飲食店を開業するには?資金・資格・届出から開業までの流れを徹底解説【2026年最新】

飲食店を開業するにはのイメージ画像

この記事で学べること

  • 飲食店開業までの全体の流れを8ステップで確認できます。
  • 開業に必須の資格・届出とその取得方法・提出時期がわかります。
  • 業態別の開業資金の目安と、少ない自己資金からでも始められる資金調達方法を解説します。
CAMPFIRE Challenge LAB 編集部
執筆CAMPFIRE Challenge LAB 編集部編集部
中野 裕哲
専門家監修中野 裕哲税理士・起業コンサルタント®

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「いつか自分の店を持ちたい」「自分の料理でお客さんを喜ばせたい」——そう思いながら、何から始めればいいのかわからず立ち止まっていませんか。

飲食店の開業は、「小さな間借り店舗」から「本格レストラン」まで幅広い選択肢があります。大切なのは、段階的に準備を進め、「まず小さく試す」こと。

この記事では、飲食店を開業するまでの流れを8つのステップで解説し、必要な資金・資格・届出から、リスクを抑えて始める方法まで網羅的にお伝えします。

飲食店を開業するには?全体の流れを8ステップで解説

飲食店の開業準備は大きく8つのステップに分かれ、すべてを完了するには6ヶ月〜1年程度の期間が必要です。多くの人が「お金を貯めてから物件を探す」と考えがちですが、実はコンセプト設計が最初の、そして最も重要な工程になります。

それぞれのステップを具体的に見ていきましょう。

飲食店開業の8ステップを開業までの残り期間とともに並べたタイムライン。12〜10ヶ月前に01 コンセプト設計、10〜8ヶ月前に02 事業計画、8〜6ヶ月前に03 小さく試すと04 物件探し、6〜4ヶ月前に05 資金調達、3〜2ヶ月前に06 資格・届出、3〜1ヶ月前に07 内装・設備、2週間前〜当日に08 プレオープン〜本番
飲食店開業までの8ステップとスケジュールの目安

ステップ1:コンセプトを設計する

コンセプト設計とは、「どんな飲食店を、誰のために、どこで開くか」を言語化する作業です。この工程を曖昧にしたまま物件探しや資金調達に進んでしまうと、途中で方向性がぶれたり、審査に落ちてしまう原因になります。

コンセプトを整理するには、「7W2H」のフレームワークが有効です。

項目 質問 記入例
What(何を) どんな料理・サービスを提供する? 本格スパイスカレー+クラフトビール
Who(誰に) ターゲットは? 30〜40代の会社員、スパイス好き
Where(どこで) 立地・エリアは? 都内の駅徒歩5分以内、オフィス街
When(いつ) 営業時間・曜日は? 平日ランチ+ディナー、土曜ランチのみ
Why(なぜ) なぜこの店をやりたいのか? インドで出会った味を日本に届けたい
Whom(誰と) 1人で?スタッフを雇う? 最初は1人、軌道に乗ったらアルバイト1名
Which(どの形態で) 個人事業主?法人? 個人事業主でスタート
How(どうやって) 調理・提供・集客の方法は? SNS中心の集客、テイクアウト対応
How much(いくらで) 価格帯・予算は? ランチ1,000〜1,300円、開業資金600万円

コンセプトは一度で完成させる必要はありません。この段階では「たたき台」をつくり、ステップ3で実際にお客さんの反応を見て磨いていく方が、結果的に成功率が上がります。

あなたのお店のコンセプトを1文にしてみよう

所要時間の目安:10分

✨ AIとチャレンジワークをやってみる

ChatGPTClaude

以下のテンプレートをコピーし、【ここに入力】の中を自分の言葉で書き換えてください。上の7W2Hの記入例を参考にしながら、すべてを決め切る必要はなく、現時点の「たたき台」で構いません。

