2020/07/05 11:41

2020年6月19日(金)

香魚荘#02に向けて、スタッフミーティングを行いました。

参加者はアーティストのxiangyu、ライブハウスShibuya O-Groupの岸本さん、ライブ制作・ATFIELD inc.の青木さん、xiangyuのマネージャーの福永さん。インタビューはStoryWriterの西澤さん。

まだまだ、ガイドラインが不明確の中、今の現状やなぜ今回クラウドファンディングを利用したのか、そして、今回できる事やアイディアを練りました。



xiangyu : 今日(2020年6月19日)から都内での休業要請が全面解除されて、ライヴハウスが使えることになりました。どのくらいの人数を入れられるかとか、現状が実際のところどうなのかを訊かせてほしいと思っています。ライヴはできるけど、お客さんは声を出しちゃいけないんですよね?


岸本:ガイドライン上で1番気にしているのは、飛沫をいかに防ぐかっていうところなので、歓声はダメとか、お客さんはマスクを絶対つけてもらうとか、ステージと客席の距離をしっかり取るとかっていう対策を考えないといけないんです。


xiangyu : ステージと客席の距離はどれくらい必要なんですか?


青木 : 2mって言われているけど、最低でも1mは必要かなという感じです。


xiangyu : お客さんは、どれくらい入れられるんですか?


岸本 : O-nestのキャパで測っている限りだと、今のところ50人ぐらいですね。1m間隔で幅を取った計算で50人くらい。


青木 : 間隔を2mで取っているハコもあって、それで換算すると25人になっちゃう。


xiangyu : 私は、ライヴで大阪に行く予定あったんですけど、10月に延期になってしまったり、現状ライヴハウスでライヴやる予定がないんですよね。O-nestでのイベントのスケジュールはどんな感じですか?


岸本 : 7月1日からお客さんを入れてやれるように今検討していますね。


青木 : そもそも急にライヴをやっていいよって言われても、できるわけがないんですよ。準備が必要だから。下北のライヴハウスも7月1日からやるって言っていました。どちらかと言うと、問題はやりたがる人がいないということで。


xiangyu : やりたがる人がいない?


青木 : 配信だったらいいけど、お客さんを入れるって話すと「え、お客さん入れるんですか?」ってなるアーティストが多い。真面目な人ほどビビっちゃって。


xiangyu : お客さんを入れることに?


青木 : うん。それはその人自身というよりも、家族や会社からNGが出るんです。今困っているのはバンドメンバーの中でも、ヴォーカルはやりたいけど、ベースはやりたくないとか意見が割れて揉めているケースもあるみたいなんです。バンドって難しいですよね。メンバーそれぞれの考えがあるから。


xiangyu : たしかに、それは揉めそうですね。実際にチケットを販売しているところは、どういう感じの動きをしているんですか?


青木 : ある日から売行が止まりましたね。なかなか延期公演のチケットが売れないというか。最初は延期して追加で発売したりしていたんですけど、今は夏以降に延期したものに関しては、本当にできるかお客さんも疑心暗鬼なので微動だにしないですね。さっきのバンドの話みたいに家族や職場との関係上、行けない人も多いので配信やってくれたらありがたいって人のほうが多いのかもしれない。


xiangyu : 1回延期になった公演が、また延期になったりしていますもんね。


青木 : そう。さらに、だんだんガイドラインのルールが分からなくなっていて。今は岸本さんが言っていた通り、今は4分の1ぐらいのキャパで人を入れるのが現実的だけど、絶対に半分までには入れられるようになるはずなんですよ。そうしないとライヴハウスもアーティストも困るから。経済的なこともあって、もうちょっとしたら良くなるはずなんですけど、年内は最大でもキャパの半分で5000人以下っていうのがうっすら現実味を帯びてきているところです。


──お客さんを半分にする代わりに、2回公演にするみたいな方法もありますよね。


青木 : 売り切れちゃっている公演は、そういう方法を取らないとできないですよね。どういうやり方をしていいのかが分からないので、まだ言い出せないところもあるアーティストも多いと思います。


──今回「香魚荘Vol.2」の開催にあたり、クラウドファンディングを利用しようと思った理由はどういうものなんでしょう?


xiangyu :アーティスト側はもちろんですけど、青木さんのようなイベント会社とか、PAさんとか、ライヴハウスのスタッフの人たちもそうだし、関わる人たちみんなの仕事がない状態で、これがずっと続くのかなと思った時に、単純に支援したいなと思って。クラウドファンディングを使ったら、自分のイベントに関わってくれたみんなにも、一緒にやってくれる演者の人にもバックできると思ったんです。本当はクラウドファンディングに対して、あまりいい印象はなかったんですけど今回はチャレンジしようかなと思いました。


福永 : あとは見える化していきたかったのもあります。クラウドファンディングの良さって、報告をしていくところで。実際コロナでどうなるか分からないイベントが多い中で、とにかくやりますっていうことは決めて、随時報告できるところが良さかなと思って。支援する人はそこから参加しているような気持ちでいてもらえるのかなって思ったんですよね。


──目標金額を120万円にしたのはどういう基準で?


xiangyu : 必要な経費を考えた時にそれくらいになるかなっていう。


──リアルのライヴと配信を同時にやって、出演者や働いているスタッフにちゃんと分配をするには120万というのが、xiangyuチームが出したイベントをやるにあたっての経費だと。


xiangyu : そうですね。


──オールイン方式なので、目標金額に達成しなくてもやるんですよね。


xiangyu : 達成しなくてもやります。


──達成しなかったら、足りないお金はどうするんでしょう?


