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井口智明さんのプロジェクト
ゲストとインタビューアーの紹介
株式会社ディアローグホールディングス 代表取締役
井口 智明
株式会社ディアローグホールディングスの代表取締役。美容、保育、福祉など広範な事業を展開し、人気番組「令和の虎」への出演でも知られる。現在は、故郷である長野県の「木曽駒森林公園」を拠点に、税金に頼らず自然を守り「不満ゼロ」の公園を作るプロジェクトに邁進中。地元活性化や障がい者支援にも尽力している。
| 井口智明の裏話(YouTube) | |
| 井口智明の木曽山人チャンネル(YouTube) | |
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株式会社CAMPFIRE 代表取締役
中島 真
アクセンチュア、ディー・エヌ・エー、リブセンス取締役などを経て、2018年3月CAMPFIRE取締役に就任し、2024年11月代表取締役CEO就任。ギフティ社外取締役、Inspire High社外取締役、社会変革推進財団理事等。
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木曽から東京へ・井口さんのキャリア形成
——まず自己紹介をお願いします。
井口智明さん:長野県木曽郡で生まれ育ち、高校までそこにいました。大学は福井に行って、就職で東京に来ました。最初はゼネコンにいて、その後横浜市役所に入って、その後独立して今に至ります。地元の木曽は過疎化がかなり進んでいるので、地方創生を視野に入れながらビジネスをやっているそんな感じです。
——手がけられている事業もたくさんありますが、キャリアとして一貫しているものはありますか?
井口智明さん:とにかく、不況に強いビジネスと不況に弱いビジネス、円高に強いビジネスと円安に強いビジネス、なるべく対極のビジネスをやるように心がけています。世の中の流れによって会社が急に傾かないように。コロナになった時に強いビジネスとどうにもならないビジネスをやっていたことで、なんとか普通に生き延びてこれたので。
——いつごろからそういう考え方になったんですか?
井口智明さん:元々、美容院と設計事務所から始めたんですが、世の中の状況の変化によって急激に売上が変わることを経験して。美容院って、目の前の道路が工事中なだけで売上が落ちるんですよ。雨が多かったら売上が落ちるとか。「これはさすがにやばい」と思って、なるべく事業の幅を広げるようにしていたらそういう考え方になりました。
子供の頃から「起業する」と決めていた
——公務員から美容院というのも、対極へのチャレンジだったんですか?
井口智明さん:設計事務所と美容院は同時に始めているんです。設計事務所は公務員時代の仕事の延長なのでそれはやろうと思っていたんですが、設計事務所って1つのプロジェクトが2〜3年になったりする。入金が3年後とかで、起業にあまり向いていない。じゃあ日銭の入る事業をやろうと思って美容院になったんです。
——起業することは、公務員をやめる時点で決めていたんですか?
井口智明さん:起業することはもう、うちの親もおじいちゃんも全員経営者なので、そもそもサラリーマンになるという選択肢の方がなかったんですよ。普通の人が普通に会社に就職するように、私は普通に起業したというイメージで、子供の頃からずっと決めていました。
——そうなるとゼネコンや公務員というキャリアは、むしろ親族の中では異質だったんでしょうか?
井口智明さん:そんなこともなくて、起業することは決まっていて、20代のうちに起業しようと思っていました。その中のキャリア形成として、まず一部上場企業を体験しようというのは確実にありました。しかも私は福井と長野だったので東京に行きたかった。東京の一部上場企業に入りたくてゼネコンに入ったんです。そのゼネコンで気づいたのが、「法律を知らないと何のビジネスもできない」ということで、法律を勉強するために公務員になって、その後独立したという感じです。
「居心地が良すぎた」公務員生活——昇進試験落選が背中を押す
——ネットの情報では、昇進試験に落ちたのがきっかけとありましたが。
井口智明さん:そうです。ただそれはきっかけで、どうであれ起業するとは決めていたし、「ちょうどいいタイミングかな」という感じでした。公務員の居心地が良すぎてちょっと遅れてしまっていたんですが(笑)。
——起業して、最初は何もわからないことだらけでは?