【コピー用テンプレート:飲食店コンセプト 言語化シート】

1. What/Why|何を、なぜ提供したいのか

私は、【なぜこの店をやりたいのか(原体験・きっかけ)】という思いから、 【提供したい料理・サービス】を提供するお店をやりたい。


2. Who/When|誰に、どんなときに届けたいのか

主なターゲットは【ターゲット層】。 【営業時間・曜日・シーンなど】に来てもらいたい。


3. Where/Which|どこで、どんな形態で始めるのか

場所は【立地・エリア】を考えている。 形態は【個人事業主/法人/間借り・キッチンカーなど】で、 【1人で/スタッフ○名で】始める。


4. How much|どのくらいの規模・予算で始めるのか

価格帯は【客単価】、開業資金の目安は【金額】。 まずは【小さく試す方法:間借り/ポップアップ/SNS発信など】から試したい。


最後に1文でまとめる

私は、【Why】という思いから、【Who】に向けて【What】を、 【Where】で【Which:どんな形態】として始める。 まずは【How much:規模・予算】から試す。

記入例:私は、インドで出会った味を日本に届けたいという思いから、30〜40代の会社員でスパイス好きの方に向けて本格スパイスカレー+クラフトビールを、都内の駅徒歩5分以内のオフィス街で個人事業主として始める。まずはランチ1,000〜1,300円・開業資金600万円規模、間借り営業での試験提供から試す。

ここで作った1文は仮置きで構いません。ステップ3「コンセプトを小さく試す」で、実際にお客さんの反応を見ながら更新していきましょう。

ステップ2:事業計画書を作成する

事業計画書は、融資審査を通すためだけに作成する書類ではありません。自分が考えているビジネスが本当に成り立つのか、売上や利益の見込みに無理はないか、必要な資金や準備に抜け漏れはないかを客観的に確認するための重要なツールです。

頭の中にあるアイデアを事業計画書として整理することで、ビジネスの強みや課題、実現までに必要な行動が明確になります。つまり事業計画書は、金融機関や投資家に説明するための資料であると同時に、自分自身が事業の成功可能性を見極めるための設計図でもあります。

日本政策金融公庫の「創業計画書」テンプレートには以下の項目が含まれています。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴
  • 取扱商品・サービスの内容
  • 取引先・取引関係
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し(売上・経費・利益の計画)

特に重要なのが「事業の見通し」です。飲食店の場合、以下の計算式で月間売上を試算できます。

月間売上 = 席数 × 回転率 × 客単価 × 営業日数

たとえば、10席の小さな店で回転率2回、客単価1,200円、月25日営業なら:10席 × 2回転 × 1,200円 × 25日 = 月商60万円

飲食店の月間売上の試算例を示した図。席数10席×回転率2回転×客単価1,200円×営業日数25日で、月間売上60万円
月間売上の試算例(席数×回転率×客単価×営業日数)

ここから家賃・食材費・人件費などを差し引いて利益が残るかを検証します。食材原価率は売上の30%以内が一般的な目安とされています。

ステップ3:コンセプトを「小さく試す」

ここが、他の開業ガイドにはない重要なステップです。事業計画書で「数字上は成り立つ」と確認できても、実際にお客さんがお金を払ってくれるかどうかは、試してみないとわかりません。

コンセプトを小さく試して本格開業に進む流れの図。01 コンセプト、02 小さく試す、03 反応を見る、04 改善する(02へ戻る矢印あり)、05 本格開業
「小さく試す→反応を見る→改善する」を繰り返してから本格開業へ

「コンセプトを試す」方法は、主に4つあります。

1. クラウドファンディングでテストする

クラウドファンディングは資金調達の手段として知られていますが、飲食店開業においては「テストマーケティング」としての価値が大きいのが特徴です。プロジェクトページで自分のコンセプトを発信し、支援が集まるかどうかで「この料理・この店に需要があるか」を開業前に検証できます。

