Jリーガーをしながら「こども食堂」運営?! 夢を追いかける人のためのクラウドファンディング活用方法

CAMPFIREクラウドファンディング起案者インタビュー、2023年10月18日開催ゲストは現役Jリーガーの浅川隼人さん。日本の貧困問題をまずは地元奈良県から解決するための「移動式こども食堂」実現に向けたプロジェクトに至った経緯と想いについて伺いました。
この記事は2023年10月18日に開催されたCAMPFIREのオンラインイベント「Jリーガーをしながら「こども食堂」運営?! 夢を追いかける人のためのクラウドファンディング活用方法」の様子をレポートとしてまとめた記事です。 

CAMPFIREではこれからクラウドファンディングの起案を検討している方に向けて定期的に無料のオンラインイベントを開催しています。 ぜひお気軽にご参加ください!

イベント一覧をみる

プロジェクトデータ

プロジェクト名:
〈Jリーガーの挑戦!〉地域で支える〝移動式こども食堂〟を奈良で作りたい。

募集期間:2023年6月2日~2023年7月31日(60日間)
調達金額:1,783,000円
支援者数:151人

プロジェクトURL:
https://camp-fire.jp/projects/view/676402
プロジェクトオーナー: 浅川隼人さん @hayato_s11h
現役Jリーガーが実際に運営するという珍しい形の「移動式こども食堂」がCAMPFIREクラウドファンディングを通じて2023年夏に奈良県にて誕生しました。

運営するのはJリーグの奈良クラブに所属する浅川隼人選手。

セブ島や日本各地でのボランティア開催によるサッカー教室などの経験を経た上でなぜ今、奈良県で移動式のこども食堂立ち上げに挑戦したのでしょうか。

今回で3度目となったCAMPFIREクラウドファンディング起案に至った理由をお伺いすると共に、クラウドファンディングだからこそ得られた体験やプロジェクトに込めた思いについてお伺いしました。
以下、インタビュー形式にてお送りします。
プロジェクトオーナー:浅川さん
CAMPFIREモデレーター:高木(敬称略)

現役Jリーガーが運営!?「移動式こども食堂」立ち上げに至った理由

高木:本日はお時間ありがとうございます。まずは自己紹介と併せて普段の活動についてお伺いしてもよろしいでしょうか。


浅川さん:普段はプロサッカー選手として奈良クラブに所属しているJリーガーとして活動しています。

また、選手である傍ら会社も経営しておりまして、スポーツ×地域×食がコンセプトのchabudaiというアスリート食堂を運営したり、セブ島や日本国内にてボランティアでのサッカー教室の開催、選手とファンを繋げて最高の感動体験を提供するUltras、そのほか自分の価値をレンタルしてゼロ距離で関わるレンタルJリーガーなど、人を繋ぎ、夢を追い続けられる環境を作り続けられるような活動をしています。


高木:ありがとうございます。今回の移動式こども食堂に関してもこれまでの活動と繋がる面があると思うのですが、改めて今回のプロジェクトを起案するに至った理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

浅川さん:はい。まず一番のきっかけになったのは、昨年奈良に来てから出会った認定“NPO法人おてらおやつクラブ”の代表理事の松島様とのお話をしたことでした。
浅川さん:1つのお寺から始まった活動が、今では1,870のお寺、月間で26,000人もの子供たちにお供物でいただいたおやつを届けているんです。

4年前にはじめてのクラウドファンディングに挑戦したのが「セブ島でのサッカー教室を開催したい」というものだったのですが、ぼくはこれまで世界の貧困に目を向けて活動してきました。
<J3リーガー浅川隼人の挑戦>~セブ島へのボランティアサッカー教室~

浅川さん:しかし、先進国だと呼ばれて豊かな国だと思っていた日本も例外ではないことを知ったんです。

そして今いる奈良の現状も知り、少しでも『日本の貧困』について貢献していきたいと考えるようになったのが今回のプロジェクトを起案したきっかけです。

この事実を知った上で、3年前に立ち上げた「アスリート食堂chabudai」での経験や食に対しての知識、また選手としての価値を掛け合わせてどうにかそういった子供たちに対して、夢や食を通した健康をお届けできるようにできればと思い、今回のプロジェクトを立ち上げました。
Jリーガー浅川隼人の挑戦‼︎熊本で笑顔と学びが生まれるアスリート食堂を作りたい。

