<にぎわい創出部門賞>NO KATSUO, NO LIFE!カツオ愛が持続可能な地域へと成長させるプロジェクト

2024年に「HIOKOSHI」に掲載された地域おこし協力隊のプロジェクトから選出された「地域おこし協力隊クラウドファンディングアワード2024」 にぎわい創出部門 部門賞受賞者インタビューです。

クラウドファンディングとは「全世代交流ツール」

プロジェクトを通じて生まれたのは、資金だけではなく、世代や地域を越えた新しいつながりでした。カツオへの深い愛が、地域の未来をどう動かしていくのかをお伺いしました。


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受賞者の紹介

高知県中土佐町の元地域おこし協力隊(以下、協力隊)の久竹庸代(ひさたけのぶよ)さんは、中土佐町に残り「シン・鰹乃國プロジェクト」事務局として活動中。地域の象徴であるカツオをテーマに、まちの魅力発信に尽力しています。本プロジェクトでは、なかとさ観光協会とタッグを組み、地域内外からたくさんの共感を集めました。今回は本プロジェクトで中心となって奮闘された久竹さんとなかとさ観光協会代表理事であり久礼大正町市場「田中鮮魚店」代表の田中隆博(たなかたかひろ/以下、田中社長)さんに当時のお話をお伺いしました。

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クラウドファンディングをやろうと思ったきっかけ

ちょうど今回のプロジェクトの1年前の2023年4月に高知龍馬空港で開催された中土佐町フェアにあわせて、土佐久礼のかつおのPRを目的に、実寸大「タタキの皿鉢」「トロ箱入りかつお」オブジェを制作し、空港の手荷物受取ターンテーブルで回したのがきっかけです。
自分の手がけたオブジェが毎日回っているのを見て、励まされる気持ちがありました。「この嬉しさを、今度はみんなと共有したい」と思い、クラウドファンディングならこの気持ちを多くの人と共有できるのではと思いました。

地域おこし協力隊活動とのすみ分けは?

協力隊としてのミッションは久礼大正町市場の活性化で、カツオのPRや商店街のにぎわいづくりも含まれていました。そのため、今回のクラウドファンディングも市場の魅力発信につながる取り組みとして、業務時間内に実施することができました。

準備からプロジェクト公開までの流れや期間を教えてください

準備期間はだいたい3ヶ月ぐらいでしたね。とにかく時間がなかったというのが実感でした。空港への交渉、50倍のカツオオブジェの制作、リターンの用意、お披露目会の準備、ページの作成等。オブジェは、お金が集まらないと作れないのでその算段をつけたり、やることが本当に多かったんです。

どんな体制・チームで取り組みましたか?

全体の構成は自分(久竹さん)で考えましたが、文章はプロのライターさんに依頼し、趣旨を伝えてまとめてもらいました。ページデザインは、中土佐町のデザイナーさんにお願いし、地域の雰囲気に合ったものに仕上げていただきました。

リターンはどのように決めましたか?

すべてのリターンを「カツオに全振り」で構成。地域の事業者さんに一つひとつ声をかけて調整していくのは大変でした。人気の「NO KATSUO, NO LIFE.」Tシャツは、中土佐町で以前から使われていたデザインをベースに、新バージョンとして観光協会がタイミングを合わせて作ったもの。自分もずっとユニフォーム代わりに着ていました。

人気のリターンや支援してくれた人はどんな人?

一番人気だったのは「NO KATSUO, NO LIFE.」Tシャツで、約40名から支援が集まりました。1万円未満の手ごろな価格と、現地でしか手に入らない限定感が後押しになったと思います。支援者は県内外問わず、地元の漁師さんや市場の常連さん、高校時代の先輩まで、いろんな方から支援をいただき驚きました。

広報や集客で工夫したポイントは?