CAMPFIREでは、飲食店開業プロジェクトで支援者500人以上・支援総額300万円超を達成した事例が複数あります(支援総額は決済手数料等控除前の金額。CAMPFIREの手数料は原則17%)。支援者はそのまま開業後の「最初のお客さん」になるため、資金調達とファンづくりを同時に実現できるのです。

2. 間借り営業で試す

既存の飲食店のアイドルタイム(14:00〜17:00など)や定休日を借りて営業する方法です。初期費用は月数万円程度で、「自分の料理に実際にお客さんが来るか」を低リスクで検証できます。

3. ポップアップストア・イベント出店で試す

商業施設やギャラリーの一角を借りて期間限定の「ポップアップストア」を出店したり、フードフェスやマルシェに参加したりする方法です。1日〜数週間単位で出店でき、メニューの反応やターゲット層の手応えを直接確認できます。特にポップアップストアは「期間限定」という希少性がSNSでの拡散を生みやすく、開業前の認知獲得にも効果的です。出店費用は1日あたり数千円〜数万円が相場で、本格的な物件契約なしに実店舗の雰囲気を体験できます。

4. SNS・レシピ動画で反応を見る

InstagramやTikTokで自分の料理を発信し、フォロワーの反応を見る方法です。初期費用ゼロで始められ、「どんなメニューに反応が良いか」「どんな層に刺さるか」をデータで把握できます。ここで一定のファンがつけば、クラウドファンディングのスタートダッシュにもつながります。

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ステップ4:物件を探す

物件探しは、資金調達と並行して進めるのが一般的です。飲食店の物件には「居抜き物件」、「スケルトン物件」と大きく2つのタイプがあります。

項目 居抜き物件 スケルトン物件
特徴 前のテナントの設備・内装がそのまま残っている 内装・設備がなく、コンクリートむき出しの状態
メリット 内装工事費を大幅に削減できる 自由にレイアウト・デザインできる
デメリット 前の店のイメージが残る、設備の老朽化リスク 工事費が高額になる
内装工事費の目安 坪単価20〜50万円 坪単価50〜100万円
向いている人 初期費用を抑えたい人 こだわりの空間をつくりたい人

物件を選ぶ際は、施工業者にも同行してもらうのがポイントです。「この物件で保健所の基準を満たせるか」「給排水の位置は適切か」など、素人では判断が難しい点を事前にチェックできます。

物件取得にかかる費用は、保証金(家賃6〜10ヶ月分)+礼金+仲介手数料で、家賃の12〜15ヶ月分が目安です。家賃20万円の物件なら、取得費だけで240〜300万円かかる計算になります。

ステップ5:資金を調達する

資金調達の詳細はこの後のセクションで解説しますが、ここでは全体の流れの中での位置づけをお伝えします。

資金調達で最も重要なのは、自己資金と借入のバランスです。日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査によると、開業時の資金調達額の平均は1,219万円で、そのうち自己資金は平均279万円(全体の約22.9%)を占めています(出典:日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月発表)。

つまり、開業資金の約77%は融資やその他の手段で調達しているのが実態です。

開業時の資金調達額の内訳を示した図。平均1,219万円のうち自己資金が約22.9%(平均279万円)、融資等が約77%
開業資金の内訳(日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」)

ステップ6:内装工事・設備を導入する

内装工事の期間は、居抜き物件で2〜4週間、スケルトン物件で1〜最大3ヶ月が目安です。工事費は飲食店開業費用の中で最も大きな割合を占め、坪単価20〜100万円と幅があります。

厨房設備については、新品にこだわらず中古品やリースを活用することで費用を大幅に抑えられます。業務用冷蔵庫やガスコンロ、食洗機など主要設備の中古相場は新品の50〜70%程度です。

ステップ7:資格を取得し届出を出す

資格と届出の詳細はこの後のセクションで解説します。ポイントは、営業許可の申請は「店舗完成予定の10日前頃まで」に行うとスムーズに進むという点です。保健所の立入検査に合格しないと営業を開始できないため、内装工事のスケジュールと連動させて進めましょう。

