そこで本記事では、クラウドファンディングのメリットとデメリットなどをわかりやすくご紹介し、成功に導く戦略について詳しく解説していきます。
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クラウドファンディングの起案者とは
クラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語であり、略して「クラファン」とも呼ばれます。クラウドファンディングの「起案者」とは、新しい商品開発やビジネス立ち上げから、社会問題の解決に繋がる社会奉仕プロジェクトの活動費用など、様々な資金調達手段として、クラウドファンディングのプロジェクトを起こす人のことです。
自身のアイデアや商品、サービスに賛同してくれる支援者から資金を集め、プロジェクトの実現を目指します。
一方で、クラウドファンディングでプロジェクトを応援する人、投資する人を「支援者」と呼びます。クラウドファンディングの形式によっては、支援者は「リターン」として、商品やサービスの受け取りが可能です。
ここでは、クラウドファンディングの「支援者」ではなく、「起案者」目線で、メリット・デメリットを解説します。

起案者向けクラウドファンディング10のメリット

メリット1.誰でも挑戦できる
クラウドファンディングは法人だけでなく個人でも挑戦でき、ビジネスにおけるプロジェクトだけでなく、個人的な目標実現でも資金調達が可能です。 自己資金の少ない起業家やアーティスト、学生団体などでも資金調達でき、銀行融資の審査など金銭面での困難があった方でもチャレンジできます。魅力的なアイデアや情熱のあるプロジェクトを支援者に訴求し、効果的な戦略を実施することで、夢の実現や事業拡大の可能性を得られます。
メリット2.不確実な事業でも資金調達できる可能性がある
達成したい目標があっても過去の実績や信頼、自己資金の不足、担保や保証人を確保できないなどで、融資を諦めた方もいるでしょう。クラウドファンディングでは、従来の金融機関や投資家から出資を得るのが困難であった、不確実な新規事業でも支援者が賛同すれば、資金調達できる可能性があります。従来の方法よりもスピード感を持った資金調達が可能で、事業計画が魅力的であれば、短期間での資金調達も期待できます。
メリット3.目標金額に上限がない
クラウドファンディングは、金融機関などからの融資とは異なり、目標金額に上限が設けられていません。目標金額を超えても募集期間内であれば、支援を継続して受けることができます。予想以上に資金調達できた場合でも、集まった支援金を確実に受け取れる点が、クラウドファンディングのメリットです。しかし、上限がないからといって、あまりにも高い目標金額を設定してしまうと、「達成できない、非現実的なプロジェクトなのでは?」と共感を得られず、資金調達が困難になる可能性があります。信頼や信ぴょう性を得るために、どの程度の資金が集まればプロジェクトが達成できるのかを計画した上で、目標金額を設定しましょう。
メリット4.方式によっては支援者への返済リスクがない
クラウドファンディングの募集方式には「All-or-Nothing方式」と「All-In方式」の2種類があります。「All-or-Nothing方式の場合、」の場合、目標金額が集まらなければプロジェクトは未達成となるため、支援金は受け取れません。しかし、「All-In方式」で募集した場合は、目標金額を達成しないまま終了しても支援金が受け取れ、集まった支援金に関わらずプロジェクトを実施することになります。
当然ですが、支援者に対しては「リターン」と呼ばれる、支援へのお返しが必要です。プロジェクトが確実に達成できると試算のある方や、製造が決まっている新商品のプロモーションをしたい方には、「All-In方式」のメリットは大きいでしょう。
メリット5.成功すると信用度が向上する
クラウドファンディングは、調達資金の総額や商品の購入者数が具体的に公表されるため、成功すると支援者や世間からの評価や信頼が高まります。社会的信用度が向上すると、収益拡大だけでなく新しいつながりも増え、さらに大きなプロジェクトや目標実現が期待できます。
特に「寄付型」のクラウドファンディングは、対価性のあるリターンがない分、低コストで迅速な資金調達が可能です。目標達成がしやすいだけでなく、被災地支援や調査研究活動など、社会貢献プロジェクトで多く利用されるため、社会的信用獲得につながりやすいでしょう。
メリット6.販売前に認知度拡大できる
クラウドファンディング実施により、プロジェクトや商品の販売前に、支援者だけでなく潜在的な顧客に向けて認知度拡大が期待できます。話題性が高いクラウドファンディングはより多くの方の目に留まりやすく、多数の会員を抱える専用プラットフォームを利用しサービスの認知を拡大できるため、資金調達と並行してサービスの宣伝が可能です。専用プラットフォームでプロジェクトを立ち上げるとWeb上に概要が掲載されるため、掲載料や広告料を負担することなくサービスを訴求できます。 また、支援者がSNSなどでプロジェクトページを共有・拡散することで、メディアや広告媒体に取り上げられやすくなるのも、メリットの一つです。
