- 居酒屋開業までの全体の流れを7ステップで確認できます。
- 開業資金の目安・内訳と、バー・スナックとの業態比較がわかります。
- 必須資格・届出の一覧と、クラウドファンディングで「小さく試す」失敗しない開業の始め方を解説します。
居酒屋の開業ガイド|資金・資格・届出から成功のコツまで徹底解説【2026年最新】

この記事で学べること
「いつか自分の居酒屋を持ちたい」——そう思いながらも、何から始めればいいのか、いくら必要なのか、資格や届出は何がいるのか、わからないことだらけで足が止まっていませんか。
一般的に開業には、平均で約975万円の資金が必要です(日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月公表)。ただし、居抜き物件の活用や小規模開業であれば、300万〜500万円台からスタートできるケースもあります。
この記事では、居酒屋の開業に必要な全体手順、資金の目安と内訳、資格・届出の一覧、資金調達の方法(融資・補助金・クラウドファンディング)、さらにバーやスナックとの業態比較まで、2026年の最新情報をもとに網羅的に解説します。
「居酒屋をやりたい気持ちはあるけれど、本当に自分にできるのか不安」——その気持ちに寄り添いながら、一つひとつ疑問を解消していきましょう。
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居酒屋開業の全体像——7つのステップで流れをつかむ
居酒屋の開業準備には、一般的に6ヶ月〜1年程度の期間が必要です。大きく分けて7つのステップがあり、コンセプト設計から始まり、事業計画の作成、資金調達、物件確保、資格取得・届出、メニュー開発・集客準備、そして開店へと進みます。
全体の流れを把握しておくことで、「次に何をすべきか」が明確になり、準備のモレや手戻りを防げます。

ステップ① コンセプトと事業計画を練る
居酒屋開業で最初に取り組むべきは、コンセプトの設計です。「誰に」「何を」「どこで」「いくらで」提供するのかを明確にすることで、後の物件選びやメニュー開発、資金計画のすべてに軸が通ります。
コンセプト設計で考えるべき4つの問い:
- 誰に:ターゲット客層は?(会社員のアフター5、学生、ファミリー、一人飲み客など)
- 何を:看板メニューや強みは?(地元食材、創作料理、特定ジャンルの専門性など)
- どこで:出店エリアは?(駅前繁華街、住宅街、オフィス街で客層も客単価も変わる)
- いくらで:客単価の想定は?(3,000円台と5,000円台では必要な内装や食材が異なる)

コンセプトが定まったら、事業計画書に落とし込みます。事業計画書は融資申請にも必須の書類であり、売上見込み・経費見込み・損益分岐点を数字で整理しておくことで、開業後の経営判断の軸にもなります。

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以下のテンプレートをコピーし、【ここに入力】の中を自分の言葉で書き換えてください。すべてを決め切る必要はなく、現時点の「たたき台」で構いません。
【コピー用テンプレート:居酒屋コンセプト 言語化シート】
1. What/Why|どんな居酒屋を、なぜやりたいのか
私は、【なぜこの店をやりたいのか(原体験・きっかけ)】という思いから、 【提供したい料理・お酒・雰囲気】のお店をやりたい。
2. Who/When|誰に、どんなときに来てほしいのか
主なターゲットは【ターゲット層】。 【営業時間・曜日・シーンなど】に来てもらいたい。
3. Where|どこで始めるのか
出店エリアは【立地・エリア】を考えている。
4. How much|どのくらいの規模・予算で始めるのか
客単価は【客単価】、開業資金の目安は【金額】。 まずは【小さく試す方法:クラウドファンディング/間借り営業/ ポップアップ出店など】から試したい。
最後に1文でまとめる
私は、【Why】という思いから、【Who】に向けて【What】を、 【Where】で届ける。まずは【How much:規模・予算】から試す。
記入例:私は、地元の食材の魅力をもっと知ってほしいという思いから、会社員のアフター5層に向けて地元食材を使った創作料理とお酒を、駅前の繁華街で届ける。まずは客単価4,000円・開業資金800万円規模、クラウドファンディングでの需要検証から試す。