浅川さん:今回のプロジェクトはまさに、これまでぼくが行ってきた活動すべてが繋がったものになっています。そしてこれまで、ぼくはできるだけサポーターの方と「距離が近いJリーガー」として活動してきました。

だからこそ今回のプロジェクトは、過去に応援してくださった支援者の皆様や、常に応援してくださっているサポーターの皆さんに向けて伝え続けてきた想いが、一緒に歩んできた夢として1つのプロジェクトとなり、実現に繋がったのではないかと思っています。

集めたかったのは仲間と日本の貧困問題への認知

高木:今回のプロジェクトについての質問なのですが、浅川さんが特に大切にしていたのはどういった点だったのでしょうか。


浅川さん一番大切にしていたのは資金集めというよりは仲間と認知を集めることです。

もちろん資金が集まれば集まるほど、今後もこども食堂を開催する費用には当てられますが、日本に貧困問題が発生しているという事実を知ってもらうきっかけになればと思っていた部分が大きいです。

浅川さん:結果として多くの方がこの事実に興味や関心を持ってくださって。奈良の現状、日本の現状、またプロのスポーツ選手がこんなことをやっているというところを目に止めていただいたことで、いろいろと繋がりができたのではないかと思っています。

また、このプロジェクトが1回だけで終わらず、今後も皆さんと繋がっていけるような機会になっていくだろうということも、今回のクラウドファンディングを通して確信しました。

プロジェクト開始前から継続して自身の「想い」を発信

高木:今回のプロジェクト実施において、どのようなことを意識されていたのかもお伺いできますか。


浅川さん:とにかくプロジェクト開始前から一貫して、自分の「想い」を発信していました。クラウドファンディングに挑戦するしないに関わらず、まずは自分が感じていること、思い描いていることを一貫して発信し続ける。

普段から発信しているからこそ、クラウドファンディングに挑戦するという発信をした際に、ぼくの想いを知ってくださっている多くの方に共感をいただけたのだと思っています。


高木:日頃の発信によって共感をいただいていたからこその結果だったんですね。実際にクラウドファンディングの告知に関するものはかなりギリギリだったと思うのですが、準備はいつ頃からはじめられていたのでしょうか。

浅川さん:クラウドファンディングの準備期間は正直かなり短かったと思います、CAMPFIREさんに相談したのもプロジェクトが開始する1ヶ月ほど前だったんじゃないかなと。

実際にこのキッチントレーラーを購入すると決めたのは2022年の最初の頃で、2023年のうちには何かしたいと思っていました。でも実際にトレーラーをどう活用するかを計画しはじめたのは2023年に入ってからです。

ここに関しては少し遅れを取ってしまったような認識ですが、過去2回の経験もあったので制作自体は間に合わせることができましたし、なにより想いの部分は日頃からみなさんにお伝えできていたので。 

結果としてプロジェクトの告知は開始3日前とギリギリだったものの、日々の発信の甲斐もあって開始5日目の段階で目標金額の3割まで達成することができました。

サポーターと共に作り上げるクラウドファンディング

高木:今回のプロジェクトは目標金額が100万円、実際のところ150万円を目標としていたと思うのですが、不安はありませんでしたか。

浅川さん:本当に達成できるのかどうか、正直なところ毎日不安でした。でもそこで支えになったのが、普段から応援してくださっている方の応援の声でした。「普段から応援してます」「この活動に共感してます」など支援時に添えられたコメントに励まされました。

そういったコメントを読むと、やっぱりこのプロジェクトは絶対に達成しなければいけないと思えたり、改めて共感してくださる方が一人でもいるんだなと感じられて元気づけられました。

また、クラウドファンディングに挑戦する上では、自分自身の発信だけで多くの方に届けるには限界があって。支援してくれた方の拡散からプロジェクトの認知が広がっていくというサイクルを生み出せると強いのではないかと思います。
だからこそ、SNS上で支援してくださった方とコミュニケーションを取って自分だけで頑張らない、応援してくださる方と共に頑張る、ということは集客のポイントになるのではないかなと。

