話をさせてくれた人々に出会わなければ
わたしは今も日本人であることが嫌いなままだったと思います。

 

今私たちが、自分の子供や孫、ひ孫が将来幸せに暮らせる社会になるようにと
日々働いたり、生活をしているように、

何百年も前から今の時代へと受け継がせてくれた方々もきっと、
私たちが笑顔で暮らせるように、と思いを込めて受け継いでくれたのだと思っています。

 

人の想いはなかなか目には見えないけれど、
伝統文化、特に伝統工芸は、目に見える形で受け継がれてきた人々の想いではないでしょうか。

 

その後、立命館大学に進学し、タイで半年間の留学を経た後
帰国してからMIYA COLLECTIONというファッションショーを企画しました。


和文化と今の若者文化を掛け合わせるとどんな世界観になるのかを体言化したショー。
着物を可愛い!と喜んでくれるモデルさんの笑顔や、
和菓子を喜んで手に取ってくれるお客さん、
若い人の意見が聞きたかった、と協力してくださった地元の企業の方々。

 

MIYA COLLECTIONを開催して気づいたことは、
まだまだ日本の伝統産業には大きな可能性が秘められているということ。

 

“売れる、売れない”という観点だけではなく、
魅せる世界観にほんの少しのスパイスを加えるだけで、
若い世代の人々にも伝統文化を“楽しんで”もらえる。

 

伝統産業を牽引する人材は、必然的に年齢層が高いが、
世代が違えばカルチャーも違う。世代間のカルチャーのズレが、
若者と伝統産業の間で隔たりを生んでしまった。
私はそう思っています。

 

10年後・20年後、いまの10代20代の方達が親世代になった時、
伝統文化について子供に伝えてあげることはできるでしょうか?

 

親から子へ、その子から子へと伝わってきたものが
習慣や、文化であり、“今”繋がりました。

 

今の若い世代の人々の関心を高めることができなければ
伝統産業の未来はないと思うのです。

 

今、私が本当にやるべきこと、私にしかできないことは何なのか?


23歳という年齢で、同世代の気持ちがわかり、
自分自身もモノづくり手であり、双方の考えを理解できるからこそ

日本の将来を担う若者に伝統産業の魅力を発信する

 

ことにチャレンジしたい。


5年後、10年後やるのでは遅い。
“今”やることに意味があると思っています。

 

 

そこで、私がまず挑戦したいのは、

伝統工芸・モノづくりの分野。

 

 

“伝統工芸”というだけで、少しダサそう、とか興味がないって思われてしまうのは本当にもったいない。だって、伝統工芸も
もともとはひとつのお皿だったり、その機能性価値は変わらないはずです。


ただ“伝統工芸”というイメージの固定概念が先走りしていて、作品単体の魅力を伝えきれていないと思うのです。

 

私は大学卒業後、フランス・パリに渡りリュネビル刺繍(オートクチュール刺繍の技法の一つ)を習得しました。
フランスのリュネビル地方で古くから伝わる伝統的な技法なのに、

リュネビル刺繍は可愛い!!ってインスタでもたくさんお気に入りがつくし、コメントもくる。

日本の伝統工芸の中で、◯◯かわいい!!!ってあまりならない理由はなんだろう??
(可愛いものたくさんあるのに・・・)

 

それって、世界観なんじゃないか・・・!?
伝統工芸品の作風や本質を変えずに、それを取り巻く世界観だけ変えることができれば、
若者が自分から手を伸ばして伝統工芸品に触れようとするカルチャーを生み出せるんじゃないか?と思っています。

 

つまり、私たちAPPRE-ARTがこれからやろうとしていることは、
いままでの既存の世界観とは全く異なる
“トキメク”伝統工芸・モノづくりの世界観を届けること!!

まるで雑誌の1ページの中のような世界観で
見る人の心をドキドキさせる。
それを実現化させる第一弾として
Senbon Lab.という空間を作っています。

 

【Senbon Lab.について】

Senbon Lab.は、単純に“おしゃれなカフェに行きたい”という
カフェ好きな人々のニーズを満たすことができます。

でも、実際に中に入ってみると、
使ってる食器は伝統工芸品や京都の作り手(アーティスト・クリエイター)が作った作品で、
提供するフードは地元の学生と作り手がコラボをし生み出す食べるアートです。

 

15~20種類ある食器の中から、お客様1人ずつお好きな作品を選んでいただく。

 

作品が選ばれる度に、その作り手の方にLIKE(好き)ポイントとして
50~100円が届けられる仕組みになっています。

 

そうすることで、例えば今までは5000円という定価で販売をして終わっていた関係が、
受け手の“好き”という感情によって6000円、7000円へとどんどん変化していき
作品の無限の可能性を作り出して行く。

 

普段、伝統工芸品やモノづくりに興味があまり無い方は、
いくらネットショップサイトやセレクトショップがあってもアクセスすることはないし、
買うこともないでしょう。

 

でも、もしそれがカフェの中の一つの要素として、
買うという障壁無しに自由に選んで使ってもらう事ができれば
もっと純粋に、シンプルに、“モノづくり”によって生まれた作品たちを
楽しんでもらえるようになるのではないか、と思うのです。

 

【届けたい想い】

伝統工芸品をはじめとするモノづくりの価値というのは、

機能性価値や、技術の高さだけではなく、
作り手の思いが込められていることにあると思います。

 


私自身、いつも洋服を作る時や刺繍をする時、
それを受け取る方に笑顔を届けられるよう、姿を想像しながら、思いを込めて作ります。

実際に笑顔を見れた時は、心の底から嬉しい感情が込み上げてきます。

 

これは、どの作り手さんにも共通する部分だと思っていて、
きっと使い手の方の喜んでいる姿や、楽しまれている姿を見れたら
もっと作ることも楽しくなって、もっとモノづくりが愛される社会になると思うんです。

 

そうして、作り手から受け手へ、受け手から作り手へと愛情の循環を起こし、
愛情によって回る経済で社会に元気を届けることが、APPRE-ARTの企業理念です。

 

作り手さんが1人ずつお店を持つのは、資金的にも時間的にも難しい部分がある。
だから、私たちがコミュニティの実験箱としてお店を持ち、
色々な作り手の方が自由にお客さんと”好き“を通じて繋がれる空間を
作りたいと思っています。

 

お客様の”好き”という気持ちと作り手が繋がるカフェ。
”好き”という直感で作品を選んで楽しんでいただける”体験”の場を京都・西陣に作りたいです。

 

私たちAPPRE-ARTは現在、
京都を中心とする関西圏に住む社会人や学生5名ほどのチームで動いています。

その他に、今様々な分野で活動をしているグラフィックデザイナーや
空間デザイナー、アートディレクターや、作り手の方など、
多くの方に協力いただき活動をさせていただいています。

 

私たちの想いや考えに共感していただける方、

もっとモノづくりが愛される社会になるよう
お力を貸していただきたいです。

どうぞよろしくお願い致します。

株式会社APPRE-ART 代表取締役 松田沙希

 

 

起業や今までのことについて、noteにて詳しく書いております。

ぜひ、こちらもお読み下さい。

https://note.mu/sakimmm/