クラウドファンディングを実施すると、企業やブランドが世間に浸透し、販路拡大や収益向上につながるでしょう。
メリット7.ユーザーの反応が見れる(テストマーケティング)
クラウドファンディングは商品やサービス、プロジェクトをインターネットに公開するため、調達資金や賛同者数、SNSでどの程度拡散されているかなどユーザーの反応を確認でき、テストマーケティングとしても活用することができます。テストマーケティングとは、新商品を本格的に販売する前に限定的な場所で、少数の人数に対して試験的に販売する方法です。一般的なテストマーケティングでは調査会社や機関へのリサーチ費用や、数値の集計や分析費用などに多額の費用がかかります。
しかし、クラウドファンディングでは費用をかけずに、具体的な数値を透明性を持って確認できます。 さらに、プロジェクトが成功すれば、収益を得ながらのテストマーケティングが可能です。
メリット8.失敗しても原則手数料がかからない
クラウドファンディングの「All-or-Nothing方式」では、支援金を受け取る場合にのみ、手数料が発生します。つまり、失敗しても原則手数料はかかりません。しかし、「All-in方式」では、目標金額に到達せずプロジェクトが失敗しても、手数料がかかります。また、この方式にはプロジェクト遂行義務があり、支援者にリターンを送る必要があるため、損益がマイナスにならないよう事前に手数料を加味しながら計画を立てておくことが重要です。
メリット9.失敗から改善のヒントが得られる
クラウドファンディングが失敗しても、商品やサービス改善の貴重なヒントが得られます。支援者からのフィードバックや市場のトレンド情報が手に入るため、改善点や課題を見つけられるでしょう。プロジェクト実績を分析すると、次回のプロジェクトやビジネス展開に活かすべき点も見つけられます。 PDCAを回して仮説や検証をくり返せば、より良いプロジェクト、事業に発展させられる可能性があります。
メリット10.何度も挑戦できる
クラウドファンディングは、回数を重ね支援者が増えると社会的な評価や信頼、顧客の認知が高まるため、プロジェクトを有利に進めることが可能です。例えば、異なるプロジェクトであっても、1回目の支援者が再度支援してくれると一定数の初動を稼ぐことができます。また、新しいアイデアや改善点を取り入れ挑戦を繰り返すことで、成功の可能性を高めることができます。
クラウドファンディングは何度挑戦してもペナルティの対象とはならないため、積極的に取り組むべきでしょう。
起案者向けクラウドファンディング5つのデメリット
続いて、起案者向けのクラウドファンディングのデメリットを5つ紹介します。デメリット1.原則成功すると手数料がかかる
調達資金が振り込まれる際は、プラットフォーム運営会社に決済手数料を支払います。クラウドファンディングが成功すると原則手数料が発生します。事前に各プラットフォームの手数料を確認しておくことで必要以上の支出を防ぐことができます。なお資金調達の金額が大きいほど、手数料が高くなる傾向にあります。デメリット2.基本プロジェクト内容の変更や中止はできない
クラウドファンディングのプロジェクトの内容変更や中止は、プラットフォーム運営会社によって、原則禁止されています。掲載期間や、目標金額およびリターンに対応する購入金額の変更はできません。プロジェクトの内容を変更してしまうと、支援のタイミングによっては、不利益を被る支援者が発生する可能性があるからです。例えば、先着20名や限定商品販売など数量限定をアピールポイントとした場合、プロジェクトの変更により対応の違いが生じると、支援者の信用を失います。事前に計画を立てておくことや、プロジェクト進行中の計画の見直しを定期的に行うことが重要です。
デメリット3.All In方式では赤字になる可能性がある
クラウドファンディングには、「All-or-Nothing方式」と「All-In方式」の2種類の募集方式があります。「All-or-Nothing方式」では、目標金額まで資金を集められなかった場合、支援金を受け取れません。
一方、「All-In方式」の場合、目標金額に達していなくても、募集期間中に集まった支援金の全額を受け取ることができます。
そして、プロジェクトの進捗に応じ、現実的なリターン品の設定などを行う必要があります 。
「All-or-Nothing方式」と「All-In方式」の、特徴は以下のとおりです。
All-or-Nothing方式 | All-In方式 | |
概要 | 目標金額を達成したときのみプロジェクト成立となり、手数料を支払い、支援金を受け取り、リターンなどを実行する義務が生じる方式です。 | 目標金額に達していてもいなくても、1円以上(1人以上)でも支援があった場合はプロジェクト成立となり、手数料を支払い、支援金を受け取り、リターンなどを実行する義務が生じる方式です。 |