ここで作った1文は仮置きで構いません。事業計画書を作りながら、実際の反応を見て更新していきましょう。
ステップ②〜⑦の概要
| ステップ | やること | 目安時期 |
|---|---|---|
| ➁物件確保 | 居抜き or スケルトンの選定、契約 | 4〜5ヶ月前 |
| ➂資格取得 | 食品衛生責任者・防火管理者の取得 | 3〜4ヶ月前 |
| ➃資金調達 | 自己資金の確認、融資準備、補助金調査、事業計画書作成 | 2~3ヶ月前 |
| ➄内装工事 | ||
| ➅届出・許可 | 飲食店営業許可、深夜酒類届出など申請 | 2〜3ヶ月前 |
| ➆メニュー開発 | 看板メニューの開発、原価計算、仕入先確保 | 2ヶ月前〜 |
| ➇集客準備・開店 | SNS開設、プレオープン、グランドオープン | 1ヶ月前〜 |
各ステップの詳細は、この後のセクションで掘り下げていきます。
居酒屋・バー・スナック——3つの業態を比較して自分に合う形を選ぶ
居酒屋の開業を検討している方のなかには、バーやスナックも選択肢に入れている方が少なくありません。3つの業態はいずれも「お酒を提供する飲食店」ですが、必要な資金、届出、営業スタイルが大きく異なります。
居酒屋はフード(料理)を中心にお酒を提供する業態であり、客単価3,000〜5,000円が一般的です。バーはドリンク(お酒)を主体とし、フードは軽いおつまみ程度で客単価2,000〜4,000円。スナックはカウンター越しの接客・会話を売りにする業態で、セット料金制(2,000〜5,000円)が多い点に特徴があります。
| 比較項目 | 居酒屋 | バー | スナック |
|---|---|---|---|
| 提供の主体 | フード(料理)+お酒 | ドリンク(お酒)+軽食 | 接客・会話+お酒 |
| 客単価の目安 | 3,000〜5,000円 | 2,000〜4,000円 | 2,000〜5,000円(セット料金制が多い) |
| 営業時間帯 | 夕方〜深夜 | 夜〜深夜(深夜営業が中心) | 夜〜深夜 |
| 開業資金の目安 | 500万〜1,500万円 | 300万〜1,000万円 | 200万〜800万円 |
| 必須資格 | 食品衛生責任者、防火管理者 | 同左 | 同左 |
| 特有の届出 | 深夜営業する場合は深夜酒類提供届出 | 深夜酒類提供届出(ほぼ必須) | 接待を伴う場合は風俗営業許可 |
| 仕入れコスト | 高い(食材が多い) | 中程度(酒類中心) | 低め(軽食+酒類) |
| 客席数の目安 | 20〜50席 | 10〜20席 | 10〜20席(カウンター中心) |
| 向いている人 | 料理に自信がある人 | お酒の知識が豊富な人 | 接客・コミュニケーションが好きな人 |
スナックは開業資金が比較的低く抑えられる一方、接待を伴う営業を行う場合は風俗営業許可(公安委員会への申請)が必要になります。風俗営業許可の取得には厳しい立地制限もあるため、物件選びの段階から注意が必要です。
バーは深夜営業が前提となるケースが多いため注意が必要です。深夜に営業を行うのであれば「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」を届出することになります。届出をせずに深夜営業を行った場合、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第54条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があり、行政指導に従わない場合は最長6ヶ月の業務停止処分を受けることもあります。
自分がやりたい業態はどれか、この比較表をもとに方向性を絞り込んでみてください。
居酒屋の開業資金はいくら?——規模別の目安と内訳
居酒屋の開業資金は、小規模店舗(10坪以下)で500万〜800万円、標準的な店舗(15〜30坪)で800万〜1,500万円が目安です。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、全業種の開業費用の平均は975万円であり、飲食店はこの平均に近い水準となっています(出典: 日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月公表)。
