3度めの挑戦となりました

O'KEEFFE FURNITURE(オキーフファニチャー)の平盛恵と申します。
10年前に岡部町の旧東海道沿いの古民家を再生して主人と2人で家具屋を始めました。木製の小物や主にテーブルなど木製の商品を作っています。
家具屋を始める時も、こちらのクラウドファンディングを利用し、ちょうど4月で10年。
私も主人も10歳年を取りました。そして今は5歳の子供がおります。
今回は私(妻の方が)メインとなり、開業を目指しているプロジェクトです。

10年前。お店の改装を始めた頃。

目指してるのは宿の開業。
大好きなドイツ語の造語で「雨の森」の宿 Regenswald (レーゲンスヴァルト)と名付けました。

2月末に購入し、手入れを始めた古民家

楓、日向水木、椿、金木犀、枝垂れ桜、大手毬...日本の四季を感じさせる美しい庭があります。
何度か所有者が代わりましたが、家主たちが大事に守ってきた場所です。

そして私たちも一目見て、太い梁の家、美しい庭に魅せられ一目惚れし、ここで何かをやりたいと心躍りました。

とても魅力的な場所なのですが、その広さゆえに、そして市街化調整区域、崖条例など多くのハードルがあり、5年ほどの空白のある場所となっていました。

「ここで、何ができるか?」

浮かんでは消えていく可能性の中で、唯一残ったのが、「農林漁家民宿」でした。

とても立派な三重の梁→”見栄っ張り” (元家主談)

「農林漁家民宿」とは

あまり聞きなれない言葉かと思いますが、自宅の一部を使った農村での暮らし体験を伴う宿泊施設のことです。
私たちのように農家ではなくても、周辺農家などと協力した体験や、自然環境との触れ合いを提供することにより、営業許可の取得が可能となりました。
そして、宿泊業の営業が難しい”市街化調整地区”でも、用途変更し、許可が下りれば開業することができます。

家具屋なのになぜ宿を?

コロナ前は、一般的にはあまりなじみのない「木製」の皿やボードを使ってもらうために、私たちの器を使った食事イベントを不定期で開催していました。
もう少し発展させてウェディングや宿泊を伴うイベントを開催できる物件があれば…と探していた時に、この古民家に出会いました。

大正6年に建てられたこの古民家は、現在の店舗から車で約5分とすぐ近くなのに、ちょっとした秘境のようでした。
家までの長い坂道を上昨年夏頃の古民家ると、広い庭と立派な屋敷があり、敷地内には季節ごとの日本の草花が植えられています。

不動産屋に問い合わせたところ、もう5年近くも空き家、とのこと。正直私たちには手が出ない値段でしたし、家族にも反対され、営業許可も取れない物件だと言われたのですが…私がどうしても諦められませんでした。

実は昨夏主人が体調を崩し、検査や入院で製造が一時出来ない時があり、木製品が作れなくなったらどうしたらいいんだろう?と考えました。私だけでも収入を得る方法はあるんだろうか?と思った時に、宿泊業をやることを思いついたのです。

当初私の考えていたいわゆる’民泊’は「市街化調整区域」では土日の一泊のみしか営業できず、その他の商売をやるのにもたくさんのハードルを乗り越えなくてはならず、広すぎる敷地、再建築不可であることなど、それ以外にもこの家ならではの問題も続々と…残ったのが「農林漁家民宿」という可能性でした。
そしてそれからすでに1年近く役場と交渉を続け、やっとあと一歩というところまでたどり着きましたが、、あと一歩のところで、営業許可をとるためには、まだまだ費用と時間の掛かる申請書類がでてきています。

プロジェクト立ち上げの背景

▶インバウンド

私たちの提供する宿は、一般的な旅館とは違い、自宅の一室を提供した田舎暮らしを体験できる宿になります。もしかしたら一棟貸や個室を好む日本人よりも、日本の普通の暮らしを味わってみたいと考える、海外からのお客さまの方が希望される方が多いのではないかな?と予想しています。

4年間続いたコロナが収まり、観光地には旅行客が戻り、円安の影響で海外からの旅行客もとても増えていますよね。

好みや旅行の目的によっても異なりますが、多くの外国人旅行者は、日本人の住む家に泊まり、普通の日本の暮らしを体験したり、日本人とかかわることを好む傾向があるようです。