今回は特に、支援者の方が応援と共にシェアをしてくださったことで、それがメディアの方の目に留まったり、新たな拡散に繋がったと思っています。
プロジェクト期間中はSNSで何度も投稿していると「何度も申し訳ない」って思うこともあるかもしれませんが、今日は見てなかったけど明日になったら見てくれる人もいるので継続した発信は大事なんじゃないかなと。

高木:支援者やサポーターの方の応援や拡散が、浅川さん自身の支えになって達成できたプロジェクトだったんですね。今回のプロジェクトで用意したリターンにはどのようなこだわりがあったのでしょうか。

浅川さん:まず前提として過去2回のプロジェクト同様、支援者の方と繋がることができるような、個人を活かしたリターンは意識していました。
触れ合うことでファンになっていただけるということは、これまでも「レンタルJリーガー」などで直に想いを伝える活動をしてきたことで感じてきました。接点を持ってくださった方が、次のクラウドファンディングで支援してくださるということが、関係性と共に構築できてきたのではないかと思います。 
 
高木:今回のプロジェクトでは過去2回のプロジェクトにはなかったようなバリエーションのリターンも見受けられました。これらはどうやってアイデアを出されたのでしょうか。 
 
浅川さん:今回のプロジェクトでははじめて、グッズなどの物系のリターンを用意しました。これらについても想いは一緒で、身につけるもので繋がりを作って、一緒になって活動していく仲間になってほしいという想いから用意したリターンです。 
また、補食といった食品のリターンなども用意したのですが、このリターンのおかげで奈良県以外でも、活動を見てくださった方が支援しやすい状況になったのではないかなと思います。 

また、今回のプロジェクトでは初の試みとして、法人向けのスポンサーリターンも用意したのですが、ぼくが全く知らない方からの支援に繋がったことは正直驚きでした。実際に支援してくださった方に理由をお伺いしたのですが、SNSかメディア掲載か、何らかの情報でこのプロジェクトを見つけて「面白いことをやっている人がいる」と感じてくださったとのことでした。

こうした結果に繋がったことも、支援者の方が拡散してくださったこと、そしてそもそもクラウドファンディングに挑戦したからこそ得られた機会だったんじゃないかと思っています。
 

自分の軸を持って一貫した活動を

高木:
最後に、これからクラウドファンディングに挑戦しようとする方に何かお伝えしたいことはありますか。 
 

浅川さん:繰り返しのお話になってしまうようで恐縮ですが、とにかく一貫した軸を持って活動していることが大事だと思います。

支援者の方と一緒に事業をはじめたり、一緒になって何かの取り組みをはじめられるのがクラウドファンディングの強みだと思っていて。

リターンを考えたりする上でも、CAMPFIREの他のプロジェクト見て「これが売れているから入れてみよう」という考え方ではなく、想いが乗ったリターンを作ることが大切だと思います。

仮に支援者の方と繋がることができても、支援者の方が起案者の何を応援しているのかわからなくなると、どこに向かう船を応援しているのかもわからなくなり、意味がなくなってしまうと思うので。

クラウドファンディングをはじめてみようと思うと、リターンをどうしよう、文章はどんな風に書こう、集客はどうしようなど、いろいろ考えることはあると思うのですが、まずやっぱり想いと軸をしっかり決めること。  
  
そうすれば文章はどんな伝え方がいいのか、リターンはどんなものを用意したらいいのかも決まってくるんじゃないかと思います。  
  
高木:本日はお時間ありがとうございました。  
  
浅川さん:
こちらこそ、ありがとうございました。  
  

クラウドファンディングに挑戦したい方へ

クラウドファンディングに挑戦されたい方、プロジェクト掲載をお考えの方は、ご相談フォームよりお気軽にお問い合わせくださいませ。CAMPFIREスタッフよりご連絡させていただきます。また、オンライン質問・相談会や、イベントのご参加もお待ちしております!  

無料でスタッフに相談する

説明会・イベント情報