2019/10/04 19:36

応援有難うございます。山本です。

この挑戦も残り19日となりました。
クラウドファンディングサイト上では、1,557,500円となっていますが、この活動のために、クラウドファンディングサイトと別に郵便振込などでご支援くださった方々もいらっしゃいます。
多くの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。


さて、外国人のお母さんには、子どもの予防接種を受けさせるために、超えるハードルがいくつかあるのをご存知でしょうか。


予防接種受診票(予診票)が入っている封筒が届いても読めない

住んでいる地域にもよりますが、東京都23区内の場合、出生後2ヵ月から始まる定期予防接種の受診票(予診票)は自宅に郵送で届くことが一般的です。

封筒には漢字だらけの日本語で書かれています。読めずに何の書類か分からず捨ててしまった、という話を良く聞きます。自治体によっては、ひらがな多めの表記にしているところもあり、どんどん分かりやすい表記になっていくといいなと思っています。

税金に関する書類の入った封筒には“TAX”と書くようにした、という自治体があった記憶がありますが、ネパール人にとっても英語の方が、なじみがありますので、英語表記が増えると捨ててしまう状況は減るのではと思います。

私達は、Female promoter(女性普及員と読んでいる母子保健ボランティア、以下女性普及員) とともに妊婦訪問をした際には、住んでいる区名が書いてあったり、「健康診査」や「健診」と書いてあれば、捨てないように説明しています。


予防接種受診票(予診票)が読めないので問診に答えられない。読めても難しい!!

女性普及員 の一人も子育てで経験した困りごとの1つに、予防接種の受診票が読めないので事前に問診票に答えられない、ということがありました。これは何度か、産後に訪問したお母さん宅でも同様の問題を経験しました。

私達は、通訳を介して書いてあることを説明し、問診票を記入するお手伝いをしたこともあります。

お手伝いして分かったことは、問診票の質問項目に、看護職の私でも“どう噛み砕いて説明しようか”と悩むような難しい内容が結構含まれていることです。

既往歴として「先天性免疫不全」や「川崎病」について聞いていたり、輸血または「ガンマグロブリン」の接種歴をきいていたりと、日本人にとっても難しい質問が含まれています。


予防接種受診票(予診票)の英語版があっても、そのままでは活用できない。

全国共通版の予防接種受診票は、英語など多言語版が制作されており、ウェブサイトで公開されています。例えば、ネパール人でも英語が読めるお母さんの場合は、それをダウンロード・印刷して活用することが可能です。ネパール語版も出ているようです。

実際に予防接種を受けるには、この印刷して回答した英語版の問診票を、自治体が発行したオリジナルの問診票に回答を書き写す必要があります。

私達は、ネパール人のお母さんにこの英語版の予防接種受診票に回答してもらったことがあります。英語版の問診票から日本語版のオリジナル問診票へ書き写すことをサポートしたことがありますが、そのお母さんの住む地域の予防接種受診票と英語版受診票の質問項目の順番が若干違っていることが分かりました。

このように、全国共通版の問診票と各自治体が発行している問診票とで違いがある可能性があると、英語も日本語も分かる人でないと書き写せない、ということになります。

日本語と英語の併記がされているといいですね。


ここでも通訳さんの出番!

これらのことから、私が一番ベストだと感じるのは、事前に個別で問診票に答えてきてもらうのではなく、予防接種を受ける病院で直接問診票に答えてもらうことではないかということです。

日本語がある程度分かる人には、噛み砕いて分かりやすい日本語で説明すること、もしくは通訳のサポートを得ることが、間違いも起こらずスムーズだと思っています。

今後も、妊婦さんやお母さん宅訪問の際に得られた、様々な気づきを、発信していきたいと思います。

山本 裕子

シェア=国際保健協力市民の会
在日外国人支援事業担当
(保健師、看護師)