海外発、ミニチュアテレビ「TinyTV 2/Mini」日本市場デビュー成功の軌跡。

CAMPFIREクラウドファンディングアワード2023大賞受賞者に話を伺う対談企画「すべてのチャレンジは、等しく尊い」にて、「暮らしを豊かにした部門大賞」を獲得した、指先サイズなのにちゃんと映る! ミニチュアテレビ「TinyTV 2/Mini」のプロジェクトオーナーでAnyMind Japanの物流プラットフォームを軸にブランドの海外展開を支援するAnyLogi事業部の事業部長である久保さんとCAMPFIRE代表取締役 家入一真の様子を対談形式にてまとめました。

プロジェクトデータ

プロジェクト名:指先サイズなのにちゃんと映る! ミニチュアテレビ「TinyTV 2/Mini」 

募集期間:2023年2月22日~2023年3月31日(38日間) 
調達金額:5,825,245円 
支援者数:521人 

プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/652551 
プロジェクトオーナー:AnyMind Japan (HP:https://anymindgroup.com/ja/) 
アメリカで制作・開発されたユニークなデバイス“指先サイズなのにちゃんと映る! ミニチュアテレビ「TinyTV 2/Mini」。 

2020年に発売した初代のTinyTV組み立てキット「TinyTV DIYキット」が日本でも人気となり、「完成品も欲しい」という声を多くいただき、完成品としてのTinyTV2、そしてさらに小さくなった10円玉サイズのTinyTV Miniの制作が決定。 

海外と日本でテストマーケティング的にクラウドファンディングを活用し、その国の文化や習慣を考慮しつつ、商品の改善や販売経路の開拓に繋げ、日本市場デビューを成功させました。 

ユニークでありながら機能性に優れた商品の当プロジェクトは、目標金額30万円を達成した後も支援の勢いは止まらず、プロジェクトオーナーの予想を大きく上回り580万円を超える支援を獲得して終了。 

今回のCAMPFIREアワード2023「暮らしを豊かにした部門」大賞受賞に至ります。 

当対談ではCAMPFIRE代表取締役の家入一真と共に、クラウドファンディングに至った経緯からプロジェクトを通して得られたものについて、AnyMind Japan(以下、AnyMind)久保様にお話を伺いました。 
以下、対談形式にてお送りします。 
プロジェクトオーナー:AnyMind Japan 久保銘中さん(以下:久保さん) 
CAMPFIRE代表取締役:家入(敬称略) 

日本での販路拡大にむけて、AnyMindの挑戦。 

家入:この度はCAMPFIREクラウドファンディングアワード2023「暮らしを豊かにした部門」の大賞受賞おめでとうございます。 

まずはじめに、AnyMindさんについてお伺いしてもよろしいでしょうか。 

久保さん:ありがとうございます。弊社はシンガポールで創業し、アジア市場を中心に15ヵ国・地域に拠点を構えています。こうした各国でのネットワークや独自のプラットフォームを活用し、日本企業さんの海外展開や、アメリカを始め中国や韓国のといった海外企業さんの日本展開のご支援をさせていただいております。 

その中で海外での商品調査等を行っていたところ、とあるプラットフォームでアメリカのブランドであるTinyTVさんの商品を見つけました。 
ミニチュアテレビという日本ではなかなか販売されていないユニークな商品でしたので、こちらからTinyTVさんにお声がけさせていただき、独占販売支援パートナーとして販売させていただくことになりました。 

家入:実際に取り組むにあたって、AnyMindさんとTinyTVさんでは何を狙ってクラウドファンディングという手段を選ばれたのでしょうか。 

久保さんTinyTVさんはアメリカを中心とした英語圏では認知度が高かったのですが、言語や商流の壁でアジア市場に進出できていなかったんです。 

一方、我々はアジアでの商品マーケティングや物流ソリューションを得意としているので、これらを組み合わせて、アメリカの素敵な商品を日本で販売していこうという話になりました。 

家入:僕も今回、4つセットを支援させていただきました。 

子ども達が大喜びで、お気に入りのテレビを取り合ったり、食卓に置いて見たりしています。 

液晶が本当に綺麗で、内蔵の動画も種類が多くて見てて飽きないですよね。 
久保さん:そうなんです。この小さいデバイスの中であれだけのプログラムがありながら、作りもすごくしっかりとしているんですよね。 