ステップ8:プレオープンから本オープンへ

プレオープンとは、正式な開業の前に限定的にお客さんを入れて営業のシミュレーションを行うことです。知人や関係者を招待し、オペレーションの確認、メニューの最終調整、スタッフの動線チェックなどを行います。

プレオープンで確認すべきポイント:

  • 注文から提供までの時間は適切か
  • スタッフ間の連携に問題はないか
  • 料理の味・量・盛り付けに改善点はないか
  • レジ・会計のオペレーションはスムーズか
  • 清掃・衛生管理の手順は確立しているか

飲食店の開業に必要な資格と届出一覧

飲食店開業に必須の資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。よくある誤解ですが、調理師免許がなくても飲食店は開業できます。調理師免許は名称独占資格(持っていると「調理師」と名乗れる資格)であり、飲食店の営業に法律上必須な資格ではありません。なお、テイクアウト商品やキッチンカーでの持ち帰り販売を行う場合は、食品表示法に基づく原材料名・アレルゲン表示等のルールにも別途注意が必要です。詳細は管轄の保健所または専門家にご確認ください。

必須資格

資格名 概要 取得方法 費用 所要時間
食品衛生責任者 各店舗に1名の配置が食品衛生法で義務づけられている 各都道府県の食品衛生協会が実施する講習を受講 約10,000円 1日(約6時間)
防火管理者 建物の収容人数30名以上の店舗で必要 消防署が実施する講習を受講 約8,000円 甲種:2日、乙種:1日

食品衛生責任者の講習は人気があり、希望日に受講できないこともあります。早めに申し込みましょう。なお、栄養士・調理師・製菓衛生師の資格を持っている方は、講習を受けずに食品衛生責任者になることができます。

届出・許認可の一覧

届出先 届出・許可の名称 概要 提出時期
保健所 飲食店営業許可申請 飲食店を営業するために必須。施設基準を満たしているか立入検査あり 店舗完成予定の約10日前
保健所 食品衛生責任者設置届 営業許可申請と同時に提出 営業許可申請と同時
消防署 防火管理者選任届 建物の収容人数30名以上の場合に必要 開業前
消防署 防火対象物使用開始届 建物の使用を開始する場合に必要 使用開始7日前まで
税務署 個人事業の開業届出書 個人事業主として開業する場合に必要 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで
税務署 所得税の青色申告承認申請書 メリットの大きい青色申告特別控除を利用する場合 その年の3月15日(1月16日以降の開業の場合は開業から2ヶ月以内)
警察署 深夜酒類提供飲食店営業開始届出 深夜0時以降に酒類を提供する場合に必要 営業開始の10日前まで
労働保険 保険関係成立届 労働基準監督署 従業員を1人でも雇用する場合 保険関係成立日の翌日から10日以内
労働保険 概算保険料申告書 労働基準監督署等 従業員を1人でも雇用する場合 保険関係成立日の翌日から50日以内
雇用保険 適用事業所設置届 ハローワーク 雇用保険の適用事業所となった場合 設置日の翌日から10日以内
雇用保険 被保険者資格取得届 ハローワーク 雇用保険の加入要件を満たす従業員を雇用した場合 資格取得日の属する月の翌月10日まで
ハローワーク 雇用保険の加入手続き 従業員を雇用する場合 雇用開始から10日以内

飲食店の開業資金はいくら?業態別の費用目安と内訳

飲食店の開業費用は、業態と店舗の規模によって大きく異なります。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、全業種の開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円です(出典:日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月発表)。飲食店は設備投資が大きいため、全業種平均よりも高くなる傾向があります。