手数料発生タイミング | 目標金額を達成するとプロジェクト成立となり、手数料が発生します。 | 目標金額に達していてもいなくても、1円以上(1人以上)でも支援があった場合はプロジェクト成立となり、手数料が発生します。 |
デメリット4.SNSや広告などを駆使しないと成功が困難
クラウドファンディングの成功には、マーケティング施策が不可欠です。SNSや広告は企業のブランディングや情報発信に優れており、「バズ」と呼ばれる急激な拡散現象が起きることで、プロジェクトが爆発的に拡散されます。なお、SNSでバズを狙うには、X(旧Twitter)やInstagramなど、各種SNSの機能や特徴を熟知しなければなりません。また、Web広告配信では、ページを訪問したユーザーに継続して広告を表示させる「リターゲティング広告」の利用が有効です。
関心が高くないインターネットユーザーでも、リターゲティング広告により繰り返して訴求することで、プロジェクトを印象付けることができます。これらSNSの機能や、広告媒体の効果的な利用には、専門的な知識やスキルを習得する必要があり、駆使できなければクラウドファンディングの成功は困難でしょう。
デメリット5.アイデア盗用のリスクがある
クラウドファンディングは、インターネット上でプロジェクトの内容を誰もが閲覧可能であり、競合企業などにアイデアを盗用されるリスクがあります。資金調達している段階で、第三者が類似品を制作・販売する可能性があります。アイデア盗用の防止には、クラウドファンディングに掲載する前に、特許権や意匠権、商標権など産業財産権の出願を検討しましょう。
クラウドファンディングを成功させる5つの戦略

クラウドファンディングならではのイベントを開催する
通常のECサイトでは、ユーザーは実際に商品を確認できないため、受け取りの際にイメージしていた物と、実物が異なる場合があります。しかし、クラウドファンディングでは、募集期間中のイベント開催により、支援者が実物を手に取って、商品やサービスの利用・体験が可能です。イベントを開催する際は、ECサイトではできない演出をすると、効果的なマーケティングを実施できます。
まず、SNSなどでイベントやプロジェクトの内容を、支援者だけでなく、潜在的なターゲットに訴求しましょう。その後はイベントを開催し、集まった人々に直接プロジェクトの内容を説明し、支援者を募ります。
イベント会場内では、プロジェクトページのQRコード付きのチラシを、ハッシュタグとクラウドファンディングURLを掲載し投稿依頼をすると、新たな支援者の獲得に効果的です。
ユーザーニーズを汲み取ったリターンにする
「購入型」のクラウドファンディングでは、支援額に応じたリターンを用意します。支援者によっては、リターンの内容を吟味して購入する方もいるでしょう。そのため、リターンを決める際はプロジェクト内容に対して適切かどうか、支援したくなる内容かを分析しましょう。なお、SNSやアンケートを使用すれば効果的なユーザーニーズの収集が可能です。例えば、SNSでリターンへのフィードバックを収集することで、支援者のニーズを分析しやすくなります。また、定期的なアンケートを実施すれば、支援者が求めるリターンの内容を直接確認することができます。
固定客やリピーター獲得に向けた工夫をする
支援者が喜ぶようなリターンを提供すると、プロジェクトに好意的な印象を与えられるため、今後の活動への継続した出資が期待できます。起案者の考えや、プロジェクト内容に共感を得られれば、ビジネスの固定客にもなるでしょう。たとえば、飲食店のクラウドファンディングなら、フードやドリンクに使える回数券や、来店するほどお得になるクーポンなどをリターンに設定し、プロジェクトの初動から固定客獲得を狙うことができます。
商品購入やサービス利用に使えるリターンは、クラウドファンディング実施後の来店人数や売上額の予測を立てるのにも役立ちます。
一連のプロモーション戦略を立てる
クラウドファンディングを本格的に始める前に、プロジェクトを宣伝・広告する方法や段階ごとのスケジュールを細かく設定し、戦略を立てましょう。SNSやメールマガジンといったメディアを活用したプロモーションは、クラウドファンディングの内容やきっかけ、プロジェクト実現への思いを伝える重要な役割を担います。認知度の向上や新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客との信頼関係の構築などさまざまなメリットをもたらします。
プロジェクトに最適なプロモーション戦略を立てるには、クラウドファンディングの実施目的や目標を明確化したうえで、フェーズごとに伝えるべき内容を決めましょう。
たとえば、プロジェクト開始2週間前は、期待感を生むためのティーザー動画をYouTubeやInstagramなどに投稿し、1週間前にはプロジェクトの詳細を公開。クラウドファンディングの実施期間中は画像や動画を使ってこまめに進捗報告をするなど、段階的な戦略を立てるのがポイントです。
