2020/07/14 11:29

デメテルハーブティー代表の西口です。今日は、昨年シェムリアップのバイヨン中学校で実施した「学校と地域の薬草について学ぶワークショップ」について紹介します。

デメテルハーブティーが実施する「学校ハーブ園プログラム」は、ハーブの買い取りを通じて学校の運営費を支援するだけではなく、以下の3つの目的があります。

1.学校の美化緑化
2.伝統文化の継承
3.学校運営費の創出
 

伝統薬草医療師のバニーさんワークショップでは、シェムリアップ在住の伝統薬草医療師であるバニーさんを講師として招き、バイヨン中学校の敷地や村で見つけた薬草/薬木について、伝統医療での使い方なども含めて紹介してもらいました。バニーさんに実際に会う前、私の中では「伝統医療師」は高齢で気難しそうな怖い先生をイメージしていたのですが、バニーさんは年齢も若く、とても気さくな人でイメージと違って意外だったことを覚えています。

クーレン山の絶壁に立つバニーさん人柄は気さくですが、バニーさんは本格的な伝統薬草医療師。カンボジアで最も聖なる山として崇められるクーレン山に工房を持ち、伝統的な手法で山の薬草を採取したり、養蜂を行っています。彼の工房があるクーレン山は、清涼な水が流れ、雄大な木々が生い茂り、まさに「聖山」の名にふさわしい場所だなと感じます。

写真に納まりきらない、大人数が参加したワークショップワークショップを企画し始めた当初は、バイヨン中学校の先生や生徒たちに集まってもらい、校内だけでこじんまりとやろうと思っていたんですが、いろんなご縁が重なり、コッコン州やプレアビヒアなどの校長先生約15人に加え、 日本、香港、台湾などからのオブザーバーを含め総勢50名近くが参加する大ワークショップになりました。  

ワークショップように集められた薬草サンプルワークショップの中では、バニーさんから事前に頂いたリストに載っている植物を、バイヨン中学校の校庭と、中学校が所在するアンコールクラウ村から集めてきました。植物の名前は知っていて、どこに生えているかも分かっていても、それが伝統医療で使われる薬草だとは知らなかったケースが多かったです。どんな薬効があるのか、伝統医療ではどんなふうに使っているのかなどをバニーさんが一つずつ丁寧に説明。参加者は先生たちも生徒もとても熱心に聞き入っていました。最後の質疑応答では質問が次から次へと出てきてびっくりです。伝統医療薬に対する興味が皆すごいです。

薬草について丁寧に紹介するバニーさんバイヨン中学校の学校ハーブ園プロジェクトは、これまで機会があるごとに成功事例として各地で紹介させてもらってきました。そうやって紹介してきたバイヨン中学校と、各州の学校が今回のワークショップで繋がって、これからますます大きな輪になっていく予感がします。

生徒も先生も真剣


他校の先生たちに、バイヨン中学校の学校ハーブ園を案内するルー校長


休憩時間には、皆でハーブティーを飲みました