ただし、この金額はあくまで目安です。居抜き物件を活用すれば内装工事費を大幅に圧縮でき、300万円台から開業に成功しているケースもあります。
初期費用の内訳
初期費用は大きく4つの費目に分かれます。
| 費目 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 100万〜300万円 | 保証金(家賃の6〜10ヶ月分)、礼金、仲介手数料、前払家賃 |
| 内装・外装工事費 | 50万〜500万円 | 居抜きなら50万〜150万円、スケルトンなら300万〜500万円が目安 |
| 厨房設備・備品費 | 100万〜300万円 | 冷蔵庫、コンロ、シンク、食洗機、食器、調理器具、POSレジ等 |
| その他初期費用 | 30万〜100万円 | 看板、メニュー作成、食材初期仕入れ、広告宣伝費 |
物件取得費が最も大きなウェイトを占めます。特に都市部では保証金が家賃の6〜10ヶ月分に設定されることが多く、月額家賃20万円の物件であれば保証金だけで120万〜200万円が必要になります。
運転資金の目安
開業資金とは別に、開業後の運転資金を最低6ヶ月分、理想的には1年分確保しておくことが重要です。
運転資金の月額内訳の目安(15坪程度の居酒屋の場合):
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 家賃 | 15万〜30万円 |
| 食材仕入れ | 売上の30〜35% |
| 人件費 | 売上の25〜30% |
| 水道光熱費 | 5万〜10万円 |
| 通信費・雑費 | 3万〜5万円 |
飲食店の経営指標として「FLコスト」(Food=原材料費 + Labor=人件費)があります。FLコストを売上の60%以内に抑えることが黒字経営のひとつの目安とされています。

開業費用を抑える3つの方法
①居抜き物件を活用する:前のテナントの設備や内装をそのまま引き継ぐことで、内装工事費を200万〜500万円節約できる可能性があります。ただし、前店舗の閉店理由(立地が悪い、設備が古いなど)は必ず確認しましょう。
②小規模からスタートする:10坪以下・10席程度の小さな居酒屋なら、初期費用を300万〜500万円に抑えることも可能です。まずは小さく始めて、軌道に乗ってから拡大する戦略は、リスクを最小化するうえで有効です。
③厨房設備をリースで導入する:冷蔵庫や食洗機などの高額設備はリース契約にすることで、初期費用を分散できます。月々のリース料は発生しますが、初期投資のハードルを下げる効果があります。
開業資金の調達方法5選——融資・補助金・クラファンを比較
開業資金の調達は、自己資金と融資の組み合わせが主流です。日本政策金融公庫の同調査によると、開業時の資金調達額は平均1,219万円で、そのうち金融機関からの借入が平均827万円(67.9%)、自己資金が平均279万円(22.9%)を占めています(出典: 日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」)。

ただし、融資だけに頼る必要はありません。補助金・助成金やクラウドファンディングも有効な選択肢です。
| 調達方法 | 金額の目安 | メリット | デメリット | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 自己資金 | — | 返済不要、信用力の証明 | 貯蓄に時間がかかる | 全ケースで基盤として必要 |
| 日本政策金融公庫 | 〜1,000万円程度 | 起業に積極的、実績無くても申込可 | 審査あり、事業計画書が必要 | 初めての開業で自己資金がある程度ある人 |
| 地方銀行・信用金庫 | 制度融資による | 地域密着、創業支援制度あり | 審査が厳しい場合あり 特に実績のない起業には消極的 | 出店エリアが決まっている人 |
| 補助金・助成金 | 50万〜400万円 | 原則返済不要 | 後払い、審査あり、申請が煩雑 | 販路開拓やIT導入など具体的な用途がある人 |
| クラウドファンディング | プロジェクト次第 | 資金+ファン獲得+テストマーケが同時にできる | 目標未達リスク、準備に手間 | コンセプトの検証と開業前の集客を同時にしたい人 |