開業費用の内訳

費用項目 概要 目安金額
物件取得費 保証金・礼金・仲介手数料 家賃の12〜15ヶ月分
内装・外装工事費 店舗の設計・施工 坪単価20〜100万円
厨房設備・什器備品 冷蔵庫・コンロ・食器等 100〜300万円
運転資金 家賃・食材費・人件費(3〜6ヶ月分) 200〜500万円
広告・販促費 チラシ・看板・Web制作等 20〜100万円
その他 資格取得費・許可申請費・保険料等 10〜50万円

業態別の開業費用目安

業態 想定規模 開業費用の目安 特徴
テイクアウト専門店 5〜10坪 200〜500万円 客席不要で省スペース
キッチンカー 車両1台 300〜700万円 固定費が低く移動可能
カフェ・喫茶店 10〜20坪 500〜1,000万円 内装のこだわりが費用に直結
小規模居酒屋 10〜15坪 500〜1,000万円 設備費は中程度
ラーメン店 10〜20坪 600〜1,200万円 厨房設備に費用大
レストラン(フルサービス) 20〜40坪 1,000〜2,000万円 内装・設備ともに高額
焼肉店 20〜40坪 1,500〜3,000万円 排煙設備が高額

「1坪あたり100万円」を目安にすると、おおよその必要額がイメージしやすくなります。10坪の店舗なら約1,000万円、5坪のテイクアウト店なら約500万円という計算です。ただし居抜き物件を活用すれば、この半額以下に抑えられるケースもあります。

中野 裕哲

監修者

中野 裕哲

税理士・起業コンサルタント®

💬 監修者からのひとこと

飲食業と言っても業態としては数多くあります。小規模であれば開業コストは低いものの売上規模は大きくなりにくく、大規模であれば売上規模は大きくなりますがその分開業コストや日々のコストの負担が増加します。自身が開業を目指す業態・地域・出店地をきちんと調査し適正な価格帯を理解しておく必要があります。

中野 裕哲のプロフィールと監修記事を見る →

開業資金の調達方法5選|資金ゼロからでも始められる?

「自己資金がほとんどないけれど、飲食店を開業したい」——こうした声は少なくありません。結論から言えば、完全な自己資金ゼロでの開業はきわめて困難ですが、融資制度・クラウドファンディング・小規模開業を組み合わせることで、少ない自己資金からでも道は開けます。

日本政策金融公庫の2025年度調査では、開業者の自己資金は平均279万円。総資金の約22.9%を自己資金で、残りの約77%を融資等で調達しているのが実態です(出典:日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月発表)。

主な資金調達方法の比較

調達方法 調達可能額 金利・手数料 メリット デメリット
日本政策金融公庫(新規開業・スタートアップ支援資金) 最大7,200万円 年2〜4%程度 新規開業者向けの実績豊富 審査に2〜3週間、事業計画書が必須
信用保証付き融資(地方銀行・信金) 最大3,000万円 年1.5〜3%程度 無担保で借入可能な場合あり 信用保証料が別途発生
補助金・助成金 数十万〜数百万円 原則返済不要 返済の必要がない 後払い方式、審査が厳しい
クラウドファンディング プロジェクトによる 手数料17%(CAMPFIRE) 資金調達+テストマーケ+ファンづくり 目標未達のリスク、リターン設計が必要
親族・知人からの借入 個人による 取り決めによる 柔軟な条件設定が可能 人間関係のリスク

公庫融資のポイント:日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金(旧:新創業融資制度)」は、飲食店開業で最もよく利用される融資制度です。自己資金要件は定められていませんが、実務上は総額の3分の1程度の自己資金があると審査が通りやすくなります。

クラウドファンディングのポイント:飲食店開業のクラウドファンディングでは、「先行予約権」「オープニングパーティーへの招待」など体験型のリターンが効果的です。CAMPFIREの飲食プロジェクトでは、公開後24時間以内に目標金額の20%以上を集めたプロジェクトの多くが最終的に目標を達成しています(出典:CAMPFIREアカデミー)。

