絶対にみんな求めてる。ヨッピーが「ベビエア」をクラファンで成功させた要因とは?ヨッピーインタビュー | Non Filter(ノンフィルター)by CAMPFIRE

CAMPFIREの番組「Non Filter(ノンフィルター)」でクラウドファンディングを実施したライター・ヨッピーさんへのインタビュー記事。子どもの熱中症を目の当たりにしたことから生まれた幼児向けファン付きウェア「ベビエア」誕生の原体験の実像と背景に迫った。

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ヨッピーさんのプロジェクト



ゲストとインタビュアーの紹介

ライター ヨッピー
ゲスト

ライター
ヨッピー

大阪・布施出身。関西学院大学卒業後、会社員を7年間務めた後に独立。インターネット黎明期からテキストサイトで活動し、ウェブライターの第一世代として記事執筆・広告企画を手がける。近年はサウナ用タオル「天才タオル」、幼児向け熱中症対策ウェア「ベビエア」など、クラウドファンディングを活用しながら、ものづくりにも取り組んでいる。

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株式会社CAMPFIRE 代表取締役 中島 真
インタビュアー

株式会社CAMPFIRE 代表取締役
中島 真

アクセンチュア、ディー・エヌ・エー、リブセンス取締役などを経て、2018年3月CAMPFIRE取締役に就任し、2024年11月代表取締役CEO就任。ギフティ社外取締役、Inspire High社外取締役、社会変革推進財団理事等。

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「修羅の国」布施で育った少年時代——通知表には6年間「落ち着きがない」

 布施で育った少年時代

——まずはヨッピーさんの生い立ちから聞かせてください。

ヨッピーさん:大阪の布施っていう駅の辺に生まれてるんですよ。布施ってもう「修羅の国」と言われてるくらいの場所で。大阪の人に布施出身って言うと「布施ですか……布施か……」みたいな扱いを受けるような、なかなかにディープな下町で育ちました。当時は荒っぽい光景を目にすることも日常茶飯事で……そういう本当によろしくない地域で生まれてます。


——そういう中でどういう子どもだったんですか?

ヨッピーさん:今でもそうなんですけど、組織というものがやっぱり苦手なんでしょうね。授業中はとにかく落ち着きがなくて座ってられない、じっと座っていられない子どもでした。通知表は1年生から6年生まで、ずっと「落ち着きがない」と書かれ続けましたね。ただなぜか勉強だけはできたっていう。


父親は僕を医者にしたくて、浜学園っていう厳しい進学塾に放り込まれたんですけど、ちょうど反抗期がきまして。友達と一緒に地元の中学に行きたいのに、なんでわざわざ受験しなきゃいけないんだってなっちゃって。「じゃあ受験はするけど白紙で書いて出すからな」って言ったら、親父が折れまして。「好きにせい」って。


「人生で一番間違えた」高校選び——理数科で読書か睡眠の3年間

高校時代を振り返るヨッピーさん

——高校受験はどうされたんですか?

ヨッピーさん:近畿大学附属高校に行くんですけど、これが僕、人生で一番間違えたと思ってるんですけど。当時は普通科と理数科があって、理数科の方が偏差値高いんですよね。賢い方が偉いと思うじゃないですか。点数がよくて理数科に振り分けられちゃった。本当に物理とかばっかりやらされて、僕得意なの国語と英語なのになって。


しかもそのクラスは、部活禁止。「お前たちは勉強のために選び抜かれたエリートだから勉強だけしていろ」と。7時間目まであった。僕は図書館で本を借りてきてずっと読むっていうのを3年間やりました。先生も「豊田は本読ましとけ、あいつは静かだから」ってなって。読んでるか寝てるかの高校3年間でしたね


——大学受験はどうされたんですか?

ヨッピーさん:早稲田に行きたかったんですよ。小説の主人公って早稲田が多いじゃないですか。でも3年間サボり倒してたんで勉強ができない。しかも追試に引っかかって、それをクリアした頃にはもう大学受験まで残り2週間。関関同立を受けたら関西学院大学だけが受かったんですよ。世界史でヨーロッパ史とアメリカ史だけを覚えていったら、そのまま出たんですよね。


母親に「浪人して早稲田行く」って言ったら、「お前みたいな人間を東京にやったら何するかわからなくて怖くてしょうがない」って。じゃあ関学行っとくかみたいな感じで入りました。


お坊ちゃん大学で馴染めず、インターネットに没頭した大学時代

インターネットとの出会いを語る

——関西学院大学はいかがでしたか?