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方を対象とした融資制度です。融資限度額は7,200万円で、民間金融機関に比べて起業に積極的なのが最大のメリットです。
申請のポイント:
- 自己資金:創業資金総額の10%以上が最低限の目安。ただし、30〜40%あると審査で有利
- 事業計画書:売上見込み、経費見込み、損益分岐点を具体的な数字で記載
- 審査期間:申込みから融資実行まで約1〜2ヶ月
(出典: 日本政策金融公庫 新規開業資金制度)
補助金・助成金を活用する
飲食店の開業で活用できる主な補助金・助成金は以下の通りです。いずれも原則返済不要ですが、原則として「後払い(立替→採択後に支給)」であることに注意が必要です。
| 制度名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象経費 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 50万〜250万円 | 2/3 | 広告費、Web制作費、店舗改装費など(従業員5名以下) |
| デジタル化・AI導入補助金 | 5万〜450万円 | 1/2〜4/5 | POSレジ、予約管理システム等のITツール導入費や利用費 |
| 各自治体の創業助成金 | 自治体による(例: 東京都は最大400万円) | 2/3以内 | 人件費、賃借料、広告費など |
(出典: 中小企業庁 小規模事業者持続化補助金)
注意点として、補助金は開業資金そのものには使えないケースが多く、「販路開拓」や「業務効率化」のための経費が対象です。開業資金は別途、自己資金と融資で確保する必要があります。
クラウドファンディングで資金調達とファン獲得を同時に
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みであり、返済不要の資金調達手段としてだけでなく、開業前からファンを獲得する「テストマーケティング」としても活用できる点が最大の強みです。
CAMPFIREでは、これまでに累計約12.4万件のプロジェクトが掲載され、延べ約1,500万人から約1,200億円の支援が生まれています(2026年6月時点、自社調べ、出典: CAMPFIRE統計データ)。飲食店の開業プロジェクトも数多く実施されています(参考:CAMPFIRE「飲食業の開業ならCAMPFIRE」)。
クラウドファンディングが居酒屋開業に有効な3つの理由:
- コンセプトの市場検証ができる:プロジェクトページに自分のコンセプトを掲載し、支援が集まるかどうかで「そのコンセプトに需要があるか」を開業前に確かめられます
- 開業前からファン(リピーター候補)が作れる:支援者は開業後の来店客になります。「飲食チケット」をリターンに設定すれば、オープン日から集客が見込めます
- 資金調達と宣伝を同時にできる:プロジェクトの拡散を通じて、SNSやメディアでの認知拡大も期待できます

※以下に記載する支援総額は、CAMPFIREのサービス利用料・決済手数料および税金が差し引かれる前の金額です。プロジェクト実行者が実際に受け取る金額(手取り額)とは異なります。
CAMPFIREのバー開業成功事例
CAMPFIREの飲食カテゴリは人気の高いカテゴリの1つです。ここでは、飲食店開業にクラウドファンディングを活用した代表的な事例を紹介します。

▼インタビュー記事はこちら
https://camp-fire.jp/academy/articles/after-interview-839695
女優・中川ミコさん
女優たちが働くカフェバー「7Story.co shinjuku」では、クラウドファンディングを通じて開業資金を集めながら、お店の世界観やストーリーに共感する支援者とのつながりを広げました。
”まだまだこれから出来上がっていく未完成のお店を、支援してくださった方々と一緒にこのストーリーを楽しんでいきたいと思っています。”(中川ミコさん)
クラウドファンディングの成功のポイントについて詳しく知りたい方は、CAMPFIRE Academyの「飲食店の開業・立ち上げをクラウドファンディングで成功に導く3つのポイント」も参考にしてみてください。
居酒屋開業に必要な資格と届出——一覧チェックリスト
