<大賞受賞>地域を巻き込む、お祭り型クラウドファンディングの力とは?

2024年に「HIOKOSHI」に掲載された地域おこし協力隊のプロジェクトから選出された「地域おこし協力隊クラウドファンディングアワード2024」 大賞 受賞者インタビューです。
クラウドファンディングとは「地域を巻き込むお祭り」
一人で注目されるのではなく、みんなで盛り上がってこそ楽しい!地域活性の手段としてのクラウドファンディングの可能性と、人をつなぐ力が伝わるインタビューです。
新潟伝統の味噌作りを継承!創業92年「糀屋団四郎」、大釜新調プロジェクトのアイキャッチ画像▶︎クラウドファンディングページはこちら

プロジェクトオーナーの紹介

宮城県栗原市栗駒にある六日町通り商店街で、地域おこし協力隊(以後、協力隊)として開業・移住希望者と空き店舗とのマッチングや、地域イベントの企画・運営を行っている三浦大樹(みうらだいき)さん。
プロジェクトオーナー紹介のアイキャッチ画像
▶︎HIOKOSHIについてはこちら
▶︎アワード概要はこちら

クラウドファンディングをやろうと思ったきっかけ

クラウドファンディングは、ずっと前から「いい仕組みだな」って思ってたんです。協力隊になる前から、いつかやってみたいなって。応援してもらえるし、広く知ってもらえるのも魅力で。身近な人が実際にやっているのをページ作成を協力する立場で見ていて、「自分もいつかやりたい」って気持ちが強まりました。

地域おこし協力隊活動とのすみ分けは?

協力隊のミッションに「商店街での開業」が含まれていたので、クラウドファンディングもその延長という感じで、活動内に進めました。ちょうどお祭りの準備とかで一番忙しい時期だったんですけど、夜遅くまで作業したりして、なんとか両立させましたね。


準備からプロジェクト公開までの流れや期間を教えてください

構想としては2年くらい前から温めてました。「ビールをやりたい!」っていうのは協力隊になった頃からずっと言い続けてて、まわりにもずっと話してたので、「また言ってるな」って思われていたかもしれません。実際のページの作成は、集中して2週間くらいで仕上げました。

どんな体制・チームで取り組みましたか?

基本はほとんど自分一人でやっていました。ビール作りを一緒にやってる仲間が2人いるんですが、クラウドファンディング自体の準備とかは全部自分でやりました。2人には、チラシ配ってもらったり、周りに広めてもらったりっていう感じでサポートしてもらいました。


リターンはどのように決めましたか?

ビールがまだ試作段階だったので、最初はなるべく原価のかからない「応援コース」中心で構成しました。支援してくれる人たちって、きっと「頑張れよ!」って気持ちで応援してくれてると思ったので、物をつけるより、その思いに応える形にしたくて。

とはいえ、クラフトビール好きの人ってグッズも好きな傾向があるって、別のコミュニティなんかを見ていて感じていたんですよね。なので公開してからは、オリジナルのグラスやマグ、Tシャツを追加していきました。

それから、ただ支援してもらうだけじゃなくて「一緒にやろうよ」っていう形の参加型リターンも意識して、スタッフとかプロジェクトメンバーになれる枠もつくりました。ちなみに100万円の高額リターンも用意してて、友人がギャグで入れてくれないかな~なんて思ったんですけど、そこはさすがに無理でした(笑)。

人気のリターンや支援してくれた人はどんな人?

一番人気だったのは、ビールが届かない「お名前応援コース」でした。純粋に応援したいって思ってくれた人が多くて、本当にありがたかったです。支援してくれた人の9割は知り合いで、地域の方はもちろん、高校の同級生とか、昔からのつながりがある人たちが応援してくれました。中には、クラフトビール好きの初対面の方もいて、「ああ、届いてるんだな」って実感できましたね。
ページ作成での工夫点のイメージ画像

広報や集客で工夫したポイントは?

とにかく地道に、コツコツやりました。SNSでの発信はもちろん、できるだけ多くの人に会って直接お願いしてました。イベントがある日はビールのかぶり物をして、プロジェクトのQRコードを入れたコースターやチラシを配ったり、市役所にもその姿で行ったりしてました。

最初はちょっと恥ずかしかったですけど、だんだん地域の人にも「ビールマン!」って呼ばれるようになって。最終的には市の広報や公式TikTokにも登場して、ちょっとしたキャラクターとして浸透していきました。
体験型リターン実施の様子

クラウドファンディングをしてよかった事

一番よかったのは、やっぱり仲間ができたことですね。支援してくれた人たちとつながるきっかけになって、「この人たちと一緒にやっていけるかも」って思えるようになったのが大きかったです。クラウドファンディングを通して、目に見える形で応援が集まったのが嬉しかったし、これからの一歩にもなりました。

▶︎ 無料でスタッフに相談する

クラウドファンディングをして大変だった事

一番しんどかったのは、やっぱりプロジェクトの中盤ですね。支援があまり伸びなくて、「このままで大丈夫かな…」って不安になったりして。あと、個別の連絡やお礼など、細かい対応にも時間とエネルギーを使いました。

▶︎ 集客などのサポートはこちら

資金調達以外に得られた事

一番感じたのは、応援が「見える化」されたことですね。これまでも「応援してるよ」って声はたくさんあったのですが、実際にどれくらいの人が本気で応援してくれてるのかって、正直分からなかった。でもクラウドファンディングを通じて、支援という形でそれがハッキリ見えて、「あ、この人たちが本当の仲間なんだな」って実感できました。

もし次回プロジェクトをするなら気をつける事

次やるとしたら、事前の連絡をもっとちゃんとやりたいですね。今回はバタバタしてて、始まる直前にメールで慌てて知らせた感じだったんです。名刺交換した人とかにも後から連絡してたんですけど、やっぱり最初にもっと広く伝えておけば、もっと多くの人に届いたんじゃないかなって思います。

▶︎クラウドファンディングページを作成してみる

アワードを受賞して地域や周囲の反応はいかがでしたか?

周囲からは「すごいね」といった驚きの声が多く、大きな反響がありました。素直に「大賞を取りたいのでお願いします」と言いまくったことも、受賞に繋がったのかもしれません。


地域おこし協力隊として地域との関わり方

この3年間は、とにかく「人とつながる」ことを一番に考えて動いてました。協力隊のうちに結果を出そうとは思ってなくて、むしろ協力隊じゃないと出会えない人たちとのご縁を大事にしたくて。終わった後にやりたいことがちゃんと動き出せるように、地域の人たちといっぱい関わって、つながりを広げてきたつもりです。

今後の展望を教えてください

ビールはもうすぐ商品化の段階まで来ています。地域のみんなで楽しみながら進めていきたいですね。どうせやるなら、将来的には世界のビールコンテストで優勝するくらいを本気で目指したい。その時に、地域の人たちが関わってくれてたら、きっと喜びも何倍にもなると思うんです。クラウドファンディングって、そういう意味でも地域を盛り上げるきっかけになるし、もっといろんな場所で活用されていったら面白いなと思ってます。

▶︎クラウドファンディングページはこちら