北海道上川町に「まちを照らす灯台」を! 地域おこし協力隊OBが挑む 自分たちらしいエリアリノベーション

ご自身で1度、会社を起業されて再度、過去2回のクラウドファンディングに成功されている絹張さん。 「地域おこし協力隊クラウドファンディングアワード2023」空き家活用部門賞ならびに 「CAMPFIREクラウドファンディングアワード2023」カテゴリ大賞をW受賞されたプロジェクトの起案に至った経緯や、クラウドファンディングだからこそ得られた体験談をお伺いしました。

プロジェクトデータ 

プロジェクト名:北海道上川町に関わってほしい!まちを照らす灯台となる泊まれる複合施設をつくる!
募集期間:2023年10月25日~2023年11月30日(37日間) 
調達金額:3,701,023円
支援者数:247人
プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/710078
プロジェクトオーナー:(株)Earth Friends Camp  代表取締役 絹張蝦夷丸さん(上川町地域おこし協力隊OB) @EFC_Hokkaido(Twitter)


 以下、インタビュー形式にてお送りします。 
プロジェクトオーナー:絹張さん 
CAMPFIREモデレーター:佐藤(敬称略)

友人の起業をきっかけに、上川町第一期の地域おこし協力隊に

佐藤:本日はお時間ありがとうございます。まずはじめに、自己紹介と併せて協力隊になったきっかけと活動内容ついてお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。 

絹張さん:はい。2019年に上川町の地域おこし協力隊として移住してきたのですけど、その前年の2018年に、上川町の層雲峡温泉という温泉街の中で層雲峡ホステルという宿を始めた志水という友人がいまして、よくその宿に遊びに行ったりしていた時に上川町で地域おこし協力隊の募集が始まるというのを教えてもらって、僕は元々カフェを開業したいって思っていたのですが、カフェを開業したい人向けのフードプロデューサーっていう枠があって、そこで応募して移住してきたのがきっかけです。

活動内容は、協力隊の募集と合わせて上川町に新しいカフェ併設の公共施設ができたのですが、そこのカフェの立ち上げと運営の業務っていうのがメインでした。僕が来た時は、フードプロデューサーが僕しかいなかったので、カフェを作るところを実際にやらせてもらえて、カフェのメニュー決めたりとか、必要な備品揃えたり、オペレーション作ったり本当に立ち上げ業務でした。

佐藤:その後、1回目のクラウドファンディングに挑戦されるのですよね。

絹張さんそうですね。カフェのクラウドファンディングをやったのが2022年です。協力隊の任期が終わる前に1回目のクラウドファンディングをやりました。

https://camp-fire.jp/projects/view/589309

コロナをきっかけに地域全体の未来を考えるように


佐藤ありがとうございます。今回はダブル受賞されたプロジェクトを中心にお伺いしますが、今回のプロジェクト実施の経緯とクラウドファンディングをしようと思ったきっかけについて教えてください。

絹張さんEarth Friends Camp(以下、EFC)という会社で今回のANSHINDOのプロジェクトを実施したのですが、 EFCという会社自体が、先ほどお話しした層雲峡ホステルを開業した志水と立ち上げた会社になります。 上川町に移住して、実際に自分がコーヒー店を開業した先に、 お店だけやっていても行き詰まるなっていうのが感覚として見えてきた時に、ちょうどコロナも重なり、地域全体のことを考えて、何かアクションを起こさないといけないよねっていうことで、まちづくりに関わる組織を作りました。

会社設立後は「交流&コワーキングスペースPORTO(以下ポルト)」の運営を主体に、まちづくりの事業に取り組んできました。その結果、町内外から利用者が集まり、新しい飲食店が増え、町に良い変化が起き始めているなと感じた時、これからもっと面白くなっていく市街地に、観光客が来てくれるような流れを作りたいと思ったんです。

上川町は観光の町ですが、市街地と観光地は20km離れており、観光客が市街地を訪れる機会が少ないという課題がありました。ただ、市街地に来る理由さえ作れば、観光客の方がもっと市街地を使ってくれるんじゃないかと思っていた時に、ずっと僕が外観が可愛くていいなと思っていた建物が売りに出ていて、何かすぐに始められるわけじゃないけど、自分たちでとりあえず持っておこうと今回のプロジェクトの舞台となる物件を購入しました。

