あなたの灯火に薪を焚べて大きな炎にしていきたい。CAMPFIREパートナー・岡田良寛(りょうかん)氏。

「まちづくり」カテゴリーを中心に、全国各地の地方の起案者の挑戦をサポートする岡田氏。2021年1月にCAMPFIREパートナーとなり、約3年間で100件を超える企画をサポート。累計で1億8000万円以上の流通額と1万8000人の支援者を集めることに貢献。本記事は岡田氏自身によるパートナー活動紹介記事です。

自己紹介|岡田良寛(りょうかん)

はじめまして。岡田良寛(りょうかん)です。2021年1月からCAMPFIREパートナーとして活動をしています。

これまでの約3年間で100件を超える企画をサポート。
累計で1億8000万円以上の流通額と1万8000人の支援者を集めることに貢献してきました。

学生時代から縁のある静岡県や、地元でもある鳥取県のプロジェクトを中心に、北は北海道から南は宮古島まで、全国各地の地方の起案者の挑戦に携わらせていただいています。中でも「まちづくり」の文脈のチャレンジをサポートする件数の多さが特徴のひとつです。担当実績の一覧はこちら
 
また、初めて挑戦する人や、個人・小規模事業者のチャレンジを後押ししたいという想いもあり、クラウドファンディング徹底解説サイト『makikube|あなたの灯火に薪を焚べる』の運営や、わかりやすく学べるKindle漫画『はじめてのクラウドファンディング』の出版など、情報発信にも力を入れています。


この記事では、
・これまでの活動の経緯の紹介
・代表的なプロジェクトの紹介
・起案検討している人へのメッセージ
を書かせていただきます。

クラウドファンディングのサポートを仕事にしたキッカケ

私がはじめてクラウドファンディングと接点を持ったのは、2015年のこと。地元の鳥取でブックカフェを立ち上げる際に自分自身で挑戦したのが最初でした。(参考:https://readyfor.jp/projects/honbako-tottori

まだまだ鳥取では活用事例が少なかったこともあり、カフェ開業後にはお客さんから「クラウドファンディングに挑戦したいんだけど…」と相談を受けることも多く、アドバイスを通して自分自身の中でも知見が蓄積されていきました。

その後、大学院時代に休学して住み込みインターンをしていた静岡県熱海市のまちづくり会社・株式会社machimoriの代表から「2軒目の宿泊施設を立ち上げる際にクラウドファンディングを活用したいんだけど、手伝ってくれないか?」という話が届いたのが大きな転機となります。これが本格的にサポートした最初の事例。2019年8月のことでした。

当時はCAMPFIREパートナー就任していない状態でのサポートでしたが、総額215.9万円を集めた裏側の工夫などをSNSやブログで発信。それを見ていた熱海の知人を中心に「クラウドファンディングはりょうかんに頼ればいい」という印象を抱かれるようになり、そこから相談される機会が増えていきました。

そんな中で、ひょんなキッカケで出会ったCAMPFIREの社員の方から「いま社内で制度を見直しているところで募集の強化をするところなんです」と教えてもらったのが『CAMPFIREパートナーシッププログラム』の存在でした。2020年12月のことです。

話を聞いたときに「起案者に追加の費用負担を強いることなく大手を振ってサポートできるとか最高じゃん!!」と想い、すぐに申し込み。翌月からCAMPFIREパートナーとしての活動をスタートすることになりました。


まちづくり分野で活動してきたことだけでなく、店舗立ち上げでのクラウドファンディング活用や自身のカフェ経営の経験なども活かせる。さらに、小さな頃から夢のないことがコンプレックスだった私にとっては、夢に向かって挑戦する人の想いを広げることに力添えできることには、やりがいしか感じません。私としては天職のひとつだと強い確信を持っています。

そのようにCAMPFIREパートナーとしての活動に力を注いで3年間が経ち、累計で100件以上の企画をサポートしてきました。その中でも、特に印象に残っているプロジェクトを紹介させていただきます。

