2021/05/06 22:38

2020年にクラウドファンディングによって生まれた社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」。昨年度に引き続き、5月から高校、大学の2校でプログラムが開始したことをご報告させていただきます。

高校生が社会問題の解決するビジネス「ソーシャルビジネス」の立案に挑戦する「SOCIAL IMPACT」。今回の記事では、今年度で2期目となる2021年度にコースを提供いただいた企業を紹介させていただきます。

■社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」とは?

「SOCIAL IMPACT」は、高校生が社会問題の解決するビジネス「ソーシャルビジネス」の立案に挑戦する探究プログラムです。約3~8カ月かけて、特定の社会問題を解決するビジネスプランの立案に取り組みます。

日本財団が実施した「18歳意識調査」で、「自分で国や社会を変えられると思う」と回答した人の割合は18.3%と極端に少ない日本。「解決したい社会課題がある」と回答したのも46.4%と9カ国中最低の数値が出ています。 

「SOCIAL IMPACT」では、ソーシャルビジネスの立案を通じて、「社会問題との接点を作ること」「社会に働きかける成功体験を得ること」を目的として設計されたプログラムです。

実際に社会問題解決に取り組むソーシャルビジネス企業から、社会問題の解決する「チャレンジテーマ」が出題され、テーマに対する自分なりの答えをグループワークで導き出します。

■コース提供企業の紹介

2021年度にコースを提供いただいた企業を紹介させていただきます。

■ポストアンドポスト株式会社

「捨てる社会」を変える子ども用品リユースショップ「POST&POST」を運営するポストアンドポスト株式会社。ポストアンドポストが提供するコースで取り扱う社会問題は、地球温暖化に大きな影響をもたらしている「日本のゴミ問題」です。

世界の焼却炉の7割が日本に存在するほど、日本はゴミ大国と言われています。そんなゴミの大部分は最終的に焼却処理され、大量の二酸化炭素を排出しています。そして、燃やした焼却灰を土に埋めることにより、土の中の微生物が死に、森が枯れている現状があります。

このような現状対して、生活者の廃棄習慣を変えるソーシャルビジネスの立案に挑戦します。

■ボーダレスハウス株式会社

異文化への差別偏見をなくす国際交流シェアハウス「BORDERLESS HOUSE」を運営するボーダレスハウス株式会社。ボーダレスハウス が提供するコースで取り扱う社会問題は、異文化への差別偏見と閉鎖的な社会です。

グローバル社会といわれながらも今も続く、特定の宗教や人種に対する差別行為。直接的な差別行為だけではなく、外国人は信用できないから家を貸したくないという不動産の問題や、外国人の社会からの孤立が起きています。

このような現状に対して、ボーダレスハウスが展開する物件を活用し、多文化共生社会を実現するコミュニティスペース事業の立案に挑戦します。

■UNROOF

障害者が「戦力」として働き、正当に評価される場をつくる革ブランド「UNROOF」。UNROOFが提供するコースで取り扱う社会問題は、障がい者が活躍できる仕事が限られるという問題です。

「障害者は能力が低い。障害者は給与が低い。障害者は単純作業しかできない。」社会の中にそんな意識があるため、彼らが活躍できる仕事は非常に限られた状態にあります。

このような現状に対して、「障害の有り無しに関わらず活躍できる場」のロールモデルとなるようなソーシャルビジネスの立案に挑戦していきます。

■RICE


発信で社会を変える社会派インフルエンサーのコミュニティ「RICE」。RICEが提供するコースで扱う社会問題は「当事者意識を持って政治や社会に参加する若者が少ない」という日本の市民意識の問題です。

日本の社会・政治への参加意識は国際的に見ると、著しく低い状況にあります。例えば選挙の投票率を取ってみると北欧では80%を超える国もありますが、日本では50%を切っています。また署名活動やボランティア活動といった社会活動に参加する割合をみても、欧米諸国とは2倍~3倍の大きな差があります。

このような現状に対して、若者の間で社会に発信するムーブメントを引き起こすようなソーシャルビジネスの立案に挑戦します。


2021年度はこちらの4企業からコースを提供いただき、参加する生徒の皆さんと、社会問題の解決に繋がるビジネスプランの立案に挑戦していきます。

どのようなアイデアが生まれるのか、プログラム終盤のプレゼンテーション大会での発表を楽しみにしています!

今年度も「自分にも社会にできることがあるんだ!」と実感できる体験を届けられるよう、運営一同、頑張っていきますので、応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。


社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」
代表 廣瀬 智之