同時期に長野県の諏訪でエリアリノベーションをされている(株)ReBuilding Center JAPANの存在を知って、自分たちがやっている事ってエリアリノベーションなのかもと思い、代表の東野さんのアドバイスを得て、具体的なプランを練り始めました。国の補助金も申請し通ったことで、クラウドファンディングを実施することになりました。

公開初日の9時間生配信で地域の皆さんがプロジェクトを「自分事」にしてくれた

佐藤:すごくストーリーがあって興味深いお話ですね。会社の立ち上げやその取り組みは、他の自治体でもとても参考になるのではないでしょうか。
続いてクラウドファンディングの企画から実施中の活動についてお伺いしたいのですが、特にプロジェクト実施中は積極的に発信をされていましたよね?

絹張さんはい。まず企画自体は、複合施設を作る専門家のアドバイザーさんとクラウドファンディングの伴走支援をしてくれるパートナー企業と我々の3社で打ち合わせをして、プロジェクトページの内容は自分が作成、画像制作は会社のメンバーが行いました。

専門家の方から「スタートダッシュが大切だから初日に絶対何かやったほうがいい、出来るだけプロジェクトに関わっている町民の方をゲストにして」というアドバイスがあったので、町民の方々をゲストに迎えて生配信を初日にする事になったんですけど、まさか!というくらいたくさんの方が登壇してくれまして。時間がどんどん伸びてしまった結果、9時間の生配信になりました。

佐藤9時間はすごいですよね!効果は感じられましたか? 

絹張さん9時間ということでタイムパフォーマンスは悪かったかも知れないですが、町民の方々にプロジェクトの存在を知ってもらうことができたというのは実感しました。ゲストで呼んだ方々が自分が関わったからという事で、自身のネットワークでプロジェクトを広めてくれたと思いますし、配信や噂を聞きつけた町民の方数名から、クラウドファンディングのやり方分からないからという事で直接的な支援をいただいたりして驚くことがありました。

今回の工事を依頼している建設会社の社長にもご登壇いただきました。実は出会った頃から、ザ・建設会社の社長といった風貌に恐れを感じる事もあったのですが、登壇も快く引き受けて下さり、その場で一番高額の支援をいただいて、今では一緒に飲みに行くほど仲良くさせてもらっています。

あとは狂ったようにsnsやるっていうこと意識してやりました。その際に僕個人で言うと2年連続でクラウドファンディングなんですけど、出来るだけEFCという組織で挑戦しているもの、地域の皆さんと街の未来を作っていくためのプロジェクトです、という形で伝えるように意識してやっていました。

リターンは支援してくれる人の顔を思い浮かべて考える


佐藤すごく素敵なお話ですね。今回のクラウドファンディングを実施されて何か気づきはありましたか? 

絹張さんそうですね。クラウドファンディングってネットを使うものですが、結局リアルな人間関係から広まっていくのだなと改めて気づきました。snsで情報発信していても、見ず知らずの人が支援することって、多分そんなに多くなくて。人伝で、友達の友達みたいな人が共感して支援してくれているのだなと感じて、1人1人に向けて自分たちの想いをいかに伝えられるかという事が大切なのだなと思いました。ネットにただ投げているだけでは絶対に支援って集まらないなと。

それで、町民の方向けに雪かきのリターンを追加したんです。我々が運営している交流スペースを利用してくれるおじいちゃん方が雪かきのリターンを支援してくれました。リターンも顔を思い浮かべられる人に向けて作らないといけないし、支援してくれる人が自分用(自分が支援するのはこれ)だなって思ってもらえるものでないと支援は集まらないのだなっていうのは気づきましたね。

