プロフィール

合同会社メディアート 代表
植田 淳平(うえだ じゅんぺい)
サイト:https://mediart-llc.com/
岡山県出身。東京のIT企業で営業職を経験後、ベンチャー企業で海外BPO立ち上げに従事。2015年、滋賀県長浜市の第一期地域おこし協力隊として移住。2018年に合同会社メディアートを設立、2021年に長浜経済新聞の運営を開始。地域の発酵食文化を継承する「発酵オカン」プロジェクトも手がける。公益財団法人江北図書館理事、准認定ファンドレイザー。2017年にCAMPFIREパートナー加盟、2025年にCAMPFIREパートナーアワード「近畿エリアベストパートナー賞」を受賞。
滋賀県長浜市への移住から、クラウドファンディングとの出会いまで
- 滋賀県長浜市への移住と、クラウドファンディングとの出会いについて教えてください。東京で営業職をしていた当時から、ライフワークとしてアーティストの取材をしていました。アーティストってなかなか食べていけない現状があり「見てもらう人」と「応援したい人」を繋ぐメディアを作れないか?と日々考えていました。
そんな中、ソーシャルアパートメントで出会った滋賀県長浜市出身の知人から地域おこし協力隊の募集の情報を聞きました。募集テーマの一つに「芸術による地域おこし」があり、自分のやりたいこととぴったりと重なりました。そうして2015年、長浜市の「第一期地域おこし協力隊」として移住しました。
クラウドファンディングを初めて本格的に知ったのは、移住後です。地元の主婦グループがブックカフェを立ち上げるための手段としてクラウドファンディングを考えていて、インターネット活用の部分でサポートを頼まれました。お手伝いをしたプロジェクト「"湖北きのもと"に女性グループが集結!みんなが主役のBookcafeをつくり隊!」で実際にお店ができて、地域の人の見方や考え方が変わる瞬間を目の当たりにし「これは面白いツールだ!」と思いましたね。
その後、自分でもプロジェクトを起案する経験を経て、2017年にCAMPFIREのパートナー制度に応募しました。
本業×クラウドファンディングの掛け算が生む相乗効果
- 本業と、クラウドファンディング支援はどう繋がっていますか?私たちの会社では「まちの応援団」をミッションに掲げ、3つの事業を行っています。自分たちが目利きした滋賀にまつわる食や暮らしが豊かになるアイテムを紹介するホレボレ滋賀というECサイト。地域メディアである、長浜経済新聞を通して地域のいい人、いい場所、いい物を伝える。そして、クラウドファンディングで地域の挑戦者を応援しています。これら3つは全部、繋がっているんです。

特にクラウドファンディング支援をはじめたことで、地域や自治体から以前よりも声をかけてもらいやすくなりました。また、セミナー登壇など別の仕事にも繋がっています。プラスアルファの相乗効果はあると感じています。
代表的な事例が「株式会社もりしま」さんのプロジェクトです。知人経由で先方から連絡があり、滋賀の食文化を広げたいという相談を受けました。1回目のプロジェクト「「寛閑観(かんかんかん)」発、「近江牛」の奥深い味と未来をもっと広めたい!」で精肉店の認知を広げ、2回目は近江牛専門レストランのオープンに向けたプロジェクト「近江牛・和牛専門レストラン 寛閑観(かんかんかん) 滋賀の食文化を全国に!」でした。

2回目のプロジェクトでは、クラウドファンディングと並行して、オープン前にメディア関係者向けの内覧会を企画しました。内覧会用の資料を作り、プレスリリースを送りました。その結果、テレビ1社、メディア2社に取り上げてもらえ、オープン後の認知度向上に繋がりました。今では地元の人気店として、繁盛しています。
リターンも工夫しました。高級食材である近江牛は自分のためより、相手のためにあげるギフト需要が高いので、お歳暮シーズンに合わせたリターンなどを用意しました。
約1年半ご一緒していたので、先方のスタッフさんたちとも顔見知りになりました。オープンしてから家族で訪れた際、私のことを覚えていてくれたこと、お店を通して滋賀の活性化に貢献できたことが何より嬉しかったですね。
- クラウドファンディング支援だけで事業を成り立たせるのは難しいと思いますが、どんな工夫をされていますか?
大前提として「挑戦者を後押ししたい、挑戦する前向きな人に会いたい」という気持ちでやっています。
クラウドファンディング支援は「新しい挑戦者との関係を作るため」 にやっているので、無理にクロスセルなどはしていません。地域メディアを運営しているので、PR支援もできますが、必ず紹介しているわけではないですね。プレスリリースの書き方を教えたり、簡単なアドバイスを行ったりしますが、それらはサポート範囲内でやっています。
私は起案者の手元にキャッシュが残ることが大切だと思っているので、余計な広告費用などは一切かけません。どのようにしてメディアに露出していくかを徹底して考えます。いただくとしたらページ作成費くらいですが、これもご自身で作れるなら作ってもらっています。
クラウドファンディングは事業全体の3割くらいです。ただ、コミュニケーションに使う時間は多いので、実際はもう少し比重があるかもしれません。
▼築70年工房が限界!滋賀米原・89歳愛子おばあちゃんの糀と味噌を未来へつなぐ挑戦