居酒屋の開業に基本的に必要になる資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。調理師免許は法律上必須ではありません。届出・許可については、飲食店営業許可を中心に5〜7種類の手続きが必要になります。防火管理者は条件を満たしたら必要になります。
「資格がたくさん必要なのでは」と不安に思う方もいるかもしれませんが、必須資格はどちらも短期間(1日〜2日)の講習で取得できます。
ほぼ必須資格——食品衛生責任者と防火管理者
食品衛生責任者は、飲食店の営業に際して必ず1名配置しなければならない資格です。食品衛生法に基づき、衛生管理を担当します。
- 取得方法:各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講(1日・約6時間)
- 受講費用:約1万円
- 受講条件:学歴・年齢不問。調理師・栄養士・製菓衛生師の資格保有者は講習不要
- 注意:オーナー自身が取得しなくても、従業員の中から1名を選任すれば可
防火管理者は、消防法に基づき、一定規模以上の建物で火災予防の管理を行う責任者です。
- 取得方法:消防署が実施する講習を受講(甲種: 2日、乙種: 1日)
- 受講費用:数千円
- 対象:建物全体の収容人員30人以上の店舗かつ、建物全体の延べ面積が、300㎡以上なら甲種(2日間の講習)、300㎡未満なら乙種
届出・許可の一覧と提出先
| 届出・許可 | 提出先 | 条件 | 期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 | 全飲食店で必須 | 開業の2〜3週間前 |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届出 | 警察署 | 深夜0時以降にお酒を提供する場合 | 営業開始の10日前まで |
| 防火管理者選任届 | 消防署 | 建物の収容人員30人以上の場合 | 営業開始前 |
| 個人事業の開業届 | 税務署 | 個人事業主として開業する場合 | 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで |
| 青色申告承認申請書 | 税務署 | 青色申告を希望する場合(節税に有利) | 青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2月以内。) |
| 社会保険の届出 | 年金事務所 | 法人の場合 | 事実発生から5日以内 |
| 労働保険 保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 従業員を1人でも雇用する場合 | 保険関係成立日の翌日から10日以内 |
| 労働保険 概算保険料申告書 | 労働基準監督署等 | 従業員を1人でも雇用する場合 | 保険関係成立日の翌日から50日以内 |
| 雇用保険 適用事業所設置届 | ハローワーク | 雇用保険の適用事業所となった場合 | 設置日の翌日から10日以内 |
| 雇用保険 被保険者資格取得届 | ハローワーク | 雇用保険の加入要件を満たす従業員を雇用した場合 | 資格取得日の属する月の翌月10日まで |
飲食店営業許可は、保健所の検査に合格する必要があります。厨房の設備要件(二槽シンク、手洗い設備など)があるため、内装工事の段階で保健所に事前相談しておくことをおすすめします。

監修者
中野 裕哲
税理士・起業コンサルタント®
💬 監修者からのひとこと
許認可でスケジュールが崩れるのは、たいてい相談に行く順番を間違えたときです。保健所は図面ができた段階、消防署は防火管理者の要否と設備の確認、深夜0時以降もお酒を出すなら警察署への届出が営業開始の10日前まで。この3か所は、物件を決めた直後にまとめて回っておくことをおすすめします。着工後に基準未達が判明すると、工事のやり直しで数十万円と数週間が飛びます。開店日から逆算するときは、この確認期間を必ず日程に組み込んでください。
中野 裕哲のプロフィールと監修記事を見る →物件選びのポイント——居抜きとスケルトンの違い
居酒屋の物件選びは、開業資金と経営の成否を左右する最も重要な意思決定のひとつです。居抜き物件を活用すれば内装工事費を200万〜500万円節約できる可能性がある一方、スケルトン物件であれば自分のコンセプトを自由に表現できるメリットがあります。
