応援の気持ちを可視化し、共感を集める手段として選んだクラウドファンディングには、多くの支援と気づきがありました。地域との関係性、そして未来へのビジョンに迫ります。
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小野加央里(おのかおり)さんは、地域おこし協力隊(以下、協力隊)の経験を経て、高知県日高村で活動する一般社団法人nosson(のっそん)の代表。「誰もがいきがいを持って自分らしく生きられる社会の実現」を目指し活動されています。
団体名の由来は、移住当初によく耳にした方言「のっそ(あれとそれを足して、おしなべる)」に「村(そん)」を加えた造語。地域ならではの魅力や昔からの伝統を活かしながら、時代ごとに新しいものを足してバランスを取るという意味を込めたそうです。
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クラウドファンディングをやろうと思ったきっかけ
4年にわたり水面下で進めてきた、いきいきソーシャルアクションプロジェクトの第一弾である、トマトと土佐八升豆ゼリー(眠れる村のおとなゼリー)をいよいよお披露目する際に、クラウドファンディングは「応援を求めています・支援を求めています」というメッセージが一番伝わりやすいと感じ、活用することを決めました。
準備からプロジェクト公開までの流れや期間を教えてください
約3ヶ月ほどだったと思います。コンセプト動画の制作も同時進行していたため、思ったより時間がかかった印象です。かなりバタバタしながらメンバーと作り上げていきましたね。最終的には、予定の1日か2日の遅れでスタートできました。
どんな体制・チームで取り組みましたか?
4名のチーム体制で、それぞれ得意分野を活かしながら進行しました。
特に大変だったのは、健康食品という性質上、薬機法の関係で表現に制約があったこと。外部のコンサルタントの意見を取り入れながら、何度も表現を修正しました。
リターンはどのように決めましたか?
クラウドファンディングの経験者から価格帯が高いものも用意しないと目標金額に届かないというアドバイスや、CAMPFIREの担当者さんからのアドバイスをもとに、プロジェクトのメインの商品以外にスポンサー枠やグッズ系のリターンも用意しました。

人気のリターンや支援してくれた人はどんな人?
スポンサー枠のTシャツがこれ以上名前が載せられないほど埋まりました!支援者の大半は顔の浮かぶ知人、主には東京や大阪など県外からの繋がりがほとんどでした。これは、私を含めメンバーの多くが移住者で、都会との繋がりが強いためだと思います。
広報や集客で工夫したポイントは?
CAMPFIREの担当者さんから「最初と最後が肝心」と聞いていたので、特に初動に集中してメンバー全員でSNS発信や知り合いに声をかけていました。チラシは名刺のように会う人全員に配って、用意したものは全て無くなりました!
予想以上に早く2日で目標を達成してしまったのは嬉しい誤算ですが、イベント開催を予定していて、本来はそれに合わせて1週間くらいで達成する予定でした。
クラウドファンディングをしてよかった事
「応援してほしい」というメッセージが明確に伝わることでした。地域で活動していると、資金面で困ることも多いのですがそれを明確に伝える手段を見つけるのは難しいです。ブログを書いてもなかなか伝わらないこともあります。「地域でこういうことやってるんだけど、応援が必要なんです。ぜひ皆さんお願いします」というメッセージが、クラウドファンディングという手段を使うことで、ストレートに支援者の方々に届いたのは本当に良かったと改めて感じます。
▶︎ 無料でスタッフに相談するクラウドファンディングをして大変だった事
最も苦労したのは、「ページ作成」と「声かけ」です。商品の表現に制約がある中で魅力をどう伝えるか、そして一人一人に直接「応援してほしい」と伝える作業。チラシ配って、SNSで投稿して、地道で、血を吐く思い(笑)でしたが、やらないと成功しない、やるしかないという感じでした。▶︎ 集客などのサポートはこちら
資金調達以外に得られた事
支援者と質の高い交流が生まれたことです。クラウドファンディング達成後には支援者限定で地元の方と一緒に、農作業体験やイノシシを味わう会を開催しました。リターンのTシャツや手ぬぐいを着た参加者との集合写真は、プロジェクトの象徴になりました。
もし次回プロジェクトをするなら気をつける事
地域のプロジェクトって勝手に「地域外」の人から応援してもらうものだと思っていて、今回はアプローチを県外のつながりばかりに発信していました。実際に支援の9割以上が、日高村外の方ででした。地域型プロジェクトでは地元の方からの支援もとても重要だと今回学んだので、次回は地域への声かけをもっと早く、重点的に行うことを前提に準備したいと思います。
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アワードを受賞して地域や周囲の反応はいかがでしたか?
元々、支援の9割が地域外からで、外にばかり発信していたので、地域の方からしたら何をしているんだろうという感じだったかもしれません。ただ今回、プロジェクトを行ったことで県外から人が来たり、受賞の報告が地域内にも伝わることで、「なんか頑張ってるね」「面白いことやってるね」と関心を持ってくれる声が増え始めました。結果的に、外の評価をきっかけに地域の空気が耕され、応援の芽が少し出てきたように感じています。

地域おこし協力隊として地域との関わり方
地域で活動する上で大切にしているのは、用事がある時だけでなく、むしろ何もない時こそ顔を出し、雑談を交わすこと。そうした地道な関わりが信頼につながると実感しています。ただ話すだけでなく、楽しい時間を共有し、「また会いたい」と思ってもらえるような関係性を大事にしています。そこから「あんたがやるなら応援しちゃろう」と思ってもらえる関係性ができるのかなと思います。

今後の展望を教えてください
やりたいことが2つあります。いきいきソーシャルアクションプロジェクトの第1弾でこのトマトと豆のゼリー(商品名:眠れる村のおとなゼリー)を象徴的な『ヒーロー商品』に育てること。
もう一つは、ソーシャルアクション2や3である、農業体験を通じて、都会と田舎をつなぎ、お互いに人が生きがいをもって関われる社会を広げていくことです。
商品は、いきいきソーシャルアクションプロジェクトの手段で、関わってくれた人達との交流や体験を通じて「どんな人も社会を支える一人」と実感できる場をつくりたいと思っています。今後は、企業や一般の方向けの体験受け入れも強化し、非日常の農業体験を通じた心の再生やつながりづくりを加速させていきたいです。
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