※植田さんご支援プロジェクト
「未来のビジョン」を言語化し、振り返りで関係を深める
- プロジェクトを成功に導くために、大切にしているポイントなどはありますか?まず「未来がどうなっていたらベストなのか」という言語化から始めます。クラウドファンディングはプレゼンテーションツールなので、人に伝えないと何も動かない。「未来がどうなっていたいか」「なぜクラウドファンディングをやるのか」を言語化してもらいます。
抽象的なものを具体化した時に、「本当にそれやりたいんだっけ?」と気づくこともあります。調達できる支援金額も、リターン原価や手数料を引くと手元に残るのは40〜50%くらい。「本当にこれでやりたいことはできるのか?」と確認し、足りないようなら銀行融資などクラウドファンディング以外の調達方法も含めて考えてもらいます。
「自分は未来こうなりたい、そのために今クラウドファンディングをやっている、なので応援してもらえませんか」と起案者さんが心の底から言えないといけないと思うのでここまで徹底的に言語化してもらい、迷ったり、挫けそうになったらここに立ち返ってもらうようにしています。
- プロジェクト終了後も毎回、起案者の方と振り返りをされているとお聞きしました。
終了後2〜3週間以内に、起案者と振り返りをしています。KPTのフレームワークを使って、「何が良かったか」「何が悪かったか」「次に何をするか」を整理します。
大切にしているのは、「どういうエピソードがあったか」を書き出してもらうことです。数字だけでは見えない、プロジェクトの裏にある物語が実はすごく大事なんです。このエピソードがあると結果に関わらず「やってよかった」と思ってもらえる事が多いです。
目標金額に達成しないこともありますが、ちゃんと振り返ってどこが悪かったかに誠実に向き合う。逃げないことですね。それが満足度に繋がり、次の紹介に繋がっていると思います。
- 今は営業をしなくても案件が集まる状態とのことですが、秘訣は何ですか?
長くやっていることもあり、直接の依頼や過去にプロジェクトをやった人からの紹介が定期的に来ています。1件1件の満足度は大切にしています。どれだけ自分事にできるか、楽しめるか、起案者と同じ気持ちになれるか、そこはずっと心掛けているところです。
※発酵オカンのみなさんと地域の発酵食の継承に向けて取り組んでいます。クラウドファンディングとは前向きな人と出会うためのコミュニケーションツール
- CAMPFIREのパートナー制度の魅力をどう感じていますか?パートナー活動のやりがいは、支援したプロジェクトが形になった後、実際にその場所へ行き、できたものを見て、あの時のプロジェクトがあったから今のお店があるんだなと思いながらその土地で美味い酒を飲む。それが楽しいですね。
パートナー同士が繋がれるのも楽しみの一つです。パートナーをしている人は、特にその繋がりを大切にしていると思います。
- 今後の展望を教えてください。
起案者だけではなく、パートナーの育成・発掘もやっていきたいです。一緒にプロジェクトをして、パートナーに向いていそうだなと思ったら、CAMPFIREに無料で紹介しています。笑
また自身も経験した「地域おこし協力隊」の課題解決にも興味があります。活動の周知や定住・自立が課題なので、クラウドファンディングを活用して地域が良くなる循環ができたらいいなと。CAMPFIREには「HIOKOSHI」という協力隊専用サービスがあるので、それをどう活用していくかという事に今一番興味がありますね。
- パートナーを検討している方へメッセージをお願いします。
僕は木之本という町に移住して11年目になりますが、ここがめちゃくちゃ好きで、ここを世界の人たちの目的地にしてもらいたいという野望を持っています。
「その土地が好き」「地域が好き」など、地域ベースで話ができる人がパートナーに向いていると思います。やりたいという熱意がある人はやってみたら良いと思います。そういう人はぜひ一緒にやりましょう!という気持ちですね。
- 最後に、植田さんにとって「クラウドファンディング」とは何でしょうか?
前向きな人と出会い、話をするためのコミュニケーションツールです。サービスを提供しているというよりか、僕自身が楽しむためにやっています。
チャレンジする人と話すのは楽しいし、そこで自分のモチベーションが上がるんですね。元々、挑戦する人を応援したいという自分の思いと、今のパートナー活動がマッチしていて楽しめています。
新しいものを生み出すところに立ち合えるというか、力になれるっていうのは楽しいじゃないですか。それを楽しんでずっとできているんです。
- 本日は貴重なお話、ありがとうございました!
【編集後記】
本業のメディア運営で培った地域ネットワークとPR力を、クラウドファンディング支援に自然に掛け合わせている植田さん。振り返りまで丁寧に向き合う姿勢が、紹介案件の途切れない理由なのだと感じました。
編集部では今後も、パートナー企業様の活動をお伝えしていきます。少しでも興味を持っていただけましたら、下記のページをご覧ください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 ▼合同会社メディアート お問い合わせ先
https://mediaart.link/ ▼「CAMPFIREパートナーシッププログラム」紹介ページ https://camp-fire.jp/partner