ヨッピーさん:入ってから気づくんですけど、関学っていわゆるお坊ちゃん大学なんですよね。


大学で友達と呼べるのは3人しかいなくて、全員入学式でたまたま横に座ってただけの関係。出席の3分の1以上休むと落単になる仕組みを全部計算して、たぶん大学に行った時間が一番短い学生だと思います。留年もしました。ほぼ行かなかったですね。


——大学時代はどういう日々だったんですか?

ヨッピーさん:ずっとバイトしてましたね。鶴橋のジャンボカラオケ広場で夜10時から翌朝6時までの夜勤。完璧に朝昼逆転してて。大学生の頃に出会ったのがインターネットです。友達の兄貴がディアブロ2っていうネットゲームをやってたのを触らせてもらったのがきっかけで、母親をめっちゃ騙してくらかしてパソコンを買わせたんですよ。「これからインターネットの時代や」って。


ディアブロ2からスタークラフトにハマって、掲示板で仲良くなった人が「逃がし屋」っていうホームページをやってたんですよ。その日記が面白かったから、俺もやりたいと思って書き始めた。それがテキストサイトの始まりです。2000年ぐらいから、ヨッピーとして誕生してますね。


唐揚げのビラが繋いだ就職——そして震災直前の退職


——就職活動はされました?

ヨッピーさん:嫌で嫌でしょうがなかったですね。エントリーシートの締切を出し損ねたり、わざわざ梅田の中央郵便局まで消印もらいに行ってそこまでして「残念でした」が来たりとか。でもこれも運命的なものがあって。カラオケ屋で朝まで夜勤した後、鶴橋駅でビラ配りしてたんですよ。その日に就職面接に行ったら、面接官のおっちゃんがポケットから「これ?」って朝僕が配ったビラを出したんですよ。


その人事部長がすごいサポーターになってくれて、トントン拍子に通してくれた。内定出た瞬間に全ての就活を停止しました。もういい、ここでいいって。


——会社員時代はいかがでしたか?

ヨッピーさん:東京の生活は楽しかったですよ。ただ仕事はめちゃくちゃつまらなくて。営業で、体育会系っぽい会社で、何件訪問してきたみたいな管理もされるし。東京にいられる間はとりあえず続けようと思ってて、転勤の辞令が出たらやめようと。7年目でやっと出たんで、やめました。


辞表を出した1〜2週間後に、東日本大震災が起こったんですよ。なんて時にやめてしまったんだろうって、めちゃめちゃ後悔しましたね。


プロ無職からウェブライター第一世代へ——「その場しのぎの技で適当にやってた」

フリーランスへの道

——退職後はどうされたんですか?

ヨッピーさん:会社に隠れてずっとブログやってたんで、やめた後にプロ無職とか名乗り始めるんですよね。「会社やめて暇やぞ」みたいなことを書いたりすると、「うちでも書いてくれ」みたいな依頼が来るようになって。「暇やしいいよ」みたいな感じで受けてるうちに、「もうこれでいいんちゃう」みたいな。就活に一生のトラウマがあるんで、このまんまでいいわって。


たぶんウェブライター、インターネットメインで文章を書く人間の割と第一世代なんですよ。参考にする人もいないし、モデルケースもないんで、その場しのぎの技で適当にやってたっていうくらいです。


PR記事で世界が変わった——「ギャラのゼロが1個増えた」

——ライターとしてのキャリアの転機はありましたか?

ヨッピーさん:広告企画をやり始めた時ですね。1本4万円5万円のギャラで書いてたところに、LINEの人から広告企画の記事を一緒に作ってくれるライターを探してるって話が来て。やり始めたらすさまじいお金の使い方してたんですよ。「広告企画ってこんな金くれるの? ゼロ1個増えるくらい」って。京都大学の吉田寮を掃除するっていう記事をメルカリさんのPR予算で作った時は、予算だけで百数十万円使ってますからね。


仮説と検証——13社に断られても諦めない「あがき倒す力」

仮説と検証の哲学

——記事だけでなく、ものづくりにも広がっていますよね。その原動力は何ですか?