中野 裕哲

監修者

中野 裕哲

税理士・起業コンサルタント®

💬 監修者からのひとこと

自己資金だけで開業が難しい場合には資金調達が必要になります。一般的には金融機関から融資を受けるケースが多いですが、補助金やクラウドファンディングも活用すると選択の幅が広がります。特に、クラウドファンディングはテストマーケティングにもなり得るので並行して活用していくことが良いと思います。

中野 裕哲のプロフィールと監修記事を見る →

事例インタビュー紹介:https://camp-fire.jp/academy/articles/after-interview-839695

中川ミコさん

カフェバー「7Story.co shinjuku」の店内で来店客を迎えるオーナーの中川ミコさん
クラウドファンディングで開業資金を集めたカフェバー「7Story.co shinjuku」(中川ミコさん)

女優たちが働くカフェバー「7Story.co shinjuku」では、クラウドファンディングを通じて開業資金を集めながら、お店の世界観やストーリーに共感する支援者とのつながりを広げました。

”まだまだこれから出来上がっていく未完成のお店を、支援してくださった方々と一緒にこのストーリーを楽しんでいきたいと思っています。”

小さく始める飲食店開業|低リスクな6つのスタイル

「いきなり1,000万円の開業はハードルが高い」と感じる方には、小さく始める選択肢があります。小さい飲食店は初期費用を200〜500万円に抑えられるだけでなく、1人でも運営できるため固定費も低く、リスクを最小限にして「自分の料理で勝負できるか」を確かめることができます。

店主がカウンター越しにお客さんへ料理を出し、その場で感想を聞いている様子と、小さな路面店舗のイラスト
小さく始めれば、お客さんの反応を確かめながら進められる

低リスクな飲食店開業スタイル比較

開業スタイル 初期費用の目安 月間固定費の目安 メリット デメリット
間借り営業 5〜30万円 3〜10万円 最も低リスクで始められる 営業時間・曜日に制約がある
ポップアップストア 数万〜50万円 出店期間のみ 期間限定の話題性でSNS拡散しやすい、実店舗の雰囲気を体験できる 短期間のため継続的な売上にならない
キッチンカー 200〜500万円 5〜15万円 移動できる、イベント出店可能 天候に左右される、車両維持費
ゴーストキッチン 100〜300万円 10〜30万円 客席不要、デリバリー特化 接客の楽しさがない、集客力が必要
シェアキッチン 10〜50万円 5〜20万円 設備投資がほぼ不要 利用時間が限られる
自宅改装 200〜500万円 家賃なし 家賃がかからない 立地を選べない、改装に規制あり

間借り営業は特に注目すべき選択肢です。日替わりの店主が交代で営業する「シェアレストラン」も増えており、「まず料理で勝負してみたい」という方にとっては、最小限のリスクで開業体験ができます。

間借り営業で手応えを感じたら、クラウドファンディングで本格開業の資金を集め、自分の店舗を構える——という段階的なステップも現実的な選択です。

CAMPFIREの飲食プロジェクト成功事例

CAMPFIREの飲食カテゴリは人気の高いカテゴリの1つです。ここでは、飲食店開業にクラウドファンディングを活用した代表的な事例を紹介します。

事例1:ゲーム好きが集まる立ち飲み屋

CAMPFIREプロジェクトページのスクリーンショット。ゲーム好きが集まる立ち飲み屋の開業プロジェクトで、支援者537人・支援総額3,115,222円(目標50万円の623%)を達成したことを示す
事例1:ゲーム好きが集まる立ち飲み屋(支援者537人/3,115,222円)
  • 支援者数: 537人 / 支援総額: 3,115,222円(目標50万円の623%)
  • 概要: コロナ禍で閉店した立ち飲み屋の元店長が、「ゲーム好きが集まるコミュニティスペース」として独立開業するプロジェクト。「毎日立ち寄れる」気軽さを訴求しました。
  • 成功のポイント: 「ゲーム好き×立ち飲み屋」という明確なコミュニティターゲットの設定。ニッチだからこそ「自分のための店だ」と感じた支援者が集まりました。リターンには「店内にお名前掲示」「マイ箸」「店舗貸切権」など、常連としての帰属意識を高める設計が光ります。

