浪江町で生まれ育ち、原子力従事者として福島第一原発をはじめ、全国の原発で技師として働いてきた今野寿美雄さん。震災当日は宮城県の女川原発で作業中だったそうです。
プロ作業員として培った放射線管理の観点から、継続避難や子供の保養プログラムの重要性を訴え各地で講演活動をされているほか、我々もやいアーチストを始め世界中からのジャーナリストや研究者などの来訪者を、ボランティアで現地案内する活動をしてくださっております。
もやい展主催・中筋は彼と何度も朝まで盃を交わしております。最初は帰還政策の愚かさや未だに牙を剥く土壌汚染の話など専門家ならではの話が酒の肴なのですが、お酒が進むにつれ遠い目をしながら賑やかだった故郷浪江の夜の街の楽しかった思い出、同町津島地区で幼少時代のを話されるのが印象的です。
2020年夏、家族3人で住んでいた浪江町の高台にあるご自宅が解体されてしまいました。周辺は避難指示が解除されているのですが、家の周りはもとより、子供部屋のある二階は依然として線量が高く帰還を断念していました。
4月のもやい展では自宅解体の様子を約1ヶ月半密着撮影した動画作品「9年目の津波」も公開予定です。
福島原発事故の災いの一つでもある「故郷の亡失」とはいかなるものか? 身をもって教えてくださった方のお一人です。
今野寿美雄さん、いつも応援ありがとうございます。
今野寿美雄と申します。
3.11までは、原子力従事者でした。
現在は、浪江町から福島市の復興住宅に避難中です。昨年は、「9年目の津波」が押し寄せ遂に自宅を解体しました。「9年目の津波」とは何か?答えは、作品をご覧ください。
あれから10年という月日が流れました。
もう10年、いや、まだ10年。
各々の表現者が、各々感じた10年を各々の方法で表現しています。
私も「歩く風評被害」と揶揄されながらも、本当の復興は皆がきちんとこの事故と向き合うことから始まると信じて、裁判、講演活動で自分を表現していきます。
皆様にも、ぜひ、この10年を感じて頂きたいと思います。
もやい展の応援御支援を宜しく御願い致します。
なお、現在「9年目の津波」のBGM使用する合唱音源のレコーディングプロジェクトと称して皆さんの歌声を募集いたしております。詳しくは下記の動画(youtubeのページ)をご参照ください。募集期間は2021年1月31日までです!! みなさんふるってご参加ください。応募要領は動画の説明文にあります。