普通、こういうサイズのデバイスって結構ボタン型の電池を使用することが多いんですけど、TinyTVはちゃんとType-Cで充電ができたり、ボリュームを調節できたり、ご自身が持っている動画を映したりできるのが特徴です。 

こういうユニークな商品っていうとメイドインチャイナがとても強い中で、TinyTVはデザインから設計、生産までをしっかりとアメリカ国内で一気通貫でできるっていうのが本当に強いところなのかなと思います。 

各国の需要を探る、クラウドファンディングという選択肢。 

*アメリカのクラウドファンディングサイト・indiegogoのプロジェクトページ 
引用:The TinyTV 2 and TinyTV Mini 

家入:今回、アメリカの製品を日本で販売するにあたり、様々な選択肢がある中でクラウドファンディングという手法を使った理由についてもお伺いできますか。 

久保さん:はい。実は海外ブランドにとって、クラウドファンディングは新たな市場進出のための実証プラットフォームとしてとても重要なんです。 

クラウドファンディングを通じて、言語や文化の違いを検証し、その国で刺さるかどうかを試す側面があるんですよね。 

ですので我々も、各国の色々なマーケットでクラウドファンディングにトライしました。 

そうしたところ、欧米圏と日本ではTinyTVがすごく受け入れられたんです。 

小さくて可愛いのでデバイスとしても置物としても、とても人気でした。 

ただ、中華圏の受け入れは欧米や日本に比べると、まだちょっと伸び代があるかなという結果になったんです。 

実は、中華圏の方々ってすごく目のケアを気にされるんですよね。 

近視だったり眼鏡をかけることが良いことではないので、PCなんかも近視にならないように気をつけたりするそうです。 

なので、この小さいデバイスで物を見るよりは、なるべく大きな画面で見たいというお客様からのフィードバックをいただきました。 

結果的にそれが分かったことで、今TinyTVさんと連携しながら新しいプロダクトの取り組みもさせていただいてます。 

家入:AnyMindさんがいろんな国で展開をサポートしているからこそ見えてくる部分だと思います。 

クラウドファンディングは、資金調達だけでなくブランディングをする際に、海外ではどのように受け入れられるのかを試すための手段ともなっているという感じなのですね。 

久保さん:そうですね。本当に文化や習慣の違いによって、全く同じプロダクトでも受け入れられ方が全然違うんですよね。 

逆に日本では、この“小型”というところがかなりの人気を得ていたので、今回のTinyTV2でもたくさんのご支援をいただくことができました。 

CAMPFIRE活用が日本市場デビューへの成功要因に 

家入:実際、テストマーケティング的にクラウドファンディングを行い、その後に商品開発をするというところで、意識していたことや気にされていたポイントなどはありますか。 

久保さん:はい。二つありまして、一つは元々CAMPFIREさんにすでにたくさんのユーザーさんがいらっしゃったこともあり、しっかりとそのユーザーさんの目に留まるような形でページ制作をするよう意識したことです。 

また、ローンチ前にSNS上での広告配信で情報発信を行っていたので、初日にある程度認知を獲得した上でクラウドファンディングをスタートすることができました。 

もう一つが、ご支援者様からいただいたコメントに対しても定期的な活動報告を行い、実際にどの商品が人気だったのかや、ご支援の実績に基づいて商品ページのアップデートなどを行ったことです。 

その後、CAMPFIREさんとビックカメラさんの共同企画を通じて定期的にビックカメラにて販売させていただけることになり、今回の取り組みによってオンライン上での認知はもちろんのこと、オフラインチャネルでの販路獲得ができたのが、クラウドファンディングを活用した想定以上のメリットなのかなと思います。引用:ビックカメラ・CAMPFIRE共同企画 ビックFIRE 