日本人の住む家に泊まることで、日常生活に触れる機会が増え、親密な接触や文化的な体験を得ることができます。そのような体験を通じて、日本文化や生活様式をより深く理解し、交流を楽しんでいただこうと考えています。


▶海外での体験

下宿先のホストマザーと

30歳の頃、ドイツに約7か月暮らしたことがあります。(ワーホリビザが取れなく予定が短くなってしまいました 泣)

ドイツでの住まいは、語学学校の寮→下宿→WG(ヴェーゲーWohngemeinschaft ※シェアハウス)でした。どれも不特定多数の人との暮らしで、そのことがドイツでの暮らしや文化を知るのにとても良かったと思っています。異なる文化やバックグラウンドを持つ人々との交流を通じて、相互理解や友情を深める貴重な機会でした。

それ以外にも、ユースホステルや、ホスピタリティー・エクスチェンジ・ネットワークを使い、泊めてもらったり、泊めてあげたりした経験があります。

実家にいる頃、海外からのお客様を泊めた経験もあるのですが、彼らは、静岡にどうしても来たいというより、日本の文化を知るために家に泊めてくれる人を探している、という感じでした。(15年前はAirbnbはあまりなかったのです)
’普通’の日本のごはんや暮らしを提供し、花火大会や和太鼓の稽古(当時習っていました)を見せてあげたり、三保の松原や富士山を案内しました。

彼らは静岡以外にも2週間程の日本旅行を楽しんでいましたが、私の家での滞在が一番良かったと喜んでくれていました。自分たちだけでは経験できない「普通の日本」の文化を感じる経験をさせてあげることが、求められていたことなんだと感じました。

自宅でホストとなったことは、快適な滞在を提供するための配慮やサービスの提供方法を学び、実践する体験となりました。これらの体験や、自身がゲストの時に求めていた快適さや利便性・清潔さなどを、自らの施設で提供することに重点を置きたいと思っています。


▶アクセスの良さ

私の住む藤枝市岡部町は、東海道53次21番目の宿場町。山に囲まれ、「玉露」の産地でもあります。
すぐ近くには宇津ノ谷峠、明治トンネル、大旅籠柏屋などの文化遺産もあるこじんまりとした宿場町。
静岡県で一番古い蔵元「初亀酒造」もあります。

静岡駅からは車で約30分、焼津駅からは約20分、静岡空港からも40分くらい。
車でのアクセスは、新東名藤枝岡部インターや静清バイパス出口からは約5分と近く、東名焼津インターからもあまり離れていません。

静岡県は東京から京都・奈良へと移動する旅行客にとっての中間地点「ちょっと途中下車でもしてみようか、静岡県長いし…」みたいなポイントにあたりますので、お立ち寄りいただくにはちょうど良いと考えています。

少し足を延ばして富士山周辺や三保の松原などの世界遺産を見に行ったり、焼津漁港や周辺の温泉施設、夏は川や海へ。
周辺の自然を満喫してもらうために、滞在者用の自転車やヘルメットと、周辺のマップもご用意する予定です。

前の持ち主様の作られた敷地内の植物マップ

現在の準備状況

2月末にようやく引き渡しが済み、フローリングの張替えを自分たちではじめました。
自然素材が好きな私たち。もちろん今のお店の時と同様、古民家の悪くなっている部分の修繕だけでなく、家具屋ですから、より良くするための改装をしたいと考えています。
改装はまだ始めたばかりですが、こだわりが強く忙しい主人に頼むと時間がかかりそうです😅
もちろんここにはO'KEEFFE FURNITUREの家具も置きたいと考えています。

フローリング張替え

そして広大な敷地の樹木、庭・畑の手入れ…
枇杷や山椒、金柑や梅などの果樹を含め、美しい木々が植えられていますが、立ち枯れてしまっている枝も既に多数。
まずは慣れない草刈り機で枯れ草を刈ったり、枯葉を集めたり、壊れた水路を直していますが、これから夏にむけてまた雑草もたくさん伸びてきて仕事がどんどん増えていきそうです。