井口智明さん:まだホームページもない時代だったので、全部手探りでしたね。私は今ちょうど51歳なんですが、今の若い経営者はネットで調べれば全部出てきますよね。私の時はやってみないとわからないことだらけで、大変でした。
——それでも美容院を立ち上げる原動力は何だったんですか?
井口智明さん:逆に言うと、ホームページがない時代にホームページを作って、多分うちの美容院が全国で初めてネットから予約できるようになった美容院なんですよ。チャンスがあると思って美容院に入ったんですが、今よりもビジネスを当てるのは簡単だったかもしれないですね。当時はすぐ真似されることもなかったですし。
物件を借りるところからの死闘——3ヶ月で軌道に乗せる
——実際に立ち上げて、手応えをつかんだのはいつごろですか?
井口智明さん:まず美容院の物件を借りるのがこんなに難しいんだ、と。これから開業します、という人にはなかなかいい場所を貸してくれないんですよ。オーナーさんのところに何回頼みに行ったかわからないくらい頼みに行って、そこから始まりました。ただ始まってからは、ホームページを作ったのでネットからの集客が予想通りできて、そこからは意外とスムーズに流れましたね。3ヶ月くらいで軌道に乗りました。最初の2ヶ月は友人・知人を500人以上呼びました。最初から独立すると決めていたので、知り合いをたくさん作ろうという動きは最初からしていたんです。
「お客様は最後」——社員・業者を最優先にする経営哲学
——社員との向き合い方で一番大事にされていることは?
井口智明さん:うちの会社は、お客様・業者さん・社員という優先順位でいくと、絶対に社員が一番です。次に業者さん、最後にお客様。お客様はどうでもいい、というのがうちの考え方で、クレームも受け付けません。
——その考え方はどこから来ているんですか?
井口智明さん:親がそういう考え方でうまくいっていたので真似しました。社員がしっかり残ってくれているから会社経営もスムーズに行っている。社員と業者さんがいれば、いい商品やいいサービスを作ればお客さんは自然と集まるというのが、経営哲学として生きていますね。
美容師・保育士・一級建築士——現場に入って初めて指示できる
——美容師や保育士、狩猟免許など、資格を多数取得されていますね。
井口智明さん:美容師さんたちに指示するには美容師の資格がある方がいい。保育士も実際に資格を取って現場に入るんです。入ることによって、「あと2人必要」と言われても「俺ができるんだからこの人数で回せる」と言える。自分で入って自分でやると、誰もあまり文句を言えない。それによって適正な人数が確保されて、保育士たちの給料も上がっていく仕組みができる。最初は自分で資格を取って現場に入り、その後指示できるようにするというスタイルはずっと変わっていません。
10個試して数字で撤退を決める——新規事業の作り方
——新規事業の考え方はありますか?
井口智明さん:1つは地元の木曽を絡めた事業。もう1つ、新規をやる時の基本的な考え方は「社員が50歳になった時に年収800万円を超えられるビジネスしかやらない」ということです。だんだん給料が上がっていくビジネスしかやらないようにしています。
——今まで手がけた事業はどれも成功している印象があります。
井口智明さん:やり方としては、何でもかんでもひとまずやるんですよ。その中で「行けそうだ」と思ったものをしっかりやっているので、成功しているように見えるということで。1年間に10個くらいはあります。やる時に撤退の数字を決めてあるので、その数字を達成しなかったら潔くやめる。それだけです。
故郷・木曽がなくなっていく——YouTubeに出た本当の理由
——故郷への思い入れは年々増していったんですか?