家入:CAMPFIREの理想的な形の使い方をしていただけたようでとても嬉しく思っています。 

リアルタイムにコメントを反映して改善していくところも含め、クラウドファンディングならではのやり方で利用していただき、ありがとうございます。 

久保さん:僕自身、学生時代にいろんなプロダクト開発を通して、どうしても資金調達が必要な時にクラウドファンディングを活用した経験はあったんです。 

しかし、TinyTVの販売においては活用の観点が全く異なっていたので、CAMPFIREさんの担当の方ともページの編集の仕方やクリエイティブの所見、販促メニューなどいろいろご相談させていただきました。 

また、その後に繋がったビックカメラさんとの取り組みやCAMPFIREさんでの実績を活用したことは、オフラインでの販売でかなりポジティブな影響がありました。 

家入:クラウドファンディングの実績が次に繋がったとのこと、とても嬉しいです。 

今回のクラウドファンディングでの成功要因は、どういうものがあったと考えていますか。 

久保さん:そうですね。我々はこのクラウドファンディングで成功を収めたというより、ようやく日本市場での販売のスタートラインに立てたと考えています。

いわゆる海外EC市場と比較した時に、今回ご支援いただいた金額が定量的に大きかったかどうかで判断すると、十分大きい金額でした。 

その要因としては、先ほどお伝えした通り事前のSNSでの反響が大きかったことと、商品に対して最初から自信を持って発信できたことですね。 

実は、取り組みを始める前にTinyTVさんから相当数のサンプルをいただいていたんです。 

そのサンプルを、我々の従業員や一定数のお客様に使っていただいて、アンケート結果やどういった点が刺さったのかなどをしっかりと調査しました。 

それをクラウドファンディングのクリエイティブや訴求ポイントに反映できたことが、今回日本市場での販売のスタートラインに立てた判断基準となる金額を達成した大きな要因だと思います。 

海外商品のユニークさ×CAMPFIREユーザーの相性 

家入:AnyMindさんが色々な商品の販路拡大に携わる中で、CAMPFIREはこういう商品だと相性が良さそうだな、と思われるところがあればお伺いできますか。

久保さん:そうですね、我々もすでにいくつかの商品をCAMPFIREさんとご一緒させていただいているんですけど、ユニークな商品は本当にCAMPFIREさんとの相性が良いなと思います。 

過去に実施したプロジェクトで、インドのブランドの「透明なプラスチックでできたマスク」も、とてもユニークな商品で目標支援金額を大幅に超えることができました。 

CAMPFIREさんのプラットフォームに集まる方々って、普段ECや実店舗ではあまり出会えないような、ユニーク性に富んだものが好きなのではないかと考えています。 

ですので、海外メーカーさんのユニークな商品と、そのユニークさを伝えるのが得意な我々と、ユニークな商品が好きなCAMPFIREユーザーさんの三つを掛け合わせると、かなり上手いサイクルが回るんじゃないかと思っています。 

家入:ありがとうございます。 

今回の商品の支援者コメントの欄やSNS上でも、「ユニークさに惹かれて」「とにかく可愛い!」「一目惚れしました」みたいなお声があったのも、そういう点を意識した発信の仕方がポイントだったのかなと思いました。 

クラウドファンディングを経て日本でのスタートラインに 

家入:最後に、今回クラウドファンディングを実施した上で、改めてご支援いただいた皆様や、メーカーの皆様にお伝えしたいことなどありますか。 

久保さん:はい。まずこのTinyTVが日本のマーケットでスタートラインに立てたのは、CAMPFIREでの皆様のご支援のおかげだと思っています。 

このようなユニークな商品を実際に買っていただくのって、新しいモノにトライしていただける方がいらっしゃるからこそなので、本当に感謝しています。 

また、今後もアジアのお客様にしっかりとTinyTVさんの商品の良さをお伝えすることと、TinyTVさんにお客様からのフィードバックをお伝えし、商品の改良を続けていただくことが我々のミッションだと思っています。 

家入:僕たちとしても海外から日本へ、またその逆でもクラウドファンディングの可能性は大いにあると思っています。 

AnyMindさんと、是非これからも一緒に取り組んでいけたらいいなと思います。 

久保さん:はい。私も1プロジェクトオーナーとしてかなり助けていただいたこともあったので、今回このような賞をいただけたことを非常に嬉しく思っています。 

今後もぜひ、積極的にCAMPFIREさんとご一緒させていただきたいと思っています。 

ありがとうございました。

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