事例2:新潟の地域食材を使ったローカルファストフード

CAMPFIREプロジェクトページのスクリーンショット。新潟の地域食材を使ったローカルファストフード店「SUZUVEL」の開業プロジェクトで、支援者155人・支援総額1,901,000円(目標100万円の190%)を達成したことを示す
事例2:新潟の地域食材を使ったローカルファストフード「SUZUVEL」(支援者155人/1,901,000円)
  • 支援者数: 155人 / 支援総額: 1,901,000円(目標100万円の190%)
  • 概要: 新潟のオーナーシェフ・鈴木将氏(SUZU GROUP)が、長岡巾着なすや神楽南蛮など新潟の伝統食材を現代風にアレンジしたファストフード店「SUZUVEL」を新潟駅にオープンするプロジェクト。同時に地域食材のレシピ本も制作しました。
  • 成功のポイント: 「ローカル食材×ファストフード」というユニークなコンセプトと、シェフとしてのブランド力。リターンにはお取り寄せセット(遠方向け)と来店商品券(地元向け)を使い分け、全国からの支援を集めました。

これらの事例に共通するのは、「明確なコンセプト」「ストーリーの強さ」「支援者が開業後の顧客になるリターン設計」の3点です。

飲食店×クラウドファンディングの成功事例をもっと見たい方は、飲食店がクラウドファンディングで成功する10の方法|7つの成功例付き!(CAMPFIREアカデミー) もあわせてご覧ください。

飲食店開業のリスクと生存戦略|廃業率データから学ぶ

飲食業は、全業種の中で最も廃業率が高い業種です。

飲食店の生存率データ

各種調査機関のデータを総合すると、飲食店の生存率の目安は以下のとおりです。

開業からの期間 生存率 意味
1年 約70% 約3割が1年以内に閉店
3年 約50% 約半数が3年以内に閉店
5年 約40% 約6割が5年以内に閉店
10年 約10% 10年続く店は約1割
飲食店の生存率が開業からの年数とともに下がっていく折れ線グラフ。1年で約70%、3年で約50%、5年で約40%、10年で約10%
飲食店の生存率の推移(1年・3年・5年・10年)

2025年の飲食店倒産件数は900件で過去最多を更新し、前年の894件を上回りました(出典:帝国データバンク「『飲食店』の倒産動向(2025年)」、2026年1月発表)。物価上昇・人件費高騰・人手不足が主な要因です。

廃業する飲食店に共通する5つの原因

  • 運転資金の不足:開業時に運転資金(3〜6ヶ月分の固定費)を確保していなかった
  • 立地のミスマッチ:ターゲットとなる顧客が来ない場所に出店した
  • コンセプトの曖昧さ:「なんでもある店」は「何もない店」になりやすい
  • 価格設定の失敗:原価率・FL比率の管理ができていなかった
  • 集客力の不足:「美味しければお客さんは来る」という思い込み

生存率を上げるための5つの戦略

これらのリスクを正しく認識すれば対策が打てます。

  • 開業前にテストする:クラウドファンディングや間借り営業で需要を確認してから本格開業する
  • 運転資金を6ヶ月分確保する:開業直後は売上が安定しないことを前提に計画する
  • 固定費を最小限にする:家賃は売上の10%以内、FL比率(食材費+人件費)は60%以内が目安
  • 開業前からファンをつくる:SNS・クラファンで開業前にファンコミュニティを構築する
  • 小さく始めて、反応を見て拡大する:最初から大規模投資をせず、段階的にスケールさせる
飲食店の生存率を上げる5つの戦略を店舗を中心に配した図。1 開業前に試す、2 運転資金を確保、3 固定費を抑える、4 ファンをつくる、5 小さく始めて拡大
生存率を上げる5つの戦略
中野 裕哲