▶購入後、物件に滞在する時間が増えたことにより気づいた問題点。

①浄化槽が「35人単独槽」というとても大きなものが入っているとのこと。ランニングコストがかかり、私たちには不要なサイズなので、取り換え予定です(見積もりを取りましたが、結構な費用です)

②アクセスのよい新東名から近すぎるために騒音も届きます。これが購入後一番残念に思っているポイントです。冬の間に、生い茂っていた広葉樹の葉が落ちたので余計に音が大きく・近く感じます。何とか防音できるように植樹をしたいと思っています。

③敷地内の山林部分の木々は5年の間に伸びすぎ、もう自分たちでは手が付けられない大きさに。山の中は枯れ木も多く、山肌も崩れ土砂が流れてきていたり…10メートル以上はあろうかという木々も。素人には難しそうです。

ジャングルのような山部分

営業許可の取得も同時進行。何をしたらいいのかのめどはついたものの、申請はこれからです。
市街化調整区域のため、居宅から簡易宿所への「用途変更」が必要で、過去にこの費用と手間のために、何人もの方がこの物件をあきらめたとお聞きしています。
そして申請の添付書類が個人では揃えられず、行政書士・土地家屋調査士・建築士への図面や計測の依頼が必要であり、まだまだ費用と時間の掛かることがでてきています。

消防・保健所の点検は改装後、そしてそのあとやっと開業許可申請へと続きます。

正直、こんなに大変だとはわかっていませんでした💦


▶どんな宿になるのか

・一日一組の貸し切り(1~6名様までの宿泊)※私たちは別部屋。同一住居で暮らします。
お客様に提供するお部屋は8畳二間。宿泊者専用トイレ、風呂、洗面あり。
・食事なし(自由に使えるキッチンあり)
キッチンには、私たちの制作している木製の食器はもちろん、現在の店舗である古民家に残されていた骨董の食器や、店舗で扱っている私たちお気に入りの作家様の器をご用意して使っていただける予定です。

庭に面した部屋からは、季節ごとの草花が楽しめますし、山林も含む約3千平米ある敷地内で、自由にお過ごしいただけます。
山菜や畑のお野菜の収穫体験や採蜜も楽しんでいただきたいと準備しています。(収穫時期は限られます)
地元の畳屋さんに来てもらい、客間の畳を張り替えました

先日客室の畳を張り替えました。
思い切ってフチなしで目の細かい「目積表」にしてすっきり。
畳を張り替えるために畳を上げたら、下からとても立派な板の間が出てきました。ここで昔は畳を上げて何か作業をしていたのでは?と。価値のある幅広の板ですよのこと。古民家ならではのわくわく体験です。
囲炉裏の後もありました。復活させようか?迷い中です。


▶開業後のプラン

体験型の宿泊施設ですから、滞在期間中の過ごし方をいろいろご提案できるよう計画しています。

①周辺観光施設のご案内(大旅籠柏屋、宇津ノ谷峠、明治トンネル、玉露の里など)

②周囲の自然をご自身で巡って感じられる自転車とマップをご用意。

③敷地内の自生している山菜や、最近始めた養蜂のはちみつも味わっていただこうと思っています。

④周辺の農家さんと提携して収穫体験をご提供予定。

その他、周辺の店舗様と協力し、体験を増やしていけたら…!

養蜂を始めました

資金の使い道

今回のクラウドファンディングで集まった資金を使う目的はこちらです。

①改装費用、手続き費用の一部

②庭・畑・山の手入れなどにかかる費用

③周辺マップの作製、自転車の購入など、体験準備に係る費用


▶リターンについて

宿泊以外の滞在体験、知り合いの素敵な店舗様にお願いし、開業前にご案内できるイベントをご用意しました。

Day Stay一日滞在プラン(宿泊なし 7~9月) \30,000x10組
宿泊施設ですが、営業許可がまだとれていないため、Day stayを体験していただくプランです。
1~8名様。滞在プランは一緒に考えさせていただきます。いち早くこちらの場所をご体験ください。

山の上から宿を眺める

持ち寄りParty(9月15日):10,000円 ×10名様
お庭にテーブル出してシェアリングランチ会。ご自慢のお料理一品お持ちください。
テーブルコーディネート、撮影、食事だけでなく時間いっぱいおしゃべりや滞在を楽しんで下さい。