井口智明さん:年々ですね。私が高校生の頃、地元には3つの高校があって1校に8クラスくらいあったのが、統合されて2クラスくらいになってしまった。去年、木曽町で生まれた子供の数は確か30人くらい。人口も昔は2万数千人いたのに、ついに9,600人くらいになってしまった。過疎化が3分の1くらいまで進んで、道路も直らない、水道管もそこら中で破裂しているような状況で。小学校もどんどん統合されていますし、このままだとなくなると、目の当たりにしてきました。
——地元がなくなってしまうという危機感が大きかったのでしょうか?
井口智明さん:そうですね、危機感というよりも、自分の故郷がこのまま行くともうなくなってしまうという寂しさがあって。じゃあ自分が何かできることはないかと考えた時に、それがYouTubeだったんです。
結局、私の普段の事業にYouTubeやメディアに出ることがプラスに動くことはほとんどないんですよ。普通にプロポーザルに出て仕事を取ってくるスタイルなので、何もプラスにならない。それでも木曽を発展させるには有名になるしかない、知ってもらうしかないということで、YouTubeに出たのがきっかけです。迷いはしなかったですね。それ以外に方法がなかったので。
税金を使わない地方創生——20年越しに証明した「指定管理」の可能性
——木曽での最初のプロジェクトはどんなものでしたか?
井口智明さん:12年ほど前に、障がい者のグループホームと就労継続支援B型の施設を作ったのが始まりです。その後、昔スキー場だった土地が倒産して水工場になり、その水工場も倒産してしまった。地元の何百人、何千人という方々が持つ土地と建物が焦げ付いた財産になってしまって、「誰か買い取ってくれないか」というところから公園プロジェクトが生まれました。外資系の企業が買い取ろうとしていたんですが、地元の方々が嫌がって、それで私が代わりに買い取ったという経緯があります。
——プロジェクトで「税金に頼らない」というメッセージが印象的でした。
井口智明さん:2つ目の公園は、木曽町が所有する施設で、これまでは指定管理という制度で年間何百万円もの税金を使って管理を委託していた。でも普通に集客できれば、その税金を浮かせられるはずなんです。だから「指定管理のお金はいらない、その場所で経営させてくれれば」という形にしたのがあの計画でした。
実はこれ、横浜市役所にいた頃からずっと思っていたことなんです。「なんでこれを指定管理で出すんだろう、一般財産として貸付契約に出せば絶対借りる人がいるのに」と。家賃を激安にして優秀な経営者に任せれば初期投資ゼロで利益が出るはずなのに、指定管理という制度の制約の中ではうまくいかない。それをやっとできるようになったのが今回のプロジェクトですが、なんと20年かかりました。ポッと出の業者にはそう簡単に指定管理は取らせてもらえないんです。木曽で12年経営して、やっと土俵に乗れるという。
——CAMPFIREでプロジェクトを出した狙いはどこにありましたか?
井口智明さん:CAMPFIREという多くの人が見てくれる媒体を通して、「指定管理を工夫したら税金が浮く施設がある」ということをまず知ってもらいたかった。私1人でも3年間で3,000万円くらい浮かせられるなら、世の中の人みんながそれをやったら若者たちの税金がもう少し下がるんじゃないかという思いを込めて出しました。
実際に「税金を使わない」というところが結構響いたんじゃないかと思います。皆さん税金が高い、消費税も下げられないと感じている中で、こういうやり方をしたら税金が下がるかもしれないという希望みたいなところで広がったんじゃないかな、と。予想以上に、私のコミュニティ以外の方々からもたくさん支援をいただいて、正直びっくりしました。
——クラウドファンディングで支援を集めるうえで、特に意識したポイントはありましたか?
井口智明さん:まず思いをいかに分かりやすく伝えるか。指定管理の話ってめちゃくちゃ難しくなってしまうので、それを動画にして文章にまとめました。そしてリターン設計。知名度だけでは全く売れないんです。思いとリターン設計、これが本当に大事です。
それともう1つ、私自身が汗水垂らして動くことをかなり意識しました。お金をもらってプロジェクト本人がヘラヘラ遊んでいるようでは納得いただけない。私が1番苦労しているからこそ、みなさんにお金を出していただける。そこを意識してリターン設計を組みましたね。
8年の研究から生まれた「ikue」——美容師の手荒れを救うシャンプー
——水工場の跡地からシャンプーへ、という発想はどこから来たんですか?
