2012/03/12 20:04
3月10日、11日の2日間、鹿折復幸マルシェにて「まなびの絵本づくり」を
行いましたので、ご報告させていただきます。
 
10日の朝、
復幸マルシェ付近に到着してまず目に飛び込んできたのは、
車の山でした。他にも、陸に打ち上げられた船や、
倒壊したままの建物がたくさんある光景です。
 
 
たくさんの悲惨な光景を目の当たりにしながら歩いて
マルシェに入ると、そこは多くの参加者とお店の方々で賑わい、
活気に満ち溢れていました。
 
子どもたちによる風船飛ばしでイベントが始まり、
 
よさこいや和太鼓の演奏、大漁旗の勇壮な演技や
気仙沼の郷土芸能の浪板虎舞なども披露されました。
 
 
僕たちの絵本づくりに参加してくださったのは、
小中学生の生徒と先生、お母さんでした。
 
いきもの(アリ)の絵本を持って、
「読み聞かせではなく、みんなが主役になって、絵本をつくります。」と
主旨の説明です。

最初は絵本を持って少し説明します。
 
 
ここからが本番の、"絵本づくり" タイムです。
 
こどもたちも本領を発揮していました。
 
子どもたち、大人も混ざって意見を出しあい、
絵や文字を書いたり、最後にはちょっとした演劇タイムもありました。
 
みんなで作った絵本が完成し、記念撮影を行いました。
 
 
2日目も前日に引き続き、吹奏楽やコンサートなど、様々なイベントがある中、
まなびの絵本づくり、スタートです。
 
2日目は兄弟での絵本づくりです。
今回は「きみのまち、ぼくのまち。」という絵本。
 
兄弟でそれぞれ絵本をつくりました。
一生懸命考えるお兄ちゃん
 
妹さんの発表も素晴らしかったです。
 
お互いの絵本を褒めたり評価し合えば、
新しいことにも気付きます。こうして絵本が成長していきます。
 
絵本が完成したら、一緒に絵本づくりをしてくださった
マルシェのボランティアの方々も一緒に、記念撮影を行いました。
 
屋内だけでなく、外に出ても絵本を持ち歩き、
NPO 団体のボランティアの方々にも見ていただきました。
 
 
絵本づくりや多くのイベントが終了した後、震災が起きた時間
14時46分を地元鹿折の方々と他府県や海外からの参加者全員で待ちました。
 
 
震災でお亡くなりになられた人々に対してご冥福をお祈りして、
 
1分間の黙祷。
 
そして、献花をささげました。
 
 
今回、絵本づくりやイベントへの参加だけでなく、
鹿折の方々にたくさんお話を伺い、寝食も共にするという
貴重な経験をさせていただきました。
 
僕や今回参加したメンバーが想像もできなかったような
震災直後の悲惨な様子を知りました。
 
そして、そこから想像もできないような気力で鹿折の人々が立ち上がり、
ここまで復興してきたのだということもわかりました。
 
それでも、本当に被災された方々の気持ちになることは、
やはりできないと思います。
 
 
復興マルシェの方々がものすごく、僕たち以上に元気にされていたことには
本当に頭が下がる思いです。
しかし同時に、鹿折地区の中にはまだまだ外に出歩けないような心境の方も
たくさんいらっしゃることと思います。
 
地区ごとに被害の状況も全く異なることを考えれば、
今回で被災者の気持ちがわかったとか、被災地について理解したなんて
到底いえません。
 
ただ一つ言えることは、「他人事ではなくなった」ということです。
 
今まで他人事であったというと不謹慎かもしれません。
 
しかし、今回鹿折でみなさんがあたたかく迎えてくださり、
家族のように接してくださったこと、
 
別れ際に、「また来てねー、絶対だよー!」
と明るい声と笑顔で言ってくださったこと、
 
それにはもの凄い感覚の変化がありました。
 
復興支援活動にまた行きたいのではなく、
鹿折の方々に、また会いに 行きたいのです。
 
 
ボランティアに行くかどうか迷っていて結局行けなかった、という方へ。
 
遅すぎるということはありません。
是非、被災地の空気に直接触れていただきたいと思います。
 
 
そして、被災地と他府県のつながりが一過性のものではなく
持続可能なものになるよう、僕はこの気持ちと感覚を多くの方に
伝えることを今後行ってまいります。
 
完成した絵本や写真、映像を持って、京都を中心にした
ワークショップ活動を行います。
 
プロジェクトの掲載期間は無期限延長中ですので、
ワークショップの告知などもさせていただきます。
 
 
最後になりましたが、現地で受け入れてくださった鹿折のみなさま、
このプロジェクトに多くのご支援、ご声援くださった皆さまには、
本当に感謝しております。ありがとうございました。
 
 
プロジェクトリーダー: 辻本恵太
絵本づくりメンバー : 酒井直樹
絵本づくりメンバー : 桑原祥子
写真撮影スタッフ   : 諸川舞
動画撮影スタッフ   : 諏訪翔平