2020/07/17 19:00

カロンゲ区域は、これまで、相対的にコロナ感染拡大の懸念はされていませんでしたが、感染が拡大していることを鑑みて、カロンゲ区域でも活動をはじめました。


下の写真は、大型トラックで州都のブカブからカロンゲへ物資を運搬している様子です。

この道中は、雨季にはアクセスが不能になることも多く、今回も物資運搬には相当な困難に直面しました。

もともと、紛争の影響を受けており、治安も不安定な中、比較的道路状況がいい日に全てトラックで運搬しました。しかし、想定済ではあるものの、途中何度かスタックしながらその度、泥を排除して運搬し終えました。

南キブという地域と紛争鉱物

南キブ州は、タンタルや金などの紛争鉱物の問題が起こっている場所でもあり、このカロンゲにもタンタル鉱石や金はたくさんあります。ここで採れた金やタンタルなどが武装グループの資金源となり、紛争が継続している背景もあります。

一方、地元の最貧困層の若者たちは、低賃金で鉱山で働いたり、あるいは武装グループに入隊するなどするしか生きる術がないと考え、こうした紛争鉱物のビジネスに巻き込まれているという構造もあります。

外部からこうした紛争鉱物の問題を解決していくとともに、地元の若者たちに働く場を提供していくこともミクロレベルでとても大切な活動です。

近年は日本のメディアでもこの問題について取り上げられています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a3193529727f99d7be11a5aeaec8fc6829e8c48b

テラ・ルネッサンスでは、現場でのこうした活動とともに、外部から根本的にこの問題を解決するための取り組みを両輪で行っています。

地元の若者への仕事支援

先述の背景もあり、カロンゲ区域では、コロナ禍における若者への仕事の提供をしています。地元の木工大工の仕事をしている若者たちにも仕事を提供することで、コロナ禍での生活支援を行っています。

地元の若者たちにとって仕事がないということは、武装グループや鉱物資源のような問題に巻き込まれる原因になっています。仕事がないため、反政府軍に徴兵されたり、不法な鉱物資源の採掘に従事するリスクが高くなるのです。

コロナ禍で多くの若者たちが仕事や収入をなくしていますので、この若者たちへの就業の機会提供は、紛争予防の観点からも中長期的に取り組んでいかなければいけない大きな課題です。

今回は、感染対策で配布している大型の手洗いタンクの土台を木材で製造してもらいました。

合わせて当会の支援で養蜂活動をしている受益者向けの、養蜂箱を作る仕事も提供しました。(養蜂活動は、ブルンジでの活動です。現在、ブルンジから備品を運ぶことができず、停滞している状況ですが、今後のことも考え、先に養蜂箱作りの仕事を担ってもらいました。)


報告:小川真吾