熱海の若者を支える恩送りプロジェクト

私が特に印象に残っているのは、熱海で経営者コーチングや人材育成などに取り組むキャリアコンサルタント・小林めぐみさんが挑戦されたこちらのプロジェクトです。
プロジェクト名:生き抜く力を養う「スキルアップ講座」を熱海の若者たちにプレゼントしたい【熱海市】
募集期間:2021年2月22日〜2021年3月28日(35日間)
調達金額:3,393,222円
支援者数:249人
プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/387221
募集を開始したのは、CAMPFIREパートナー就任直後の2021年2月。最初の相談はパートナー制度の存在を知る前のことでした。

初回の打ち合わせで話した相談の趣旨は、以下のようなものだったと記憶しています。
「熱海で自分らしいキャリア(人生)を歩んでいける若者を増やしていきたいと思っている。

そのために、適切なタイミングで適切な人や情報に出会える地域コミュニティ拠点として会員制ワークスペース&学び場『CLUB HUBlic』をオープンすることにした。立ち上げの資金面は十分足りているものの、オープンに際して自分の想いを広く伝えるためにもクラウドファンディングを活用したい。このような形でも実施できるだろうか?」
もちろんプロモーション目的の起案も可能です。ただ、めぐみさん自身の抱えるコアな想いをより深く理解しないと正しく伝えることもできないだろうと、「なぜ熱海で自分らしいキャリアを歩んでいける若者を増やしたいのか」などを逆質問。そのやり取りの中で出てきたのが、以下のような課題感でした。
「2017年に熱海移住してからキャリアコンサルタントとして数多くの熱海の会社に関わってきたが、自社の若いスタッフに対して「キャリア形成」や「リスキリング」の環境を提供できていない会社が多いことに歯痒さを感じていた。

特に、サービス産業従事率の高い熱海では、コロナ禍の影響で雇用を守りきれない企業がたくさん出てくることも予想される。職を失った熱海の若者が再就職できずに路頭に迷うのではないかと心配している」
上記のような課題感を抱いていたからこそ、熱海の若者に学びの場を提供するコミュニティ拠点としての会員制ワークスペースを作ろうとしていたわけです。そして、その拠点のコンテンツのひとつとして検討していたのが「熱海の若者向けのスキルアップ講座の開催」でした。

そこで、私から提案したのが「熱海の若者にスキルアップ講座をプレゼントできるという支援の募り方をしませんか?」という恩送りのようなプロジェクトの形です。

めぐみさんの想いに共感した人が受講費を代わりに負担することで、所得水準の低いサービス産業(宿泊業界や飲食業界など)で働く熱海の若者でもスキルアップの機会を手に入れることができる。CAMPFIREのビジョンでもある《 想いとお金がめぐる世界をつくる 》にも合致するような素敵なプロジェクトになるんじゃないかと考えての提案でした。

この提案にめぐみさんも大賛成。大枠が決まったことで一気にクラウドファンディング実施に向けて動いていきました。

支援が加速した「顔の見えるリターン」

目標金額は「300万円」に設定。1回3,000円の講座受講料をベースに、熱海で宿泊業/飲食サービス業で働く34歳以下ほぼ全員となる「1000人分」を目指して目標金額を決めました。

リターンは「熱海の若者にスキルアップ講座をプレゼントできる権」のみ。支援された金額に応じて、無料受講できる人数が決まるという仕組みです。



めぐみさん自身がこれまでの活動で培った信頼と人脈に、今回のプロジェクトに対する想いが掛け合わさり、最終的に目標としていた1000人分を超える「総額3,393,222円」を達成。249人の支援者から「1131人相当分」の受講チケットを届けられるという結果になりました。

ちなみに、このプロジェクトでは「熱海の特定企業の社員にスキルアップ講座をプレゼントできる」というリターンも用意しました。


このリターンの反響は予想以上。各社支援できるのは限定1枠ではあったものの、追加した瞬間に支援が入るぐらいの勢いでした。ペイフォワード系(恩送り系)のプロジェクトでは顔の見える形にした方が支援者側の満足度はより高まるのかもしれない。そんな気付きを得た経験にもなりました。

クラウドファンディングのその後。会員数100組を越え。

この記事を書いている2024年5月には、会員制ワークスペース『CLUB HUBlic』も3周年を迎えます。当初のわずか9組でスタートした部員数も、スキルアップ講座の受講などを通じて接点を持つ人が増えたことで年々増加。2024年3月時点で大台の100組を超えるほどになりました。

