プロジェクトデータ
プロジェクト名:世界一うまい米の郷・奥川消滅の危機!越後会津ブランドで復活に懸ける若者たちの挑戦 募集期間:2023年11月3日~2023年12月30日(57日間) 調達金額:1,773,000円 支援者数:128人 プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/694169 プロジェクトオーナー:奥川地域づくり協議会 長谷川幸志さん(西会津町地域おこし協力隊)@okugawa_chiiki(Instagram)
以下、インタビュー形式にてお送りします。
プロジェクトオーナー:長谷川さん
CAMPFIREモデレーター:佐藤(敬称略)
ひとづくり・まちづくりの興味から西会津へ
佐藤:本日はお時間ありがとうございます。まずはじめに、自己紹介と併せて協力隊になったきっかけと活動内容ついてお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。長谷川さん:前職は、教育系のNPOで、福島県の浜通りの方で活動をしておりました。元々、教育分野で活動していて、ひとづくりとその地域づくりにすごく興味があり、活動をしていたのですが、西会津町にNext Commons labと言う、起業家育成のプラットフォームがあるんです。そこが西会津で拠点を立ち上げる段階で、起業家支援のコーディネーターを募集していて、私もそのコーディネーターとしてまず西会津に関わることになりました。1年ほど従事したタイミングで、当時の西会津町の教育長がICT教育を推進されていて、また西会津町が独自で取り組んでいたアントレプレナーシップ教育の指導者を探されていたという事があって、同地域おこし協力隊の職務を変える形で現在、地域おこし協力隊としてICT教育推進や地域協働学習支援活動をしています。
「奥川に関わる人が少しでも増えること」を考えてクラウドファンディングを選んだ
佐藤:ありがとうございます。長谷川さんは、ICT教育推進が活動内容ということで今回のプロジェクトは協力隊の活動とは別の内容になるのでしょうか?今回のプロジェクト実施の経緯とクラウドファンディングをしようと思ったきっかけについて教えてください。
長谷川さん:この活動自体は、私が西会津町の奥川っていう山奥の集落で84歳のおばあちゃんのお宅で下宿させてもらっていまして、集落の方とコミュニケーション取る中で、地域内外の大学生や社会人の方を呼んで農業体験を企画したら、それがおもしろいと地域外の方から言われるようになりました。また、集落の方から自分たちが作っているお米をもっとブランディングしたり一緒にできないかっていうご相談を受けて、当時一緒に活動していた地元の方や地域外から奥川に通ってくださっていた社会人・大学生の皆さんを巻き込みながら、一緒に活動を広げて今回のプロジェクトを起こすまでに至ります。
クラウドファンディングのきっかけとしては、資金調達をしようっていう時に、銀行に融資を受けるとかも含めて検討はしたのですが、越後会津の奥川米として売り出すにあたって、資金と同時に仲間も集められたらいいよねっという考えが出て、そうしたらやっぱり最良の選択はクラウドファンディングだろうと。どちらかというと、仲間集め、新たなご縁の可能性を考えてクラウドファンディングを選んだっていう感じですね。
基本的に協力隊とは別の活動内容なので、クラウドファンディングの活動は主に休日を利用して行なっていましたが、自分自身が集落に住んでいるので、そんなに仕事とプライベートを分けた活動という感じではありませんでした。
支援の起爆剤となったリターンの仕掛け
佐藤:仲間やファンを増やすということを考えた結果クラウドファンディングをされることになったのですね。プロジェクトを始める際には、何か気をつけられた事はありますか?長谷川さん:プロジェクトをAll or Nothing(目標金額に達成しない場合、プロジェクトは実施されず支援金は支援者に返金される)形式で実施したのですが、支援者側からすると支援しても実施されない可能性があって支援しづらいのではないかっという話が出て、プロジェクト中盤では多くの方に支援をお願いしながら、プロジェクト成功を目指しました。1口50万円の田んぼのオーナー権のリターンを用意したのですが、思いを持ってご支援してくださる方がいらっしゃって、こういった様々な支援もあって、ちゃんと美味しいお米が届くんだなという信頼につながり、更なる支援者増加に繋がったのではないかと思っています。その後、支援が大きく伸びました。
イベント参加やラジオ出演、新聞取材など地域内外への積極的広報!