なお、CAMPFIREではプロモーション活動に役立つサポートサービスを無料・有料でそれぞれ提供しています。公式のクリエイティブパートナー会社に依頼すれば、集客施策やリターン設計などのアドバイスがもらえるので、ぜひ活用してみてください。
▼詳しい内容は以下から確認できます。
CAMPFIREサポートサービス
販路の開拓や拡大につなげる
クラウドファンディングを通して、これまでターゲット外だった業界やエリア、客層にもアプローチできます。結果、自社の商品やサービスを新たに利用してくれる顧客や取引先が増える「販路開拓」につながります。また、クラウドファンディング自体がブランディング・プロモーションの一部となります。そのため、既存顧客や取引先からの認知度・信頼度が向上し、売上げが伸びたり取引の規模が広がったりする「販路拡大」のチャンスも生まれるでしょう。
販路の開拓や拡大を目指すなら、知名度の高いクラウドファンディングサイトを選ぶのが大切です。CAMPFIREは日本最大級のクラウドファンディングサイトで、オールジャンルでご利用いただけるサイトです。
2024年現在の会員数は420万人を超え、これまで累計支援件数は9.9万件以上となっています。会員数が多く、いろんな人の目に留まるチャンスがあるCAMPFIREで、ぜひ掲載を検討してみてください。
▼CAMPFIREの詳細が知りたい方は、以下のリンクから資料をダウンロードできます。
https://camp-fire.jp/form/po-document-service
クラウドファンディング2つの事例と成功した理由
ここからは、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を活用したプロジェクトの成功事例を2つ紹介します。どちらも個人でクラウドファンディングに挑戦し、目標金額以上の支援が集まりました。初めてクラウドファンディングを始めるにあたって不安を感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。
未来の日本を担う子どもたちに科学の魅力を伝える

・支援者数:984人 ・目標金額:4,000,000円 ・支援総額:15,718,920円 ・実施期間:2024/07/26~2024/09/30(67日間) ・プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/764890/view子どもたちが科学を楽しみながら学べる場の提供と、科学教育の普及を目指し、YouTubeチャンネル「GENKI LAB」を運営する起案者の方が立ち上げたプロジェクトです。日本の未来を支える新たな人材育成を目的とした挑戦であり、社会的意義の高い取り組みである点が評価され、支援総額は大きなものとなりました。
プロジェクトページには、子どもたちに科学の楽しさが伝えられるよう、具体的なビジョンや教育活動の魅力が掲載されています。またリターンには科学実験キットなど、支援者が直接手に取って体験できる内容が含まれており、科学教育への関心を高められるような工夫がされており、プロジェクトの成功につながりました。
きょうだい児に贈る絵本を全国へ届けたい!

・支援者数:335人 ・目標金額:2,100,000円 ・支援総額:5,763,000円 ・実施期間:2024/08/18~2024/09/15(28日間) ・プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/780689/view全国約3,270か所の図書館に、きょうだい児のための絵本を届けることを趣旨とするプロジェクトです。障がいを持つ兄弟姉妹がいる「きょうだい児」に焦点を当てた絵本を通して、すべての子どもたちには尊重されるべき個性があり、特別な存在であると伝えたい。そんな子どもたちへの温かいメッセージに共感が生まれ、強いメッセージに共感が集まりました。
プロジェクトページでは、具体的なストーリーやターゲット層へのメッセージが明確にされており、共感が多数寄せられ、支援の輪が広がった点が評価されています。リターンとして、絵本自体だけでなく、親子で楽しめる参加型のイベントも企画されており、多面的に支援者に魅力が伝わっています。
まとめ
クラウドファンディングは法人だけでなく、個人でも資金調達可能であり、プロジェクトが賛同を得られると、夢や目標の実現に大きく近づきます。プロジェクト成功には、各種SNSや広告媒体の利用方法を知るだけでなく、支援者の期待に沿ったリターンを提供しなければなりません。クラウドファンディングの始め方がわからない方や、効果的な資金調達方法に不明点がある方は、クラウドファンディングの利用を検討してみてください。失敗したからといっても諦める必要はなく、何度でも挑戦して成功できるように頑張りましょう!
クラウドファンディングのやり方に迷ったら...