| 比較項目 | 居抜き物件 | スケルトン物件 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い(内装・設備を流用) | 高い(ゼロから工事) |
| 内装工事費の目安 | 50万〜150万円 | 300万〜500万円 |
| 開業までの期間 | 短い(1〜2ヶ月) | 長い(3〜6ヶ月) |
| デザインの自由度 | 制限あり(前店の内装が前提) | 高い(フルオーダー可) |
| 注意点 | 前店の閉店理由を確認すること | 予算オーバーに注意 |
| おすすめの人 | 初めての開業で費用を抑えたい人 | こだわりの空間を作りたい人 |
物件選びで確認すべき5つのポイント:
- 家賃が月商の10%以下:飲食店の家賃は月商の10%以内が健全な水準とされています
- 前店舗の閉店理由:居抜き物件の場合、「立地が悪くて閉店した」物件を安さだけで選ぶのは危険です
- 用途地域の確認:深夜営業(深夜酒類提供)は用途地域によって制限される場合があります
- 築年数と設備の状態:古い設備は早期に交換が必要になり、結果的にコスト増になることも
- 動線と客席のレイアウト:厨房とホールの動線が悪いと、オペレーション効率が下がります
居酒屋開業で失敗しないための5つのポイント
2024年の「酒場、ビヤホール」等を含む居酒屋業態の倒産件数は212件で、飲食業態のなかで最多でした(出典: 帝国データバンク「『飲食店』の倒産動向調査(2024年)」、2025年1月10日発表)。この数字は決して楽観できるものではありません。
しかし、裏を返せば「正しい準備をすれば生き残れる」ということでもあります。失敗パターンを知り、事前に対策を打つことが重要です。
廃業率の現実を知る
飲食店の廃業の主な原因は以下の3つです:
- 資金繰りの悪化:運転資金の不足が最も多い原因の一つとされています。開業時の見積もりが甘く、赤字が続いて資金が底をつくパターンです。
- 集客不足:「美味しい料理を出せば客は来る」という思い込み。立地調査やマーケティング施策が不十分
- 人材不足:帝国データバンクの調査によると、飲食店の非正社員における人手不足を感じる企業の割合は2025年4月時点で65.3%と全業種のなかでも高い水準にありました。その後も改善傾向が続いており、2026年4月時点では59.1%まで低下しています(出典: 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」)。改善傾向にあるとはいえ、スタッフの確保と定着は引き続き経営課題です
リスクを最小化する3ステップ
「失敗が怖い」——その気持ちは当然です。しかし、リスクはゼロにはできなくても、最小化することはできます。
ステップ① クラウドファンディングで事前検証する
開業前にクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げることで、自分のコンセプトに共感してくれる人がどれだけいるかを事前に確かめられます。「支援が集まらなかった」という結果も、コンセプトの修正や方向転換の貴重なヒントになります。

ステップ② 小さく始める
最初から大きな店舗を構える必要はありません。10坪以下の小さな居酒屋で開業し、固定費を抑えながら経営のノウハウを蓄積する。軌道に乗ってから拡大するアプローチは、リスクを大幅に低減します。
ステップ③ 補助金で資金面を補強する
クラウドファンディングでファンを獲得しながら、返済不要の補助金で資金面を補強する——この組み合わせは、「資金が足りない」という不安を和らげる現実的な戦略です。

監修者
中野 裕哲
税理士・起業コンサルタント®
💬 監修者からのひとこと
倒産件数の多さは事実ですが、私たちが見てきた廃業の多くは、味や立地よりも「数字の把握が遅れたこと」が引き金でした。月次で試算表を見ていれば、FL比率が数ポイント悪化した時点で手を打てます。開業前に会計の仕組みを整えておくこと、そして「毎月いくら売れば赤字にならないか」を暗記できるくらい単純な数字にしておくこと。この2つは、どんな集客策よりも先に効いてきます。
中野 裕哲のプロフィールと監修記事を見る →何から始めればいいか迷ったら、まずはアイデアを言葉にするところから始めてみませんか?