監修者

中野 裕哲

税理士・起業コンサルタント®

💬 監修者からのひとこと

飲食店の開業率も高く廃業率も高い業種です。思うような売上が上がらなかった、手元資金が尽きてしまったなどは避けなければいけません。回避するためには開業前にどれだけ本気で準備ができるかにかかっています。なんとなくで始めるのではなく、開業前にリスクの芽を1つずつ潰していきましょう。

中野 裕哲のプロフィールと監修記事を見る →

飲食店の開業に関するよくある質問

Q. 飲食店は資金ゼロでも開業できる?

完全な自己資金ゼロでの開業は現実的には困難です。ただし、日本政策金融公庫の融資制度を利用すれば、自己資金が総額の10分の1程度でも借入できる可能性があります。さらにクラウドファンディングで資金を集めたり、間借り営業やキッチンカーなど低コストの形態を選んだりすることで、少ない自己資金からでもスタートは可能です。

Q. 飲食店の営業許可はどこで取る?

管轄の保健所に「飲食店営業許可申請」を提出します。申請のタイミングは、店舗の内装工事が完了する約10日前が目安です。申請後に保健所の立入検査があり、施設基準を満たしていれば営業許可証が交付されます。施設基準には、手洗い設備の設置、厨房と客席の区分、換気設備の確保などが含まれます。

Q. 小さい飲食店の開業費用はどのくらい?

10坪以下の小さな飲食店の場合、居抜き物件を活用すれば500〜800万円程度で開業できるケースが多いです。さらに間借り営業なら初期費用5〜30万円、キッチンカーなら200〜500万円と、より少ない資金で始められます。「いきなり自分の店舗」にこだわらず、段階的にステップアップするのも賢い選択です。

Q. 飲食店の開業届はいつ出す?

個人事業主として開業する場合、税務署に「個人事業の開業届出書」を提出します。事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出が必要です。同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出しておくと、最大65万円の特別控除を受けられるため税制優遇を受けることができます。(青色申告はその年の3月15日(1月16日以降の開業の場合は開業後2ヶ月以内に提出が必要)。

まとめ|飲食店開業は「完璧な準備」より「小さな一歩」から

この記事のポイントを整理します。

  • 必要な資格は2つ(食品衛生責任者・防火管理者)。
  • 開業費用は業態次第。テイクアウト専門店やキッチンカーなら200〜500万円から始められる
  • 開業までの流れは8ステップ。準備期間は6ヶ月〜1年が目安
  • 資金調達の選択肢は複数ある。公庫融資・補助金・クラファンを組み合わせれば、少ない自己資金でも道は開ける
  • 開業前に「試す」ことがリスクを下げる最大の鍵。クラウドファンディングや間借り営業で需要を確認してから本格開業する

飲食店の3年生存率は約50%——この数字を聞くと怖くなるかもしれません。しかし、廃業する店の多くは「準備不足」と「需要の読み違い」が原因です。逆に言えば、開業前にしっかりテストし、段階的にスケールしていく人は、生き残る確率が大きく上がります。

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この記事は2026年9月時点の情報に基づいて執筆しています。法令・制度の変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は各行政機関にご確認ください。

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CAMPFIRE Challenge LAB 編集部

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中野 裕哲

中野 裕哲

監修者|税理士・起業コンサルタント®

税理士法人V-Spiritsグループ代表。起業コンサルタント®、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士として、起業・会社設立から創業融資、補助金・助成金、税務・会計、人事労務、許認可、経営支援まで幅広く携わる。大正大学招聘教授として起業論なども担当。V-Spiritsグループでは、各分野の専門家とともに、起業家・中小企業の経営をワンストップで支援している。

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