佐藤:我々もリターンは、シーンや金額など幅広くご用意することをお勧めしています。老若男女、色々な方のニーズにハマるリターンのご用意ができていたのですね。クラウドファンディング中は周知やPRのためにどんな活動をされたのでしょうか?長谷川さん:CAMPFIREのキュレーターさんから色々アドバイスを頂いて、ほぼアドバイス通りにやっていました。毎日、クラウドファンディング協力者の皆さんと一緒に支援状況やリターンの紹介の投稿をしたり、応援動画を配信したり、知人に個々にメッセージを送ったりと、コツコツ毎日やっていましたね。
地域のまちづくりされている方々とのトークイベントにも参加させていただき、そこでも周知させていただきました。
またCAMPFIREのプレスリリース配信機能でプレスリリースを出したのと、自身でも新聞社に掲載依頼を出しました。ラジオにも出演させていただいて、協力隊の活動と今やっているクラウドファンディングの活動の取り組みをお話しさせてもらったり、新聞社に取材を受けて実際に記事にしていただいたりもしました。
クラウドファンディングをした事で集落全体がチームになれた
佐藤:とても活動的にされていたのですね。イベントなどで不特定多数の方に周知できるのはとても良い機会ですよね。実際に128人という多くのご支援をいただいたと思いますがクラウドファンディング実施された結果、気づきや影響はありましたか?長谷川さん:そうですね、クラウドファンディングをやって1番良かったなと思うのは、通常だと事業をする際に、自分のやっている活動を知ってもらうとか、これまで知ってもらっていなかった人にリーチするみたいな事ってすごく難しいと思うんです。ただ、クラウドファンディングを使うと、CAMPFIREさんやHIOKOSHIさんの顧客に対してリーチができたり、集落の方々がこの奥川で若者が頑張っているのをみんなで一緒に応援しよう!という結束力が強まったり、仲間意識が高まるみたいなところも、相乗効果としてありました。クラウドファンディングは、チーム作りや地域内外への広報活動としては、すごく効果的だったなと実感しています。
目指すは”越後会津ブランド”の確立
佐藤:新しいファンや仲間をつくる事ができるというのはクラウドファンディングの魅力の一つかと思いますが、実際に狙い通りの効果があったんですね!今回のプロジェクトは、“越後会津地域ブランド”の第一弾という事でしたが今後の活動や展開はどんな事をお考えなのでしょうか?
長谷川さん:私自身は、クラウドファンディングが達成したのは、スタート地点でしかないと思っています。当面はご支援してくださった方に丁寧にリターンをお渡しするっていう事にはなりますが、今後の活動としては、越後会津奥川米を通じて、西会津町の奥川地域の魅力を多くの皆さんに知ってもらえたら嬉しいです。もっと発展させるために、地元の地域団体である、奥川地域づくり協議会の皆さんと協力をしながら、ECサイトやSNSを中心にお米の販売、奥川地域の情報発信をしていければと思います。
また「奥川お米ナイト」と称して、世界一の奥川米で世界一の卵かけご飯をつくり、食や農、まちづくりについて語らうイベントを実施していまして、そのイベントは継続的にやっていきたいと思っています。
まずは相談だけでも、チャレンジは大きく進む!
佐藤:「世界一の卵かけごはん」パワーワードですね!好きな方も多いと思いますのでそういったイベントから奥川ファンを増やせるのも良いですね。ECサイトなどの展開も楽しみです!最後に、クラウドファンディングを検討している方、地域おこし協力隊の方に一言お願いします。
長谷川さん:本当に気軽に挑戦できるのがクラウドファンディングの仕組みじゃないかなと思うので、何か想いを持って取り組んでいることがある人は、資金調達が難しいなとか、補助金や助成金を取るのが難しいなっていう時に、とりあえず、クラウドファンディング事業者に相談してみるということをやってみてほしいですね。何か一歩でもチャレンジが大きく進むんじゃないかなと思うので、ぜひ行動してみてほしいです。
佐藤:ありがとうございます。お考えになっていることでクラウドファンディングができるのか、というところからで問題ないのでぜひ相談してほしいですね!
実施者ならではのご経験談ありがとうございました!