③特別食事会with「したたむ」(8月10日、11日 夕方スタート)20,000円 x各10名様
掛川の料理店「したたむ」さんに、開店前の当宿泊施設にて、O'KEEFFE FURNITUREの木の器も使った特別な食事の会を開催していただきます。
季節の食材を使ったこだわりメニューと手間暇かけた仕込み、奥様の素敵な器。私たちの大好きなお料理店です。

施設貸し切りイベント開催権 (7~9月)100,000円x2組
開業前のこちらのスペースを一日お貸しします。古民家、庭、山林、畑いろいろなシチュエーションで何ができるだろう?
3000平米の敷地をご自由にお使いください。

私が写真撮影に伺います ¥30,000x∞
2時間撮影(撮影したすべてのデータを差し上げます) 
O'KEEFFE FURNITUREのSNSやWeb、紙媒体など、10年間すべて自分で撮影デザインしてきました。
プロのカメラマンではないし、よい機材は所持していませんが、私の写真が好きだと思っていただける方のお写真撮影させていただきます。お店や商品の写真でも家族の記念日でも ※交通費別途 ※日程要相談(10月末頃まで)

一緒に庭仕事・畑仕事しましょう(クラウドファンディング終了後6月頃~8月) ¥5,000x∞
広い庭が自慢です。今は落ち葉や枯れ枝の処分、夏に向けて雑草の手入れが待っています。
集めた枯葉で飼料も作れたら…一緒に一日たっぷり庭仕事しませんか?午前だけ、午後だけでも、一日たっぷりでも。
(お昼ご飯ご用意します)支援していただくのに労働までさせてすみません 笑 改装中の施設をいち早くご覧いただけます。

庭は紅葉がたくさんです

庭で見つけた苗を送ります \4,000x∞
山椒や紅葉など、こぼれた種から育った萌芽を送ります。
お庭に植えて育てていただいたり、盆栽に仕立てていただいたり。

パンフレットと周辺観光マップを送ります❶ \3,000x∞
宿の案内と岡部周辺観光マップを作り、送らせていただきます。
パンフレットはこれから制作予定。周辺マップは信頼のおけるデザイナー様に依頼予定です。お楽しみに。

パンフレットと周辺観光マップを送ります❷ \10,000x∞
宿の案内と岡部周辺観光マップを作り、送らせていただきます。
ご希望ありましたら、宿のOpenの際にお名前をWebサイト、Instgramなどでご紹介させていただきます。

※木製品のリターンを追加予定です。

スケジュール

2月 物件の購入
3月 リフォーム開始
4月 用途変更などの事務手続き
5月  クラウドファンディング終了
6~8月 庭の整備・家の改装
9月  宿ご予約開始・リターン発送開始
10月  宿オープン予定


O'KEEFFE FURNITUREの業務をしながら、そして子育てしながらの準備に四苦八苦しています。
皆様に資金とご協力いただけましたら嬉しいです。
素敵な古民家と広い庭を皆様にご紹介できる日が待ち遠しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2024/05/17 19:44

    リターンにO'KEEFFE FURNITUREの新作オーバルのミラーを追加しました。アンティークのような雰囲気もあり、とてもO'KEEFFE FURNITUREらしい商品ができたと思います。壁に掛けでつかうことができますので、鏡台の代わりに、洗面所や玄関にも。お店様などでも主役となるようなアイ...

  • 2024/05/16 09:35

    昨日は、8/10&8/11に開催予定の食事会の打ち合わせに「したたむ」さんへいってきました。今回の食事会はしたたむさんとしても初の出張。いつもと違う場所で、いつもと違う器で。追加で、お土産に木製品をお付けすることにしました。奥さんの哲子さんのつくられる器とのコラボレーションもお楽しみに。また、...

  • 2024/05/13 21:31

    庭にテーブルと椅子を出して、みなでごはん。周囲で山椒の実やクレソン、タケノコ、セリ、ふきなど探して収穫したり。この春はここで収穫したものたくさん食べました。先日は草刈りのほかに、山の壊れた石垣を直したり、土砂で埋まった水路を掘ったり。そんな作業も楽しいと協力してくれる友人や家族たち。そんなイメ...

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