井口智明さん:地方創生をずっと見てきて、観光・飲食・お土産というのは時代の流れによってすごく左右されるし、雇用もそこまで生まれない。商品や製品を作れないかと考えた時、ここの強みはやっぱり水だったので、水を使う「使うもの」を考えた。美容院も経営していたのでシャンプーが出てきた。しかも工場を作ってもし在庫が余っても、自分の美容院で消費できるという計算もありました。
——開発に8年をかけたのはなぜですか?
井口智明さん:最初のきっかけは、美容師さんの手荒れです。原因を突き詰めていくと、サロンシャンプーは品質が高いのに、界面活性剤が強すぎて手の油分まで全部取ってしまっていた。だったら美容師さんの手が荒れないシャンプーを作ろうと思ったのが8年前です。最初は大学と共同研究していたんですが全然ダメで、自分たちで研究室を作り研究者を1人入れて、2〜3年かけてやっとできたのが3年前。そこから販売して、顧客獲得コストが生産コストを下回る段階まで来たので、本格販売を始めようというのが今のタイミングです。
——ikueの製品としての特徴は?
井口智明さん:今回はシャンプー・トリートメント・集中ケアマスク・ヘアオイル・ヘアミルクの5ラインを出しています。界面活性剤が少ない上にコーティングも控えめで、内部補修を主体にしているので、髪の毛が太くならずに内側から補修して生まれたての髪に戻るというのが特徴です。市販のシャンプーはコーティングが強くて髪が太くなりがちなんですが、ikueはそれがない。美容師さんの手が荒れないシャンプーなので、もちろん頭皮への刺激も少ないです。おかげさまで想像以上の支援をいただいていて、シャンプーでこんなに支援されないだろうと思っていたのでびっくりしています。
——ブランド名「ikue」へのこだわりも聞かせてください。
井口智明さん:「ikue(幾重)」という名前にこだわっています。何度も重ねて使うというイメージと、和風の名前で世界に広めていきたいという思いを込めています。今は台湾でも販売していて、今後どんどん広げていきたいと考えています。
クラウドファンディングはテストマーケティングのためにある
——クラウドファンディングや挑戦を考えている方へメッセージをお願いします。
井口智明さん:まず、さっき最初に言ったように、10個やって1個当たるかどうかなんですよ。だからテストマーケティングが大事で、事業計画をめちゃめちゃ細かく作るのも大事なんですけど、正直テストマーケティングでやってしまった方が早い。クラウドファンディングはそのためにあると言っても過言じゃないくらいなので、あれこれ事業計画を死ぬほど作るくらいだったら、もうクラファンを出してしまえと。商品を少ない数から作れるので、新しいことをやるのにクラファンを使わないという手はないんじゃないかなと思います。
個人でやる場合もそうなんですけど、製造・物販ってキャッシュフローがめちゃめちゃ悪くて、どんなにいい商品を作ろうと思ってもキャッシュが先に出ていくから作れない、という場合もある。最初はクラファンから入るというのが、今やもはや常識じゃないかなと。日本ももっとクラファンを使ってから製品を作らないと、失敗する方が多いと思うんです。
——成功と失敗を重ねてきたからこそ言えるコツがあれば。
井口智明さん:私がクラファンを今まで何度もやってきて、成功と失敗をたくさん体験してきたから言えるんですが、やっぱりリターン設計です。リターン設計がどうやって皆さんに届けられる内容になっているかによって、支援の額がすごく変わる。思いはもちろんあってください、思いは分かりやすく伝えてほしいんですが、その後のリターン設計がうまい人と下手な人とで売れ行きがすごく変わる。リターンをうまく設計することで成功する可能性が高まる——クラファンのコツは、やはりそこに尽きると思います。
クラウドファンディングへ挑戦したい方へ
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