ヨッピーさん:仮説と検証が好きなんですよ。何か思いついた時に、これがきっと世の中に受け入れられるだろうと。それを実行するのが好き。今までずっと記事の中だけで終わらせてたのを、実際にものを作ってみるとか、サービスに落とし込んでみるとか。そういうことが始まってる感じです。


——実行に対するハードルを感じることはないんですか?

ヨッピーさん:あったんですけど、どこかでなくなってくるんですよ。成功体験ですよね。ゾンビが大量発生した時にホームセンターにどう立てこもるかっていう記事を書いた時、13社に断られたんですよ。ホームセンターランキング上から順番に行って。諦めかけた時に、カインズさんだけが返事の文面がコピペっぽくなくて、人の心がありそうだなと思って電話したら、受けてくれた。


ライターとして関わっていたバーグハンバーグバーグっていう会社の社訓が「頑張るぞ」だったんですよ。その下に「なぜなら頑張った方が頑張らないよりいいからです」って書いてあった。たぶんふざけて書いてるんでしょうけど、マジでそうだなと思ったんですよ。頑張らないより頑張った方がいい。仕事も恋愛も家族も育児も遊びも全てがそう。あがき倒すと何とかなるもんだっていうのを、どこかで覚えたんですよ。


子どもの顔が真っ赤になった日——ベビエア誕生

ベビエア誕生のきっかけ

——クラウドファンディングをやろうと思ったきっかけは?

ヨッピーさん:第1弾は天才タオルっていうサウナ用のタオルで、これもクラファンで大成功しました。第2弾のベビエアは完全に僕の体験がきっかけなんですよ。夏の暑い時期に代々木公園に子ども2人連れて行ったら、子どもの顔が真っ赤っかになったんですよ。急にもう暑すぎて。


その時に、現場のおじさんたちが着てるファン付きベストの幼児向けを買おうと思って検索したらないんですよ。小学生ぐらいからはギリあるんですけど、幼児向けってない。こんな暑いのに。これは作ろうと。絶対みんな求めてると。


——開発はスムーズに進みましたか?

ヨッピーさん:作ってくれるところを探したけど、なかなか見つからなかった。そんな時に、前職の後輩とドンキの本社で偶然再会して。その後輩がドン・キホーテのプライベートブランドの商品を作ってると。「作れるところ探せると思います」って言ってくれて、見つけてもらいました。プロトタイプを20世帯ぐらい配ってフィードバックもらって、小児科の先生とも相談しながら改善を重ねて。


500万を目標にしてスタートしたら、初日で100万円を超えたんで、やっぱ待ってたんやと。しかも3月4月って寒いぐらいの時期なんですよ。暑くもないのにこんなに来るということは、暑くなったらもっと売れるわと思って、製造ロットをゼロ1個増やして1万着にしました


「実行することが大事」——挑戦する人へのメッセージ

——クラウドファンディングに挑戦する人たちへ、何かアドバイスはありますか?

ヨッピーさん:ありとあらゆる成功してるって言われてる人たちに聞いたら、たぶん全員同じことを言うのは間違いなく、「実行することが大事」って絶対に言うんですよ。だからクラウドファンディングをやるっていうのが第一歩なんで。やろうかなやめとこかな悩んでるならやった方がいい。やってみて失敗したらそれでいいじゃないですか。


クラファンで失敗したら、逆にラッキーですよ。お金突っ込む前で良かったみたいな。じゃあこの方向性ちょっと違うのかな、切り口変えてコンセプト練り直そうか、っていうのをやれるんで。


——プロジェクトページを作るうえでのアドバイスはありますか?

ヨッピーさん:いろんなプロジェクトを見てて思うのは、自己紹介が長すぎるっていうの。知らないおじさんが出てきて自己紹介から始まっても、まだ何したいか教えてほしいなって。僕、実際にあるプロジェクトのページを全部書き換えたことがありますよ。結論から入れと。「この場所にサウナを作りたいんです」って写真を見せたら、ここにサウナあったらいいなって思ってくれる。何やるかの方がよっぽど大事なんですよ。


あと写真がイケてない人。AIの画像は手抜きだなってちょっと思っちゃう。ヘタでもいいから自分で撮ったやつを載せてる方がよっぽどいい。その方が伝わりますね。


小さい成功体験で積もっていくんですよね。だからやった方がいいですよ、何でも


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