xiangyu : 私たちの費用を削るしかないかなって感じですよね。


福永 : リターン品もあるし、会場費とか人件費とか演出費もあって、1番削れるのは演出費だと思うので、そこを削っていく感じになるかなと考えています。


xiangyu : そもそも自分のイベントを8月25日に予定していて、やるの? やらないの? どうなるの? みたいな状態がすごく嫌だったんです。会場に入れられる人数に関しては分からないけど、オンラインでは絶対できるから、この日にやるってことは言いたかった。あと、ちゃんとそのイベントが生きている感じがするじゃないですか。こうやってインタビューを出したりした方がいいなって思ったから、さっきも福永さんが言ったように、ちゃんとこのイベントに関しての経過が見えるようにしたいと思っています。


──岸本さんと青木さんも含めて、どんな話をされているんですか?


青木 :前回に継ぐ内容と、前回の反省を踏まえた中身を話したりしています。オンラインを意識した中身作りが重要になってくるので、どういうアーティストを出すのがいいか、喋りが立つ人がいいのかとか、xiangyuらしいラインナップってなんだろうってことを考えています。お客さんを飽きさせないようにっていうのは最初から言っていましたね。あとは部屋のイメージだよね。


xiangyu : 前回は、O-nestが大きい家っていうイメージで、お客さんとか演者さんが1個の場所に集うイメージだったんです。今回のイベントは自分の家でパソコンと向き合って観る方法が主なのかなと思うので、アリの巣みたいに小さい部屋がいっぱい地下で分かれていて、それぞれの家で観ているけど、繋がっているイメージで今回は作っています。大きいところに全員が集まるというよりは、バラバラなところにいるんだけど繋がっているイメージ。前回と同様、音楽だけにこだわらずに、今回は配信だからこそ楽しめるようなイベントを作れたらいいなと思って今いろいろ計画しています。

──岸本さん的には、香魚荘に対して、どういう部分で箱の強みを活かしていきたいと考えていますか。


岸本 : (xiangyu自身が)イメージを持っていると思うので、それに小屋がどれくらいフィットしていけるのチャレンジかなと思っていますね。普通は小屋に合わせて作っていくのがイベントなんですけど、それだと僕も関わる必要がないかなと思っているので、イメージを聞きつつ僕のほうで思うことがあれば、これ試したらどうですか? って感じで進めていけたらなと思っています。


──いつものnestとは違う演出も考えている?


xiangyu : 会場に入れられる人数がいつもより少ないって聞いたときはネガティブに思っていたんです。でも、それを逆手に取って利用した方がいいなと思って。例えば、ディスタンスを取らなければいけないから、お客さんのいる場所が決まってくるわけじゃないですか。お客さんのいる場所にヘッドライトを置いておいて、全員が照明係をするみたいな。100人とか150人とかいたら明るすぎてできない演出だけど、30人とかだったらできるかもしれないし、少ない人数っていうのを利用した演出ができたらと思っています。オンラインに関しては、渋谷O-nestに来ないと観られなかったxiangyuのライヴだけど、もしかしたら沖縄の人と中継を繋いで何かできるかとか、オンラインだからやれることを上手く工夫してやりたいなって思いますね。例えば7月末ぐらいからちょっとずつ計画が明かされていって、8月25日にパーンってなるとか。距離が近くて生まれる一体感が楽しかったかもしれないけど、ディスタンスを取るためにできないんだったら、ネットを駆使してやったらいいかもしれないし、そういうところに頭を使いたいなっていうのは思っています。


青木 : ダンボールを置こうみたいな話もしていたよね。


xiangyu : そうそう、ダンボールハウス!


青木 : ダンボールハウスを置いておいて、住民だから名前を書いて、あなたはそこの部屋ですとかやってみたらテンション上がるじゃないですか。ディスタンスじゃなくて、自分の空間を持てれば安心感になるから。


xiangyu : コロナの間にめっちゃネットショッピングをすることが増えて、包装されていたダンボールの裏に絵を描き始めたのが構想の始まりなんです。ダンボールを使うことで演出費を減らしたいのもあるんだけど(笑)、いろいろ活用できるし、そういうのも駆使して上手いことやりたいなみたいなと思います。秘密基地っぽいし、自分だけのアリの巣の部屋みたいな感じもあるし。


福永 : こだわりがある人はテント持ち込み可とかにしてもいいかもね。来てくれる人に、あなたは何平米ありますよって伝えておいて。


青木 : それに合わせた自分の家を持ってきてもいいよと。


xiangyu : それいいね! すごいポジティブ。距離を取らなきゃいけないとかじゃなくて、これだけ与えられているという。


青木 : どうしてもの人は2倍払えるとか(笑)。


福永 : こだわりの人は畳を持ってくるかもしれないし。


xiangyu : ちょーウケる、それ(笑)。


──こうやって、いろいろアイデアを出しているところなんですね。この先は、今後の活動報告で伝えていくと。


xiangyu : そうですね。


青木 :もしかすると、1つのテーマでライヴハウスでイベントをやるって人はまだいないかもしれなくて。だから、とてもおもしろいイベントになるんじゃないかと思います。


xiangyu : 責任重大だ……(笑)!