参考:HUBlic部員数の推移

熱海在住や熱海勤務の人だけでなく、遠方でも会員になれる「オンライン部員」という枠組みも用意されており、兵庫県明石市在住の私自身もオンライン部員として所属させてもらっています。

また、中高生や大学生も「学生部員」として20名弱が所属。今年の春からは中高生が自ら主体的に学ぶためのキャリア教育の場として「HUB塾」という取り組みもスタートしました。多感な中高生の年代で様々なバックボーンを持つ大人が集っている空間で学べることの素晴らしさを感じさせられます。


さらに、CLUB HUBlicでは、毎年5月の交流の場「周年祭」と、年2回のピッチ大会「CLUB HUBlic FESTIVAL」を開催。特にピッチ大会は、会員同士でそれぞれの事業で抱える悩みや課題をシェア&フィードバックし合うことで協業・共創に繋がりやすく、コミュニティとしての強さを支える根幹になっています。

継続的な経過報告が次に向けた信頼の積み上げになる

部員数100組を超えるまでのコミュニティに育ってきた裏には、めぐみさんのマメな発信の継続力があります。

クラウドファンディング終了後にも、ほぼ毎月のように「支援者限定公開」で活動報告を投稿。開催されるスキルアップ講座のお知らせをはじめ、部員数の増減や直近の雰囲気などを伝え続けていました。


活動報告は支援者全員にメールで配信されます。スキルアップ講座のプレゼントをしたくて支援した人からすると、プロジェクトがしっかりと進んでいる様子を伝え続けてくれることは間違いなく嬉しいはずです。

クラウドファンディング実施中や終了直後だけでなく、継続的に動きを伝え続ける。当たり前のことですが、できていない人も多いと思います。

めぐみさんの姿を見ていると、「クラウドファンディング終了後にも信頼を積み上げ続けることが次のプロジェクトの成功の種になるんだろう」と、強烈なメッセージを伝えられている気がしてきます。

小林めぐみさんからのコメント

そんな小林めぐみさんから、この記事の公開にあたってメッセージを送っていただきました。
クラウドファンディングを行うことで、熱海の若者たち(若者が流出しがちな地域全般にも言えるかも)の置かれている現実を知ってもらいたい気持ちと、応援してもらいたい気持ちで挑みました。


良寛さんに相談することで、まず感じたのは、良寛さんが本気で私を応援したいと思ってくれている、そして私以上に私のやりたいこと、想いを理解してくれているということです。


だからこそこのプロジェクトはたくさんの方の心に響いたのだと思っています。


今でもずっと応援してくれて、支え続けてくれて、感謝しています!
気持ちに応え続けられるよう、これからも若者たちのためにがんばります!


HUBlic合同会社
小林めぐみ

最後に:これからクラウドファンディング挑戦を考えている人へ

今回の記事では、恩送りプロジェクトの事例として小林めぐみさんの『CLUB HUBlic』を紹介させていただきましたが、クラウドファンディングには他にも数多くの活用の仕方があります。

例えば
  • こだわりを詰め込んだ店をオープンしたい
  • 自分たちの地域の魅力を知ってもらいたい
  • これまでにない商品を製造販売してみたい
  • 主催するイベントをみんなで盛り上げたい
  • 災害で無くなった施設拠点を再建させたい
などなど。可能性は無限大です。

私自身は、自分の運営するサイトに『makikube』と名前を付けているように、チャレンジする人の心にともる “灯火” に 薪を焚べて大きな炎にするお手伝いをしたいと思っています。

初めてのクラウドファンディング挑戦に躊躇している人や、少人数チームで立ち向かえるか不安を感じている人のために存在しているのが「CAMPFIREパートナー」です。悩んでいるなら気軽に頼ってみてください。

もちろん、あなた自身の本気度は必須です。種火となる「起案者の熱量」が高くなければ、どんなに薪を焚べても炎は大きくできません。逆に言えば、つよい想い(=たかい熱量)を持った本気の挑戦であれば、どんな人のプロジェクトでも全力でサポートさせてもらいます!


あなたの挑戦を応援させてもらえる日を楽しみに待っています。

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CAMPFIREパートナー
岡田良寛(りょうかん)