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よくある質問(FAQ)
Q: 居酒屋の開業に必要な資格は何ですか?
A: 必須の資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。調理師免許は法律上必須ではありません。食品衛生責任者は各都道府県の養成講習会(約1万円・1日)で取得できます。防火管理者も消防署の講習(1〜2日)で取得可能です。どちらも学歴・年齢不問で受講できるため、取得のハードルは高くありません。
Q: 居酒屋を未経験で開業できますか?
A: 未経験でも居酒屋の開業は法的に可能です。ただし、飲食業界での実務経験がないと、仕入れの目利き、オペレーション設計、原価管理などで苦労するケースが多くなります。未経験の場合は、フランチャイズの活用や、開業前に半年〜1年程度アルバイトで現場経験を積むことを検討してみてください。
Q: 居酒屋の開業後に使える補助金はありますか?
A: 小規模事業者持続化補助金(上限50万〜250万円、補助率2/3)、デジタル化・AI導入導入補助金(5万〜450万円)、各自治体の創業助成金などが活用できます(出典: 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金について」)。ただし、補助金は原則として後払い(立替→採択後に支給)であるため、開業資金そのものは自己資金と融資で別途用意する必要があります。
Q: クラウドファンディングで居酒屋の開業資金を集められますか?
A: はい、クラウドファンディングは居酒屋開業の資金調達手段として活用できます。CAMPFIREでは飲食店開業プロジェクトが数多く実施されています(出典: CAMPFIRE「飲食業の開業ならCAMPFIRE」)。資金調達だけでなく、プロジェクトページを通じて自分のコンセプトへの共感度を事前にテストできる「テストマーケティング」としても有効です。飲食チケットをリターンに設定すれば、開業前からファン(リピーター候補)を獲得できます。
まとめ——居酒屋開業は「小さく試す」から始めよう
この記事では、居酒屋の開業に必要な情報を網羅的に解説してきました。最後に、押さえておくべきポイントを5つに集約します。
- 開業資金は500万〜1,500万円が目安。ただし居抜き物件+小規模開業で300万円台からのスタートも可能
- 必須資格は2つだけ。食品衛生責任者と防火管理者は、いずれも短期間の講習で取得できる
- 資金調達は複数の手段を組み合わせる。自己資金+融資に加え、補助金やクラウドファンディングも選択肢に
- 失敗リスクは「事前検証」で下げられる。クラウドファンディングでコンセプトの市場テストを行い、支援者の反応を見てから開業に踏み切る方法がある
- 小さく始めて、確かめながら育てる。「いきなり成功しなくていい。まずは試せばいい」
居酒屋の開業は、決して簡単な道のりではありません。しかし、正しい情報を集め、計画を立て、リスクを最小化する工夫をすれば、「自分の店を持つ」という夢を実現することは十分に可能です。
大切なのは、完璧な準備を待つことではなく、小さな一歩を踏み出すことです。
何から始めればいいか迷ったら、まずはアイデアを言葉にするところから始めてみませんか?
CAMPFIREでは、チャット形式の質問に答えていくだけで、あなたのアイデアが企画書とプロジェクトページのサンプルに仕上がるAIサポートを用意しています。「壁打ち相手がほしい」「頭の中を整理したい」という段階でも大丈夫です。
この記事は2026年9月時点の情報に基づいて執筆しています。法令・制度の変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は各行政機関にご確認ください。






監修者
中野 裕哲
税理士・起業コンサルタント®
💬 監修者からのひとこと
開業資金のご相談で必ず確認するのは、自己資金と借入のバランスよりも「開店から半年間、売上が想定を下回っても回るか」です。居酒屋は開店直後の売上が読みにくく、認知が広がるまで3〜6か月かかることが珍しくありません。記事にある「運転資金は最低6か月分」という目安は、経験上かなり妥当です。ここを削って内装や什器にかけてしまった店が、いちばん苦しくなります。
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