EFCが仕掛ける上川町のエリアリノベーションは友達作り


藤:実施者ならではのご意見ありがとうございます。絹張さんの気づきが、今後クラウドファンディングに携わる方々にとって貴重な教訓となり得ると感じました。

今回のプロジェクトの舞台、ANSHINDOですが、今後のオープンや活動展開について教えていただいても良いでしょうか。

絹張さんANSHINDOのコンセプトが「町を照らす灯台」で、上川町は魅力がない町じゃなくて、元々ある魅力に光が当たってないところが多いだけなのじゃないかと思っていて。僕たちが灯台を作って、街の魅力や人を照らし出して、上川町での滞在とか、上川町での暮らしが楽しくなっていくといいよね、みたいなことをやろうとしています。

市街地をたくさん歩いてもらいたいので、 町歩きマップを作って、面白い場所とか、人とかを紹介する、街歩きのイベントをやったり、シェアオフィスもあるので、ワーケーションで滞在できる施設にしています。ワーケーションのプログラムも今作っていて、地域のリアルな暮らしを体験できるように、朝と夜に「雪かき」というプログラムが毎日入っているんですよね。雪かきすると得られる報酬があって、町の人を紹介してもらえたり、町のお爺さんがやっているレザークラフトのワークショップに参加できるとか、「地域の人と絡みを持つための報酬がもらえる」みたいなちょっと変わったプログラムもオープンしてからはやっていきたいですね。

ANSHINDO自体には泊まれる部屋が4つしかないのですが、市街地をたくさん歩いてもらいたいから、1箇所にたくさんの人を泊めるんじゃなくて、泊まれる場所を点在させるというのを考えています。ANSHINDOから歩いて2、3分のところに事業承継で民宿を引き継いでいて、多分今後もこういった施設が出てくると思うので、そういった施設をまた引き継いで、「まずはANSHINDOでチェックインして、民宿に分散して泊まってもらい、市街地の飲食店とかを使ってもらう」みたいな事を考えています。

ANSHINDOのオープン時(2024年6月22日予定)は、上川町のイベント「ローカルスタートアップサミット」と絡めていて、町の飲食店も含めて色々な会場でいろんなイベントが実施されるのですが、ANSHINDOも会場の一つになる予定です。僕らは「ローカルキャリアサミット」というのを企画していて、僕らみたいな移住者、地域おこし協力隊や若者の地域でのキャリア形成についてイベントが出来たらと考えています。

佐藤まさにエリアリノベーションをされているという感じですね!

絹張さん:そうですね。でも僕の感覚としては、友達作りしている感じなんですよね。

来てくれた人が街の人たちと関わって仲良くなって友達になったら、1回の観光で終わらないで、また遊びに来てくれるんですよ。また来てくれたら、もっと仲良くなって思い出が増えるっていう感じですね。

自分の挑戦を表に出すことで共感や応援と出会える

佐藤:まちづくりは友達づくりなんですね!聞いているだけでワクワクします!

最後に、クラウドファンディングを検討されている方、地域おこし協力隊の方に一言お願いします。


絹張さんまずはもうやってみるっていうことですね。もうこれに尽きるなって思います。不安だと思います。上手くいくかなとか、クラウドファンディングやることで、周りの人にどんな風に思われるかとか、多分いろんなこと考えて踏み切れなかったりする人もいると思うんですけど、僕が初めてクラウドファンディングやる時も、やりたくないなって思いながらやっていたので(笑)

その気持ちもすごく良く分かるのですが、自分がやっている挑戦をこう表に出すことで、やらないと出会えない人たちがいたりとか、やったことでより仲が深まる人たちがいて、必ず共感してくれる人たちとか、応援してくれる人たちが絶対に見つかるので、まずはやってみるっていうことがすごく大事だなって思います。
クラウドファンディングを自分たちだけで作ろうとしないことですね。いろんな人に公開前に見てもらうとか経験ある人とかにいっぱい相談して、作った方がいいなって思います。

協力隊の方は、使うタイミングが結構大事かなって思います。環境によるので一概には言えないですけど、個人でのクラウドファンディング挑戦は、 卒業とか、自分が事業立ち上げるタイミングでできると良いのかなと思います。

佐藤:共感や応援が見つかるというのは心強いですよね。実施者ならではのご経験談ありがとうございました!6月のANSHINDOオープンが楽しみですね。

「絹張さんのように、夢を実現したい!」とお考えの方へ

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