広報では観光協会のSNSを中心に発信し、特に告知には力を入れました。また、地元のローカル新聞やテレビなど多方面に取材や掲載を依頼し、幅広く情報が届くように意識しました。

クラウドファンディングをしてよかった事

クラウドファンディングを通じて「こんなにもカツオを愛している人がいるんだ」と実感できたことが一番の収穫でした。地元の漁師さんや全く知らない方からの支援があり、今後のプロジェクトへのヒントにもなりました。また空港さんとの連携も深まりました。自分の関わったものが空港で回っているのを見るたび、嬉しくなります。

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クラウドファンディングをして大変だった事

プロジェクト全体の準備を一人(久竹さん)で進めることが多かったので、もっとチームで分担すればよかった感じました。
特にカツオのオブジェ制作では監修を田中社長にお願いしたのですが、カツオ好きの人が見て、本当に美味しそうに見えるかを徹底的にこだわり、色味の調整や実際に回るターンテーブルの蛍光灯の色を考え、最終的な調整は愛媛まで行きました。リターンや企画の準備も並行し、限られた期間の中で多くの作業を進める必要があり、本当に大変でした。


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もし次回プロジェクトをするなら気をつける事

次回行うなら、必ずチーム体制で取り組みたいと強く感じました。また田中社長の息子さんの協力にはとても助けられました。若い世代のアイデアや言葉選びなど新しい視点をもたらしてくれました。異なる年齢層と組むことで、相互に学び合える良い機会になったなと感じて、今後は多様なメンバーで進めていきたいですね。

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資金調達以外に得られた事

カツオや中土佐町への深い愛情を持つ人が想像以上に多いことに気づけたのは大きな収穫でした。特に「久礼のカツオを応援したい」という声の多さに勇気づけられ、今取り組んでいる「シン・鰹乃國プロジェクト」の活動にも大きなヒントになりました。(久竹さん)
今回プロジェクトをやった事で、うちの息子が久竹さんとアイディアを出し合ったり、地域の高齢者が支援のやり方が分からないのを若い子が教えてくれたり、世代間交流があったわけなんですが、これはまちづくりにも重要で、田舎は特に文化とか技術が年寄りに残ってるんですけど、それを若い子たちが自然と学ぶ機会というのが減っているんです。クラウドファンディングをきっかけに世代間交流が多く生まれたのが良かったですね。(田中社長)
全世代交流ツールって感じですね。(久竹さん)

アワードを受賞して地域や周囲の反応はいかがでしたか?

まだあまり周囲にお知らせできていないのですが、私はすごく嬉しいなと思いました。(久竹さん)
私たちの活動がどのように評価されるかについては関心があったので、一定の評価を頂けたというのは我々にとって励みになるし、協力隊としてやってきた久竹さんが外からの評価を受けたというのは町としても価値があったのかなと思っています。(田中社長)

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地域おこし協力隊として地域との関わり方

地域との関係づくりで大切にしているのは「全方位挨拶」ですね。地域の方とは出来るだけ仲良くしたいですし、移住者として町の人たち全員が自分のクライアントという意識は持っています。目が合えば必ず自分から挨拶することを心がけてきました。3年前に来た当初から続けている習慣です。

今後の展望を教えてください

「NO KATSUO, NO LIFE.」を合言葉に、持続可能なカツオのまちづくりを目指すプロジェクトに、今は事務局として関わっています。今後は、今回作ったオブジェをインターナショナルに活用して、海外の空港とかでカツオ文化を発信できたら面白いなと。ちょっと壮大ですけど、野望です(笑)。(久竹さん)
田舎のまちづくりって本当に地道なんです。30年以上やってきて、ようやく「久礼=カツオ」と言われるようになり、久竹さんみたいな若い子が来てくれる時代になってきました。これからは、この若い人たちが楽しそうだなとこの輪に入ってきてくれて、一人でも多く地域に残ってくれる環境をどうつくるかが大事だなと思います。将来的に4,000人の人口が半分になると思いますが、2,000人でも美味しいカツオを食べながら暮らしていける、そんな持続可能なまちを目指しています。(田中社長)
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